- 英
- Budd-Chiari syndrome
- 同
- (国試)Budd-Chiari症候群、肝静脈血栓症?????
- 関
- 肝静脈流出路閉塞
まとめ
- 肝部下大静脈、あるいは肝静脈の閉塞により、門脈圧亢進症、下腿の浮腫や色素沈着、腹壁静脈の怒張などを呈する疾患である。一次性のものにおいては血栓が原因という説が有力視されている。下大静脈のうっ血と肝後性の門脈圧亢進による症状、つまり前ジャでは下肢浮腫、下肢静脈瘤、難治性下腿潰瘍、胸腹壁の上行性皮下静脈怒張、後者では腹水、食道胃静脈瘤、脾腫をきたす。診断は下大静脈・肝静脈造影による閉塞の証明、肝生検による小葉中心性のうっ血、中心静脈周辺領域の肝細胞の壊死の証明によりなされる。原疾患の治療、狭窄の解除、あるいはバイパス術を行い、肝不全に至れば肝移植が行われる。予後は一次性のものでは不良であり、10年生存率は40%程度である。(SSUR.645 YN.B*60)
概念
- 肝静脈3主幹あるいは肝部下大静脈の閉塞ないし狭窄、もしくはこの両者の併存によって門脈圧亢進症、下腿浮腫、下肢静脈瘤、上行する胸腹壁の静脈怒張などの症状を示す疾患。(医学事典)
病因
- 一次性:原因不明(凝固異常が原因と考えられるようになってきている)
- 二次性:腫瘍性病変など。
uptodate
- 特発性 → 骨髄増殖性疾患が背景にあるかも
- 続発性
- 骨髄増殖性疾患
- 悪性腫瘍:肝細胞癌
- 肝臓の感染や良性病変
- 経口避妊薬
- 妊娠
- 凝固亢進
- factor V Leiden mutation, prothrombin gene mutation, antiphospholipid antibody syndrome, antithrombin III deficiency, protein C deficiency, protein S deficiency, paroxysmal nocturnal hemoglobinuria, JAK2 mutations
病理
- 小葉中心性のうっ血、中心静脈周辺領域の肝細胞の壊死
病態
症状
- 門脈圧亢進:腹水、食道胃静脈瘤、脾腫(→汎血球減少)
- 下半身の静脈血うっ滞:下肢浮腫、下肢静脈瘤、難治性下腿潰瘍、胸腹壁の上行性皮下静脈怒張 (SSUR.645)
診断
治療
- 原疾患の治療、狭窄の解除、あるいはバイパス術を行い、肝不全に至れば肝移植が行われる。
予後
- 診断より死亡まで12-13年(YN.B-61)
- (一次性)予後不良。10年生存率は40%程度 (SSUR.645)
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/06/28 04:31:48」(JST)
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門脈圧亢進症(もんみゃくあつこうしんしょう)は、門脈圧が上昇する疾患群。
目次
- 1 概念
- 2 病態
- 3 原因
- 4 症状
- 5 検査
- 6 治療
- 7 診療科
- 8 参考文献
- 9 関連項目
- 10 外部リンク
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概念[編集]
門脈圧が上昇する病気をまとめて門脈圧亢進症と言う。
病態[編集]
腸管から吸収された栄養や毒素は、門脈系を通って肝臓内で処理されたのち、下大静脈を通って全身へと送られる。肝硬変などにより門脈圧が上昇して逃げ場を失った血流は、臍静脈、左胃静脈、下直腸静脈等を迂回して肝臓を介さずに直接体循環へ流れる。本来の道筋をショートカットする事を短絡(シャント)と言い、門脈系から門脈を経ずに体循環へ流れる事を門脈体循環短絡という。
原因[編集]
門脈は消化管から肝臓へ流れる血管であり、肝臓の前、肝臓の中、肝臓の後ろの血管が詰まることで門脈圧は上昇する。阻害部位によって以下のように分類される。
- 肝前性 : 肝外門脈閉塞症、門脈欠損症
- 肝内性
- 前類洞性 : 特発性門脈圧亢進症、日本住血吸虫症
- 後類洞性 : 肝硬変
- 肝後性 : バッド・キアリ症候群、右心不全
- バッド・キアリ症候群(Budd-Chiari症候群、Budd-Chiari syndrome)
- バッド・キアリ症候群(ばっど・きありしょうこうぐん)は、肝静脈が閉塞したために門脈圧が高くなる症候群。
- 原因
- 抗リン脂質抗体症候群 : 抗リン脂質抗体症候群は深部静脈血栓症を起こして肝静脈が閉塞される。
症状[編集]
腹部静脈の怒張。その他、門脈圧亢進の原因となる疾患によってさまざまな症状を呈する。(肝硬変ではクモ状血管腫、手掌紅班など)
合併症[編集]
- 肝性脳症
- 肝臓障害による神経障害を肝性脳症と言う。
- 原因
- 門脈体循環短絡によって、腸管内細菌によって産生されたアンモニアなどの毒素が直接体循環に流れ出るために、神経系に障害が現れる。
- 胃・食道静脈瘤
- 門脈圧亢進症性胃腸症
- 難治性腹水
検査[編集]
治療[編集]
- 原因疾患による。合併症の対症療法も併せて行う。
- 門脈圧を低下させる為にβブロッカー,ARBが投与されることがある。腹水のコントロールの為に利尿剤が使われる。アルブミン値を上昇させて腹水をコントロールするとともに、肝性昏睡の原因と成るアンモニアを減らすため、分枝鎖アミノ酸製剤(BCAA)の投与,緩下剤・抗生物質による腸内細菌叢のコントロールや食事療法が行われる。
- 合併症の中で最たる物は胃・食道静脈瘤破裂であり、内視鏡的硬化療法(Endoscopic Injection Sclerotherapy:EIS)や内視鏡的食道静脈瘤結紮法(Endoscopic Variceal Ligation:EVL)、バルーンタンポナーデ法、透視下に行うバルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術(Balloon occulted -Retrograde Trasvenous obliteration:B-RTO)が行われる。
- 以前は開腹して門脈=下大静脈短絡術などを施行していた。これはアンモニアなどを含む腸管からの血流が直接大循環に流入するため、合併症がみられることがあった。
- 最近は血管内治療として経頸静脈的肝内門脈静脈短絡術(Transjugular Intrahepatic Portasystemic Shunt:TIPS)が試みられている。
診療科[編集]
参考文献[編集]
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- バッド・キアリ症候群-メルクマニュアル家庭版
- 特発性門脈圧亢進症 病気のはなし
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- SF-021-4 バッドキアリ症候群直達術後,食道静脈瘤推移に関する検討 : 肝組織所見からみた検討(SF-021 サージカルフォーラム(21)門脈,第111回日本外科学会定期学術集会)
- 盛島 裕次,神谷 知里,戸塚 裕一,新垣 涼子,前田 達也,喜瀬 勇也,古堅 智則,仲栄真 盛保,永野 貴昭,照屋 孝夫,新垣 勝也,金城 泉,山城 聡,國吉 幸男
- 日本外科学会雑誌 112(臨時増刊号_1・2), 362, 2011-05-25
- NAID 110008683761
- 肝疾患 門脈圧亢進症,バッド・キアリ症候群 (消化・吸収・排泄イラストレイテッド--病態生理とアセスメント) -- (消化・吸収・排泄系の疾患)
- バッドキアリ症候群機序解明に向けた肝部下大静脈のイメージベースドCFD
- 松原 瑞浦,渡部 正夫
- 日本臨床バイオメカニクス学会誌 = Proceedings of ... Annual Meeting of Japanese Society for Clinical Biomechanics and Related Research 29, 99-106, 2008-11-01
- NAID 10025631009
- 125 バッドキアリ症候群機序解明に向けたイメージベースドCFDによる肝部下大静脈内血流解析(OS1-3:循環器系・血流の計測とメカニクス(3),OS1:循環器系・血流の計測とメカニクス)
- 松原 瑞浦,渡部 正夫,渡邉 聡,小西 晃造,橋爪 誠
- バイオエンジニアリング講演会講演論文集 2007(20), 257-258, 2008-01-24
- NAID 110007085501
Related Links
- この病気は公費負担の対象疾患です。公費負担の対象となるには認定基準があります。 認定基準 臨床調査個人票 臨床調査個人票 1. バット・キアリ(Budd-Chiari)症候群とは 肝臓から流れ出る血液を運ぶ肝静脈か、あるいはその先の ...
- 家庭医学館 バッド・キアリ症候群の用語解説 - [どんな病気か] 血液は心臓を中心に循環していますが、肝臓(かんぞう)に入った血液は肝静脈(かんじょうみゃく)から肝臓の外に出て下大静脈(かだいじょうみゃく)に集められ、心臓にも ...
- 通常、バッド・キアリ症候群は、血栓によって肝静脈が狭くなる、もしくはふさがって発生します。 肝臓から出る血流が阻害されるため、肝臓内に血液がたまり、肝臓の腫大を引き起こします。脾臓が腫大することもあります。
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★リンクテーブル★
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- 英
- Behçet disease, Behcet disease, Behcet's disease, BD
- 同
- ベーチェット症候群 Behcet syndrome, (国試)Behcet病
- 関
概念
- 難病であり、特定疾患治療研究事業の対象疾患である。
- 急性の炎症が反復し、増悪と寛解を繰り返す慢性疾患であり、繰り返す口内アフタが特徴的である。その他、性器潰瘍、皮膚病変、眼病変、神経病変、血管病変、消化管病変、関節病変を伴う。全身の血管(動静脈)にそのサイズに関係なく炎症を起こすのが特徴的である(参考2)。
病因
疫学
- 20歳代に初発。中年男性では多発する。日本人に多い。(NDE.145)
症状
- 特殊型は予後が悪い。
主症状:4主徴
- 1. 口腔内アフタ性潰瘍:ほぼ全例に出現。初発症状で最多。口腔粘膜、舌。有痛性。再発性。
- 2. 陰部潰瘍:70-80%に出現。有痛性の深い潰瘍。男性は陰嚢、女性は大小陰唇。
- 3. 皮膚症状:下腿に好発する結節性紅斑。毛嚢炎様皮疹。血栓性静脈炎(高頻度らしい(NDE.145))など。 皮膚症状の出現頻度は90%(QB.F-147)
- 4. 眼症状:40-50%。男性に多い。網膜ぶどう膜炎、虹彩毛様体炎(前眼房蓄膿)。霧視羞明、眼痛。
副症状
- 5. 関節症状:関節炎症状(腫脹、疼痛)。大関節に多く、骨の破壊や変形は起きない傾向。
- 6. 精巣上体炎:10%以下。腫脹と疼痛。
特殊型
- 7. 消化器症状:回盲部潰瘍。回盲部を中心とした腹痛、下痢、黒色便など。腸Behcet病
- 難治性のことが多い。
- 8. 血管炎症状:大血管の動脈瘤や閉塞。脈拍や血圧の左右差。脳、腎などの循環障害症状。無症状の場合もありうる。血管Behcet病
- 9. 中枢神経症状:髄膜炎症状から、四肢麻痺、痙攣、運動失調、精神症状の出現など。神経Behcet病
ベーチェット病による血管疾患
- 参考1
検査
- 針反応:皮膚を針で刺すと膿疱ができる。皮膚の被刺激性、好中球機能過剰による
診断
治療
- 前部ぶどう膜炎:ステロイド点眼、散瞳薬
- 後部ぶどう膜炎:ステロイド結膜下注射/テノン嚢下注射
- 眼炎症予防:コルヒチン、炎症が起きればNSAIDを用いる。
- 難治例ではシクロスポリンを投与、インフリキシマブ投与
症例
- 35歳男性。発熱、関節痛を認める。今までに皮膚に結節性潰瘍、陰部潰瘍が繰り返し出現し、最近、右眼の霧視が出現したため来院。
参考
- 1. [charged] Clinical manifestations and diagnosis of Behçet’s disease - uptodate [1]
- 2. [charged] Pathogenesis of Behçet’s disease - uptodate [2]
- 3. [charged] Treatment of Behçet’s disease - uptodate [3]
- 4. ベーチェット病 - 難病情報センター
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/330
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- 英
- protein-losing gastroenteropathy PLGE, proteinlosing gastroenteropathy
- 同
- タンパク質漏出性胃腸症、滲出性腸症 exudative enteropathy、本態性低タンパク血症 essential hypoproteinemia、異化亢進性低タンパク血症 hypercatabolic hypoproteinemia
- 関
- 低タンパク血症
- 蛋白漏出性腸症 protein-losing enteropathy、蛋白喪失性腸症、タンパク質喪失性腸症、タンパク質漏出性腸症
[show details]
概念
消化管粘膜より管腔にタンパク質(主にアルブミン) が漏出する為に、低蛋白血症を伴った病態。主症状は浮腫である。吸収不良症候群とのoverlapが多い
病態生理に基づく病因の分類
- YN.A-87 参考1
- 2. 炎症:びらん・潰瘍により蛋白質が漏出する。さらに全層性の腸管病変(悪性腫瘍腫瘍、クローン病)によりリンパ管が閉塞し、リンパが漏出する機序もある→3.
検査
- アルブミン:低下
- A/G比:正常 → アルブミン低値ながらA/G比が正常なのが特徴。
- 免疫グロブリン:低下 → 免疫グロブリンも漏出してしまう
- 糞便検査:α1アンチトリプシンクリアランス試験(α1-アンチトリプシン消化管クリアランス試験):血清蛋白中の約4%を占めるATの糞便中排泄量を求める試験。腸粘膜からの蛋白漏出の程度をみる。20mL/日以上の排泄があれば陽性と診断する。
- YN A-87
鑑別
- 蛋白漏出性胃腸症:蛋白↓、コレステロール↓
- ネフローゼ症候群:蛋白↓、コレステロール↑
参考
- 1. [charged] Protein-losing gastroenteropathy - uptodate [4]
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- 英
- hepatic vein thrombosis
- 関
- バッド・キアリ症候群
[★]
バッド・キアリ症候群
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バッド・キアリ症候群
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- 英
- syndrome, symptom-complex
- 同
- 症状群
- 関
- [[]]
- 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患。
内分泌
先天的代謝異常
高プロラクチン血症
- 分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
- 分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。
性腺機能低下
- 嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
- 肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長
性早熟
- 思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
- 女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。
脳神経外科・神経内科
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- 英
- group
- 関
- グループ、集団、分類、群れ、基、グループ化
[★]
- 英
- symptom and sign
- 関
- 症状, 徴候 兆候