出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/01/14 01:07:52」(JST)
| 結膜 | |
|---|---|
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矢状切片の上半分、眼球前部(中央左部が'結膜')
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| 概要 | |
| ラテン語 | tunica conjunctiva |
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動脈
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涙腺動脈(en), 前毛様体動脈(en) |
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神経
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滑車上神経 |
| 外部リンク | |
| グレイの解剖学 | p.1026 |
| MeSH | A09.371.192 |
| TA | A15.2.07.047 |
| FMA | FMA:59011 |
| 解剖学用語(英語版) | |
結膜 (けつまく)(英:conjunctiva)とは、強膜(en)とまぶたの内側の膜(人間の白目部分)で、 重層円柱上皮(en)と呼ばれる、細胞が多くの層をなして積み上がってできている上皮(=重層上皮)で、積み上がった細胞層の一番上の層(表面に近い側)の形が、円柱の形となる細胞の皮と、杯細胞の重層扁平上皮(en)と呼ばれる、細胞が多くの層をなして積み上がってできている上皮(=重層上皮)で、 積み上がった細胞層の上のほう(表面近く)にいくにしたがって、形が、ひらべったい(=扁平な)形となる細胞の上皮によって、非角質化構成されている。
結膜は粘液と涙を生産する事によって、涙腺より涙の量を少なくし目の機能を補助する。 結膜は目の中の微生物の侵入を防ぐ働きをし、免疫監視機構に貢献する。[1]
解剖学的に、結膜は3つの部分に分けられる
| 部分 | 部位 |
|---|---|
| 眼瞼結膜、瞼板結膜 | 瞼の内側を覆う |
| 眼球結膜、眼結膜 | 結膜で眼球の強膜表面を覆う。結膜と強膜の間には、テノン嚢(鞘)と言われる 薄い膜があり、これが結膜と強膜の潤滑油の役割を果たす |
| 円蓋結膜 | 眼球結膜と眼瞼結膜の両者の移行接続部。眼球運動やまばたきを滑らかに行わせる。[2] |
結膜の知覚神経支配は、4つの部分に分かれる。[3]
| 部位 | 神経 |
|---|---|
| 上部 |
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| 下部Inferior | 眼窩下神経 |
| 側部 | 涙腺神経 (頬骨顔面神経(en)から分担される) |
| 角膜周囲 | 長毛様体神経(en) |
結膜は、散在する杯細胞[4] と一緒に、重層円柱上皮と重層扁平の両方によって構成されるている。 上皮層は血管、繊維組織、リンパ管を含む。[4] 結膜中の涙腺が、涙における水分を定期的に生産する。[4] 結膜表皮にある細胞には、メラニン細胞やリンパ球(en)がある。[4]
結膜と角膜の障害には、共通する病気がある。 目の表面は、特に敏感な器官の為に感染、科学刺激、アレルギーやドライアイ等さらされやすい。 結膜は、感染や自己免疫反応(en)から炎症を起こす。 よく知られているものに、結膜炎とはやり目があげられる。 結膜の刺激は、揮発性有機化合物(VOC)による露光過度から、ドライアイを含む広範囲な理由によって引き起こされる。 レプトスピラによる感染で引き起こされるレプトスピラ症により、結膜を赤くさせ、結膜浮腫や滲出液が出ない発赤が顕著に現れる。 年齢により、結膜は強膜によって伸縮と弛緩を起こし、結膜弛緩症(en)として知られているような、結膜を覆うような状態になる。[5][6] 結膜によって、腫瘍の良性、前がん状態の、悪性を見分ける事も出来る。[7]
上瞼の矢状切片
付帯的な眼筋肉、眼窩神経、解剖体.
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| 国試過去問 | 「104I071」「114D054」「103E001」 |
| リンク元 | 「結膜炎」「結膜充血」「眼球結膜」「涙腺神経」「涙丘」 |
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see. マイナーエマージェンシー第1版 p.65 SOP.174
| 疾患名 | 病原体 | 潜伏期 | 病型 | 症状、経過 | |||
| 感染性結膜炎 | 流行性角結膜炎 | epidemic keratoconjunctivitis | はやりめ | アデノウイルス8,19,37型(ときに4型) | 7-14日 | 急性濾胞性結膜炎 | 眼脂、流涙、羞明。眼瞼腫瘤、結膜充血、浮腫、結膜の小出血斑。耳前リンパ節の腫脹と圧痛。2-4週間で消退。発症後10日後に角膜に点状上皮化混濁。 |
| 咽頭結膜熱 | pharyngoconjunctival fever | プール熱 | アデノウイルス3型(ときに4,7型) | 5-6日 | 急性結膜炎 | 急性結膜炎、咽頭炎、発熱。点状上皮化混濁は少ない。 | |
| 急性出血性結膜炎 | acute hemorrhagic conjunctivitis | エンテロウイルス70型 | 1日 | 球結膜下出血。眼球は浮腫状、結膜充血、濾胞形成は軽度。耳前リンパ節腫脹軽度。発症より3-4日にびまん性の多発性びらん。眼痛、異物感、羞明。約1週間で治癒。罹患後2,3週間後に四肢の弛緩性の運動麻痺や脳神経麻痺があり得る。 | |||
| トラコーマ | trachoma | ||||||
| 封入体結膜炎 | inclusion conjunctivitis | ||||||
| 新生児封入体結膜炎 | neonatal inclusion conjunctivitis | ||||||
| 細菌性結膜炎 | bacterial conjunctivitis | ||||||
| 淋菌性結膜炎 | gonococcal conjunctivitis | ||||||
| 新生児膿漏眼 | blennorrhea of the newborn | ||||||
| アレルギー性結膜疾患 | アレルギー性結膜炎 | allergic conjunctivitis | |||||
| 春季カタル | vernal conjunctivitis | ||||||
| その他の結膜炎 | フリクテン性結膜炎 | phlyctenular conjunctivitis | 束状結膜炎 | ||||
| 慢性濾胞性結膜炎 | chronic follicular conjunctivitis | ||||||
| Stevens-Johnson症候群 | Stevens-Johnson syndrome | ||||||
| 眼類天疱瘡 | ocular pemphigoid | ||||||
| 結膜弛緩症 | conjunctivochalasis | ||||||
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
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