- 英
- dopamine receptor DA-R
- 同
- ドーパミン受容体
- 関
- ドパミン、ドーパミン作動性ニューロン、受容体、カテコールアミン受容体
[show details]
- GOO.249
- 7回膜貫通型Gタンパク共役型受容体
- D1受容体
- Gs:アデニル酸シクラーゼ活性化→[cAMP]i↑
- 低用量での血管拡張はこの受容体を介して起こる
- 大脳基底核の神経回路では直接路にかかわる(SP.377)。
- Gi:アデニル酸シクラーゼ抑制→[cAMP]i↓、K+チャネル活性化、Ca2+チャネル抑制
- 中枢神経系に存在
- シナプス後ニューロン、ドーパミン作動性ニューロンの細胞体・樹状突起・軸索・終末部に存在し、興奮性の調節に関わる
- autoreceptor
- 大脳基底核の神経回路では間接路にかかわる(SP.377)。
作動薬(アゴニスト)
拮抗薬(アンタゴニスト)
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/11/09 23:39:09」(JST)
[Wiki ja表示]
ドーパミンD3受容体の構造(エチクロプリドとの複合体)
ドーパミン受容体(ドーパミンじゅようたい、英: dopamine receptor)は主に中枢神経系にあるGタンパク質共役受容体(GPCR)の一種であり、神経伝達物質であるドーパミンと結合する。
目次
- 1 型分類
- 1.1 ドーパミンD1様受容体ファミリー(興奮性)
- 1.2 ドーパミンD2様受容体ファミリー(抑制性)
- 2 脚注
- 3 関連項目
|
型分類
現在知られているドーパミンの受容体は5つある。下記の2群に分け、それぞれ興奮性、抑制性に作用すると論じられることが多いが、実際にはドーパミンの薬理学的、電気生理学的作用は単純ではない[1]。興奮性、抑制性作用の議論は主として、即時型遺伝子 (immediate early gene, IEG) の発現の増加、減少の観察にもとづいている[2]。
ドーパミンD1様受容体ファミリー(興奮性)
ドーパミンD1様受容体の活性化はGタンパク質のGαsと共役し、それによってアデニル酸シクラーゼが活性化され細胞内のcAMP濃度が上昇する。プロテインキナーゼA (PKA) の活性によってDARPP32がリン酸化される。その後の機序はまだ不明の点が多いが、即時型遺伝子の発現が上昇することから、神経細胞(ニューロン)は活動電位を生じ易くなると考えられている。ただし実際の作用は単純ではない[1]。また、腎臓など内蔵血管の平滑筋にも分布しており、cAMP濃度の上昇によって筋を弛緩させる。
- ドーパミンD1受容体
- ドーパミンD5受容体
- D1受容体に比べると脳での発現量は少ない。
ドーパミンD2様受容体ファミリー(抑制性)
D2様受容体の活性化はGタンパク質のGαiと共役し、Gαiがホスホジエステラーゼの活性を高め、ホスホジエステラーゼによってcAMPが分解される。その後の機序にはまだ不明の点が多いが、即時型遺伝子の発現が低下することから、最終的にニューロンの発火を抑制すると考えられている。ただし実際の作用は単純ではない[1]
- ドーパミンD2受容体
- ヒトとラットの両方において、選択的スプライシングによって短いタイプ(D2SまたはD2 short)と、29アミノ酸だけ長いタイプ(D2LまたはD2 long)のアイソフォームが作られる[3][4]。
- ドーパミンD3受容体
- D3受容体の発現はカレハ島(island of Calleja)や側坐核に最も顕著である[5]。
- ドーパミンD4受容体
- この遺伝子が犬などの気質に関連すると研究される[6]。
統合失調症の陽性症状を改善するのはドーパミンD2受容体拮抗作用をもつ抗精神病薬であるとされている[7]。
脚注
- ^ a b c “Dopaminergic modulation of neuronal excitability in the striatum and nucleus accumbens.”. Annual Review of Neuroscience 23 (2): 185-215. (2000). doi:10.1146/annurev.neuro.23.1.185. PMID 10845063.
- ^ “Molecular effects of dopamine on striatal-projection pathways.”. Trends Neurosci 23 (10 Suppl): S64-70. (2000). doi:10.1016/S1471-1931(00)00019-7. PMID 11052222.
- ^ “The dopamine D2 receptor: two molecular forms generated by alternative splicing”. EMBO J 8 (13): 4025-34. (Dec 1989). PMID 2531656.
- ^ “Multiple D2 dopamine receptors produced by alternative RNA splicing”. Nature 342 (6252): 926-9. (Dec 1989). PMID 2480527.
- ^ “Coexpression of dopamine D1 and D3 receptors in islands of Calleja and shell of nucleus accumbens of the rat: opposite and synergistic functional interactions.”. Eur J Neurosci 10 (5): 1676-86. (May 1998). PMID 9751140.
- ^ 村山美穂. “行動特性の育種改良を目指した,家畜の脳内物質関連遺伝子の解析”. 2009年12月26日閲覧。
- ^ Seeman, P., and Tallerico, T. (1998). “Antipsychotic drugs which elicit little or no Parkinsonism bind more loosely than dopamine to brain D2 receptors, yet occupy high levels of these receptors”. Mol. Psychiat. 3: 123-134. PMID 9577836. http://www.nature.com/mp/journal/v3/n2/abs/4000336a.html.
関連項目
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- CIN85はドーパミン受容体のエンドサイトーシスを制御しマウスの行動に影響を及ぼす
- 西 昭徳,黒岩 真帆美,首藤 隆秀
- 日本薬理学雑誌 135(1), 8-13, 2010-01-01
- … ドパミンは精神運動機能を調節する神経伝達物質であり,ドパミン情報伝達系の中でcAMP/PKAシグナルが中心的役割を担っている.cAMP産生を調節するドパミン受容体機能に加え,cAMPを分解するホスホジエステラーゼ(PDE)はドパミン情報伝達制御において極めて重要である.ドパミン神経の投射を受ける線条体にはPDE1B,PDE7B,PDE10Aの発現が高く,精神機能調節に重要なPDE4Bも多く発現している.1つの神経には複数のPDEア …
- NAID 10026543914
- アンチエイジングドラッグの可能性(6)脳機能改善薬--SSRI,アルツハイマー治療薬
Related Links
- 現在知られているドーパミンの受容体は5つある。下記の2群に分け、それぞれ興奮性、 抑制性に作用すると論じられることが多いが、実際にはドーパミンの薬理学的、電気 生理学的作用は単純ではない。興奮性、抑制性作用の議論は主として、即時型遺伝子 ...
- ドーパミンはそういう化学物質のひとつです。放出されたドーパミンは受け手のニューロン の膜にある受容体(この場合はドーパミンがくっつくのでドーパミン受容体といいます) というたんぱく質にくっつきます。ドーパミン受容体には現在5種類あることがわかってい ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097G106]←[国試_097]→[097G108]
[★]
- 英
- chemoreceptor trigger zone, CTZ
- 関
- 嘔吐、嘔吐中枢、催吐薬、鎮吐薬
[show details]
化学受容器引き金帯 : 約 11,900 件
化学受容器引金帯 : 約 11,100 件
化学受容器誘発帯 : 1 件
化学受容器引き金領域 : 0 件
化学受容器引金領域 : 2 件
化学受容器誘発領域 : 0 件
化学受容体引き金帯 : 約 11,900 件
化学受容体引金帯 : 約 42 件
化学受容体誘発帯 : 約 21 件
化学受容体引き金領域 :
化学受容体引金領域 : 2 件
化学受容体誘発領域 : 2 件
化学受容器引き金帯 CTZ : 91 件
化学受容器引金帯 CTZ : 99 件
化学受容器誘発帯 CTZ : 1 件
化学受容器引き金領域 CTZ : 0 件
化学受容器引金領域 CTZ : 2 件
化学受容器誘発領域 CTZ : 0 件
化学受容体引き金帯 CTZ : 28 件
化学受容体引金帯 CTZ : 41 件
化学受容体誘発帯 CTZ : 約 15 件
化学受容体引き金領域 CTZ :
化学受容体引金領域 CTZ : 2 件
化学受容体誘発領域 CTZ : 1 件
概念
- 化学物質による刺激の入力を受け、延髄の外側網様体に存在する嘔吐中枢を興奮させる
- 血液脳関門が存在しないので、血液中の化学物質(薬物、重金属、代謝産物)をモニターして化学受容器引金帯が興奮する。
- ドパミン受容体を持ち、受容体刺激により嘔吐が引き起こされる。
- apomorphine, ergotalkaloide, morphine
- 中枢性鎮吐薬はドパミン受容体を遮断する。
解剖
[★]
- 英
- D2 receptor
- 関
- ドパミン、ドパミン受容体、受容体
- リガンド:ドパミン
- 受容体の型:7回膜貫通型G蛋白質共役受容体
- サブユニットの型:Gi:アデニル酸シクラーゼ抑制→[cAMP]i↓、K+チャネル活性化、Ca2+チャネル抑制
- 局在:中枢神経系に存在
- 機能:
[★]
- 英
- risperidone
- 商
- リスパダール Risperdal
- 関
- 抗精神病薬、非定型抗精神病薬。精神神経用剤
- SDA serotonin dopamine antipsychotic
[★]
- 英
- catecholamine receptor
- 同
- カテコラミン受容体
- 関
- アドレナリン受容体、ドパミン受容体
- ムスカリン性受容体も7回膜貫通型のGタンパク質共役型受容体
細胞内情報伝達系(SP.413)
- アデニル酸シクラーゼを介する経路 Gs/Gi
- PKCを介する経路 Gq
- Gタンパク質がイオンチャネルを直接支配
[★]
- 英
- dopamine receptor
- 関
- ドパミン受容体、ドーパミン受容体、ドーパミンレセプター
[★]
- 英
- dopamine DA DOA 3,4-dihydroxyphenethylamine
- 同
- ドーパミン
- 化
- 塩酸ドパミン, dopamine hydrochloride, ドパミン塩酸塩
- 商
- イノバン、イブタント、カコージンD、カコージン、カタボン、ガバンス、クリトパン、ツルドパミ、ドパラルミン、ドミニン、トロンジン、プレドパ、マートバーン、ヤエリスタ
- 関
- ドパミン受容体、カテコラミン。強心剤
概念
生合成
視床下部-下垂体系
- 視床下部弓状核や脳室周辺の隆起漏斗系ドパミンニューロンで産生される。
- 下垂体のD2受容体を介してホルモン分泌の調節を受けている。 → e.g. プロラクチン放出抑制ホルモン(PIF)
- 低用量での血管拡張はこの受容体を介して起こる (GOO.249)
- 中枢神経系に存在
神経伝達物質の薬理 (GOO.324)
薬理学
- D1受容体に作用して血管拡張→腎血流量↑→GFP↑→Na排出↑→利尿
- β1受容体に作用→心拍出量↑・心収縮力↑(頻脈はない)・収縮期圧↑・拡張期圧不変
- アドレナリン低用量投与と同じ?
- α1受容体に作用→血管平滑筋収縮(→収縮期圧↑、拡張期圧↑???)
- アドレナリン高用量投与と同じ?
ran]]
(PT.218)
- 中脳に細胞体を持つものが多く、黒質から線条体に至る黒質線条体系と黒質や腹側被蓋野から報酬系の神経核、辺縁系、前頭葉に至る中脳皮質系がある。視床下部やその周辺にもドーパミン作動性線維の細胞体とその終末があり、隆起漏斗系、隆起下垂体系、不確帯視床下部系、脳室周囲系を形成する。黒質線条体系の変性はパーキンソン病をもたらす。ドーパミン誘導体には幻覚剤となるものがある。ドーパミンの分泌増大や脳のD2受容体の増加は精神分裂病(統合失調症)の発病に関与している可能性がある。モルヒネはドーパミンの分泌を促進する。コカインは輸送体によるドーパミンの取り込みを阻害し作用の持続時間を延長する。一部の覚醒剤中毒はドーパミン輸送体の抑制による。
ホルモンの調節
- プロラクチンは視床下部でドパミンの産生を促進 ← プロラクチン抑制因子として作用
- ドパミンは視床下部でGnRHの分泌を抑制 → 卵巣機能の抑制
- ドパミンは下垂体前葉?でD受容体に作用してプロラクチンを抑制 ← 抗精神病薬(D2受容体をブロックする)を使うと高プロラクチン血症となる。
循環不全治療薬として
- イノバン
- 下記のような急性循環不全(心原性ショック、出血性ショック)
- (1) 無尿、乏尿や利尿剤で利尿が得られない状態 ← 低濃度で用いれば、腎血流を増加させ尿量の増加が期待できる → ドパミン#薬理学
- (2) 脈拍数の増加した状態 ← 高濃度でなければ、頻脈を起こさず心拍出量を増やす。 → ドパミン#薬理学
- (3) 他の強心・昇圧剤により副作用が認められたり、好ましい反応が得られない状態
[★]
- 英
- receptor
- 同
- レセプター、リセプター
- 関
種類
First Aid FOR THE USMLE STEP 1 2006 p.199
一般的作動薬
|
受容体
|
G protein subunit
|
作用
|
アドレナリン ノルアドレナリン
|
α1
|
Gq
|
血管平滑筋収縮
|
α2
|
Gi
|
中枢交感神経抑制、インスリン放出抑制
|
β1
|
Gs
|
心拍数増加、収縮力増加、レニン放出、脂肪分解
|
β2
|
骨格筋筋弛緩、内臓平滑筋弛緩、気道平滑筋弛緩、グリコーゲン放出
|
β3
|
肥満細胞脂質分解亢進
|
アセチルコリン
|
M1
|
Gq
|
中枢神経
|
M2
|
Gi
|
心拍数低下
|
M3
|
Gq
|
外分泌腺分泌亢進
|
ドーパミン
|
D1
|
Gs
|
腎臓平滑筋弛緩
|
D2
|
Gi
|
神経伝達物質放出を調節
|
ヒスタミン
|
H1
|
Gq
|
鼻、器官粘膜分泌、細気管支収縮、かゆみ、痛み
|
H2
|
Gs
|
胃酸分泌
|
バソプレシン
|
V1
|
Gq
|
血管平滑筋収縮
|
V2
|
Gs
|
腎集合管で水の透過性亢進
|
チャネルの型による分類(SP. 154改変)
イオンチャネル連結型受容体
Gタンパク質共役型受容体
受容体とシグナル伝達系
リガンド、受容体、細胞内情報伝達系
PKA,PKC
癌細胞における
[★]
- 英
- accept, acceptance
- 関
- 受け取る、承認、受諾、認容、認める、受け入れる
[★]
- 英
- body
- ラ
- corpus、corpora
- 関
- 肉体、身体、本体、コーパス、ボディー