- 日
- せいはいとう
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清肺湯(せいはいとう)は、漢方薬の一つ。
概要
慢性的な呼吸器疾患や去痰などに用いられてきた漢方薬。明代の古典書「万病回春」[1]に記載されている処方では、16種類の生薬により作られるとある。清肺湯の名称は、咳の原因を(漢方の概念としての)熱が肺に迫っているためと考え、「肺の熱を冷まして除く」の意味である。
ツムラ清肺湯
ツムラが1986年に「ツムラ清肺湯エキス顆粒(医療用)」を発売[2]。
清肺湯ダスモック
小林製薬が2013年に広島地区で限定発売後[3]、2014年に日本国内向けに発売を開始した清肺湯処方を基本とした顆粒薬。喫煙や排気ガスを原因とするせきや痰、慢性閉塞性肺疾患への対応も視野においた漢方薬として企画されたが、発売されると大気汚染に悩まされている中国都市部からの観光客から「神薬」の一つとして見いだされ[4]、人気の土産品となった[5]。
構成生薬
原典「万病回春」には基本の生薬13種類に対して、症状に応じて細かな生薬の使用・不使用を指示がある。
ツムラの例
ツムラのエキス剤「ツムラ清肺湯」の原生薬は以下の16種類[6]。
当帰(トウキ)、麦門冬(バクモンドウ)、茯苓(ブクリョウ)、黄芩(オウゴン)、桔梗(キキョウ)、杏仁(キョウニン)、山梔子(サンシシ)、桑白皮(ソウハクヒ)、陳皮(チンピ)、天門冬(テンモンドウ)、貝母(バイモ)、甘草(カンゾウ)、五味子(ゴミシ)+ 大棗(タイソウ)、生姜(ショウキョウ)、竹茹(チクジョ)
小林製薬の例
小林製薬のダスモックb(錠剤)で原生薬は以下の16種類[7][8]で、分量は別として種類はツムラと同じ。
黄芩(オウゴン)、桔梗(キキョウ)、桑白皮(ソウハクヒ)、杏仁(キョウニン)、山梔子(サンシシ)、天門冬(テンモンドウ)、貝母(バイモ)、陳皮(チンピ)、大棗(タイソウ)、竹筎(チクジョ)、茯苓(ブクリョウ)、当帰(トウキ)、麦門冬(バクモンドウ)、五味子(ゴミシ)、生姜(ショウキョウ)、甘草(カンゾウ)
脚注
- ^ 「万病回春」- 早稲田大学図書館
- ^ “088 清肺湯 - 医療用漢方製剤2018 -148処方の添付文書情報-”. 日本漢方生薬製剤協会. 2020年2月23日閲覧。
- ^ 地区限定発売『ダスモック』小林製薬ホームページ(2013年9月)2017年1月22日閲覧
- ^ 日本の漢方薬がPM2.5対策になる!?中国人の新たな爆買い対象に Record china(2017年1月18日)2017年1月22日閲覧
- ^ 中国人が日本の漢方薬を買い求める理由、まさに逆転現象=中国報道サーチナ(2017年1月18日)2017年1月22日閲覧
- ^ “清肺湯(セイハイトウ) - ツムラの漢方処方解説”. ツムラ. 2020年2月23日閲覧。
- ^ “成分・分量 - ダスモックb(錠剤)”. 小林製薬. 2020年2月23日閲覧。
- ^ “地区限定発売『ダスモック』”. 小林製薬 (2013年9月). 2020年2月23日閲覧。
関連項目
Japanese Journal
- 清肺湯による気道線毛運動活性化機構 (第16回肺サーファクタント分子病態研究会)
- 小木曾 遥香,池内 優紀子,角谷 昌子,細木 誠之,中張 隆司,丸中 良典
- 分子呼吸器病 22(1), 102-105, 2018-03
- NAID 40021498006
- Science of Kampo View 咳嗽に対するメカニズム 麦門冬湯と清肺湯の基礎
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ツムラ辛夷清肺湯エキス顆粒(医療用)
組成
- 本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス4.5gを含有する。
日局セッコウ 5.0g
日局バクモンドウ 5.0g
日局オウゴン 3.0g
日局サンシシ 3.0g
日局チモ 3.0g
日局ビャクゴウ 3.0g
日局シンイ 2.0g
日局ビワヨウ 2.0g
日局ショウマ 1.0g
添加物
効能または効果
- 通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 胃腸の虚弱な患者[食欲不振、胃部不快感、軟便、下痢等があらわれることがある。]
- 著しく体力の衰えている患者[副作用があらわれやすくなり、その症状が増強されるおそれがある。]
重大な副作用
間質性肺炎
- 発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、発熱、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、ただちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと。
肝機能障害、黄疸
- AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTPの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
腸間膜静脈硬化症
- 長期投与により、腸間膜静脈硬化症があらわれることがある。腹痛、下痢、便秘、腹部膨満等が繰り返しあらわれた場合、又は便潜血陽性になった場合には投与を中止し、CT、大腸内視鏡等の検査を実施するとともに、適切な処置を行うこと。なお、腸管切除術に至った症例も報告されている。
薬効薬理
作用機序
- 本剤は、以下の作用により薬理効果を示すことが示唆されている。
抗炎症作用
ヒト由来好中球において、fMLP刺激による活性酸素産生を抑制したが、オプソニン化ザイモザン刺激による活性酸素産生には影響しなかった(in vitro)1)。
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- 肺、五臓
(漢方医学における)肺の機能
- 1. 呼吸により宗気を摂取する
- 2. 水穀の気の一部を赤色化し血を生成し、一部を水に転化する。
- 3. 皮膚の機能を制御し、その防衛力を保持する。
症状
治療
[★]
- 日
- おうごん
- 英
- Scutellaria root, baical skullcap root
- ラ
- Scutellariae radix
- 同
- オウゴン、黄ごん
- 関
- コガネバナ、Scutellaria baicalensis
- 生薬
- 健胃薬
- フラボノイド(baicalin)
- 少陽病の治療方剤である多くの黄連剤、柴胡剤に含まれる。
- 少陽病・心下痞硬型(黄連剤)
- 薬理作用:清熱作用、抗炎症作用
- 副作用:間質性肺炎、肝機能障害・黄疸、膀胱炎を表す漢方方剤の中に黄芩を含むものが比較的多い
黄芩を含む漢方方剤
参考
- *http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%82%AC%E3%83%8D%E3%83%90%E3%83%8A
[★]
- 英
- idiopathic mesenteric phlebosclerosis, IMP
- 関
- 山梔子 サンシシ、間膜静脈、腸間膜静脈硬化症
漢方薬
- サンシシに含まれるゲニポシドが腸間膜静脈の石灰化と関連していると考えられている。
山梔子を含む方剤
参考
- http://ci.nii.ac.jp/naid/10030293861
- https://www.jstage.jst.go.jp/article/gee/54/3/54_3_455/_pdf
[★]
- 関
- 辛夷清肺湯、漢方製剤
[★]
- 関
- 漢方製剤、清肺湯