- 英
- glycyrrhizic acid、glycyrrhizinate
- 化
- グリチルリチン酸二カリウム glycyrrhizinate dipotassium、グリチルリチン酸モノアンモニウム monoammonium glycyrrhizinate、グリチルリチン酸二アンモニウム diammonium glycyrrhizinate
- 商
- アスファーゲン、アムロジピンOD、ウエルアップ、エピサネートG配合、オーレキシン、キャベジンUコーワ配合、キョウミノチン、グリチロン、グリチロン配合、グリファーゲン、グリベルチン、グルコリンS、ケベラS、デスパコーワ、ニチファーゲン、ニチファーゲン配合、ネオ・ユモール配合、ネオファーゲン、ネオファーゲンC、ネオファーゲンC配合、ノイボルミチン、ヒシファーゲンC、ミノフィット、レミゲン、ワッサーV配合、強力ネオミノファーゲンシー、強力ネオミノファーゲンシーP、複合エピサネートG
- 関
- グリシルリジン酸、グリチルリジン酸、グリチルリジン酸塩
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/06/25 05:18:57」(JST)
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グリチルリチン |
|
IUPAC名
(3-β,20-β)-20-カルボキシ-11-オキソ-30-ノルオレアナ-12-エン-3-イル-2-O-β-D-グルコピラヌロノシル-α-D-グルコピラノシドウロン酸
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
1405-86-3 |
EINECS |
215-785-7 |
- OC1C(O)C(O)C (OC2C(O)C(O)C (C(O)=O)OC2OC3 [C@]
(C)(C)[C@@] (CC[C@]([C@@] (CC[C@]7(C)[C@@]
([H])6C[C@@](C)(C(O)=O)CC7) (C)C6=C5)(C) [C@@]([H])4
C5=O) ([H])[C@]4(C) CC3)OC1C(O)=O
|
特性 |
化学式 |
C42H62O16 |
モル質量 |
822.94 g/mol |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
グリチルリチン (glycyrrhizin) またはグリチルリチン酸は甘草の根に含まれる有効成分である。スクロース(砂糖)の30から50倍の甘みを持つといわれる。
化学的には、グリチルリチンはトリテルペン配糖体で、CAS番号は1405-86-3。遊離の酸は水に溶けないが、アンモニウム塩はpH4.5以上で溶ける。
グリチルリチンの甘さは砂糖より遅く立ち上がり、後に引くため、砂糖の甘さとは異なる。また、特徴的な甘草の味があるため、砂糖の代用としてそのまま使用するには不適当である。高熱下でも安定している点が人工甘味料のアスパルテームとは異なる。
アメリカ合衆国においては安全性の認められた調味料ではあるが、甘味料としてではなくキャンディーや薬、タバコの味付けに用いられる。
日本では、1970年代に人工甘味料の安全性への懸念から植物由来のグリチルリチンが代用甘味料として、同様に植物由来のステビアと共に一般的に使用されるようになった。しかしながら、グリチルリチンに薬理学的な副作用(アルドステロン様作用)が発見され、日本政府は国民に対し1日の摂取量を200ミリグラムに制限した。
健康上の効果
グリチルリチンや他の甘草の根に含まれる成分は多数の薬効があり、特に消化性潰瘍や去痰薬としての効果がある。グリチルリチンのアグリコンであるグリチルレチン酸は、消化性潰瘍の治療に効果がある。その人工代替品であるカルベノキソロンはイギリスで開発された。グリチルレチン酸とカルベノキソロンは共にギャップ結合チャネルを通して神経信号を調節する効果がある。
最も広く報告されているグリチルリチンの副作用は高血圧(偽性アルドステロン症)と浮腫(むくみ)である。
高血圧の原因
グリチルリチンはコルチゾールをコルチゾンに変化させる酵素、11-β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素 (11-β-hydroxysteroid dehydrogenase) の効果を抑制し、その結果コルチゾールが集合管で増加する。コルチゾールは元来、糖質コルチコイドとしての特性を持ち、タンパク質の分解を促進して血中グルコース濃度を上昇させる。
関連項目
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- グリチルリチン酸に含まれるグルクロン酸の立体化学の確認
- 伊藤 裕才,石附 京子,杉本 直樹,多田 敦子,秋山 卓美,佐藤 恭子,穐山 浩,合田 幸広
- 日本食品化学学会誌 22(1), 32-37, 2015-04-24
- … グリチルリチン酸(GA)は2つのグルクロン酸(GlcA1とGlcA2)を含むトリテルペン型サポニンである。 …
- NAID 110009934922
- グリチルリチン酸に含まれるグルクロン酸の立体化学の確認
- エキシマライト療法の効果を認めた小児蛇行状脱毛症の1例
- 和田 麻衣子,里村 暁子,伊東 孝通,高原 正和,古江 増隆
- 西日本皮膚科 76(5), 459-464, 2014
- … 2008 年 4 月中旬より頭頂部・頭部左側の脱毛に気付き,塩化カルプロニウム・ステロイドの外用,セファランチン・グリチルリチン酸の内服を開始するも改善を認めなかった。 …
- NAID 130004831882
- 口臭除去を効能とする口腔咽喉薬 (トローチ剤) の臨床的評価
- 仲西 宏介,鈴木 奈央,米田 雅裕,山田 潤一,廣藤 卓雄
- 日本歯科保存学雑誌 57(4), 293-300, 2014
- … 材料と方法: セチルピリジニウム塩化物水和物 (CPC), グリチルリチン酸二カリウム, キキョウエキスの3種の有効成分を配合したトローチ剤 (ローズウィンド, シオノギ製薬), CPCのみを配合したトローチ剤 (プロテクトドロップ, 常盤薬品工業), 有効成分を配合しない清涼菓子 (フリスク, クラシエホールディングス), 水による洗口について比較検討した. …
- NAID 130004687185
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
エピサネートG配合顆粒
組成
1g中
- L-グルタミン……………………………600mg
水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物……………200mg
ピペタナート塩酸塩…………………………3mg
〈添加物
- グリシン、グリチルリチン酸モノカリウム、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、香料
禁忌
- 緑内障、前立腺肥大による排尿障害、重篤な心疾患又は麻痺性イレウスのある患者[抗コリン作用により症状が悪化するおそれがある。]
- ナトリウム摂取制限を必要とする患者(高ナトリウム血症、浮腫、妊娠高血圧症候群等)[本剤の甘味剤であるグリチルリチン酸モノカリウムの作用により症状が悪化するおそれがある。]
- 透析療法を受けている患者[長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症があらわれることがある。]
効能または効果
下記疾患における自覚症状及び他覚所見の改善
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎
- 通常成人1回1gを1日3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 前立腺肥大のある患者[抗コリン作用により症状が悪化するおそれがある。]
- 甲状腺機能亢進症、うっ血性心不全、不整脈のある患者[抗コリン作用により症状が悪化するおそれがある。]
- 潰瘍性大腸炎のある患者[中毒性巨大結腸があらわれることがある。]
- 高温環境にある患者[抗コリン作用が強くあらわれるおそれがある。]
- 腎障害のある患者[長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症があらわれるおそれがあるので、定期的に血中アルミニウム、リン、カルシウム、アルカリフォスファターゼ等の測定を行うこと。]
- 心機能障害、肺機能障害のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
- 便秘のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
- 低クロル性アルカローシス等の電解質失調のある患者[本剤の甘味剤であるグリチルリチン酸モノカリウムの作用により症状が悪化するおそれがある。]
重大な副作用
- 長期連用により低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止すること。
また、低カリウム血症の結果としてミオパチーがあらわれるおそれがある。
薬効薬理
- 本剤はラットを使用したアスピリン潰瘍モデルにおいてアスピリン誘発性の胃粘膜障害を強く抑制した。本剤とシメチジンとの併用によりアスピリン誘発性の胃粘膜障害はほぼ完全に防止され、この併用効果は、病理組織所見と胃底腺及び幽門腺における被覆粘液係数及び粘膜内粘液係数の増加作用により認められた4)。
有効成分に関する理化学的知見
L-グルタミン
一般名
化学名
- (2S)-2,5-Diamino-5-oxopentanoic acid
分子式
分子量
性 状
- 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末で、わずかに特異な味がある。
本品はギ酸に溶けやすく、水にやや溶けやすく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物
一般名
- 水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物(Aluminum Hydroxide-Sodium Bicarbonate Co-precipitate)
化学名
- Aluminum trihydroxide sodium hydrogen carbonate
分子式
分子量
性 状
- 本品は白色の粉末又は粒で、におい及び味はない。
本品は水又はエタノール(95)にほとんど溶けない。
本品は希塩酸に泡だって溶ける。
本品1gを水酸化ナトリウム溶液(1→5)20mLと加熱すれば大部分溶ける。
ピペタナート塩酸塩
一般名
- ピペタナート塩酸塩(Pipethanate Hydrochloride)
化学名
- 2-(1-piperidino)ethyl benzilate hydrochloride
分子式
分子量
性 状
- 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。
本品はメタノールにやや溶けやすく、水、酢酸(100)又はジクロロメタンにやや溶けにくく、無水酢酸、エタノール(95)又はアセトンに溶けにくく、1-ブタノール又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
融 点
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- diammonium glycyrrhizinate、glycyrrhizic acid、glycyrrhizinate dipotassium、glycyrrhizinic acid、monoammonium glycyrrhizinate
[★]
グリチルリチン酸、グリチルリジン酸
- 関
- diammonium glycyrrhizinate、glycyrrhizin、glycyrrhizinate、glycyrrhizinate dipotassium、glycyrrhizinic acid、monoammonium glycyrrhizinate
[★]
- 関
- 肝臓疾患用剤
[★]
- 英
- glycyrrhizinic acid、glycyrrhizic acid
- 関
- グリチルリジン酸、グリチルリチン、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸二アンモニウム
[★]
グリチルリチン酸モノアンモニウム(グリチルリチン酸)、グリシン、L-システイン塩酸塩水和物(L-システイン)
- 関
- 肝臓疾患用剤
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- 英
- diammonium glycyrrhizinate
- 関
- グリシルリジン酸、グリチルリチン、グリチルリチン酸
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- 英
- monoammonium glycyrrhizinate
- 関
- グリチルリチン酸
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グリチルリチン酸モノアンモニウム
[★]
- 英
- glycyrrhizin
- 同
- グリチルリチン酸
- 化
- グリチルリチン酸二カリウム glycyrrhizinate dipotassium, dipotassium glycyrrhizinate
- 商
- ノイボルミチン、強力ネオミノファーゲンシー(グリシン、L-システインとの配合剤)]]、グリチロン(アミノ酢酸、DL-メチオニンとの配合剤)
- 関
- 甘草
特徴
禁忌
副作用
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義