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モノアミン酸化酵素阻害薬(-さんかこうそそがいやく)は抗パーキンソン薬の分類の1つで、モノアミン酸化酵素(MAO)の働きを阻害することによって、脳内のドーパミンなどの物質を増やす作用をする薬剤の総称。MAO阻害剤(MAOI)と呼ばれる。昔はうつ病の治療薬として使われていたが、その激しい副作用と扱いの難しさから、現在ではパーキンソン病の治療にのみ使われているが[1]、アメリカ合衆国などでは現在もうつ病の治療薬として認可されており使用されることもある。
目次
- 1 概要
- 2 副作用
- 3 用法
- 4 関連項目
- 5 出典
概要[編集]
ノルアドレナリン神経におけるMAO酸化酵素阻害薬の作用機序。
主な薬理作用は脳内のモノアミン酸化酵素の働きを阻害するものである。(結果的に脳内のモノアミン神経伝達物質の量を増やす)本来、脳内のモノアミン酸化酵素はドーパミンやセロトニンを分解するが、その働きを強力に阻害することによって、結果的に脳内にドーパミンなどの物質が蓄積され、濃度があがる。これにより、パーキンソン病の症状や抑うつ状態が改善されるとされる。 ただし、この薬の作用は一般的に非可逆的であるので、使用には注意を要する。
近年、改良品としてRIMA(例:オーロリックス(欧州)、マネリックス(カナダ))という、可逆的MAO-A阻害剤が開発された。 これらの治験が終了し認可されれば副作用の少ない新しい、難治性のパーキンソン病やうつ病の治療薬としての期待が見込まれる。
代表的なMAOIとして、セレギリンはMAO-Bを選択的に阻害し、RIMAはMAO-Aを阻害する。 RIMAを服用する場合、セレギリンとの併用は絶対にしてはいけない。
また、かつて日本国内では抗うつ薬として「デプレニル(錠)」の名でセレギリンが認可されていたことがあるが、現在はパーキンソン病にのみ認可されている。[1] かつてサフラジンと呼ばれた非選択的MAOI「サフラ(錠)」という薬剤がうつ病に対して処方されていたこともあった。
副作用[編集]
従来のMAOIでは、MAO-Aの受容体が阻害されることで、チラミンを摂取したとき、致命的な高血圧が生じたり、肝障害があらわれていた。RIMAでは副作用が緩和されているものの依然としてチラミンの大量摂取には気をつけねばならない。
主にMAO-Aの働きが阻害されると、不安、イライラ、視覚障害、知覚障害、胃腸不調などの症状があらわれる。 またMAO-Bの働きが阻害されるとジスキネジア等の症状があらわれやすくなる可能性が高くなる。
飲み合わせ[編集]
この種の薬剤には併用に関して十分に注意を払わなければならないものがいくつかある。(相互作用)
- SSRIとの併用はセロトニン症候群を引き起こす恐れがある。[1]
- エフェドリン類、アンフェタミン誘導体などドーパミンの放出を促進する薬物との併用で、ドパミン濃度の異常を引き起こす。悪性症候群。
- 各種のパーキンソン治療薬や、それ以外の薬品(インフルエンザの治療にも用いられるアマンタジンなど)にも相互作用を引き起こすものが多くあるため、これらと併用する場合は事前に注意を払う必要がある。(主にドパミンアゴニスト)
離脱[編集]
MAOIはその他の抗うつ薬と同様に、障害のコースを変更しないので、断薬によって患者を治療前の状態に戻すことができる。[2]
用法[編集]
通常はパーキンソン病の治療過程において、L-ドパ製剤などがあまり効かず、良い効果が得られない場合に追加して使用する。[1]国内で使用するものには、塩酸セレギリン(選択的MAO-B阻害剤)がある。
関連項目[編集]
- 抗パーキンソン薬
- モノアミン神経伝達物質
- ドーパミン
- セロトニン
出典[編集]
- ^ a b c d セレギリン添付文書
- ^ Dobson KS, et al. "Randomized Trial of Behavioral Activation, Cognitive Therapy, and Antidepressant Medication in the Prevention of Relapse and Recurrence in Major Depression." Journal of consulting and clinical psychology 76.3 (2008): 468-77.
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- モノアミン酸化酵素阻害剤(MAO阻害剤)の抗不安作用に及ぼすリチウムの影響
- 日本神経精神薬理学雑誌 = Japanese journal of psychopharmacology 21(6), 326, 2001-12-25
- NAID 10010605434
- モノアミン酸化酵素阻害剤の conditioned fear stress 獲得過程に対する影響
- 日本神経精神薬理学雑誌 = Japanese journal of psychopharmacology 19(6), 331, 1999-12-25
- NAID 10017039828
- 可逆的選択的モノアミン酸化酵素阻害剤の conditioned fear stress に対する効果
- 日本神経精神薬理学雑誌 = Japanese journal of psychopharmacology 18(6), 301, 1998-12-25
- NAID 10017038094
Related Links
- モノアミン酸化酵素阻害剤 M A O 阻 害 剤 monoamine oxidase inhibitor =「モノアミン酸化酵素阻害剤」 =「マオ阻害剤」 =「MAO-I」 ・ドーパミンやアドレナリンをまとめてモノアミンといいます
- 正確な情報は最新の添付文書でご確認下さい。 非選択的MAO阻害剤は国内ではサフラ錠のみ承認されていましたが、現在は中止となっております。 MAO阻害剤:モノアミン酸化酵素阻害剤
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- duloxetine
- 化
- 塩酸デュロキセチン duloxetine hydrochloride
- 商
- サインバルタ Cymbalta, Yentreve
- 関
- 抗精神病薬、抗うつ薬、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 SNRI
特徴
構造
作用機序
薬理作用
抗菌スペクトル
動態
適応
- うつ病・うつ状態
- 下記疾患に伴う疼痛:糖尿病性神経障害、線維筋痛症、慢性腰痛症、変形性関節症
用法・用量
- 通常、成人には1日1回朝食後、デュロキセチンとして40mgを経口投与する。投与は1日20mgより開始し、1週間以上の間隔を空けて1日用量として20mgずつ増量する。
- なお、効果不十分な場合には、1日60mgまで増量することができる。
- 減量する場合には1-2週で20mgずつ減量しする。20mgまで到達したら、隔日投与、2日おき投与、3日おき投与と投与間隔を長くしていく。離脱症状(身体症状:しびれ・耳鳴り・めまい・頭痛・吐き気・だるさ。精神症状:イライラ・ソワソワ感・不安・不眠。特徴的な症状:シャンピリ感・ビリビリする)に注意する。
注意
禁忌
- 1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2. モノアミン酸化酵素阻害剤(MAOI)を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者
- 3. 高度の肝障害のある患者[肝障害が悪化することがある。また、消失半減期が延長し、本剤の血中濃度が上昇することがある。
- 4. 高度の腎障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇することがある。
- 5. コントロール不良の閉塞隅角緑内障の患者[症状が悪化することがある。]
副作用
副作用等発現状況の概要
- うつ病・うつ状態の患者を対象とした国内臨床試験において、安全性評価対象例735例中、副作用(臨床検査値異常変動を含む)は663例(90.2%)に認められた。
- 主なものは、悪心269例(36.6%)、傾眠228例(31.0%)、口渇168例(22.9%)、頭痛154例(21.0%)、便秘102例(13.9%)、下痢87例(11.8%)、めまい80例(10.9%)、トリグリセリド上昇56例(7.6%)、腹部痛52例(7.0%)、ALT(GPT)上昇51例(6.9%)、不眠50例(6.8%)、倦怠感45例(6.1%)、AST(GOT)上昇38例(5.2%)、食欲減退38例(5.2%)であった。(承認時)
重大な副作用
- 不安、焦燥、興奮、錯乱、発汗、下痢、発熱、高血圧、固縮、頻脈、ミオクローヌス、自律神経不安定等があらわれることがある。セロトニン作用薬との併用時に発現する可能性が高くなるため、特に注意すること。異常が認められた場合には投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理と共に適切な処置を行うこと。
- 低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
- 痙攣、幻覚があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、総ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害、肝炎、黄疸があらわれることがあるので、適宜肝機能検査を行うとともに、患者の症状を十分に観察し、異常が認められた場合には、減量、休薬又は中止するなど適切な処置を行うこと。
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 呼吸困難、痙攣、血管浮腫、蕁麻疹等を伴うアナフィラキシー反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 高血圧クリーゼがあらわれることがあるので、高血圧又は心疾患のある患者においては血圧の推移等に十分注意しながら投与すること。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 尿閉があらわれることがあるので、症状があらわれた場合には投与を中止し、導尿を実施するなど適切な処置を行うこと。
添付文書
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1179052M1022_2_03/
[★]
- 英
- fluvoxamine FLVX
- 化
- マレイン酸フルボキサミン fluvoxamine maleate
- 商
- ルボックス、デプロメール
- 関
- セロトニン、セロトニン受容体
- 精神神経用剤
-
禁忌
副作用
- 安全性評価対象例712例中306例(43.0%)、690件の副作用が認められた。内訳は副作用症状256例(36.0%)、522件、臨床検査値異常86例(12.1%)、168件であった。
- 主なものは嘔気・悪心84件(11.8%)、口渇51件(7.2%)、便秘36件(5.1%)等の消化管障害、眠気69件(9.7%)、めまい21件(2.9%)等の精神神経系障害、怠感23件(3.2%)等の一般的全身障害、ALT(GPT)上昇31件(4.4%)、AST(GOT)上昇20件(2.8%)等の臨床検査値異常であった。(承認時:1999年4月)
添付文書
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1179039F1036_1_30/
[★]
- 英
- enzyme, ferment
- 関
- 酵素反応
酵素の分類
- (a)酸化還元酵素(oxydoreductase) EC1:ある物質を酸化したり、還元したりします。脱水素酵素、ペルオキシダーゼなどを含みます。
- (b)転移酵素(transferase) EC2: アミノ基やリン酸基などをある物質から別の物質に転移する酵素です。アミノ基を転移する酵素はアミノトランスフェラーゼと呼ばれます。
- (c)加水分解酵素(hydrolase) EC3:ある物質(基質)に水(H2OのうちHとOH)を加えることにより、2つに分解します。多くの蛋白分解酵素が含まれます。
- (d)リアーゼ(lyase) EC4:ある物質を2つに分解します。
- (e)イソメラーゼ(isomerase) EC5:ある基質を異性体に変換します。
- (f)リガーゼ(ligase) EC6;ATPのエネルギーを使って2つの物質を結合します。
[★]
- 英
- amine
- 関
- 生体アミン
概念
- アンモニア(NH3)の水素原子(H)を1~3個アルキル基で置換した塩基性有機化合物
分類
置換基の数
- 第一アミン RNH2
- 第二アミン R2NH
- 第三アミン R3N
生体内のアミン
あみん
[★]
- 英
- monoamine
- 関
- モノアミン神経伝達物質
定義
- アミノ酸から脱炭酸により作られる物質
- 1つのアミン基-NH2と炭酸水素基Rからなる
- R-NH2
- 生理活性のあるカテコールアミンやインドールアミンの総称
生合成モノアミン
[★]
- 英
- drug、agent
- 関
- 薬、作用薬、ドラッグ、媒介物、病原体、麻薬、薬剤、薬物、代理人、薬品
[★]
- 英
- blocking(精神医学), inhibition(生化学)
- 同
- 遮断 blockade、途絶