- 英
- Rett syndrome、Rett's syndrome、RS
- 同
- Rett症候群
- 関
- 自閉症
- 女児に発症する退行性発達障害。
- 乳児期後半に発達退行、知能障害、自閉傾向、痙攣、錐体路症状、体幹失調、小頭症をきたす。
- 持続的に手もみ運動を示す。
- 進行性に小頭症が目立つ
- 病理:脳の萎縮、黒質新生細胞の色素減少
- 原因遺伝子:Xq28 メチルCpG結合蛋白2遺伝子の異常
- オーストリア Andreas Rett により最初に報告された。
参考
- http://omim.org/entry/312750
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/05/23 07:31:47」(JST)
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レット症候群(レットしょうこうぐん、英Rett Syndrome)とは、ほとんど女児に起こる進行性の神経疾患であり、知能や言語・運動能力が遅れ、小さな手足や、常に手をもむような動作や、手をたたいたり、手を口に入れたりなどの動作を繰り返すことが特徴である。
1966年にウィーンの小児神経科の医師であるアンドレアス・レット (en:Andreas Rett) によって最初の症例が発表された神経疾患で、彼の名を取って名付けられた。英語ではRTTとも略される。日本では小児慢性特定疾患に指定されている。
目次
- 1 疫学
- 2 症状
- 3 原因
- 3.1 MECP2遺伝子
- 3.2 突発的遺伝子異常
- 3.3 性とレット症候群
- 4 治療
- 5 外部リンク
疫学
レット症候群の発症率は、女児10,000人から20,000人に1人といわれている。
症状
生後六ヶ月から一年六ヶ月の頃に発症するが、それまでの周産期や出産前後は一見正常である。兆候症状には認識の悪化や社会性に伴う問題を含み、後者は退化時期の間に見られる。児童期には体幹失調・脊椎変形・舞踏病様運動・てんかん発作が現れ、進行性。運動機能が崩壊する。精神遅滞は重度。英語版の記述によれば、80%以上がてんかん等の突発的発作を持ち、50%あまりが歩行困難。この障害はアンジェルマン症候群、脳性麻痺、自閉症と誤診されることもある。
原因
レット症候群はX染色体上に存在するMECP2遺伝子の突然変異によって引き起こされ、レット症候群と診断された患者の95%がこのMECP2遺伝子に変異を持つ。稀に、レット症候群の症状はCDKL5遺伝子の異常によっても引き起こされる。
MECP2遺伝子
MECP2遺伝子は、MECP2というタンパク質に翻訳され、X染色体の長腕の終わり近く (Xq28) に見られる。MECP2はメチル化CpG結合タンパク質2 (Methyl CpG binding protein 2) とも呼ばれ、メチル化したDNAのシトシン残基に結合し、他の遺伝子の発現を制御する転写因子である(エピジェネティクスによる遺伝子発現制御とも呼ばれている)。 MECP2は神経細胞以外の細胞でも広く見られ、多くの遺伝子発現制御に関わっていると考えられるが、なぜMECP2の異常が脳神経特異的な疾患を引き起こすのか、詳しい機構はまだ分かっていない。
突発的遺伝子異常
レット症候群は通常、子供の新規遺伝子変異によって引き起こされ、その確率は95%を超える。ただし、片親からの遺伝ではない。両親の遺伝子型の通常であり、MECP2遺伝子異常は見られない。レット症候群の突発的なケースでは、遺伝子異常を引き起こしたMECP2遺伝子は通常、男性からのX染色体のコピーに起源を持つ。突然変異した精子が生み出される原因はいまだ不明であり、そのような遺伝子異常は稀である。
性とレット症候群
一般的に女性の性染色体は、父親由来と母親由来のX染色体を各一本持つ(性染色体型がXX)ため、MECP2遺伝子も二つ保持している。レット症候群患者は、片方のMECP2遺伝子に変異がある状態である。もし両方のX染色体MECP2遺伝子に異常がある場合は、発生初期に致死である可能性が高い。二本あるX染色体に合計2セット存在する遺伝子群のうち、どちらの染色体の遺伝子群を使用するかは、胚発生初期にランダムに決定され、使用されないX染色体は生涯に渡って不活性化される(詳しくはX染色体の不活性化参照)。その結果、約半数の細胞では正常型のMECP2タンパク質を持ち、残りの細胞では変異型のMECP2タンパク質を持つ状態となる。この変異型MECP2を持つ細胞の割合や分布位置に応じて、重篤度や症状も変化すると考えられている。
一方男性の性染色体は、父親由来のY染色体と母親由来のX染色体を持つ(性染色体型がXY)ため、MECP2遺伝子は一つしか保持していない。もし一つしかないMECP2遺伝子に重要な変異が生じた場合は、発生初期段階や出産後早い段階で致死となると考えられており、そのため男児のレット症候群患者が稀であると説明されている。男児でレット症候群と診断される患者は、ほぼ例外なくクラインフェルター症候群も併せ持ち、Y染色体の他にX染色体を二本持っている(性染色体型がXXY)と報告されている。
治療
遺伝子変異によって引き起こされる症候群であるため、根本的な治療法どころか、症状の進行を食い止める方法すら存在しない。各患者の症状に合わせて、対症療法を行う。マウスを用いた実験では、MECP2遺伝子を破壊するとレット症候群様の症状がみられるが、その後に正常なMECP2遺伝子を再導入することで症状の改善が見られた事から、遺伝子治療などが有効であると期待されるが、未だ基礎研究段階である。
外部リンク
- 日本レット症候群協会
- 「Rett Syndrome」 - Medpediaにある「レット症候群」についての項目。(英語)
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- レット症候群の分子医学 (第1土曜特集 精神発達遅滞・自閉症の分子医学) -- (既知の遺伝子異常による発達障害・精神遅滞の分子医学)
- 広汎性発達障害とマイクロRNA (特集 精神疾患とマイクロRNA)
Related Links
- レット症候群(レットしょうこうぐん、英Rett Syndrome)とは、ほとんど女児に起こる進行 性の神経疾患であり、知能や言語・運動能力が遅れ、小さな手足や、常に手をもむよう な動作や、手をたたいたり、手を口に入れたりなどの動作を繰り返すことが特徴である。
- レット症候群患者の親の会。疾患の医療情報や療育法、レット博士来日講演録、会報・ イベント案内の掲載.
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- autism
- 同
- 小児自閉症 childhood autism、幼児自閉症 infantile autism
- 関
- 広汎性発達障害、自閉症性障害、
概念
- 脳の器質的あるいは機能的障害が原因
- 3歳までに発症
三徴候
- 社会的相互関係の障害(social)
- コミュニケーション能力の障害(communication)
- 反復常同的あるいは執着的行動・興味(behavior)
疫学
- 一卵生双生児:60%
- 二卵性双生児:10%
- 兄弟3-5%の一致率
- 1000人に2-3人。軽症例を含めると100人に1人 (PSY.293)
- 男児に多く、男女比は3-4:1
- 約75%の症例に精神遅滞を伴う。
原因
症状
- 1. 対人的相互反応の質的な障害(社会性の障害)
- 2. 意思伝達の質的な障害(言語発達の障害)
- 3. 限局した反復的な行動
知的機能
- KPS.1301
- 75%の例で精神遅滞で、30%が軽~中等度、45-50%が重度である。
- 1/5の例で非言語における正常な知能を有する。
- IQ得点には偏りが存在し、単語配列の技能と抽象概念の技能に重大な問題があり、視空間技能や機械的記憶の技能が相対的に優れている傾向がある。
- → 言語性IQと動作性IQが測定できる知能検査(WPPSI, WISC0III, WAIS-R)が有用 (105G041)
検査
- イリノイ式言語学習能力診断検査
- 絵画語い発達検査
- 国リハ式言語発達遅滞検査
鑑別疾患
診断
治療
参考
- http://jihei-navi.seesaa.net/category/9367083-1.html
- . [charged] Diagnosis of autism spectrum disorders - uptodate [1]
[★]
- 英
- sleep bruxism
- 関
- 睡眠時ブラキシズム、sleep-related bruxism。覚醒時歯ぎしり wakeful bruxism
- 睡眠時に咀嚼筋の運動が活発になり、歯の食いしばりと歯の摩耗を生じる(いわゆる歯ぎしり)。
- 睡眠時歯ぎしりの有病率は小児期に最も多く、その後年齢とともに次第に減少する。有病率としては子供では15-40%、成人では8-10%といわれている。
- 睡眠障害(閉塞性睡眠時無呼吸、睡眠時随伴症)を有するときに認められやすい。
- リスク因子は閉塞性睡眠時無呼吸(OR 1.8)、アルコール多飲(OR 1.8)、イビキ(OR 1.4)、カフェイン摂取(OR 1.4)、喫煙(OR 1.4)、不安(OR 1.3)、ストレス環境下(OR 1.3)とされている。
- 薬剤により誘発されるものとしても報告がある;アンフェタミン、抗精神病薬、SSRI、SNRI、MDMA
- 精神・神経疾患との関連も報告あり;ダウン症候群、レット症候群、脳性麻痺、注意欠陥多動性障害
- 多くの場合治療の必要はない。
- 小児発症の場合は成長に伴い消失する場合がある。
- 歯の摩耗を伴うような場合には、マウスピースで歯を保護する必要があります。
- 薬物が原因の場合には薬物の調節により改善する場合がある。
- 難治例に対しての薬物療法の報告がなされているが括弧としたものはなさそう;クロナゼパム、ジアゼパムなどのベンゾジアゼピン系薬。アミトリプチリン、ブロモクリプチン、クロニジン、プロプラノロール、レボドパ、トリプトファン
[★]
[★]
- 英
- Tourette syndrome, Tourette's syndrome
- 同
- Tourette症候群、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群 Gilles de la Tourette syndrome、トゥレット病、Gilles de la Tourette症候群、
- 関
- トゥレット障害、チック障害
概念
- 一年以上持続する多発性運動チック、音声チックで、青年期に増悪、成人期まで続く。
疫学
- 頻度:1000人の児童に対して0.5-1人 (PSY.298)
病因
病態
- 緊張するとチックが増悪する。
- チックを抑えようと緊張するが、これにより意に反してチックが増悪・反復する。
症状
治療
治療上の注意
国試
[★]
- 英
- syndrome, symptom-complex
- 同
- 症状群
- 関
- [[]]
- 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患。
内分泌
先天的代謝異常
高プロラクチン血症
- 分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
- 分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。
性腺機能低下
- 嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
- 肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長
性早熟
- 思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
- 女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。
脳神経外科・神経内科
[★]
- 英
- group
- 関
- グループ、集団、分類、群れ、基、グループ化
[★]
- 英
- symptom and sign
- 関
- 症状, 徴候 兆候