- 英
- glucosamine
WordNet
- an amino derivative of glucose that is a component of many polysaccharides
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グルコサミン |
|
|
IUPAC名
(3R,4R,5S,6R)- 3-アミノ-6- (ヒドロキシメチル)オキサン-2,4,5-トリオール
|
別称
2-Amino-2-deoxy-D-glucose chitosamine
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
3416-24-8 |
PubChem |
439213 |
MeSH |
Glucosamine |
- C([C@@H]1[C@H]([C@@H]
([C@H](C(O1)O)N)O)O)O
|
特性 |
化学式 |
C6H13NO5 |
モル質量 |
179.17 g/mol |
融点 |
150 °C, 423 K, 302 °F
|
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
グルコサミン(Glucosamine、化学式C6H13NO5)は、グルコースの一部の水酸基がアミノ基に置換されたアミノ糖の一つである。
動物においては、アミノ基がアセチル化されたN-アセチルグルコサミンの形で、糖タンパク質、ヒアルロン酸などグリコサミノグリカン(ムコ多糖)の成分となっている。N-アセチルグルコサミンは、アスパラギンにマンノースを中心とするオリゴ糖鎖が結合するN結合型糖タンパク質の骨格をなすほか(キトビオース構造)、更に複雑構造を持つ糖鎖の主要構成糖である。ヒアルロン酸は、軟骨に大量に存在するプロテオグリカン複合体(アグリカン、ヒアルロン酸、リンク蛋白質の3成分を中心とする複合体)の中心を占める巨大なグリコサミノグリカンである。ヒアルロン酸は、保湿物質として、あるいは軟骨のようなクッション作用を持つ組織の成分として重要である。
グルコサミンは、自然界ではカニやエビなどのキチン質の主要成分として多量に存在している。
目次
- 1 生化学
- 2 健康食品
- 3 外部リンク
- 4 脚注
生化学
グルコサミンは、天然において貝の殻、動物の骨および骨髄に存在している。また、クロコウジカビ(Aspergillus niger) といった一部の真菌にも存在している[1]。
グルコサミンは、1876年にGeorg Ledderhoseによって、濃塩酸を用いたキチンの加水分解によって初めて調製された[2][3][4]。立体化学は1939年にウォルター・ハースによって完全に決定された[5][6]。D-グルコサミンは天然ではグルコサミン-6-リン酸の形で作られ、全ての窒素含有糖の生化学的前駆体である[7]。具体的には、グルコサミン-6-リン酸は、ヘキソサミン生合成経路の第一段階として[8]、グルコサミン-6-リン酸デアミナーゼによってフルクトース-6-リン酸とグルタミンから合成される[9]。この経路の最終産物はウリジン二リン酸-N-アセチルグルコサミン (UDP-GlcNAc) であり、グリコサミノグリカンやプロテオグリカン、糖脂質の合成に使われる。
グルコサミン-6-リン酸の生成はこれらの産物の合成の最初の段階であるため、グルコサミンはこれらの生産の制御において重要であると考えられる。しかし、ヘキソサミン生合成経路が実際どのように制御されているかや、これがヒトの疾患に関与しているかどうかなどは不明である[10]。
健康食品
単一成分、またはコンドロイチン(コンドロイチン硫酸)との混合物として、栄養補給サプリメントや健康食品として販売されている。経口摂取の場合の変形性膝(-しつ)関節症への効果はない。
またクマリン血液凝固阻止剤を利用している患者にとってはグルコサミン含有サプリメントは健康リスクが指摘されている。グルコサミンとクマリン血液凝固阻止剤(有効成分ワルファリン又はアセノクマロール含有)を同時に摂取すると、血液凝固阻止作用が異常に強まるリスクがあるとドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)によって指摘されている[11][12]。
- 効果が無いとする研究
- 50歳~60歳の6691人の女性を対象とした臨床医師が行った無作為化比較試験の結果では、治療目的でのグルコサミンの内服は、摂取と発症に関し有意な影響は見られず、発症予防の効果は証明されなかった[13]。
- メタ分析 (2008年6月まで、2つのデータベースで検索、無作為化比較試験2報について検討) において、変形性関節症の患者によるグルコサミンの長期 (3年間) 摂取は、関節腔の狭小化 (JSN) をわずかに抑えたという報告 (PMID:19544061) があるが、その後、これら2試験を含むメタ分析 (2010年6月まで、4つのデータベースで検索、200名以上を対象とした大規模無作為化比較試験10報) では、膝や腰の変形性関節症患者によるグルコサミンやコンドロイチン硫酸の単独または併用摂取は、関節の痛み、関節腔の狭小化に影響は与えなかった(PMID:20847017) 。
外部リンク
- グルコサミン - 「健康食品」の安全性・有効性情報(国立健康・栄養研究所)
- 有痛性の変形性膝関節症に対するグルコサミンと硫酸コンドロイチン,およびその併用 ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(2006)
- グルコサミン研究会
脚注
- ^ "Scientific Opinion of the Panel on Dietetic Products Nutrition and Allergies on a request from the European Commission on the safety of glucosamine hydrochloride from Aspergillus niger as food ingredient". The EFSA Journal 1099: 1–19. 2009.
- ^ Georg Ledderhose (1876). "Über salzsaures Glycosamin" [On glucosamine hydrochloride]. Berichte der deutschen chemischen Gesellschaft 9 (2): 1200–1201.
- ^ Ledderhose G (1878-9). "Über Chitin und seine Spaltungs-produkte" [On chitin and its hydrolysis products]. Zeitschrift für physiologische Chemie ii: 213–227.
- ^ Ledderhose G (1880). "Über Glykosamin". Zeitschrift für physiologische Chemie iv: 139–159.
- ^ W. N. Haworth, W. H. G. Lake, S. Peat (1939). "The configuration of glucosamine (chitosamine)". Journal of the Chemical Society: 271–274.
- ^ Horton D, Wander JD (1980). The Carbohydrates. Vol IB. New York: Academic Press. pp. 727–728. ISBN 9780125563512.
- ^ Roseman S (2001). "Reflections on glycobiology". J. Biol. Chem. 276 (45): 41527–42. doi:10.1074/jbc.R100053200. PMID 11553646.
- ^ “UDP-N-acetylglucosamine Biosynthesis”. Recommendations of the Nomenclature Committee of the International Union of Biochemistry and Molecular Biology on the Nomenclature and Classification of Enzymes by the Reactions they Catalyse. International Union of Biochemistry and Molecular Biology (2002年). 2012年9月10日閲覧。
- ^ Ghosh S, Blumenthal HJ, Davidson E, Roseman S (1 May 1960). "Glucosamine metabolism. V. Enzymatic synthesis of glucosamine 6-phosphate". J Biol Chem 235 (5): 1265–73. PMID 13827775.
- ^ Buse MG (2006). "Hexosamines, insulin resistance, and the complications of diabetes: current status". Am. J. Physiol. Endocrinol. Metab. 290 (1): E1–E8. doi:10.1152/ajpendo.00329.2005. PMC 1343508. PMID 16339923.
- ^ ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、意見書「グルコサミン含有サプリメントは、クマリン血液凝固阻止剤を服用している患者に健康リスクがある」を公表
- ^ European Food Safety Authority (2011/12). Statement on the safety of glucosamine for patients receiving coumarin anticoagulants. doi:10.2903/j.efsa.2011.2473.
- ^ 変形性膝関節症へのグルコサミン内服、初のRCTでは予防効果得られず日経メディカルオンライン 記事:2012.11.19 閲覧:2012.11.20
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Japanese Journal
- 両親媒性天然多糖素材「ポリグルコサミン誘導体」の開発 (特集 肌の保湿と製品開発)
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- Cp-7 新規酵素β-1,4-マンノシルN-アセチルグルコサミンホスホリラーゼ(ホスホリラーゼ,一般講演,日本応用糖質科学会平成25年度大会(第62回))
- 鈴木 絵里香,仁平 高則,北岡 本光,西本 完,中井 博之,大坪 研一
- 応用糖質科学 : 日本応用糖質科学会誌 3(3), B41, 2013-08-20
- NAID 110009674829
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- fungus, (pl.)fungi
- 同
- かび、菌類 Mycota
- 関
- 微生物学、真菌症、抗真菌薬
細菌、真菌、藻類、原虫
- いずれも単細胞生物
- 細菌は核を持たないが、それ以外は核を持つ
- 細胞壁の多糖:細菌はペプチドグリカンなど。真菌はβグルカン、キチン。藻類はセルロース。原虫は細胞壁を持たない
- 栄養獲得様式:藻類は光合成独立栄養生性。
大きさ
細胞膜
細胞壁
線維状多糖
- 細胞壁の骨格となる
- キチンとβ-グルカンからなる。
- 特殊な多糖にキトサンがある
- グルコースのホモ重合体
- β(1→3)結合、β(1→6)結合
- 酵母では細胞壁成分にβ-1,3-グルカンが多い
糖タンパク質
形態による分類
- Coccidioides immitis
- Histoplasma capsulatum
- Sporothrix schenckii
- Candida albicans
培養と感染組織における形態
菌糸の構造
- 接合菌などの下等真菌にのみ見られる
菌糸の機能
-
生殖方式による分類
有性生殖と無性生殖
-
有性胞子形成
無性胞子形成
培養
種類
真菌の染色法(SMB.358)
- 細胞壁の多糖を染色:コットンブルー(cotton blue)、グラム染色(全ての真菌はグラム陽性)
- 真菌細胞壁多糖を特異的に染色:PAS染色、Grocottメテナミン銀染色、ファンギフローラY
参考
病原体としての真菌
[★]
- 英
- N-acetylglucosamine, N-acetyl glucosamine, GlcNAc, NAG
- 同
- N-アセチル-D-グルコサミン N-acetyl-D-glucosamine、N-アセチルキトサミン N-acetylchitosamine
- 関
- N-アセチルグルコサミニダーゼ
[★]
- 英
- N-acetylglucosamine receptor
- 関
- N-アセチルグルコサミンレセプター
[★]
N-アセチルグルコサミン
- 同
- GlcNAc, NAG
[★]
- 英
- uridine diphosphate N-acetylglucosamine
[★]
N-アセチルグルコサミン