- 英
- neuropathic pain
- 同
- 神経障害性疼痛、神経因性痛
- 関
- 帯状疱疹後神経痛
概念
- 神経組織の損傷がきっかけとなって発症。神経組織の器質的、機能的変化によるとされる。
神経因性疼痛を来す疾患
- SAN.402
病態
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神経因性疼痛(しんけいいんせいとうつう、神経障害性疼痛、英:Neuropathic Pain,Neuralgia)は、Silas Weir Mitchell (January 15, 1829–January 4, 1914)により提唱された概念であり、癌や物理的傷害による末梢神経および中枢神経の障害や、機能的障害による慢性疼痛疾患の一種である。これらの痛みは、本来の疼痛意義である組織障害の警告という意味は既に失われており、苦痛としての痛み自体が障害となり患者の生活の質(QOL)の著しい低下が引き起こされる。また、神経因性疼痛に対して心因性疼痛(psychological pain)がある。
目次
- 1 神経因性疼痛の分類
- 2 神経因性疼痛の特徴
- 3 神経因性疼痛の病態生理学的所見
- 4 治療
- 5 関連項目
神経因性疼痛の分類[編集]
- 複合性局所疼痛症候群(CRPS)
- 求心路遮断性疼痛症候群(deafferentation pain sysdrome)
神経因性疼痛の特徴[編集]
- 持続的な自発痛(spontaneous pain)に加え、触刺激を激烈な痛みと感じてしまうアロディニア(allodynia)を主症状とする。
- アスピリン、フェルビナクやロキソプロフェンなどの消炎鎮痛剤(解熱性鎮痛剤、非ステロイド性鎮痛剤、NSAIDs)に強い抵抗性を示す疼痛。
- 麻薬性鎮痛薬であるモルヒネやフェンタニルでさえ顕著な治療効果を発揮することができない、難治性の疼痛。
神経因性疼痛の病態生理学的所見[編集]
神経因性疼痛の明確な病態生理は未だ完全には理解されていない。しかし、近年の基礎研究成果より以下の事が判明されつつある。
- 神経因性疼痛は、末梢及び中枢神経系の損傷により誘発される。
- 損傷を受けた神経細胞からは、多種多様のサイトカインやケモカイン類が放出される。
- 中枢神経系の免疫担当細胞として知られているミクログリアの顕著な活性化が引き起こされる。
治療[編集]
治療目標は、最大限に痛みを緩和する事、残存した痛みをいかに対処するか、患者の機能的能力の増進、活動性の向上である。以下に具体的な方法を列挙する。
- NSAIDs(ジクロフェナク、ロキソプロフェン、セレコキシブなど)
- 三環系抗うつ薬やプレガバリンといった神経伝達物質阻害剤
- トラムセットなどのオピオイド含有鎮痛薬
- 神経ブロック
- 理学療法
- 鍼灸
- 神経刺激療法
- 認知行動療法
- その他の心理療法
- 各種手術
関連項目[編集]
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 福祉用具 起立性低血圧、神経因性疼痛、異常感覚のある症例の車いす評価例 : 急性自律性感覚性ニューロパチー症例
- 第四回千葉医学会奨励賞 ラット坐骨神経圧挫モデルの疼痛行動と脊髄グリア活性に対する抗p75受容体(神経栄養因子受容体)抗体投与の効果
- 和泉 允基
- 千葉医学雑誌 = Chiba medical journal 88(5), 227-231, 2012-10-00
- NAID 40019469412
Related Links
- 神経因性疼痛 神経因性疼痛 (neuropathic pain) とは、組織の損傷や炎症が引き金となって神経を刺激する痛みとは異なり、神経そのものの損傷や機能障害が原因となって起こる慢性の持続性の痛みです (痛みの種類・分類 <外部ページ>)。
- 疼痛の3タイプ 原因によって「侵害受容性疼痛」「神経因性疼痛」「慢性疼痛」の3つのタイプに分けられる。 傷害受容性疼痛 ・骨折やケガで、体の組織が損傷を受けたときに起こる痛み。
Related Pictures
★リンクテーブル★
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- 英
- postherpetic neuralgia PHN
- 同
- ヘルペス後神経痛
- 関
- 帯状疱疹, 水痘、神経因性疼痛
概念
- 帯状疱疹後、3ヶ月以上立っても神経痛が残るも。帯状疱疹において、高齢者、感覚異常が強く出た例、皮膚症状が重篤であった例で特に本症が出現しやすい。
症状
- 参考1
- 帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛は日常生活に支障を来すほど重篤である:睡眠障害、食欲低下、性欲低下。
- 胸髄(T4-T6)、頚髄、三叉神経の支配域に好発。
- 痛みは典型的には鋭い指すような痛みであり、焼けるような痛みと形容される。
- 90%以上の患者でアロディニアが出現する。
治療
- 抗うつ薬
- 抗痙攣薬
- 抗てんかん薬:ガバペンチン、テグレトール
- オピオイド
- カプサイシン
- 局所リドカイン
- くも膜下腔糖質コルチコイド
- NMDA受容体拮抗薬
- 冷凍療法(cryotherapy)
- 外科手術
参考
- 1. [charged] Postherpetic neuralgia - uptodate [1]
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- 英
- neuropathic pain
- 関
- 神経因性疼痛、神経障害性疼痛
[★]
- 英
- pain, dolor
- 同
- 痛み
- 関
- 痛覚 pain sensation
疼痛
疼痛の伝達
疼痛の調節
- ゲートコントロール:Aδ線維とC線維による痛みはAβ線維による入力で中枢伝達細胞のレベルで抑制される。
- 下行性疼痛抑制系神経系:下行性疼痛抑制系神経系による入力で中枢伝達細胞のレベルで抑制される。
- 下行性疼痛抑制系神経系は中脳水道周辺灰白質からの脊髄への入力からなる。具体的には大縫線核(セロトニン作動性)、巨大細胞網様核・傍巨大細胞網様核(ノルアドレナリン作動性)がの2系統が起点となる。抗うつ薬はこれらの神経伝達物質の再吸収を妨げ鎮痛作用を発揮する。
痛みと異常知覚の命名法
- Adams and s Principles of Neurology, Ninth Edition Allan Ropper. table 8-2より抜粋
- dysesthesia : Any abnormal sensation described as unpleasant by the patient.
- hyperalgesia : Exaggerated pain response from a normally painful stimulus; usually includes aspects of summation with repeated stimulus of constant intensity and aftersensation.
- hyperpathia : Abnormally painful and exaggerated reaction to a painful stimulus; related to hyperalgesia.
- hyperesthesia (hypesthesia) : Exaggerated perception of touch stimulus.
- allodynia : Abnormal perception of pain from a normally nonpainful mechanical or thermal stimulus; usually has elements of delay in perception and of aftersensation.
- hypoalgesia (hypalgesia) : Decreased sensitivity and raised threshoid to painful stimuli.
- anesthesia : Reduced perception of all sensation, mainly touch.
- pallanesthesia : Loss of perception of vibration.
- analgesia : Reduced perception of pain stimulus.
- paresthesia : Mainly spontaneous abnormal sensation that is not unpleasant; usually described as "pins and needles".
- causalgia : Buming pain in the distribution of one or more peripheral nerves.
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- 英
- nerve
- ラ
- nervus
- 関
- ニューロン
解剖で分類
- 中枢神経 central nervous systen CNS
- 末梢神経 peripheral nervous system PNS
情報で分類
- 感覚神経 sensory nerve = 求心性線維 afferent nerve
- 運動神経 motor nerve = 遠心性線維 efferent nerve
機能で分類
- 体性神経 somatic nervous system SNS
- 自律神経 autonomic nervous system ANS
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- 英
- neuropathic、neurogenic
- 関
- 神経原性、神経障害、神経障害性、神経性、ニューロパチー
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- 英
- pain
- 関
- 痛み、疼痛