- 英
- pseudogout
- 同
- 仮性痛風
- 関
- 軟骨石灰化、ピロリン酸カルシウム二水和物結晶沈着症
概念
疫学
- 高齢者に多い。
- 80歳以上の半数に認められる
- 65歳以上の高齢の女性女性に多い(REU.301)
- 加齢により軟骨石灰化の頻度は上昇し、65-75歳では10-15%、85歳以上では30-60%にみられる。症状を呈するのはその一部である。(REU.301)
病因
- ポケメ
好発部位
- 膝関節が最多。手関節の線維性軟骨、恥骨結合、関節唇、椎間板線維輪
症候
- 急性関節炎
- 関節液:白濁(白血球の増多による)
- 変形性関節症:多くの症例で合併が認められる。
- (ときに)全身症状:発熱、白血球増多、CRP上昇、赤沈亢進
経過
- 関節炎:数時間~1日でピーク。数日~2週間持続して軽快
検査
- 血液検査:白血球増多、CRP上昇、赤沈亢進が認められることがある。
- 単純X線写真:点状、線状の軟骨石灰化
- 半月板の石灰化
[show details]
- ピロリン酸カルシウム2水和物の結晶。偏光顕微鏡下で弱い正の複屈折性が認められる
- 小さい結晶は白血球に貪食されている。
国試
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/10/26 11:17:40」(JST)
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偽痛風 |
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
M11.1-M11.2 |
ICD-9 |
712.3 |
OMIM |
600668 118600 |
DiseasesDB |
10832 |
MedlinePlus |
000421 |
eMedicine |
med/1938 radio/125 orthoped/382 emerg/221 |
MeSH |
D002805 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
テンプレートを表示 |
偽痛風(ぎつうふう、Pseudogout)とはピロリン酸カルシウム(CPPD)の沈着を原因とした関節炎を来す疾患である。CPPD沈着症、軟骨石灰化症とも呼ばれる。痛風と同じような症状を来たしながら高尿酸血症が見られないことから名付けられた。
目次
- 1 病態
- 2 原因
- 3 症状
- 4 検査
- 5 治療
- 6 予後
- 7 診療科
病態[編集]
偽痛風における関節炎は、痛風における尿酸への反応と同様のものがCPPDに対して発生したものである。すなわち、関節包内に析出したCPPDの結晶に対する炎症反応によって発生する。
原因[編集]
CPPDの結晶が沈着する原因としては、遺伝によるもののほか、副甲状腺機能亢進症などが誘因となることが知られている。
症状[編集]
関節に激烈な痛みがおこり、発熱を伴う。痛風よりも痛みは弱い。好発部位は膝関節で、約半数が発生する。それ以外のほとんどの関節にも発生しうるが、肩関節、足関節などの大きな関節のほうが発生しやすい。心筋梗塞や脳梗塞などが誘因となる可能性もあるが、誘因がないこともある。
検査[編集]
- X線検査
- 膝関節の半月板に石灰化が見られるほか、肩関節や股関節にも石灰化が見られる。軟骨にCPPDが付着することで、石灰化像が線状に見えるためである。
- スクリーニング
- 5枚の単純XPで軟骨石灰化を確認
- 膝関節(左、右)
- 三角靭帯(左、右)
- 骨盤正面:恥骨結合および寛骨臼をみる。
- 関節穿刺液検査
- 関節液内にCPPDが発見されれば診断は確定する。
治療[編集]
関節液を穿刺排液したり、ステロイドを関節内に注射したりするのが有効である。CPPDを関節から除去する方法は現在存在しないため、対症療法が基本となる。
- 予防としてシメチジン(商品名:タガメット)の内服がある。偽痛風発作が抑えられるだけでなく、沈着した石灰部分が溶け出して薄くなることもある。
予後[編集]
生命予後は良好であるが、関節の破壊が進行して変形性関節症に移行することもある。
診療科[編集]
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 結晶性関節炎 (特集 関節炎の鑑別--診断と治療の進歩)
- 偽痛風(CPPD結晶沈着症)とその治療 (特集 痛風・高尿酸血症をめぐって) -- (臨床の実際)
Related Links
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- とくにかぜなどのきっかけもなく、急にあちこちの関節の痛みを起こす高齢者をよく経験し ます。血液検査でも関節リウマチや痛風の反応は異常がなく、診断に苦しむことが あります。このような病気の中に偽痛風があります。なじみの薄い病名ですが、比較的 よく見 ...
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★リンクテーブル★
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- 83歳の女性。両上腕の痛みと発熱とを主訴に来院した。 3週前から両上腕と両肩とに疼痛とこわばりとが出現した。 2週前からは37℃台の発熱を伴うようになった。 3日前から大腿にも疼痛がひろがり昼過ぎまで布団から起き上がれなくなったという。体重が3週間で3kg減少した。
- 体温37.5℃。脈拍80/分、整。血圧138/72mmHg。眼瞼結膜は貧血様である。疼痛のため腕を挙上できない。両側の上腕に圧痛を認める。関節に発赤と腫脹とを認めない。筋力は疼痛とこわばりのため正確に評価できない。赤沈78mm/1時間。
- 血液所見:赤血球328万、 Hb9.9g/dl、 Ht30%、白血球6,300、血小板39万。血液生化学所見:総蛋白6.0g/dl、尿素窒素12mg/dl、クレアチニン0.6mg/dl、 AST24IU/l、 ALT22IU/l、 LD220IU/l(基準176-353)、 CK31 IU/l(基準30-140)、 Na 138mEq/l、 K 4.4mEq/l、Cl 102 mEq/l。
- 診断として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106A034]←[国試_106]→[106A036]
[★]
- 76歳の女性。右膝痛を主訴に来院した。以前から時々右膝の腫脹と疼痛とがあったが、1週間程度で改善していた。10日前から右膝痛が出現し、昨日から増悪し歩行困難となった。体温38.7℃。右膝関節に腫脹、発赤、局所熱感および関節水症を認める。関節穿刺液は黄色半透明である。右膝関節エックス線写真(別冊No.4)を別に示す。
- 右膝痛の原因として最も考えられるのはどれか。
[正答]
B
- ときに全身症状(発熱、白血球増多、CRP上昇、赤沈亢進)を伴うらしい。
※国試ナビ4※ [105I039]←[国試_105]→[105I041]
[★]
- 58歳の男性。2日前からの左膝関節痛と両足関節痛とを主訴に来院した。アルコール性肝障害を指摘され通院中である。意識は清明。体温37.0℃。脈拍92/分、整。血圧126/72mmHg。呼吸数20/分。左膝関節に熱感、腫脹および圧痛があったため膝関節穿刺を行った。穿刺で得られた関節液の写真(別冊No.6A)と顕微鏡写真(無染色)(別冊No.6B)とを別に示す。関節液の白血球数は2,125/μl、Gram染色で細菌を認めない。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107G045]←[国試_107]→[107G047]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098G088]←[国試_098]→[098G090]
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[正答]
※国試ナビ4※ [109E014]←[国試_109]→[109E016]
[★]
- 英
- chondrocalcinosis
- 関
- 偽痛風、軟骨石灰化症、ピロリン酸カルシウム二水和物結晶沈着症
[★]
- 英
- monoarthritis
- 関
- 多発性関節炎
[★]
- 英
- calcium pyrophosphate crystal deposition disease
- 関
- 偽性痛風、偽痛風
[★]
- 英
- calcium pyrophosphate dihydrate deposition
- 関
- 軟骨石灰化、偽痛風
[★]
- 英
- gout
- 関
- 原発性代謝性痛風、尿酸
- DNAがプリン体を介して尿酸が産生される。
- プリン体は肝臓から700mg, 食事から300-400mg摂取される
- 腎臓から500mg、腸管から200mg排泄される
病因
-
- 鶏・豚レバー、小魚、干し物
病型
病態生理
- 尿酸はプリン代謝の最終産物
- 顆粒球の遊走・結晶貪食・ケミカルメディエーターの放出・スーパーオキシド放出
- 好中球と滑膜細胞が乳酸を分泌して組織のpHを下げ、酸を析出しやすくする
- 組織に蓄積した尿酸が引き金となって臓器障害を呈する
- 高尿酸血症-(引き金)→高尿病、高脂血症、高血圧症、腎障害、結石→動脈硬化
症状
- 夜間~早朝に突然のに疼痛。数時間内に激烈となり、著明な発赤、腫脹、熱感を呈する。
- 部位:母趾の中足趾節間関節(60-70%)、足背、距腿関節、膝関節
- 関節・耳介などの軟骨、骨端部、皮下組織などに形成された肉芽組織。白色の小結節として認められる (IMD.924)
- 尿酸ナトリウム血症を核とする肉芽腫。皮下、軟骨(鼻、耳)、骨に見られる。骨にできた場合にはpunched-out lesionとなる。(QB.D-325) また、嚢胞状変化のようにも見える?(REU.298)
診断基準
- SOR.237
- 1) 尿酸結晶が関節液中に存在すること
- 2) 痛風結節の証明
- 3) 次の11項目のうち、該当するものが6つ以上ある
- a) 2回以上の急性関節炎の既往がある
- b) 24時間以内に炎症のピークに達する
- c) 単関節炎である
- d) 関節の発赤がある。
- e) 第1中足趾節関節の疼痛または腫脹がある
- f) 片側の第1中足趾節関節の病変である。
- g) 片側の足関節の病変である
- h) 痛風結節がある
- i) 血清尿酸値の上昇がある
- j) X線上の非対称性腫脹がある
- k) 発作の完全な寛解がある
治療方針
- 6・7・8のルール
- 血清尿酸値(mg/dl)が7mg/dlで正常、8mg/dlで要治療、治療目標は6mg/dl以下
治療
- 生活療法
- 食事療法:アルコール、プリン体に富む食物の回避
- 薬物療法 → 痛風治療薬
食事療法のポイント
- 肥満、水分多く。プリン体を控える。野菜を十分に取る→尿をアルカリ性にする
- アルコールを控える(ピールは麦芽由来のプリン体を多く含む。アルコールの取りすぎは尿酸排泄を悪化させる)
- 規則正しい食事、塩分摂取を控える
ガイドライン
- 1. 高尿酸血症・痛風治療のガイドライン、第2版ダイジェスト版
- http://www.tukaku.jp/tufu-GL2.pdf
参考
uptodate
- 1. [charged] 痛風の臨床症状および診断 - uptodate [1]
- 2. [charged] 痛風性関節炎の病態生理 - uptodate [2]
- 3. [charged] 急性痛風の治療 - uptodate [3]
- 4. [charged] 痛風再発の予防 - uptodate [4]
[★]
- 英
- wind
- 関
- 屁、放屁