- 英
- colostrum, foremilk
- 関
- 母乳、成乳
初乳と成乳との比較
- 黄色~淡黄色、粘稠性
- 免疫物質に富む(IgA、リゾチーム、トランスフェリンなど)
- ミネラルに富む
- 蛋白質に富む
- βカロチンが多い
- 腸の運動を活発にし、胎便排泄を促す物質が含まれる。
WordNet
- milky fluid secreted for the first day or two after parturition (同)foremilk
PrepTutorEJDIC
- 初乳(出産後数日間出る乳)
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/05/10 00:04:29」(JST)
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初乳(しょにゅう、英: colostrum)は、分娩後数日間に分泌される乳汁。ただし、初乳の期間は学術上明確になっておらず、分娩後最初の乳汁のみや、分娩後5日目まで、分娩後1週間以内、分娩後10日目までと様々な解釈があり明確な定義はない。初乳は生理的異常乳であり、その後に分泌される乳汁とは組成が異なり、固形分、タンパク質、脂肪、灰分が多く、乳糖は少ない。特に抗体(IgGやIgA、IgM)や、IGFやEGF、NGFなどの成長因子が多く含まれることが特徴となる。また、初乳はその後の乳汁と比較して熱による凝固を起こしやすい。日本では分娩後5日までの乳汁(種を問わず)は食品として流通させることを禁止されている。母体での乳汁合成は分娩前より開始されているが、エストロゲンやプロゲステロンの作用により分泌が抑制されている。ヒトの初乳は、その後に分泌される母乳に比べて少し黄みがかっていて、量もわずかしか出ないが、この中には分泌型免疫グロブリンA、ラクトフェリンなどの成分が多く含まれ、新生児の喉や消化器官に免疫力や殺菌力を与える。
目次
- 1 初乳中の抗体
- 2 ウシ初乳の研究報告
- 3 サプリメント
- 4 関連項目
- 5 参考文献
初乳中の抗体
初乳の特徴となる抗体(IgGやIgA、IgM)は、種による配合割合が変わり、胎盤におけるの抗体移行能の違いにより、以下のように分けることができる。
- 1. 胎盤を介して抗体(IgG)が胎子に移行できない。
- ウシやウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、パンダなどでは、初乳を介してIgG(移行抗体)が新生子に移行するため、初乳にはIgGが高含有されている。ウシでは初乳中の免疫グロブリンの吸収能力は生後24時間以内で100%であり、ブタでは生後0 - 3時間では100%、3 - 9時間では50%である。
- 2. 胎盤を介して低濃度の抗体(IgG)が胎児に移行する。
- マウスやラット、イヌ、ネコなどでは胎盤を介して低濃度のIgGが移行するが、多くは初乳を介して移行するため、初乳にはIgGが高含有されている。
- 3. 胎盤を介して高濃度の抗体(IgG)が胎児に移行する。
- ヒトやウサギ、モルモットなどでは、胎盤を介して充分な抗体(IgG)が移行する。
ウシ初乳の研究報告
|
この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2009年1月) |
初乳は、ウシの初乳に対する研究が進んでおり、ヒトへの効果として以下のような報告があがっている。
- 免疫力向上
- 風邪やインフルエンザ予防、ロタウイルスなどの感染症予防、
- 腸の修復作用
- 筋力や体力の増強作用
- 胎便の排出を促す。
日本では、初乳の成分であるラクトフェリンや乳清、オリゴ糖の成分的研究や、初乳の活用法研究する産官学連携のコンソーシアム、食品として利用可能な6日目以降のウシの初乳の研究が報告されている。
サプリメント
諸外国(アメリカ、ニュージーランド、オーストラリア等)においては、ウシやヤギ、ウマなどの初乳をサプリメントとして商品化している。しかしながら、日本においては、初乳を使ったサプリメントは少なく、乳清や ラクトフェリンなど、初乳に多く含まれる成分や類似したものが商品化されている。
牛の初乳を使ったサプリメントとして、米国でトランスファーファクターが作られており、日本でも販売されている。
関連項目
参考文献
- 山内亮監修 『最新家畜臨床繁殖学』 朝倉書店 1998年 ISBN 4-254-46020-1
- Kelly GS. Bovine colostrums: a review of clinical uses.Altern Med Rev. 2003 Nov;8(4):378-94.
- Grant D.Brinkworth,Jonathan D.Buckley: Concentrated bovine colostrum protein supplementation reduces the incidence of self-reported symptoms of upper respiratory tract infection in adult males. Eur J Ntur 42: 228-232 (2003)
- Cesarone MR, Belcaro G, Di Renzo A, Dugall M, Cacchio M, Ruffini I, Pellegrini L, Del Boccio G, Fano F, Ledda A, Bottari A, Ricci A, Stuard S, Vinciguerra G.Prevention of influenza episodes with colostrum compared with vaccination in healthy and high-risk cardiovascular subjects: the epidemiologic study in San Valentino.Clin Appl Thromb Hemost. 2007 Apr;13(2):130-6.
- Nieman DC, Nehlsen-Cannarella SL, Markoff PA, Balk-Lamberton AJ, Yang H, Chritton DB, Lee JW, Arabatzis K: The effects of moderate exercise training on natural killer cells and acute upper respiratory tract infections. Int J Sports Med 11 (6): 467-473 (1990)
- Mero A, Miikkulainen H, Riski J, Pakkanen R, Aalto J, Takala T: Effects of bovine colostrum supplementation on serum IGF-I, IgG, hormone, and saliva IgA during training. J Appl Physiol 83(4): 1144-51 (1997)
- Playford RJ, MacDonald CE, Calnan DP, Floyd DN, Podas T, Johnson W, Wicks AC, Bashir O, Marchbank T: Co-administration of the health food supplement, bovine colostrum, reduces the acute non-steroidal anti-inflammatory drug-induced increase in intestinal permeability. Clin Sci (Lond) 100(6): 627-33 (2001)
- ラクトフェリンフォーラムhttp://www.agr.hokudai.ac.jp/lactoferrin/lf-forum.htm
- ラクトフェリンと森永乳業の研究 http://www.m-lf.jp/index.html
- 腸溶性ラクトフェリン研究会 http://www.ec-lactoferrin.org/index.html
- 「健康食品」の安全性・有効性 乳清 http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail554.html
- 乳成分の機能研究 http://www.meinyu.co.jp/r_d/library/milk_function/index.html
- 初乳成分の高度利用技術の開発http://brain.naro.affrc.go.jp/tokyo/gijutu/17saitaku/17/hatsunyu.htm
- 初乳学 http://www.shonyu.jp/
- 子どもの風邪予防と軽症化に効果。注目されるウシの“初乳” http://www.brainhealth.jp/news/bhnews34.pdf
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 味覚センサを用いた乳腺炎による母乳の味の変化の分析
- 吉田 倫子,篠原 ひとみ,兒玉 英也,成田 好美,杉山 俊博
- 母性衛生 52(4), 472-480, 2012-01
- … 対照群の母乳の味は,初乳から成乳への移行に伴い苦味の増加(p<0.01),塩味と旨味の減少(p<0.01,p<0.05)がみられ,成乳となってからは変化がなかった。 …
- NAID 110008898040
- P-1016 ICUにおける産褥婦の初乳対応への試み(一般演題 ポスター発表,妊婦・授乳婦,Enjoy Pharmacists' Lifestyles)
- 長谷川 まゆみ,矢野 俊介,大野 華奈,三井 由加子,鍵山 智樹,和田 いづみ,大澤 雄一郎,岸野 亨
- 日本医療薬学会年会講演要旨集 21, 351, 2011-09-09
- NAID 110008910481
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★リンクテーブル★
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[正答]
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※国試ナビ4※ [102F005]←[国試_102]→[102F007]
[★]
- a. 初乳は混濁した褐色の液体である。
- b. 初乳は免疫グロブリン量は成熟乳よりも少ない。
- c. 成熟乳は血漿よりも高張である。
- d. 成熟乳の糖質は初乳よりも多い。
- e. 成熟乳の蛋白量は牛乳よりも多い。
[正答]
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[正答]
※国試ナビ4※ [106G016]←[国試_106]→[106G018]
[★]
- a. 初乳から成乳になるのに1か月を要する。
- b. 初乳はIgAを含まない。
- c. 初乳の蛋白量は成乳より多い。
- d. 成乳の蛋白量は牛乳より多い。
- e. 成乳は血漿より高張である。
[正答]
※国試ナビ4※ [095A046]←[国試_095]→[095A048]
[★]
- a. 循環血液量は12時間で非妊時に戻る。
- b. 初乳は4日で成乳に変わる。
- c. 妊娠線は1週で消失する。
- d. 体重は1週で非妊時に戻る。
- e. 子宮は2週で正常大に戻る。
[正答]
※国試ナビ4※ [100G053]←[国試_100]→[100G055]
[★]
- a 熱量が高い。
- b 乳糖を多く含む。
- c 胎便の排泄を促す。
- d 蛋白質を多く含む。
- e 免疫物質を多く含む。
[正答]
※国試ナビ4※ [105E037]←[国試_105]→[105E039]
[★]
- 英
- breast milk、breastmilk
- 関
- 人乳、母子感染
分類
母乳を介して感染しうるウイルス
成分
- ミネラル:初乳 > 成乳
- IgA:初乳 > 成乳
- タンパク質:初乳 > 成乳
- 熱量:成乳 > 初乳
- 脂肪:成乳 > 初乳
- 乳糖:成乳 > 初乳
- 防御因子:ラクトフェリン、リゾチーム、分泌型IgA、マクロファージ、リンパ球
アレルギー促進因子、防御因子
- 参考1
母乳と人工乳との比較
- 母乳は消化されやすく、胃内停滞時間が長い。
- 母乳はビタミンKが少ない。
- 人工乳は蛋白顔奥、蛋白代謝負担が大きい
- 児の成長に連れ母乳のみの栄養ではビタミンD、鉄が不足してくる。 → 母乳栄養のみでは水様便となってくる。離乳食開始を考慮。
- 母乳栄養時では軟便傾向となる。
母乳と牛乳との比較
- 母乳は乳糖のみ多い。
- グロブリン、不飽和脂肪酸、糖質は牛乳より多い。 → ビフィズス菌の増殖に不可欠なオリゴ糖も母乳の方が多い。
- エネルギーや脂質はほぼ同じ。
- その他の成分は牛乳の方が多い。
参考
- http://www.aiiku.or.jp/aiiku/jigyo/contents/kaisetsu/ks0809/ks0809_3.pdf
国試
[★]
- 英
- mature milk, durable milk, normal milk
- 同
- 成熟乳
- 関
- 母乳、初乳
[show details]
初乳と成乳との比較
[★]
- 英
- milk
- 関
- 乳、ミルク、初乳、成乳
- 出産後、経産婦では産褥1-2日、初産婦は産褥2-3日頃から乳汁分泌が始まる。(G10M.306)
[★]
- 英
- milk, (pref)lacto
- 関
- ラクト、乳汁、ミルク