- 英
- juvenile polyp, juvenile polyps
- 関
- ポリープ、若年性ポリポーシス、若年性大腸ポリポーシス
概念
- SSUR.545によれば、若年者に過誤腫性のポリープを生じるものであり、遺伝性が認められる物については、特に若年性大腸ポリポーシスと呼ばれる(SSUR.545) ← ???
- see 若年性ポリポーシス
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2022/10/17 00:30:22」(JST)
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若年性ポリープ(じゃくねんせいぽりーぷ、英: Juvenile polyp、ICD10:D12.6、病名交換用コード:M9HS)は、消化管粘膜の非腫瘍性隆起病変(ポリープ)の一種である。一般的に過誤腫性病変とされ、単発性ポリープ例では癌化することはない。成人期に発見される若年性ポリープは残留性ポリープ(英: retention polyp)と記載されることもある。
常染色体優性遺伝性疾患である若年性ポリポーシス(JPS; OMIM 174900, [1])は若年性ポリープが消化管に多発する疾患である。約20%に癌化が認められる。20 - 50%の家系に胚細胞レベルでの常染色体18番長腕(18q21.1)のSMAD4/DPC4遺伝子の変異が証明されている。
疫学
正確な有病率は知られていない。その名が示す通り幼小児期に発生すると考えられるが、この時期に臨床的に発見される機会は皆無に近い。多くは成人に達し下血や健康診断での便潜血検査陽性による精査を契機に、大腸のX線造影検査や内視鏡検査で検出される機会がほとんどである。結腸・直腸ポリープとしては腺腫性ポリープ、過形成ポリープよりも頻度は稀である。
症状
小腸または結腸・直腸に発生するが、臨床的に発見されるのはS状結腸から直腸が多い。小型(長径1cm前後)で単発の有茎性または亜有茎性ポリープであり、結腸閉塞の原因となることは稀である。多くはポリープの自然脱落をきっかけに下血を生じたり、ポリープ表面のびらん(びらん)が原因で便潜血検査が陽性となり発見されることが多い。小腸に発生し長径が3cmほどに達した有茎性ポリープでは、腸重積(英: intussusception)の原因となり急性腹症として緊急開腹の対象となることもある。
病理組織学的特徴
ポリープ頭はほぼ球形で表面平滑である。表面はびらんを呈する。ポリープ実質は炎症性肉芽組織に類似した間質組織が主体で、毛細血管や線維芽細胞に富み少なからず炎症細胞浸潤を伴っている。これらの間質中に小嚢胞状に拡張した腺管が分布している。腺上皮は既存の小腸や大腸の固有腺上皮の形態を保持している。
細胞遺伝学的な発生論
散発性若年性ポリープでは胚細胞、体細胞レベルでの定常的な遺伝子変異は報告されていない。家族性若年性ポリポーシスの家系の一部ではSMAD4遺伝子変異が原因である。SMAD4蛋白は腫瘍抑制遺伝子の一種でTGF-βシグナル伝達系に関わる細胞質内の蛋白である。SMAD2, SMAD3と蛋白複合体を形成する。これらの複合体は細胞質から核内に移行し、転写因子としてDNAに結合し細胞周期や転写活性の調節に関わっている(Woodford-Richens KL et al, 2001)。若年性ポリープはカウデン症候群、Bannayan-Zonana症候群、Gorlin症候群でも起こる。カウデン症候群、Bannayan-Zonana症候群ではPTEN (10q23.3)、Gorlin症候群ではPTCH (9q31)の変異が認められる。
鑑別疾患リスト
- 腺腫性ポリープ
- 過形成ポリープ
- 家族性ポリポーシス
- 若年性ポリポーシス
- カウデン症候群
参考文献
- Woodford-Richens KL, Rowan AJ, Poulsom R, Bevan S, Salovaara R, Aaltonen LA, Houlston RS, Wright NA, Tomlinson IPM. Comprehensive analysis of SMAD4 mutations and protein expression in juvenile polyposis. Evidence for a distinct genetic pathway and polyp morphology in SMAD4 mutation carriers. Am J Pathol 2001; 159: 1293-1300.
- Sweet K, Willis J, Zhou XP, Gallione C, Sawada T, Alhopuro P, Khoo SK, Patocs A, Martin C, Bridgeman S, Heinz J, Pilarski R, Lehtonen R, Prior TW, Frebourg T, Teh BT, Marchuk DA, Aaltonen LA, Eng C. Molecular classification of patients with unexplained hamartomatous and hyperplastic polyposis. JAMA 2005; 294: 2465-2473.
外部リンク
- 日本医師会大腸ポリープ
- NCBI-OMIM若年性ポリポーシス
UpToDate Contents
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- 1. 慢性鼻副鼻腔炎:マネージメントchronic rhinosinusitis management [show details]
… extensive polyp tissue is associated with more severe symptoms during desensitization and because aspirin therapy slows the regrowth of polyps but minimally reduces existing polyps.… adults and a small randomized trial in children . Of note, it may be important that CRS in children is often associated with adenoiditis,…
- 2. アスピリンによる呼吸器疾患の増悪aspirin exacerbated respiratory disease [show details]
… aspirin therapy and experienced regrowth of nasal polyps despite it. Patients who are younger than 18 years of age, because aspirin use is discouraged in children due to the risk of Reye syndrome, and polyposis …
- 3. 慢性副鼻腔炎の微生物学的および抗菌薬によるマネージメントmicrobiology and antibiotic management of chronic rhinosinusitis [show details]
… prominent in the sinuses of both children and adults with chronic rhinosinusitis. As an example, in one study, middle meatal specimens from patients with CRS without nasal polyps had anaerobic bacterial enrichment …
- 4. アレルギー性鼻炎:臨床症状、疫学、および診断allergic rhinitis clinical manifestations epidemiology and diagnosis [show details]
… or polyp, and the presence of nasal polyps suggests nonallergic rhinitis with eosinophilia syndrome (NARES),… 1.2 million children in 98 countries in the International Study of Asthma and Allergies in Childhood (ISAAC) . The overall prevalence of rhinoconjunctivitis in children aged 6 to 7…
- 5. 嚢胞性線維症:臨床症状および診断cystic fibrosis clinical manifestations and diagnosis [show details]
… Nasal polyposis is seen in 10 to 32 percent of patients and is caused by chronic rhinosinusitis . Clinical manifestations of nasal/sinus polyps range from an asymptomatic… term that describes infants and children with an equivocal diagnosis following newborn screening for CF and is found in 3 to 4 percent of infants with a positive newborn screen .…
Related Links
- 若年性ポリープ (ジャクネンセイポリープ) はどんな病気? 子どもや若い人に発症するポリープを、若年性ポリープといいます。この病気は、小腸、結腸、直腸などの消化器系の粘膜に隆起状のものができることが多いですが、単発性のものならばそこから癌化することはほぼありません。
- 全消化管に良性の過誤腫性ポリープである若年性ポリープが多発する常染色体優性遺伝性疾患である。約25%は家族歴のない弧発例である。生涯ポリープ数は5~200個程度であり、発生部位、時期により全消化管型、胃限局型、大腸限局型、新生児・乳児期発症型に分類される。
- 腫瘍性ポリープには悪性ポリープ (大腸がん)と良性ポリープ (大腸腺腫・大腸鋸歯状腺腫・SSL)が、非腫瘍性ポリープには大腸過形成ポリープ・過誤腫性ポリープ・若年性ポリープ・炎症性ポリープ等があります。. 以前は生検検査にて判断していましたが ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- juvenile polyposis
- 関
- 若年性ポリープ、若年性大腸ポリポーシス
概念
疫学
- 10歳以下(SPE.494)。5歳をピークとした幼児学童(PED.1215)
- 原因不明のものが多いが、遺伝性のものもある。
遺伝形式
分類
発生部位
- 直腸-S状結腸に80%が発生し、85%は単発
- 若年性胃ポリポーシス:胃
- 若年性胃腸管ポリポーシス:胃・小腸・大腸
- 若年性大腸ポリポーシス:大腸 ← 直腸に最も多い。
病態
病理
症状
- (おそらく大腸にポリープが発生している場合)反復する血便(SPE.494)。無痛性直腸出血(PED.1215)。新鮮血の下血・血便(SSUR.683)
- 肛門外に脱出することがある。
合併症
検査
注腸検査?
- (大腸にできるものに関しては)直腸、S状結腸に散在し大きい(YN.A-73)
診断
治療
- 大腸ファイバースコープによる切除 (SSUR.683)
予後
- 悪性化はない (SSUR.683), 悪性化することがある(20%)が少ない(YN.A-75)。10%に悪性腫瘍が合併(医学事典)。
- 自然脱落することがある。
[★]
- 英
- colonic polyp, polyp of large intestine, polyp of the colon
- 関
- 結腸ポリープ、大腸ポリポーシス
概念
- (広義)大腸の管腔内に突出する限局性隆起。腫瘍性から非腫瘍性のものを含む。
- (狭義)上皮性増殖からなる隆起。良性のものを指して言うことが多い。
分類
- 大腸ポリープ全体のなかで大腸腺腫は80%を占める。
疫学
- 40歳代より漸増。50歳以上でよく見られる(SSUR.544)。
- 男女比2:1
病態
病理
- 無茎性(Is)が最も多い。有茎性(Ip)、亜有茎性(Isp)など
症状
- 無症状のことが多いが、まれに消化管出血をきたしうる。しかし、下血を来すほどの出血はしない。
治療
[★]
- 英
- juvenile polyposis
- 関
- 若年性ポリポーシス、若年性ポリープ。大腸ポリポーシス
- 大腸に多発性のポリープを生ずる疾患概念。遺伝性と脾遺伝性で先天奇形を伴う型がある。(SSUR.547)
- ポリープは光沢にとみ発赤調の過誤腫性ポリープ (SSUR.547)
- 腺腫や腺癌を合併することがある。 (SSUR.547)
[★]
- 英
- polyp
- 同
- 茸腫、隆起性病変 protruded lesion
- 関
- ポリポーシス、消化管ポリポーシス
- 平坦な表皮や粘膜表面より突出する形で局所的に増殖する病変
[★]
- 英
- juvenile、young
- 関
- 若年型、若年性、幼若、若い、若齢
[★]
- 英
- juvenile、juvenilis
- 関
- 若年、若年型、幼若、若齢