ヒドロキソコバラミン、ピリドキサール、フルスルチアミン
Japanese Journal
- 「いわゆる神経痛」に対するビタノイリン50カプセル剤の臨床効果--多施設二重盲検比較対照試験による検討
- Neuroblastoma N 18のリン脂質合成に及ぼすビタミンB_1,B_6及びB_<12>の影響
- 成実 重彦,稲田 育子,牧 良孝,鈴置 二郎
- ビタミン 53(11), 429-438, 1979-11-25
- … 低下した.このとき, TCA不溶画分に取り込まれた^3Hの大部分はphosphatidyl cholineであった.2)B_1,B_6無添加のEagle's MEM培地に見られた上記取込みの低下は, これにthiamine+PL+CN-B_<12>を添加するとほぼ回復し, 又, ビタノイリン^[○!R]の構成成分であるTTFD+PLP+OH-B_<12>はより著明な回復効果を示し, 標準培地にて培養したときよりも多く取り込まれた(165%).3)TTFD+PLP+OH-B_<12>によるこの取込みの促進作用は, 大部分TTFDによるが, …
- NAID 110002845188
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Japan Pharmaceutical Reference
販売名
ビタノイリンカプセル25
組成
1カプセル中の有効成分
- フルスルチアミン(TTFD)として25mg(フルスルチアミン塩酸塩 27.285mg)
ピリドキサールリン酸エステル水和物 15mg
ヒドロキソコバラミンとして125μg(ヒドロキソコバラミン酢酸塩 130.5μg)
リボフラビン(ビタミンB2) 2.5mg
添加物
- トウモロコシデンプン、カルメロースカルシウム、結晶セルロース、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、セラセフェート、ヒマシ油、乳糖水和物、ゼラチン、ラウリル硫酸ナトリウム
効能または効果
- 本剤に含まれるビタミン類の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦など)
- 下記疾患のうち、本剤に含まれるビタミン類の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合
- ●神経痛
- ●筋肉痛・関節痛
- ●末梢神経炎・末梢神経麻痺
- 効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。
- 通常成人1日1〜4カプセルを経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
薬効薬理
フルスルチアミン
- ビタミンB1は神経細胞の形態保持上重要であり2)、また、神経興奮伝導3)や神経細胞のエネルギー産生4)に関与している。
フルスルチアミンは、ビタミンB1に比べて消化管からの吸収がよく、高い血中5)・臓器内B1濃度6)、長い体内貯留性、多量の結合型B1の生成7)等の特性を示し、生理学的・生化学的にビタミンB1のmetabolic poolをみたしてビタミンB1の欠乏又は代謝障害が関与する神経機能障害を改善する。試験的には、神経・筋に対して、神経細胞の増殖促進8)、神経再生促進(ウサギ)9,10)、骨格筋活動電位の増加(ラット)11)等の作用が認められている。
ピリドキサールリン酸エステル
- ビタミンB6は神経細胞、神経線維の形態保持上重要であり、ビタミンB6欠乏により末梢神経系ではスフィンゴリピド合成障害等によると考えられる軸索、髄鞘の変性・崩壊がみられる。2)
ピリドキサールリン酸エステルは、ピリドキシンに比べて種々の特性を有する補酵素型ビタミンB612)で、ビタミンB6の欠乏又は代謝障害が関与する末梢神経炎に用いられる。
ヒドロキソコバラミン
- ビタミンB12は神経細胞特に、核、Nissl物質、原線維の完全な保持に必須のビタミンで、ビタミンB12は欠乏により中枢・末梢神経において神経細胞の萎縮・変性、髄鞘の膨脹を伴う神経線維の腫脹、ついで軸索の破壊、髄鞘の崩壊が起こり神経症状を発症させる。2)
ヒドロキソコバラミンは、ビタミンB12であるシアノコバラミンに比べ体内貯留性、持続性13)、補酵素型B12への転換14)等で、よりすぐれた生物学的特性を示し、ビタミンB12の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される神経・筋疾患に用いられている。
試験的には、神経線維の成長促進、glia細胞の増殖促進(in vitro)、神経の再生促進(ウサギ)等が報告されている。15)
フルスルチアミン、ピリドキサールリン酸エステル、ヒドロキソコバラミンの協同作用
- 神経細胞の増殖及び神経機能と密接な関連をもつ膜の構成成分であるリン脂質の合成促進(in vitro)8)、神経の外科的損傷時の再生促進(ウサギ)16)、アロキサン糖尿病の試験的神経炎における神経伝導速度の低下と神経線維の形態学的変化の正常化(ラット)17)等において、フルスルチアミン、ピリドキサールリン酸エステル、ヒドロキソコバラミンの併用が、各単独投与よりもすぐれていることが示されている。
有効成分に関する理化学的知見
フルスルチアミン塩酸塩
一般名
- フルスルチアミン塩酸塩(Fursultiamine Hydrochloride)〔JAN〕
化学名
- N-(4-Amino-2-methylpyrimidin-5-ylmethyl)-N-{(1Z)-4-hydroxy-1-methyl-2-[(2RS)-tetrahydrofuran-2-ylmethyldisulfanyl]-but-1-en-1-yl}formamide monohydrochloride:
Thiamine tetrahydrofurfuryl disulfide monohydrochloride(略号TTFD・HCl)
分子式
分子量
融点
性状
- フルスルチアミン塩酸塩は白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがあり、味は苦い。水、メタノール又はエタノール(95)に溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
ピリドキサールリン酸エステル水和物
一般名
- ピリドキサールリン酸エステル水和物(Pyridoxal Phosphate Hydrate)〔JAN〕
分子式
分子量
性状
- ピリドキサールリン酸エステル水和物は微黄白色〜淡黄色の結晶性の粉末で、においはない。水に溶けにくく、エタノール(95)、アセトン、クロロホルム又はエーテルにほとんど溶けない。希塩酸、希硝酸又は水酸化ナトリウム試液に溶ける。光によって変化する。
ヒドロキソコバラミン酢酸塩
一般名
- ヒドロキソコバラミン酢酸塩(Hydroxocobalamin Acetate)〔JAN〕
分子式
分子量
性状
- ヒドロキソコバラミン酢酸塩は暗赤色の結晶又は粉末で、においはない。水に溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。吸湿性である。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- thiamine
- 商
- M.V.I.、M.V.I.-12キット、アクタミン、アミグランド、アミノレバンEN配合、アリチア配合、アリナミン、アリナミンF、エスアリネート、エルネオパ1号、エレンタールP乳幼児用配合、エレンタール配合、エンシュア・リキッド、オーツカMV、グラビタン、コンベルビー、サブビタン、ジアイナミックス、ジアノイナミン、シーパラ、シグマビタン、シグマビタン配合、ジセタミン、ダイビタミックス、ダイメジン・マルチ、ダイメジンスリービー配合、ダイヤビタン、チアデラ、チアミン塩化物塩酸塩、ツインラインNF配合、ツインライン配合、トライビー、トリドセラン配合、ナイロジン、ネオM.V.I.-9、ネオパレン1号、ネオラミン・スリービー、ネオラミン・マルチV、ノイビタ、ノイロビタン配合、ノルニチカミン、バイオゲン、パレセーフ、パンビタン末、ビーカップ、ビースリミン、ビーフリード、ビーワン、ビオトーワ、ビタジェクト、ビタダン配合、ビタノイリン、ビタファント、ビタファントF、ビタマル配合、ビタミンB1、ビタメジン、ビタメジン配合、ビタルファ、フェニルアラニン除去ミルク配合、プラチアミン、フルカリック1号、フルスルチアミン、フルメチ、プレビタS、ベストン、ヘパンED配合、ベルミンビー、マルタミン、ムツタミン、メタボリン、メタボリンG、ラコールNF配合、ラコール配合、ロイシン・イソロイシン・バリン除去ミルク配合、ロートエキス、ロンベリン、ワッサーV配合、塩酸B1、塩酸チアミン
- 関
- ビタミンB1
- ビタミンB1剤
[★]
- 英
- hydroxocobalamin
- ラ
- hydroxocobalaminum
- 同
- アクアコバラミン aquacobalamin、ビタミンB12a vitamin B12a、OHB12
- 化
- 塩酸ヒドロキソコバラミン hydroxocobalamin hydrochloride、酢酸ヒドロキソコバラミン hydroxocobalamin acetate
- 商
- フレスミン、シアノキット、マスブロン、ドセラン、Codroxomin, Hybalamin
- ビタルファ、ビースリミン、ノルニチカミン、ネオラミン・スリービー、ナイロジン、トライビー、ジアイナミックス、コンベルビー(チアミンジスルフィド、ピリドキシン、ヒドロキソコバラミン)
- ビタノイリン(フルスルチアミン、ピリドキサール、ヒドロキソコバラミン)
- トリドセラン(チアミン、ピリドキシン、ヒドロキソコバラミン)
- ビタダン、ビタマル(フルスルチアミン、ピリドキサール、リボフラビン、ヒドロキソコバラミン)
- 関
- ビタミンB12
[★]
- 英
- pyridoxal、pyridoxal phosphate、pyridoxal calcium phosphate
- 商
- アデロキザール、ハイピリドキシン、ハイミタン、ビタゼックス、ビタダン配合(ビタダン)、ビタノイリン、ビタマル配合(ビタマル)、ピドキサール、ライボミンS(ライボミン)、リボビックス
- 関
- ピリドキサールリン酸、リン酸ピリドキサール、リン酸ピリドキサールカルシウム。ビタミンB6
[★]
- 英
- pyridoxal phosphate、PLP
- 商
- アデロキザール、ハイピリドキシン、ハイミタン、ビタゼックス、ビタダン配合、ビタノイリン、ビタロキシン、ビタマル配合、ピドキサール、ピリドキサール、ピロミジン、ライボミンS、リボビックス
- 関
- ピリドキサール、ピリドキサールリン酸、プロテオリピドタンパク質
[★]
- 英
- fursultiamin、fursultiamine, fursulthiamine
- 化
- 塩酸フルスルチアミン fursultiamine hydrochloride
- 商
- アリナミンF、エスアリネート、ダイヤビタン、ビタダン配合、ビタノイリン、ビタノイリン、ビタファント、ビタファントF、ビタマル配合、フルメチ
- 関
- ビタミンB1
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3