ミノサイクリン
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
クーペラシン点滴静注用100mg
組成
成分・分量
- 1バイアル中
ミノサイクリン塩酸塩:100mg(力価)
添加物
禁忌
- テトラサイクリン系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
適応菌種
- ミノサイクリンに感性の黄色ブドウ球菌、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、モラクセラ・ラクナータ(モラー・アクセンフェルト菌)、炭疽菌、大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、インフルエンザ菌、シュードモナス・フルオレッセンス、緑膿菌、バークホルデリア・セパシア、ステノトロホモナス(ザントモナス)・マルトフィリア、アシネトバクター属、フラボバクテリウム属、レジオネラ・ニューモフィラ、リケッチア属(オリエンチア・ツツガムシ)、クラミジア属、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)
適応症
- 敗血症、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、炭疽、つつが虫病、オウム病
- 胎児に一過性の骨発育不全、歯牙の着色・エナメル質形成不全を起こすことがある。また、動物実験(ラット)で胎児毒性が認められているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
- 小児(特に歯牙形成期にある8歳未満の小児)に投与した場合、歯牙の着色・エナメル質形成不全、また、一過性の骨発育不全を起こすことがあるので、他の薬剤が使用できないか、無効の場合にのみ適用を考慮すること。
- 点滴静脈内注射は、経口投与不能の患者及び救急の場合に行い、経口投与が可能になれば経口用剤に切り替える。
通常成人には、初回ミノサイクリン塩酸塩100〜200mg(力価)(1〜2バイアル)、以後12時間ないし24時間ごとに100mg(力価)(1バイアル)を補液に溶かし、30分〜2時間かけて点滴静脈内注射する。
注射液調製法
- 本剤100mg(力価)及び200mg(力価)当たり100〜500mLの糖液、電解質液又はアミノ酸製剤などに溶解する。ただし、注射用水は等張とならないので使用しないこと。
- 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
- 炭疽の発症及び進展抑制には、類薬であるドキシサイクリンについて米国疾病管理センター(CDC)が、60日間の投与を推奨している。
慎重投与
- 肝障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]
- 腎障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]
- 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー様症状
頻度不明
- ショック、アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので、観察を十分に行い、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗、全身潮紅、呼吸困難、血管浮腫(顔面浮腫、喉頭浮腫等)、意識障害等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
全身性紅斑性狼瘡(SLE)様症状の増悪
頻度不明
- 全身性紅斑性狼瘡(SLE)様症状の増悪があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、剥脱性皮膚炎
頻度不明
- 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、剥脱性皮膚炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
**薬剤性過敏症症候群
頻度不明
- 初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害等の臓器障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
血液障害
頻度不明
- 汎血球減少、無顆粒球症、顆粒球減少、白血球減少、血小板減少、溶血性貧血、貧血があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
重篤な肝機能障害
頻度不明
- 肝不全等の重篤な肝機能障害があらわれることがあるので、特に投与初期は観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。(投与開始1週間以内に出現することがある。)
急性腎不全、間質性腎炎
頻度不明
- 急性腎不全、間質性腎炎があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
呼吸困難、間質性肺炎、PIE症候群
頻度不明
- 間質性肺炎、PIE症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、咳嗽、労作時息切れ、呼吸困難等の異常が認められた場合には、速やかに胸部X線検査等を実施し、間質性肺炎、PIE症候群が疑われる場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
膵炎
頻度不明
- 膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
痙攣、意識障害等の精神神経障害
頻度不明
- 痙攣、意識障害等の精神神経障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
出血性腸炎、偽膜性大腸炎
頻度不明
- 出血性腸炎、偽膜性大腸炎等の重篤な腸炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- ミノサイクリン塩酸塩の抗菌スペクトルは、他のテトラサイクリンと同様にグラム陽性・陰性菌、リケッチア、クラミジアなど広範囲であり、抗菌力は、テトラサイクリンなどに比べて1〜4倍強い。他の抗生物質が無効なアシネトバクターやステノトロホモナス・マルトフィリアなどにも有効であり、テトラサイクリン耐性のブドウ球菌、レンサ球菌、大腸菌のうちでミノサイクリン塩酸塩に感受性を示す株も多い。作用機序は、細菌の蛋白合成系の阻害でaminoacyl tRNAがmRNA・リボソーム複合物と結合するのを妨げる。動物のリボソーム80Sには作用せず、細菌のリボソーム70Sに特異的に作用する。1)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- ミノサイクリン塩酸塩[日局]
Minocycline Hydrochloride
略号
化学名
- (4S,4aS,5aR,12aS)-4,7-Bis(dimethylamino)-3,10,12,12a-tetrahydroxy-1,11-dioxo-1,4,4a,5,5a,6,11,12a-octahydrotetracene-2-carboxamide monohydrochloride
分子式
分子量
性状
- 黄色の結晶性の粉末である。
N,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、水にやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくい。
pH
- 1.0gを水100mLに溶かした液のpHは3.5〜4.5である。
★リンクテーブル★
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- 英
- minocycline, MNC, MINO
- ラ
- minocyclinum
- 化
- 塩酸ミノサイクリン minocycline hydrochloride ミノサイクリン塩酸塩
- 商
- クーペラシン、ナミマイシン、ペリオクリン、ペリオフィール、ミノトーワ、ミノペン、ミノマイシン
- 関
- 主としてグラム陽性・陰性菌,リケッチア,クラミジアに作用するもの、歯科用抗生物質製剤
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