- 英
- isoflurane
- 商
- フォーレン、エスカイン
- 関
- 吸入麻酔薬
- セボフルランよりMACが低い。
- 軽度の刺激性があるために、セボフルランがよい例がある。
- 悪性高熱症は少ないが起こりうる。
- 肝臓でわずかに代謝を受ける(0.2%)。
WordNet
- a widely used inhalation anesthetic
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/02/01 07:59:47」(JST)
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イソフルラン
|
|
IUPAC命名法による物質名 |
2-クロロ-2-(ジフルオロメトキシ)-1,1,1-トリフルオロ-エタン |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
? |
法的規制 |
? |
識別 |
CAS登録番号 |
26675-46-7 |
ATCコード |
N01AB06 |
PubChem |
CID 3763 |
DrugBank |
APRD00212 |
KEGG |
D00545 |
化学的データ |
化学式 |
C3H2ClF5O |
分子量 |
184.5 g/mol |
イソフルラン(英:isoflurane)とは吸入麻酔薬のひとつ。常温では不燃性の液体であり、エンフルランの構造異性体である。CAS登録番号は [26675-46-7]。中枢神経の抑制、呼吸抑制、血圧低下、筋弛緩などの薬理作用があるが、痙攣作用は持たない。長時間投与でも肝毒性や腎毒性を示さないため、肝疾患や腎疾患を持つ動物に対しても使用することができる。脳保護作用が強い。過去に悪性高熱を示した動物あるいは悪性高熱を好発する動物での使用は禁忌である。
目次
- 1 膜受容体に対する作用
- 2 関連項目
- 3 参考文献
|
膜受容体に対する作用
麻酔の正確な機序はわかっていないが、ニューロンレベルにおいて、イソフルランは抑制性の受容体であるGABAA受容体を活性化し、興奮性の受容体であるニコチン性アセチルコリン受容体を抑制する一方で、NMDA型グルタミン酸受容体に対する作用はあまりないことが知られている[1]。
関連項目
参考文献
- Donald C. Plumb著 佐藤宏ほか監訳 『プラム 動物用医薬品ハンドブック 原書第3版』 株式会社ワハ 2003年
- 伊藤勝昭ほか編集 『新獣医薬理学 第二版』 近代出版 2004年 ISBN 4874021018
- 熊澤光生ら 『標準麻酔学 第5版』 医学書院 2006年 ISBN 4-260-00196-5
出典
- ^ 熊澤光生; 標準麻酔学 第5版(医学書院), 26頁
麻酔: 全身麻酔 (N01A) |
|
バルビツール酸系 |
ヘキソバルビタール · ブレビタール · ナルコバルビタール · チオペンタール
|
|
エーテル |
ジエチルエーテル · デスフルラン · エンフルラン · イソフルラン · メトキシフルラン · メチルプロピルエーテル · セボフルラン · ビニルエーテル
|
|
ハロゲン化アルキル |
クロロホルム · ハロタン · トリクロロエチレン
|
|
オピオイド |
アルフェンタニル · アニレリジン · フェンタニル · フェノペリジン · レミフェンタニル · スフェンタニル
|
|
その他 |
アルファキサロン · ドロペリドール · エスケタミン · エトミデート · ヒドロキシ酪酸 · ケタミン · ミナキソロン · 亜酸化窒素 · プロパニジド · プロポフォール · キセノン
|
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 小型犬の卵巣子宮摘出術におけるレミフェンタニルの持続静脈内投与によるイソフルラン要求量の減少効果
- 岡野 公禎,安田 伸巨,永岡 大典,金谷 友広,永岡 勝好
- 獣医麻酔外科学雑誌 = Japanese journal of veterinary anesthesia & surgery 41(3), 71-77, 2011-01-31
- NAID 10029063292
- 新しい二酸化炭素吸収剤「ヤバシライム-f」のイソフルラン麻酔における安全性について[含 コメント]
Related Links
- 理想的な揮発性吸入麻酔薬としてのイソフルラン 血液に対する低い溶解性 生体における代謝は極小 心血管系副作用が少ない 重要臓器の血流量に対する影響が小さい 良好な筋弛緩作用 オペレータに対する高い安全性(職業暴露)
- 0.5w/v%メチルセルロース400溶液, 滅菌済 イソフルラン・セボフルラン 小動物用麻酔器(室町機械社製) 病態モデル動物作製用試薬 試験研究用 医薬品成分化合物カタログ LPS(リポポリサッカリド) リンク関係 動物実験用研究試薬 (2,123KB ...
- ※※イソフルラン吸入麻酔液「ファイザー」 製造販売元(輸入元)/マイラン製薬株式会社 販売/ファイザー株式会社 更新日:2015年07月10日 処方箋医薬品 フォーレン吸入麻酔液 製造販売(輸入)元/アッヴィ合同会社
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
フォーレン吸入麻酔液
組成
成分・含量(1mL中)
添加物
禁忌
- 本薬又は他のハロゲン化麻酔薬に対して過敏性のある患者
- 血族に悪性高熱がみられた患者〔悪性高熱があらわれやすいとの報告がある.〕
効能または効果
全身麻酔
導入
- 睡眠量の静脈麻酔薬を投与し,イソフルランと酸素もしくは酸素・亜酸化窒素混合ガスとで導入する.また,イソフルランと酸素もしくは酸素・亜酸化窒素混合ガスでも導入できる.本薬による導入では,最初0.5%から始めて徐々に濃度を上げ,手術に必要な濃度にすることが望ましい.
通常,4.0%以下の濃度で導入できる.
維持
- 患者の臨床徴候を観察しながら,酸素・亜酸化窒素と併用し,最小有効濃度で外科的麻酔状態を維持する.
通常,2.5%以下の濃度で維持できる.
慎重投与
- 肝・胆道疾患のある患者〔肝・胆道疾患が増悪するおそれがある.〕
- 腎機能障害のある患者〔腎機能がさらに悪化するおそれがある.〕
- スキサメトニウム塩化物水和物の静注により筋強直がみられた患者〔悪性高熱があらわれることがある.〕
- 高齢者〔「高齢者への投与」の項参照〕
- アドレナリン含有製剤を投与中の患者〔併用により心筋のアドレナリンに対する感受性が亢進することが知られており,頻脈,不整脈等を起こすおそれがある(「相互作用」の項参照).〕
重大な副作用
悪性高熱(0.1%未満)
- 原因不明の頻脈・不整脈・血圧変動,急激な体温上昇,筋強直,血液の暗赤色化(チアノーゼ),過呼吸,ソーダライムの異常過熱・急激な変色,発汗,アシドーシス,高カリウム血症,ミオグロビン尿(ポートワイン色尿)等を伴う重篤な悪性高熱があらわれることがある.本薬を使用中,もしくは使用後に悪性高熱に伴うこれらの症状を認めた場合は,直ちに投与を中止し,ダントロレンナトリウムの静脈内投与,全身冷却,純酸素での過換気,酸塩基平衡の是正など適切な処置を行うこと.また,本症は腎不全を続発することがあるので,尿量の維持を図ること.
呼吸抑制(0.1〜5%未満)
- 麻酔中,呼吸抑制(咳,喉頭痙攣,気管支痙攣等)があらわれることがある.
ショック,アナフィラキシー様症状(頻度不明)
- ショック,アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,血圧低下,呼吸困難,血管浮腫(顔面浮腫,喉頭浮腫等),全身紅潮,蕁麻疹等の異常が認められた場合には,投与を中止し適切な処置を行うこと.
肝炎,肝機能障害(頻度不明)
- 肝炎,AST(GOT),ALT(GPT)等の著しい上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので,異常が認められた場合には,適切な処置を行うこと.なお,短期間内に反復投与した場合,その頻度が増すとの報告があるので,少なくとも3カ月以内の反復投与は避けることが望ましい.また,本剤と他のハロゲン化麻酔剤との間に交叉過敏性のあることが報告されている.
薬効薬理
麻酔作用
- イソフルランの小児手術患者におけるMAC5),及び成人手術患者におけるMAC6)は以下のとおりである.(薬効薬理の表参照)
健康成人及び手術患者での本剤による麻酔の導入及び覚醒は速やかである2),7),8).
軽度の気道刺激性があるが,唾液及び気管の分泌刺激は少なく9),咽頭・喉頭反射は速やかに消失する. また,麻酔深度は容易に調節できる4).
脳波に対する作用
- 本剤による麻酔中の脳波変化は,低濃度から高振幅徐波傾向を示し,外科的麻酔深度で群発抑制があらわれる.ネコ10)及び手術患者11)にて,本剤による痙攣を示唆する脳波所見はみられない.また,健康成人12)にて,過換気を行っても棘波や痙攣様脳波は誘発されない.
呼吸器系への影響
- 健康成人に本剤1.8%を1時間吸入させたとき,麻酔深度の増加に伴い1回換気量は低下したが,呼吸数は不変又は軽度増加した2).他の吸入麻酔剤と同様,本剤の呼吸抑制作用は強く,本剤による麻酔中は患者の換気動態の観察を十分行い,必要に応じて補助ないしは調節呼吸を行うのが望ましい7).
循環器系への影響
- 健康成人で,本剤による麻酔中調節呼吸下でPaCO2を正常に保った場合,心拍出量はほぼ一定に保たれる13).手術患者では,本剤による麻酔の導入時に血圧は低下するが,手術刺激により回復する.維持中は麻酔深度が深くなるにつれて末梢血管抵抗が低下するため,血圧は低下する14).心拍数は麻酔深度が深くなるにつれて増加傾向を示すが,不整脈の発現は少ない15).また,心筋のアドレナリンに対する感受性を高めるが,ハロタンに比して軽度である1),16).
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- (2RS)-2-Chloro-2-(difluoromethoxy)-1,1,1-trifluoroethane
分子式
分子量
沸点
比重d2020
屈折率n20D
蒸気圧
- 20℃ 31.7kPa(238mmHg)
25℃ 39.3kPa(295mmHg)
35℃ 60.0kPa(450mmHg)
分配係数(37℃)
- 水/ガス 0.61
血液/ガス 1.43
油/ガス 90.8
各種ゴム及びプラスチックにおける分配係数(25℃)
- 伝導性ゴム/ガス 62.0
ブチルゴム/ガス 75.0
塩化ポリビニル/ガス 111.0
ポリエチレン/ガス 約2.0
性状
- 無色透明の流動性の液である.エタノール(99.5),メタノール又はο-キシレンと混和する.水に溶けにくい.揮発性で引火性はない.旋光性を示さない.
★リンクテーブル★
[★]
- 42歳の男性。全身麻酔下で緊急脳動脈瘤クリッピング術を行う。術前の胸部エックス線写真(別冊No.5)を別に示す。
- 使用すべきでない麻酔薬はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104G041]←[国試_104]→[104G043]
[★]
- 英
- inhalation alanesthetic agent, inhaled anesthetic
- 同
- ガス吸入麻酔薬、ガス麻酔薬
- 関
- 薬理学、全身麻酔薬
吸入麻酔薬の身体影響
- YN.M7 SAN.40
- 中枢神経系:意識消失、酸素消費量減少、脳血管拡張、頭蓋内圧上昇、(亜酸化窒素のみ)鎮痛作用
- 呼吸器系:用量依存的にコキュを抑制、一回換気量減少、呼吸回数増加、気管拡張作用、線毛運動抑制、気道分泌抑制、低酸素性肺血管収縮抑制
- 循環器系:用量依存的に血圧低下(血管拡張or心筋抑制)、内臓血流減少、脳・筋肉・皮膚血流増加
- 筋肉:(揮発性吸入麻酔薬のみ)
吸入麻酔薬
- SAN.39
化合物名
|
分子式
|
小さいほど強力
|
小さいほど効きが早い
|
特徴
|
麻酔に必要な条件
|
|
|
|
MAC
|
血液ガス分配係数
|
意識消失
|
鎮痛
|
筋弛緩
|
反射抑制
|
笑気
|
N2O
|
101
|
0.47
|
|
△ 低MAC
|
○
|
×
|
?
|
イソフルラン
|
F3C-CH(Cl)-O-CHF
|
1.15
|
1.48
|
|
○
|
×
|
○
|
?
|
セボフルラン
|
FH2C-O-CH(CF3)2
|
1.71
|
0.63
|
|
○
|
×
|
○
|
?
|
ハロタン
|
F3C-CHClBr
|
0.76
|
2.3
|
- 肝障害(3万例に1例)
- アドレナリン感受性↑(不整脈リスク)
- 生体内分解20%
|
○
|
×
|
△
|
?
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
麻酔薬と脳に及ぼす影響
- 参考4
参考
- http://www.geocities.co.jp/Colosseum-Acropolis/6786/Inhaled.html
- http://www.med.akita-u.ac.jp/~doubutu/ouu/Inhalation.html
- http://www.shinshu-masui.jp/information/2011/06/22/%E5%90%B8%E5%85%A5%E9%BA%BB%E9%85%94%E8%96%AC%E3%81%AE%E8%96%AC%E7%90%86.pdf
- http://www.shinshu-masui.jp/information/2010/05/26/%E5%90%B8%E5%85%A5%E9%BA%BB%E9%85%94%E8%96%AC.pdf
[★]
- 英
- cerebral blood flow
- 関
- 脳血流量
麻酔薬、鎮痛薬と脳血流
- 吸入麻酔薬では脳血管拡張作用により脳血流が増加
- 静脈麻酔薬の興奮性麻酔薬では脳神経活動亢進、酸素消費量増大など代謝の亢進のために脳血管拡張を来たし、脳血流増加 (SAN.45)
- 静脈麻酔薬の抑制性麻酔薬では脳神経活動低下、酸素消費量低下など代謝の低下のために脳血管収縮を来たし、脳血流低下 (SAN.45)
SAN.291改変
[★]
- 英
- anesthetic, anesthetic agent, anesthetic drug
- ラ
- narcoticum
- 関
- 麻酔
概念
- 手術を行うことが許容される程度まで神経を抑制する薬物
- 無痛、無意識、筋弛緩、反射の抑制
分類
特徴
- 全身麻酔薬の中で催眠作用と(十分な)鎮痛作用があるのはケタミン、亜酸化窒素(催眠作用弱)
- 全身麻酔薬の中で催眠作用と筋弛緩作用があるのはセボフルラン、イソフルラン
- 全身麻酔薬の中でもっぱら催眠作用を得るために使用しているのはケタミン以外の静脈麻酔薬
参考
- http://tkamogashira.users.sourceforge.net/sodan/story/m/anes.html
- http://park12.wakwak.com/~pharma1/textbook/Anesthetics/Anesthetics.html
[★]
イソフルラン、フォーレン