- 英
- caprylic acid、caprylate
- 関
- オクタン酸、カプリル酸塩、カプリル酸エステル
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/07/08 07:32:23」(JST)
[Wiki ja表示]
カプリル酸 |
|
IUPAC名 |
オクタン酸 |
分子式 |
C8H16O2 |
分子量 |
144.21 |
CAS登録番号 |
[124-07-2] |
形状 |
無色油状液体 |
融点 |
15–17 °C |
沸点 |
233–241 °C |
SMILES |
CCCCCCCC(=O)O |
出典 |
NIST |
カプリル酸(カプリルさん、caprylic acid)は炭素数8の直鎖状脂肪酸で、IUPAC系統名はオクタン酸 octanoic acid である。天然にはココナッツや母乳に含まれる。弱い不快な腐敗臭を持つ油状液体で、水にはほとんど溶けない。
工業的には香料として用いられるエステルの合成や染料の製造に利用される。
生理作用と応用[編集]
抗菌活性を持ち、しばしばカンジダ症の治療に供される。栄養学者エリカ・ホワイト (Erica White) によれば、カプリル酸は腸に感染したカンジダ菌への対処に有効である。カンジダ菌は腸でコロニー形成することも多いが、長鎖脂肪酸が存在すると細胞膜組織に侵入しにくくなる。このため栄養学者はカンジダ症の患者にはまずカプリル酸を勧め、その後クローブ油やオレガノ油などの植物油に移行する。それらの植物油には、より簡単に筋肉・関節・洞といった体組織に浸透しやすい、短い鎖長の脂肪酸が含まれている。
バクテリア感染症の治療にも用いられる。
カプリル酸は胃で作られるペプチドホルモン、グレリンの3番目のアミノ酸残基であるセリンに結合し、そのヒドロキシ基(OH基)をアシル化する。これによりグレリンは活性型となり、視床下部の摂食中枢に作用して空腹感をもたらす。他の脂肪酸も同様な効果を持つとされる。
多く含む食品[編集]
カプリル酸を多く含む食品には次のものが代表的である。
C7:
エナント酸 |
飽和脂肪酸 |
C9:
ペラルゴン酸 |
脂肪:主な脂肪酸 |
|
飽和脂肪酸
(「*」印は揮発性)
|
C1 蟻酸* - C2 酢酸* - C3 プロピオン酸* - C4 酪酸* - C5 吉草酸 - C6 カプロン酸 - C7 エナント酸 - C8 カプリル酸 - C9 ペラルゴン酸 - C10 カプリン酸 - C11 ウンデシル酸 - C12 ラウリン酸 - C13 トリデシル酸 - C14 ミリスチン酸 - C15 ペンタデシル酸 - C16 パルミチン酸 - C17 マルガリン酸 - C18 ステアリン酸 - C19 ノナデシル酸 - C20 アラキジン酸 - C21 ヘンイコシル酸 - C22 ベヘン酸 - C23 トリコシル酸 - C24 リグノセリン酸
|
|
不飽和脂肪酸
|
ω-3脂肪酸
|
α-リノレン酸 - ステアリドン酸 - エイコサペンタエン酸 - ドコサペンタエン酸 - ドコサヘキサエン酸
|
|
ω-6脂肪酸
|
リノール酸 - γ-リノレン酸 - ジホモ-γ-リノレン酸 - アラキドン酸 - ドコサペンタエン酸
|
|
ω-9脂肪酸
|
オレイン酸 - エライジン酸 - エルカ酸 - ネルボン酸
|
|
|
主要な生体物質
ペプチド - アミノ酸 - 核酸 - 炭水化物 - 脂肪酸 - テルペノイド - カロテノイド
テトラピロール - 補因子 - ステロイド - フラボノイド - アルカロイド - ポリケチド - 配糖体 |
|
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 21-P3-494 ミリスチン酸イソプロピル/カプリル酸モノグリセリド併用による角質細胞間脂質の赤外吸収スペクトル変化(TDM・投与設計,来るべき時代への道を拓く)
- 福島 恵太,古石 誉之,深水 啓朗,鈴木 豊史,梅田 由紀子,日高 慎二,伴野 和夫
- 日本医療薬学会年会講演要旨集 18, 456, 2008-09-01
- NAID 110006965007
- 新規機能性デオドラント剤:カプリル酸ポリグリセリル-3 (特集1 最近の制汗・デオドラント剤の開発動向)
- Santonnat Betty,Allef Petra,西田 寛
- フレグランスジャーナル 34(5), 58-62, 2006-05
- NAID 40007314171
Related Links
- カプリル酸(カプリルさん、caprylic acid)は炭素数8の直鎖状脂肪酸で、IUPAC系統名はオクタン酸 (octanoic acid) である。天然にはココナッツや母乳に含まれる。弱い不快な腐敗臭を持つ油状液体で、水にはほとんど溶けない。
- カプリル酸(カプリルさん、caprylic acid)は炭素数8の直鎖状脂肪酸で、IUPAC系統名はオクタン酸 octanoic acid である。天然にはココナッツや母乳に含まれる。弱い不快な腐敗臭を持つ油状液体で、水にはほとんど溶けない。
- 栄養・生化学辞典 カプリル酸の用語解説 - C8H16O2 (mw144.21).CH3(CH2)6COOH.オクタン酸,オクチル酸ともいう.炭素数8個の飽和脂肪酸.乳脂(バター)やパーム油のグリセリドに含まれ,特有のにおいをもつ低級飽和脂肪酸.
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
献血アルブミン5%静注5g/100mL「ベネシス」
組成
有効成分〔1瓶中〕
添加物〔1瓶中〕
- アセチルトリプトファンナトリウム 107.3mg,カプリル酸ナトリウム 66.5mg,塩化ナトリウム 0.8g,水酸化ナトリウム 適量
備考
- 人血清アルブミンは,ヒト血液に由来する.
(採血国:日本,採血の区別:献血)
- ナトリウム含量は3.7mg/mL以下である.なお,ナトリウム含量及び塩素含量の実測値は直接の容器及び外箱に表示してある.
- 本剤は,製造工程(不溶化ヘパリンによる吸着処理)で,ブタ小腸粘膜由来成分(ヘパリン)を使用している.
禁忌
効能または効果
- アルブミンの喪失(熱傷,ネフローゼ症候群など)及びアルブミン合成低下(肝硬変症など)による低アルブミン血症,出血性ショック
- 通常成人1回100〜250mL(人血清アルブミンとして5〜12.5g)を緩徐に静脈内注射又は点滴静脈内注射する.
なお,年齢,症状,体重により適宜増減する.
- 本剤の大量使用はナトリウムの過大な負荷を招くことがあるので注意すること.
- 投与後の目標血清アルブミン濃度としては,急性の場合は3.0g/dL以上,慢性の場合は2.5g/dL以上とする.
本剤の投与前には,その必要性を明確に把握し,投与前後の血清アルブミン濃度と臨床所見の改善の程度を比較して,投与効果の評価を3日間を目途に行い,使用の継続を判断し,漫然と投与し続けることのないよう注意すること.
慎重投与
- ハプトグロビン欠損症の患者〔過敏反応を起こすおそれがある.〕
- 心臓障害のある患者〔循環血漿量の増加により心負荷増大の可能性がある.〕
- 循環血液量が正常ないし過多の患者〔急速に注射すると,心過負荷等の循環障害及び肺浮腫を起こすことがある.〕
- 溶血性・失血性貧血の患者〔ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない.感染した場合には,発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある.〕
- 免疫不全患者・免疫抑制状態の患者〔ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない.感染した場合には,持続性の貧血を起こすことがある.〕
重大な副作用
ショック,アナフィラキシー(いずれも頻度不明):
- ショック,アナフィラキシーがあらわれることがあるので,観察を十分に行い,呼吸困難,喘鳴,胸内苦悶,血圧低下,脈拍微弱,チアノーゼ等が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
薬効薬理
- アルブミンは正常人血漿たん白のうち約60%を占める量的に最も多いたん白で,血漿膠質浸透圧の約80%を担い,水分を保持する(1gのアルブミンは約20mLの血漿を増加させる)ことにより循環血液量を調節している1,2).
本剤は,正常の人血漿に相当する膠質浸透圧を有する5%濃度溶液で,本剤の投与により速やかに循環血漿量を増加し,体液循環が改善される.
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- carboxylic acid
カルボン酸の一覧
飽和脂肪酸
炭素数
|
慣用名
|
IUPAC名
|
化学式
|
備考
|
1 |
ギ酸 |
メタン酸 |
HCOOH |
アリ、ハチの毒
|
2 |
酢酸 |
エタン酸 |
CH3COOH |
酢
|
3 |
プロピオン酸 |
プロパン酸 |
CH3CH2COOH |
|
4 |
酪酸 |
ブタン酸
|
CH3(CH2)2COOH |
油脂が腐敗した臭い
|
5 |
吉草酸 |
ペンタン酸
|
CH3(CH2)3COOH |
|
6 |
カプロン酸 |
ヘキサン酸
|
CH3(CH2)4COOH |
|
7 |
エナント酸 |
ヘプタン酸
|
CH3(CH2)5COOH |
|
8 |
カプリル酸 |
オクタン酸
|
CH3(CH2)6COOH |
|
9 |
ペラルゴン酸 |
ノナン酸
|
CH3(CH2)7COOH |
|
10 |
カプリン酸 |
デカン酸
|
CH3(CH2)8COOH |
|
12 |
ラウリン酸 |
ドデカン酸
|
CH3(CH2)10COOH |
ココナッツ油
|
14 |
ミリスチン酸 |
テトラデカン酸
|
CH3(CH2)12COOH |
|
16 |
パルミチン酸 |
ヘキサデカン酸
|
CH3(CH2)14COOH |
|
17 |
マルガリン酸 |
ヘプタデカン酸
|
CH3(CH2)15COOH |
|
18 |
ステアリン酸 |
オクタデカン酸
|
CH3(CH2)16COOH |
|
[★]
- 関
- caprylic acid、octanoate、octanoic acid
[★]
- 英
- caprylate
- 関
- カプリル酸、カプリル酸エステル
[★]
- 英
- caprylate
- 関
- カプリル酸、カプリル酸塩
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義