- 英
- stearate, stearic acid
- 同
- オクタデカン酸 octadecanoic acid
- 関
- 飽和直鎖脂肪酸
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/01/31 19:16:04」(JST)
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| ステアリン酸[1] |
|
|
|
|
|
|
| 識別情報 |
| CAS登録番号 |
57-11-4 |
| PubChem |
5281 |
| DrugBank |
DB03193 |
| ChEMBL |
CHEMBL46403 |
|
|
| 特性 |
| 化学式 |
C18H36O2 |
| モル質量 |
284.48 g mol−1 |
| 外観 |
白色固体 |
| 密度 |
0.847 g/cm3 at 70 °C |
| 融点 |
69.6 °C, 343 K, 157 °F
|
| 沸点 |
383 °C, 656 K, 721 °F
|
| 水への溶解度 |
3 mg/L (20 °C) |
| 屈折率 (nD) |
1.4299 |
| 特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ステアリン酸(ステアリンさん、stearic acid)とは動物性・植物性脂肪で最も多く含まれる飽和脂肪酸(高級脂肪酸)である。分子式C17H35COOH、IUPAC組織名はオクタデカン酸 octadecanoic acid である。融点 69.9 °C、沸点 376 °C(分解)、比重約0.9で、CAS登録番号は57-11-4である。
遊離酸は常温で白色の低融点の固体であり、ろうそくの原料にもなる。
親水基 (COOH) と疎水基 (C17H35) を併せ持ち、分子が細長いので、水面/油面において1分子の厚みをもつ膜(単分子膜またはラングミュア膜、L膜)を形成する性質がある。
目次
- 1 生成と変換
- 2 ナトリウム塩
- 3 カルシウム塩
- 4 脚注
- 5 関連項目
生成と変換[編集]
植物、微生物、ヒトを含めた動物の体内では、脂肪酸シンターゼによってアセチルCoAとマロニルCoAから直鎖の飽和脂肪酸が作られる。順次アセチルCoAが追加合成されるので原則脂肪酸は偶数の炭素数となる。体内で余剰の糖質、タンパク質等が存在するとアセチルCoAを経て、飽和脂肪酸の合成が進む。脂肪酸の合成は炭素数16のパルミチン酸で一旦終了する。16:0のパルミチン酸は、長鎖脂肪酸伸長酵素により、18:0のステアリン酸に伸張される。ステアリン酸は、体内でステアロイルCoA 9-デサチュラーゼ(Δ9-脂肪酸デサチュラーゼ)によりステアリン酸のw9位に二重結合が生成されてω-9脂肪酸の一価不飽和脂肪酸である18:1のオレイン酸が生成される[2]。ステアリン酸がオレイン酸に変換されることで体内の脂肪酸の融点が下がり、体温環境下で脂肪酸を液体に保ち、流動性を増加させる。
ナトリウム塩[編集]
ステアリン酸ナトリウムは石鹸や洗剤として用いられる。
カルシウム塩[編集]
ステアリン酸カルシウムは分子式 Ca(C17H35COO)2、CAS登録番号は1592-23-0である。
ステアリン酸のアルカリ土類金属塩は水に対して溶解性が低い。言い換えると、ステアリン酸カルシウムは硬水中で発生する石鹸カス(スカム)の成分の一つである。製品としてのステアリン酸カルシウムは粉体の流動性向上や固結防止剤として使用される。同様に食品添加物として、滑剤、離型剤、増粘安定剤、固結防止剤あるいはフレーバー付与補助剤として使用される。また医薬品の錠剤を形成する際の滑剤として日本薬局方にも収載されている。
脚注[編集]
- ^ Susan Budavari, ed (1989). Merck Index (11th ed.). Rahway, New Jersey: Merck & Co., Inc. p. 8761. ISBN 978-0-911910-28-5.
- ^ I章 最新の脂質栄養を理解するための基礎 ― ω(オメガ)バランスとは? 『 脂質栄養学の新方向とトピックス』
関連項目[編集]
|
ウィキメディア・コモンズには、ステアリン酸に関連するカテゴリがあります。 |
C17:
マルガリン酸 |
飽和脂肪酸 |
C19:
ノナデシル酸 |
|
脂肪:主な脂肪酸 |
|
|
飽和脂肪酸
(「*」印は揮発性)
|
C1 蟻酸* - C2 酢酸* - C3 プロピオン酸* - C4 酪酸* - C5 吉草酸 - C6 カプロン酸 - C7 エナント酸 - C8 カプリル酸 - C9 ペラルゴン酸 - C10 カプリン酸 - C11 ウンデシル酸 - C12 ラウリン酸 - C13 トリデシル酸 - C14 ミリスチン酸 - C15 ペンタデシル酸 - C16 パルミチン酸 - C17 マルガリン酸 - C18 ステアリン酸 - C19 ノナデシル酸 - C20 アラキジン酸 - C21 ヘンイコシル酸 - C22 ベヘン酸 - C23 トリコシル酸 - C24 リグノセリン酸
|
|
|
不飽和脂肪酸
|
|
ω-3脂肪酸
|
α-リノレン酸 - ステアリドン酸 - エイコサペンタエン酸 - ドコサペンタエン酸 - ドコサヘキサエン酸
|
|
|
ω-6脂肪酸
|
リノール酸 - γ-リノレン酸 - ジホモ-γ-リノレン酸 - アラキドン酸 - ドコサペンタエン酸
|
|
|
ω-7脂肪酸
|
パルミトレイン酸 - バクセン酸 - パウリン酸
|
|
|
ω-9脂肪酸
|
オレイン酸 - エライジン酸 - エルカ酸 - ネルボン酸
|
|
|
| 主要な生体物質:炭水化物(アルコール、糖タンパク質、配糖体) · 脂質(エイコサノイド · 脂肪酸/脂肪酸の代謝中間体 · リン脂質 · スフィンゴ脂質 · ステロイド) · 核酸(核酸塩基 · ヌクレオチド代謝中間体) · タンパク質(タンパク質を構成するアミノ酸/アミノ酸の代謝中間体) · テトラピロール · ヘムの代謝中間体 |
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Japanese Journal
- ステアリン酸で表面処理したセルロースナノファイバーの作製とその性質
- Journal of the Society of Inorganic Materials, Japan : セッコウ・石灰・セメント・地球環境の科学 23(380), 30-33, 2016-01
- NAID 40020708216
- 「銅の酸化」に関する効果的な授業の展開に向けた工夫
- 反応熱脱着-GC/MSによる加硫スチレン-ブタジエンゴム中のステアリン酸の定量分析
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- fatty acid, fatty acids
- 同
- 脂酸
脂肪酸の酸化 FB.383-389
- アシルCoAはミトコンドリア内膜を通過できないので、カルニチンにアシル基を転移してもらい、ミトコンドリア内膜でアシルCoAに戻される。
- 不飽和脂肪酸の酸化
- β酸化(偶数炭素脂肪酸(C-C2n-CO-ScoA)@ミトコンドリア
- 奇数炭素脂肪酸(C2n-CO-ScoA))@ミトコンドリア
- β酸化@ペルオキシソーム:鎖長C22以上の長い脂肪酸は拡散でペルオキシソームに移動して酸化される。
- 脂肪酸の融点:炭素鎖が長い方が分子間の相互作用が多く、強固に配列できる。不飽和結合が少なければ立体的に障害が少なく強固に配列できる → 炭素数が長く、飽和度が低いほど融点が高い。0
参考
[★]
- 英
- carboxylic acid
カルボン酸の一覧
飽和脂肪酸
| 炭素数
|
慣用名
|
IUPAC名
|
化学式
|
備考
|
| 1 |
ギ酸 |
メタン酸 |
HCOOH |
アリ、ハチの毒
|
| 2 |
酢酸 |
エタン酸 |
CH3COOH |
酢
|
| 3 |
プロピオン酸 |
プロパン酸 |
CH3CH2COOH |
|
| 4 |
酪酸 |
ブタン酸
|
CH3(CH2)2COOH |
油脂が腐敗した臭い
|
| 5 |
吉草酸 |
ペンタン酸
|
CH3(CH2)3COOH |
|
| 6 |
カプロン酸 |
ヘキサン酸
|
CH3(CH2)4COOH |
|
| 7 |
エナント酸 |
ヘプタン酸
|
CH3(CH2)5COOH |
|
| 8 |
カプリル酸 |
オクタン酸
|
CH3(CH2)6COOH |
|
| 9 |
ペラルゴン酸 |
ノナン酸
|
CH3(CH2)7COOH |
|
| 10 |
カプリン酸 |
デカン酸
|
CH3(CH2)8COOH |
|
| 12 |
ラウリン酸 |
ドデカン酸
|
CH3(CH2)10COOH |
ココナッツ油
|
| 14 |
ミリスチン酸 |
テトラデカン酸
|
CH3(CH2)12COOH |
|
| 16 |
パルミチン酸 |
ヘキサデカン酸
|
CH3(CH2)14COOH |
|
| 17 |
マルガリン酸 |
ヘプタデカン酸
|
CH3(CH2)15COOH |
|
| 18 |
ステアリン酸 |
オクタデカン酸
|
CH3(CH2)16COOH |
|
[★]
- 英
- phosphatidylcholine PC PtdCho
- 同
- レシチン lecithin, 1,2-ジアシルグリセロホスホコリン sn-1,2-diacylglycerophosphocholine
- 関
- コリン、グリセロリン脂質。L/S比
- 図:FB.154
- グリセロリン脂質の一種で、リン酸を介してコリンが結合している
構造
胎児の肺サーファクタント
[★]
ステアリン酸、ステアリン酸エステル、ステアリン酸塩
- 関
- aluminum monostearate、calcium stearate、magnesium stearate、octadecanoic acid、stearic acid
[★]
- 英
- aluminum monostearate
- 関
- ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、オクタデカン酸、モノステアリン酸アルミニウム
[★]
- 英
- calcium stearate
- 関
- ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、オクタデカン酸、ステアリン酸アルミニウム
[★]
- 英
- magnesium stearate
- 関
- ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、オクタデカン酸、ステアリン酸アルミニウム
[★]
- 英
- aluminum monostearate
- 関
- ステアリン酸アルミニウム
[★]
- 関
- ステアリン酸、コレステロールエステル
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義