偽性アルドステロン症
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偽性アルドステロン症 |
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DiseasesDB |
7471 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
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偽性アルドステロン症(ぎせいアルドステロンしょう、Pseudohyperaldosteronism)とは、副腎より分泌されるホルモンであるアルドステロンが過剰に分泌されていないにもかかわらず、あたかも過剰に分泌されているかのような症状をしめすことをいう。
尿細管では、Na+の再吸入と入れ代わりにK+が尿中に分泌される。アルドステロンはこの機構を亢進させるが、偽アルドステロン症でも同じようにこの機構が過剰に亢進している。具体的には、高ナトリウム血症、低カリウム血症、浮腫、高血圧などの症状がみられる。 医原性のものが多く、薬剤では甘草やサイアザイド系利尿薬が原因でおきることがある。
AME症候群(apparent mineralocorticoid excess): 11beta-hydroxysteroid dehydrogenase type-2(11β-HSD type2)の遺伝子異常(常染色体劣性遺伝)。腎尿細管においてコルチゾールからコルチゾンへの変換ができなくなり、コルチゾールがミネラルコルチコイド受容体と結合し、高血圧、低カリウム血症、代謝性アルカローシスなどのアルドステロン症様の症状をきたす。アルドステロン値は低い。
グリチルリチンや漢方薬(甘草)などの薬剤には11β-HSD type2の活性を抑制する作用があり、後天性にAME症候群を呈する。
参考文献
関連項目
外部リンク
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 臨牀指針 少量のグリチルリチン製剤により偽アルドステロン症を発症した高齢者の2例
- 35.胸水貯留を契機に診断した抑肝散による偽アルドステロン症の1例(第22回 日本呼吸器内視鏡学会中国四国支部会)
- 高岡 奨,米田 和夫,稲山 真美,田岡 隆成,葉久 貴司
- 気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 36(2), 212, 2014-03-25
- NAID 110009807574
- グリチルリチンと抑肝散の併用で偽アルドステロン症を呈し,脳内出血と低カリウム性ミオパチーを併発した1 例
- 岡本 沙織,濱田 真輝,田鹿 安彦,川畠 弘子,岡田 芳和
- 脳卒中 36(5), 351-355, 2014
- … で偽アルドステロン症を生じ,脳内出血と低カリウム性ミオパチーを合併した症例を経験したので報告する.症例は85 歳の女性.肝機能障害と認知症に対して半年以上前より両剤を併用していた.失禁と食欲低下,認知症悪化のため当院を受診し,四肢脱力と左同名半盲,CT で右後頭葉皮質下出血を認めた.血液検査ではカリウム1.6 mEq/l,レニン活性低下,心電図変化を認め,偽アルドステロン症と …
- NAID 130004691374
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- secondary hypertension
- 同
- 症候性高血圧 symptomatic hypertension
- 関
- 高血圧、本態性高血圧
病因
-
二次性高血圧を連想する症状
二次性高血圧を疑わせる臨床所見
- JSH2014 第13章 二次性高血圧
原因疾患
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示唆する所見
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鑑別に必要な検査
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二次性高血圧一般
|
重症高血圧、治療抵抗性高血圧、 急激な高血圧発症、 若年発症の高血圧
|
|
腎血管性高血圧
|
RA系阻害薬投与後の急激な 腎機能悪化、腎サイズの左右差、 低K血症、腹部血管雑音
|
腎動脈超音波、腹部CTA、 腹部MRA、レノグラム、PRA、PAC
|
腎実質性高血圧
|
血清Cr上昇、蛋白尿、血尿、 腎疾患の既往
|
血清免疫学的検査、腹部CT、 超音波、腎生検
|
原発性アルドステロン症
|
低K血症、副腎偶発腫瘍
|
PRA、PAC、負荷試験、副腎CT、副腎静脈採血
|
睡眠時無呼吸症候群
|
いびき、肥満、昼間の眠気、早朝・夜間高血圧
|
睡眠ポリグラフィー
|
褐色細胞腫
|
発作性・動揺性高血圧、動悸、 頭痛、発汗
|
血液・尿カテコールアミンおよび カテコールアミン代謝産物、腹部 超音波・CT、MIBGシンテグラフィー
|
クッシング症候群
|
中心性肥満、満月様顔貌、 皮膚線条、高血糖
|
コルチゾール、ACTH、腹部CT、 頭部MRI、デキサメサゾン抑制試験
|
サブクリニカル クッシング症候群
|
副腎偶発腫瘍
|
コルチゾール、ACTH、腹部CT、 デキサメサゾン抑制試験
|
薬物誘発性高血圧
|
薬物使用歴、低K血症
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薬物使用歴の確認
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大動脈縮窄症
|
血圧上下肢差、血管雑音
|
胸腹部CT、MRI・MRA、血管造影
|
甲状腺機能低下症
|
徐脈、浮腫、活動性減少、 脂質・CPK・LDH高値
|
甲状腺ホルモン、TSH、自己抗体、甲状腺超音波
|
甲状腺機能亢進症
|
頻脈、発汗、体重減少、 コレステロール低値
|
甲状腺ホルモン、TSH、自己抗体、甲状腺超音波
|
副甲状腺機能亢進症
|
高Ca血症
|
副甲状腺ホルモン
|
脳幹部血管圧迫
|
顔面けいれん、三叉神経痛
|
頭部MRI・MRA
|
検査
- 原発性アルドステロン症:ARR
- クッシング症候群:
- 褐色細胞腫:
[★]
- 英
- pseudoaldosteronism
- 同
- 偽性アルドステロン症
- 関
- アルドステロン、二次性高血圧
[show details]
概念
病因
国試
[★]
- 英
- glycyrrhizin
- 同
- グリチルリチン酸
- 化
- グリチルリチン酸二カリウム glycyrrhizinate dipotassium, dipotassium glycyrrhizinate
- 商
- ノイボルミチン、強力ネオミノファーゲンシー(グリシン、L-システインとの配合剤)]]、グリチロン(アミノ酢酸、DL-メチオニンとの配合剤)
- 関
- 甘草
特徴
禁忌
副作用
[★]
- 英
- apparent mineralocorticoid excess syndrome, syndrome of AME
- 同
- 見かけの鉱質コルチコイド過剰症候群
- 関
- 偽アルドステロン症
[★]
偽アルドステロン症
[★]
- 英
- aldosterone
- 関
- 尿細管
基準値
- 血漿濃度は35-240 pg/ml, EDTA加血漿 安静臥位 30-160 pg/ml
- 30-160 pg/ml (LAB.715)
- 35.7-240 pg/ml (随時), 29.9-159pg/ml (臥位), 38.9-307pg/ml (立位) (SRL)
分類
性状
産生組織
標的組織
生理作用
- 1. 腎の接合尿細管と集合管、唾液腺、乳腺、汗腺等に働いてNa+の再吸収を促進し、K+の排出(分泌)を促進する (SP.791,792 によれば、腎接合尿細管を含む)
- 2. 腎集合管でH+の排出(分泌)を促進する。
- Na+/K+-ATPase活性↑@遠位尿細管・皮質集合管 → 管腔側K↑ → K再吸収/H+分泌 (QB CBT vol2 p.360) ← 成書での裏付けがないが、確かにアルドステロン↑によりK+分泌が↑となれば、管腔側にK+があふれるのでα間在細胞上の管腔側にあるK+/H+交換輸送体担体によりH+管腔側にくみ出されるな。
作用機序
- アルドステロンは何らかの経路を経て、ある遺伝子(アルドステロン誘導タンパク質 AIP)の転写・発現を促進する。これにより、以下の作用を及ぼす (2007年度後期生理学授業プリント)
- (1)Na+-K+ATPaseの発現
- (2)基底膜面積の増加
- (3)Na+チャネルの活性化
- (4)K+チャネルの活性化
- Na+-K+ ATPase活性を上昇させる(SP.792)
- ミトコンドリアのエネルギー産生系が活性化される(SP.792)
分泌調節
- 1. 体液↓、血圧↓→レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系でアンジオテンシンIIが生成→P450scc↑、P450aldo↑
-
- →レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系
- 2. 血漿K+↑→アルドステロン分泌↑ ← direct action on the adrenal cortical cells.
- 3. ドパミン、ソマトスタチン→アルドステロン分泌↓ (出典不明)
- 4. ACTH
- アルドステロン分泌作用は弱い。only a short-term effect(NEL.2351).
分子機構
生合成
臨床関連
[★]
- 英
- aldosteronism
- 同
- アルドステロン過剰症 高アルドステロン症 hyperaldosteronism
- 関
- コン症候群 (アルドステロン産生腺腫) 80-90%
- 特発性アルドステロン主要 副腎皮質球状層の過形成 10%程度
-
[★]
- 英
- sis, pathy
[★]
- 英
- false、spurious
- 関
- 仮性