グリチルリチン
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グリチルリチン酸二カリウム |
|
IUPAC名
(3-β,20-β)-20-カルボキシ-11-オキソ-30-ノルオレアナ-12-エン-3-イル-2-O-β-D-グルコピラヌロノシル-α-D-グルコピラノシドウロン酸二カリウム
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
68797-35-3 |
EINECS |
272-296-1 |
特性 |
化学式 |
C42H60K2O16 |
モル質量 |
899.1128 g/mol |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
グリチルリチン酸二カリウム(グリチルリチンさんにカリウム、dipotassium glycyrrhizate)は、グリチルリチン酸とカリウムの塩。グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸2K、グリチルリチン酸K2、グリチノンK2とも。CASは68797-35-3。
化学式はC42H60K2O16、分子量は899.1128。
目次
- 1 性質
- 2 利用
- 3 備考
- 4 副作用
- 5 関連項目
性質[編集]
白色粉末。水によく溶ける。
抗炎症作用がある。
グリチルリチン酸に起因する特徴的な甘みがある。
利用[編集]
漢方薬のカンゾウに含まれる。
医薬品としては慢性肝炎、抗アレルギー薬、風邪薬などに使われ、それ以外では化粧品、石鹸、シャンプー、育毛剤などに配合される。
醤油、漬物、水産加工食品などに甘味料として使われる。
備考[編集]
花王が発売しているメリットシリーズは、フケやかゆみを防ぐ目的で、1970年の発売開始以来ジンクピリチオンを配合していたが、2006年からはグリチルリチン酸二カリウムに変更されている。
副作用[編集]
摂取量が1日量40 mgを超えた場合、偽アルドステロン症を発症する可能性がある。
関連項目[編集]
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- サポーティブペリオドンタルセラピー期における塗布用ブラシ一体型一般用歯周病薬の臨床的および細菌学的な効果
- 犬伏 順也,畑中 加珠,安田 多賀子,成石 浩司,大槻 秀彦,高柴 正悟
- 日本歯周病学会会誌 52(3), 225-238, 2010-09-03
- … 今回我々は, 患者によるプラークコントロールを強化する目的で, 殺菌作用のある塩化セチルピリジニウム, 抗炎症効果のあるグリチルリチン酸二カリウムおよび組織創傷治癒効果をもつアラントインの3種の薬効成分を配合した薬剤をタフトブラシと一体化した塗布用ブラシ一体型歯周病薬(MC1)を開発した。 …
- NAID 10027096396
Related Links
- グリチルリチン酸二カリウムはカンゾウ(甘草)という生薬に含まれる成分のカリウム塩で、消炎作用があります。この作用により、一般用医薬品では、のどのはれや痛みを鎮める目的で口腔内殺菌トローチ、皮膚用薬などの外用薬に ...
- グリチルリチン酸二カリウムは、マメ科の植物であるカンゾウ(甘草)の根に含まれる有効成分「グリチルリチン」の誘導体で、主に抗炎症作用、抗潰瘍作用、抗アレルギー作用などの優れた薬理作用が期待されることから、広く ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ウエルアップハンドローション1%
組成
- 100mL中
クロルヘキシジングルコン酸塩 1.0g(1.0W/V%)
及び添加物としてグリセリン、グリチルリチン酸二カリウム、ミリスチン酸イソプロピル、メチルフェニルポリシロキサン、エタノール、pH調整剤 含有。
禁忌
- 脳、脊髄、耳(内耳、中耳、外耳)[聴神経及び中枢神経に対して直接使用した場合は、難聴、神経障害を来すことがある。]
- 膣、膀胱、口腔等の粘膜面[クロルヘキシジン製剤の前記部位への使用により、ショック症状(初期症状:悪心・不快感・冷汗・眩暈・胸内苦悶・呼吸困難・発赤等)の発現が報告されている。]
- 損傷皮膚及び粘膜[エタノールを含有するので、損傷皮膚及び粘膜への使用により、刺激作用を有する。]
- 眼
効能または効果
- 手指・皮膚の消毒
- 手指・皮膚の消毒には、洗浄後、1日数回適量を塗布する。
慎重投与
- 薬物過敏症の既往歴のある者
- 喘息等のアレルギー疾患の既往歴、家族歴のある者
重大な副作用
- ショック(0.1%未満)があらわれることがあるので観察を十分に行い、悪心・不快感・冷汗・眩暈・胸内苦悶・呼吸困難・発赤等があらわれた場合には、直ちに使用を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 本剤は使用濃度において、栄養型細菌(グラム陽性菌及びグラム陰性菌)、酵母様真菌、ウイルス等には有効であるが、細菌芽胞(炭疽菌、破傷風菌等)や一部のウイルスに対する効果は期待できない。
ウエルアップハンドローション1%の殺菌作用
- 本剤はin vitroの試験において、腸球菌、緑膿菌、Burkholderia cepacia、セラチアを30秒以内に殺菌した。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- glycyrrhizic acid、glycyrrhizinate
- 化
- グリチルリチン酸二カリウム glycyrrhizinate dipotassium、グリチルリチン酸モノアンモニウム monoammonium glycyrrhizinate、グリチルリチン酸二アンモニウム diammonium glycyrrhizinate
- 商
- アスファーゲン、アムロジピンOD、ウエルアップ、エピサネートG配合、オーレキシン、キャベジンUコーワ配合、キョウミノチン、グリチロン、グリチロン配合、グリファーゲン、グリベルチン、グルコリンS、ケベラS、デスパコーワ、ニチファーゲン、ニチファーゲン配合、ネオ・ユモール配合、ネオファーゲン、ネオファーゲンC、ネオファーゲンC配合、ノイボルミチン、ヒシファーゲンC、ミノフィット、レミゲン、ワッサーV配合、強力ネオミノファーゲンシー、強力ネオミノファーゲンシーP、複合エピサネートG
- 関
- グリシルリジン酸、グリチルリジン酸、グリチルリジン酸塩
[★]
グリチルリチン酸二カリウム
[★]
- 英
- potassium
- 同
- K+
- 関
- 高カリウム血症、低カリウム血症、腎 Kと酸塩基平衡の異常
- 植物の灰(pot-ash)が由来らしい
- アルカリ金属
- 原子番号:19
- 原子量:39.10
カリウム濃度を調節する要素
- PT.481-482
-
- 血中K+が細胞内、細胞内H+が細胞外へ移動→低カリウム血症、K排泄↑
- 血中H+が細胞内、細胞内K+が細胞外へ移動→高カリウム血症、K排泄↓
-
- レニン・アンジオテンシン系の亢進 or 細胞外K+濃度の上昇 のいずれかにより副腎皮質からアルドステロンが放出される
- Na/H交換体、Na-K-2Cl共輸送体、Na/K-ATPaseを活性化。
- β2受容体を介してKの取り込みを促進。Na-Kポンプの活性化による。
例外
- 水・電解質と酸塩基平衡 改訂第2版 p.153
- 水素イオンと共に投与される陰イオンが細胞内に移行しうる場合、電気的中性は保たれるのでカリウムイオンは細胞外に移動しない。
- (細胞内に移行する)乳酸イオン、酢酸イオン ⇔ (細胞内に移行しない)塩素イオン
基準値
- LAB
- 出典不明
尿細管での再吸収・分泌
- QB.E-128
- 再吸収 :近位尿細管、ヘンレループ
- 分泌・吸収:集合管(QB.E-128)、遠位尿細管(QB.E-130)、皮質集合管の主細胞(参考1)
調節するファクター
- 1. アルドステロン
- 2. 集合管に到達するナトリウムイオン:集合管では能動的にナトリウムが再吸収されるが、電気的中性を保つために受動的にカリウムが管腔側に移動する。(参考1)
臨床関連
-
- 尿中カリウム < 20mEq/L:腎外性喪失
- 尿中カリウム > 40mEq/L:腎性喪失
参考1
- 1. [charged] Pathophysiology of renal tubular acidosis and the effect on potassium balance - uptodate [1]
[★]
- 英
- glycyrrhizin
- 同
- グリチルリチン酸
- 化
- グリチルリチン酸二カリウム glycyrrhizinate dipotassium, dipotassium glycyrrhizinate
- 商
- ノイボルミチン、強力ネオミノファーゲンシー(グリシン、L-システインとの配合剤)]]、グリチロン(アミノ酢酸、DL-メチオニンとの配合剤)
- 関
- 甘草
特徴
禁忌
副作用