- 英
- circadian rhythm sleep disorder
- 同
- 睡眠覚醒スケジュール障害 sleep-wake schedule disorder
- 関
- 睡眠相前進症候群、睡眠相後退症候群、交代勤務睡眠障害
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/05/10 01:07:45」(JST)
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概日リズム睡眠障害 |
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
G47.2 |
ICD-9 |
327.3, 780.55 |
MeSH |
D021081 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
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概日リズム睡眠障害(がいじつリズムすいみんしょうがい)とは、概日リズムの障害に基づくと考えられる睡眠障害の一群である。概日リズム睡眠障害を持つ人は出勤、登校、その他の社会生活において要求される通常の時間に寝起きすることができない。もし自らの体内時計の要求する時間に寝起きすることが許されるのならば、彼らは通常十分な睡眠をとることができる。その他の睡眠障害を併せ持っていない限り睡眠の質も通常である。
人は、概日リズムとして知られる約24時間周期の体内時計を持っており、これに従って一日の生活を送る。体内時計の影響により、眠気は時間経過と共に増加の一途をたどる訳ではない。人の睡眠に対する要求と熟睡する能力は、「十分な睡眠から目覚めた後からの経過時間」と「内在的な概日リズム」の両方に影響される。このように、体は一日の違う時間帯に睡眠と覚醒に適した状態になる。
目次
- 1 概日リズム睡眠障害の分類
- 2 通常の概日リズム
- 3 概日リズムの異常
- 4 概日リズム睡眠障害の治療
- 5 関連項目
- 6 脚注
|
概日リズム睡眠障害の分類 [編集]
概日リズム睡眠障害は次のように分類される。
外因性 [編集]
- 時差ぼけ: 時差の大きい地域へ短時間で移動することによって起こる。一時的に睡眠・覚醒障害、易疲労感、胃腸障害などの症状がみられる。
- 交代勤務性睡眠障害: 夜間労働者などに起こる睡眠障害。日中の入眠困難、易疲労感、胃腸障害などの症状が現れる。
内因性 [編集]
- 睡眠相後退症候群: (Delayed sleep phase syndrome, DSPS) 睡眠相が望ましい時間帯から遅れて固定し、前進させることが困難な状態。
- 睡眠相前進症候群: (Advanced sleep phase syndrome,ASPS) 睡眠相が望ましい時間帯から慢性的に前進しており、後退させることが困難な状態。
- 非24時間睡眠覚醒症候群:24時間周期の環境で生活しているにも係わらず入眠・覚醒の時刻が次第に遅れ、24時間より長い周期で推移する状態。
- 不規則型睡眠・覚醒パターン:睡眠や覚醒の出現が不規則に起こり、一日に複数回睡眠する。
通常の概日リズム [編集]
健全な概日リズムを持つ人々の中には、早寝・早起きを好む「朝型」(ヒバリ型)の人と、逆に遅く眠り、遅く起きる「夜型」(フクロウ型)の人がいる。 朝型か夜型かに係わらず、通常の概日リズムを持つ人は、
- 朝は予定した時間に起きる事ができ、夜は十分な睡眠がとれるように予定した時間に入眠することができる。
- 望みどおりに、毎日同じ時間に睡眠・覚醒できる。
- いつもより早く起きなければならない新生活を始めた後も、数日経てば夜もいつもより早く眠ることができるようになる。例えば、午前1時に眠り、午前9時に起きる習慣のある人が、新しい仕事に就き、月曜日からは午前6時に起きなくてはならなくなったとする。その人は次の金曜日までには、午後10時ごろに眠り始め、午前6時に起きる事ができる。この早い睡眠・覚醒時間への適応は「睡眠相の前進」としてしられる。健康な人は、睡眠相を一日におよそ1時間前進させることができる。
研究者らによって時計や光など、時刻情報となるものを排除した特別な施設で被験者に生活してもらう実験が行われた。時刻情報がないと被験者たちは、一日一時間ずつ就寝・起床の時間が遅れていく傾向があった。これらの実験は人の概日リズムの「自由継続周期」は約25時間であることを示したようであった。しかし、これらの被験者は人工的な照明を自分でコントロールすることを許されていたので、主観的夜に付けていた位相の後退を起こしていた。最近の研究では、すべての年齢の成人で自由継続周期が平均24時間11分であることが示された。24時間の昼・夜のサイクルを維持するためには、体内時計は規則的な環境の時刻情報、例えば日の出、日の入り、毎日の繰り返し作業などが必要である。時刻情報は通常の人の概日リズムを、外界と調和させている。
概日リズムの異常 [編集]
非24時間睡眠覚醒症候群のような慢性的な概日リズム睡眠障害は、環境の時刻情報に反応して睡眠覚醒リズムを調節する能力の低下が原因であると考えられている。 例えば、これらの人達は通常より長い概日リズムを持っており、時刻情報に十分に反応することができないと考えられている。より罹患者の多い睡眠相後退症候群(DSPS)の人は、環境の24時間サイクルに合わせて活動するが、非24時間睡眠覚醒症候群の患者は、社会的に受け入れられる時間帯に寝起きできず、例えば午前4時に就寝し正午に起床し、それが日に日にずれていくなど社会生活をおくる事が困難な状況となってしまう。
概日リズム睡眠障害の治療 [編集]
概日リズム睡眠障害には以下のような治療法が考えられる。
- 行動療法は、患者に昼寝やカフェインなどの刺激剤を避けることや、睡眠と性交以外のときにベッドに入らないことを指示する。
- 高照度光療法は、生物的な概日リズム調整の仕組みを使って、睡眠を遅らせたり早めたりする。患者は、睡眠相の前進か後進に適した時間に、一回に30分~60分の間、10000ルクス以内の高照度の光に曝される。
- メラトニンのような自然な眠りをもたらす薬や、覚醒をもたらす薬、また短時間作用型睡眠薬などは有益になりえる。タシメルテオンは第三相臨床試験において有効性が認められた。
- 時間療法では毎日1~2時間ずつ寝る時間を遅らせたり早めたりして調節する。[1]
関連項目 [編集]
- 睡眠障害
- 睡眠相後退症候群
- 睡眠相前進症候群
- 光療法
脚注 [編集]
- ^ http://my.clevelandclinic.org/Documents/Sleep_Disorders_Center/Circadian_Rhythm.pdf The Cleveland Clinic Guide to Sleep Disorders by Nancy Foldvary-Schaefer, DO
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Japanese Journal
- 概日リズム睡眠障害の臨床と病態 (特集 睡眠障害診療の進歩) -- (睡眠障害の診断関連の最近の進歩について)
- 概日リズム睡眠-覚醒障害(概日リズム睡眠障害) (特集 高齢者の睡眠障害 : 健康睡眠を目指して) -- (高齢者の睡眠障害の分類と成因)
- 高齢者の概日リズム睡眠障害 (特集 高齢者の睡眠障害)
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- 概日リズム睡眠障害とは. 昼夜のサイクルと体内時計のリズムが合わないため、1日の 中で社会的に要求される、あるいは自ら望む時間帯に睡眠をとることができず、活動に 困難をきたすような睡眠障害をいいます。
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- insomnia
- 関
- 睡眠薬、睡眠、睡眠障害、熟眠障害。睡眠障害国際分類
概念
分類
原因
- ジェット・時差症候群
- 交替制勤務による不眠症
- ASPS(DSDP)
- non-24 SWRS
5つのP
- 1. 身体的 疼痛、発熱、かゆみ
- 2. 生理的 時差、交替制勤務
- 3. 生理的 ストレス、重大な人生の変化など
- 4. 精神医学的 うつ病、統合失調症、アルコール依存症」
- 5. 薬理学的 カフェイン、ニコチン
KPS.822
[★]
- 英
- advanced sleep phase syndrome
- 関
- 概日リズム睡眠障害、睡眠相後退症候群、交代勤務睡眠障害
[★]
- 英
- sleep-wake schedule disorder
- 関
- 概日リズム睡眠障害
[★]
- 同
- 概日リズム睡眠障害
[★]
- 同
- 概日リズム睡眠障害
[★]
- 英
- sleep disorder, sleep disturbance
- 関
- 睡眠、睡眠薬、交代勤務睡眠障害
- 関
- 不眠、慢性不眠症、原発性不眠症、一過性不眠症、反跳性不眠。睡眠覚醒障害
分類
-
- KPS.393
原因別の分類
- 例
治療
-
- 起床後に太陽に当たるようにする
- 休日でも同じ時刻に起床するようにする
- 1日3回の食事を規則正しく取るようにする
- 運動習慣を身につけるようにする
- 夕方以降の昼寝は避けるようにする。(15時までに30分以内にする)
- 部屋の照明を明るくしすぎないようにする
- 寝る前のカフェイン摂取は控えるようにする
- 就寝前の喫煙は控えるようにする
- 寝酒としての飲酒は控えるようにする
- 就寝前にリラックスできる習慣を身につける(読書、音楽、入浴、ストレッチ、アロマテラピー)
- 就寝時刻にこだわらずに、眠たくなったらベットにはいるようにする
参考
- http://en.wikipedia.org/wiki/DSM-IV_Codes#Sleep_disorders
[★]
- 英
- sleep
- 関
- 睡眠段階。睡眠障害
- 覚醒と睡眠を定期的に反復している。
- 睡眠は持続的な意識消失と全般的な身体機能の低下状態を伴っている。
- 睡眠にはサーカディアンリズムに従い身体を睡眠状態に導く仕組みと覚醒状態を維持する仕組みが関わっている。
- 夜になるとメラトニンがメラトニン受容体に作用し、身体を活動から急速状態に切り替えることで自然な睡眠を導いている。
- 覚醒状態を保つ仕組みとして、オレキシンという脳内物質がオレキシン受容体に作用することで脳を活動状態に維持している。
- 睡眠時間は新生児は1日約16時間眠り、レム睡眠が睡眠時間の50%以上を占める。
- 生後4ヶ月になるとレム睡眠児間は40%以下になり、レム睡眠量は40%以下となる。
- 睡眠時間は高齢者では短くなり、昼の睡眠が見られるようになる。
[★]
- 英
- disorder、impairment、dysfunction、damage、difficulty、(妨げ)barrier、impediment、obstacle、disturbance、foe、(化学)hindrance、disorder、impair、lesion
- 関
- 妨げ、撹乱、関門、機能障害、機能不全、困難、傷害、障壁、損なう、損傷、ダメージ、破壊、破損、バリヤー、病変、不安、妨害、乱れ、無秩序、機能異常症、敵、疾患、バリア、バリアー、機能異常、機能不全症
[★]
- 英
- circadian rhythm
- 同
- サーカディアンリズム
- 同
- 概日周期、サーカディアンリズム、日周期リズム
- 関
- 日周期性
[★]
harm、hazard、injure
- 関
- 危険、損傷、ハザード、傷害を与える、害する