- 英
- plant hormone、phytohormone
- 関
- 植物成長調節物質
WordNet
- (botany) a plant product that acts like a hormone (同)plant_hormone, growth_regulator
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2018/01/24 23:17:33」(JST)
[Wiki ja表示]
植物ホルモン(しょくぶつホルモン)とは、植物自身が作り出し、低濃度で自身の生理活性・情報伝達を調節する機能を有する物質で、植物に普遍的に存在し、その化学的本体と生理作用とが明らかにされた物質のことである[1][2]。シロイヌナズナなどのモデル生物での実験により研究が進んだこともあり、高等植物(裸子植物と被子植物)に特有のものと思われがちであるが、シダ植物に普遍的に存在する造精器誘導物質であるアンセリディオゲン (antheridiogen) や、シダ植物・コケ植物における既知のホルモンの生理活性も知られている[3]。動物におけるホルモンとは異なり、分泌器官や標的器官が明確ではなく、また輸送のメカニズムも共通していない[1]。
かつては、動物のホルモンと定義を同じくしていたが、多数の植物でホルモンが発見され、上記のような特徴に加え、作用する場所や濃度に応じて、同一の物質であってもその生理活性が著しく異なるなど、動物ホルモンとの差異が明らかになるにつれ、植物ホルモンとして区別されるようになった。
合成された化学物質や、微生物などが生産する物質の中には、植物の成長や生理活性に影響を与えるものとして、植物成長物質、植物成長調節物質、成長阻害物質などが存在する。しかし、上記の定義に照らし、植物ホルモンとは区別される[1]。
目次
- 1 分類
- 1.1 植物ホルモンの種類
- 1.2 ペプチドホルモン
- 1.3 植物ホルモン様物質
- 1.4 化学構造
- 2 脚注
- 3 参考文献
- 4 関連項目
分類
化学的には植物ホルモンは単一の種類の物質ではない。「古典的」植物ホルモンは5つの種類に分けられる[要出典]。
- オーキシン、サイトカイニン、ジベレリン(主に生長促進作用を示す)[要出典]
- アブシシン酸、エチレン(主に阻害作用を示す)[要出典]
加えて、ブラシノステロイドやジャスモン酸類、サリチル酸、システミンといったペプチドホルモンも役割を果たしている。ポリアミンは、常に存在すること、細胞内でのみシグナル機能を有すること、不可逆的に反応すること、高濃度(mM)で作用を示すことなどから植物ホルモンとはされていない。最近、ストリゴラクトン類も植物ホルモンとして認められてきた[4]。
植物ホルモンの種類
- オーキシン
- ジベレリン
- サイトカイニン
- アブシシン酸
- エチレン
- ブラシノステロイド
- ジャスモン酸類
- フロリゲン[5]
- ストリゴラクトン
ペプチドホルモン
近年、約100アミノ酸以下の比較的短鎖な分泌型ペプチドが、細胞間情報伝達に関与していることが明らかになってきた。代表的なものに、CLV3をはじめとする、CLE遺伝子群などが発見されており、受容体の解析も進みつつあるため、現在では植物ホルモンの1つのグループとしてペプチドホルモンとされている[1][6]。
植物ホルモン様物質
以下の物質は植物ホルモンとして扱われることもある[1][2]。
化学構造
脚注
- ^ a b c d e 小柴恭一、神谷勇治ほか 『新しい植物ホルモンの科学』 講談社、2010年、第2。ISBN 978-4-06-153446-9。
- ^ a b 福田裕穂、町田康則、神谷勇治、服部束穂 『植物ホルモンのシグナル伝達』 秀潤社〈細胞工学別冊〉、2004年、新。ISBN 4-87962-274-5。
- ^ 室伏 旭 (1985). “植物ホルモンとバイオサイエンス”. 有機合成化学協会誌 43 (11): 991-1002. doi:10.5059/yukigoseikyokaishi.43.991.
- ^ Xie X, Yoneyama K, Yoneyama K (April 2010). “The Strigolactone Story”. Annual Review of Phytopathology 48: 93-117. doi:10.1146/annurev-phyto-073009-114453. PMID 20687831. http://www.annualreviews.org/doi/abs/10.1146/annurev-phyto-073009-114453?journalCode=phyto.
- ^ 小柴恭一・神谷勇治編 『新しい植物ホルモンの科学』 講談社、2010年、第2版。ISBN 978-4-06-153446-9。のp.171において、『「植物ホルモン」一般の定義に当てはまらないため,「花成ホルモン」という名称は好ましくない.本書では,「花成ホルモン」の代わりに「フロリゲン」の名称を用いる』と荒木は述べている。
- ^ Gehring, C. A. (1999). “Natriuretic peptides—a new class of plant hormone?”. Ann. Bot. 83: 329-334. doi:10.1006/anbo.1998.0834. http://aob.oxfordjournals.org/cgi/content/abstract/83/4/329.
参考文献
- 小柴恭一; 神谷勇治編 『新しい植物ホルモンの科学』 (第2版) 講談社、2010年。ISBN 978-4-06-153446-9。
- 福田裕穂ほか監修 『植物ホルモンのシグナル伝達-生合成から生理機能へ』 (新版) 秀潤社〈細胞工学別冊〉、2004年。ISBN 4-87962-274-5。
- H.R.Lerner ed. (1999-07). Plant Responses to Environmental Stresses: From Phytohormones to Genome Reorganizatio. Books in Soils, Plants, and the Environment. CRC Press. ISBN 9780824700447.
- Jonathan D. B. Weyers; Neil W. Paterson (2002-04). “Plant hormones and the control of physiological processes[1]”. New Phytologist (Plant Sciences) 152 (3). doi:10.1046/j.0028-646X.2001.00281.x.
関連項目
|
この項目は、化学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:化学/Portal:化学)。 |
|
この項目は、植物に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:植物/Portal:植物)。 |
|
この項目は、生物学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:生命科学/Portal:生物学)。 |
植物ホルモン |
アブシシン酸 - オーキシン - サイトカイニン - エチレン - ジベレリン
|
ブラシノステロイド - フロリゲン - ジャスモン酸類 - カリキン - 植物ペプチドホルモン - ポリアミン - サリチル酸 - ストリゴラクトン
|
|
植物学 |
下位区分 |
- 民族植物学
- 古植物学
- 植物解剖学
- 植物生態学(英語版)
- 植物進化発生生物学(英語版)
- 植物形態学
- 植物生理学
|
|
植物 |
- 植物の進化
- 藻類
- コケ植物
- シダ植物
- 裸子植物
- 被子植物
|
植物部位 |
- 花
- 果実
- 葉
- 分裂組織
- 根
- 茎
- 気孔
- 維管束
- 木材
|
植物細胞 |
- 細胞壁
- クロロフィル
- 葉緑体
- 光合成
- 植物ホルモン
- 色素体
- 蒸散
|
植物の生殖 |
- 世代交代
- 配偶体
- 性
- 花粉
- 受粉
- 種子
- 胞子
- 胞子体
|
植物分類学(英語版) |
- 学名
- ハーバリウム
- IAPT(英語版)
- 国際藻類・菌類・植物命名規約
- 植物の種(英語版)
|
用語集 |
- 植物形態学の用語一覧(英語版)
- 植物学の用語一覧(英語版)
|
|
|
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 受容体複合体再構築系を用いた植物ホルモン輸送体の同定と機能解析(奨励賞,受賞業績)
Related Links
- 植物ホルモンを「擬人化」してみました。 ... 2013.09.24 試験的に各キャラクターの「自己紹介ボイス」を掲載しました!各ホルモンを分かりやすく解説しています。
- Kindle 電子書籍リーダー Kindle Paperwhite 最高の読書体験、そのための端末 Kindle Paperwhite 3G 無料3G接続付きモデル Kindleアクセサリ カバー、保護フィルム、充電器ほか Kindle Fireタブレット Kindle Fire HD ニューモデル―Kindle ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- plant growth regulator、plant hormone
[★]
- 関
- phytohormone、plant growth regulator
[★]
- 英
- plant growth regulator
- 関
- 植物ホルモン
[★]
- 英
- hormone
古典的な定義
- 特定の内分泌腺から分泌され、血行によって運ばれ、遠隔部の特定の標的器官に作用して特異的効果を現す物質(PT.403)
例外
- 消化管ホルモン (PT.403)
- 視床下部ホルモン (PT.403)
- 甲状腺濾胞ホルモン?
- カルシトニン?
ホルモンの一覧表
[★]
- 英
- plant
- 関
- プラント、phyto