- 3歳の女児。今朝から立てないことを主訴に来院した。2週前水痘に罹患し、痂皮形成がみられる。昨日は歩行時にふらついていた。意識は清明。身長96cm、体重14.2kg。発音が不明瞭である。両方向性の水平眼振を認める。聴診で胸部に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触れない。項部硬直は認めない。指指試験、指鼻試験および腫膝試験は拙劣である。手指振戦を認める。膝蓋腱反射は正常で、Babinski徴候は陰性である。筋緊張はやや低下しているが、筋力低下はない。血液所見:赤血球452万、Hb13.6g/dl、Ht38%、白血球6,200。CRP0.2mg/dl(基準0.3以下)。脳脊髄液所見:初圧120mmH2O、細胞数0/mm3、蛋白17mg/dl(基準15~45)、糖58mg/dl(基準50~75)。
- a. 急速に軽快する。
- b. 徐々に軽快する。
- c. 症状は持続する。
- d. 徐々に悪化する。
- e. 急速に悪化する。
[正答]
※国試ナビ4※ [097A048]←[国試_097]→[097A050]
★リンクテーブル★
[★]
- 42歳の男性。1か月前に突然出現した口渇、多飲および多尿を主訴に来院した。尿量は1日7.5lで、冷水を好んで飲み、夜間も排尿のために5、6回起きる。頭痛と視野障害とはない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血清生化学所見:総蛋白7.6g/dl、アルブミン4.1g/dl、尿素窒素8mg/dl、クレアチニン0.8mg/dl、尿酸4.5mg/dl。血清浸透圧290mOsm/l(基準275~288)。診断に有用な検査はどれか。
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097A049]←[国試_097]→[097A051]
[★]
- 7歳の男児。右前腕の激痛を訴え母親に連れられて受診した。8時間前、右上腕骨顆上骨折に対して徒手整復後ギプス固定を受けている。直ちにギプスを除去したが症状は改善しない。右橈骨動脈は弱く触知する。右手指を他動的に伸展すると疼痛は著しく増強する。適切な処置はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [097A047]←[国試_097]→[097A049]
[★]
- 英
- acute cerebellar ataxia
- 同
- (国試)急性小脳失調
概念
- 幼小児において、非特異的感染症に罹患後、数日~14日後に発症する急性の小脳失調。
疫学
病因
- 水痘脳炎の1/3、麻疹や風疹脳炎の10-15%の症例で認められる(SPE.642)
- 小児例では水痘、成人例ではEBウイルス(YN.J-143)
症状
- 突然の歩行障害で発症。小脳性失調歩行、体感の動揺、筋力低下、振戦、眼球の異常運動(SPE.642)
検査
- SPE.642
- 脳脊髄液検査:正常だが、時に細胞数や蛋白質の軽度上昇があり得る。
- 脳波:急性期に広汎徐波
- MRI:急性期に小脳腫脹、小脳や脳幹のT2強調画像で高信号
診断
鑑別疾患
- 潜在性の神経芽細胞腫、後頭蓋窩脳腫瘍、急性迷路炎、代謝異常症の急性悪化、薬物中毒
治療
- 必要ないが、遷延する場合には副腎皮質ステロイドを(SPE.642)
予後
国試