- 英
- monoamine neurotransmitter
- 関
- モノアミン
モノアミン神経伝達物質
モノアミン神経伝達物質を産生する細胞 (神経核の局在はB.29参照)
代謝
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/10/10 13:47:13」(JST)
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モノアミン神経伝達物質(モノアミンしんけいでんたつぶっしつ、monoamine neurotransmitter)はアミノ基を一個だけ含む神経伝達物質または神経修飾物質の総称である。セロトニン、ノルアドレナリン、アドレナリン、ヒスタミン、ドーパミン、アセチルコリンなどが含まれる。このうちノルアドレナリン、アドレナリン、ドーパミンはカテコール基をもつためカテコールアミンと呼ばれる。
目次
- 1 モノアミン仮説
- 2 脚注
- 3 関連項目
- 4 外部リンク
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モノアミン仮説
1956年、抗結核薬であるイプロニアジド、統合失調症薬として開発中であったイミプラミンが、KlineやKuhnにより抗うつ作用も有することが発見された。発見当初は作用機序は明らかにされておらず、他の治療に使われる薬物の薬効が偶然発見されたものであった。その後イプロニアジドからモノアミン酸化酵素阻害作用、イミプラミンにノルアドレナリン・セロトニンの再取り込み阻害作用があることが発見された。その後これらの薬物に類似の作用機序を持つ薬物が多く開発され、抗うつ作用を有することが臨床試験の結果明らかなった。よってモノアミン仮説とは、大うつ病性障害などのうつ状態は、モノアミン類、ノルアドレナリン、セロトニンなどの神経伝達物質の低下によって起こるとした仮説である。
しかし脳内の病態が明らかにされていない以上、逆の病態が大うつ病性障害の根本原因と結論付けることは出来ず、あくまで仮説にとどまっている。そもそも脳そのものの神経伝達物質の動きは見ることができないという技術的限界がある。
さらにこの仮説に対する反論としては、シナプス間隙のノルアドレナリンやセロトニンの低下がうつ病の原因であるとすれば、抗うつ薬は即効性があってしかるべきである。うつの改善には最低2週間要することを考えると、この意見は一理あると言える[1]。
脚注
- ^ 樋口輝彦,小山司 『臨床精神薬理ハンドブック 第二版』〈医学書院〉2009年
関連項目
- モノアミン酸化酵素
- モノアミン酸化酵素阻害薬
- 大うつ病性障害(うつ病)
- 三環系抗うつ薬
- 四環系抗うつ薬
- 選択的セロトニン再取り込み阻害薬
外部リンク
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 吾郷 由希夫,田熊 一敞,松田 敏夫
- 日本薬理学雑誌 134(6), 304-308, 2009-12-01
- … 薬の有効性が見出されている.また我々は,環境ストレス負荷モデルとしての長期隔離飼育マウス,およびグルココルチコイド長期負荷マウスを用いることで,GR拮抗薬の抗うつ様作用を示し,脳内モノアミン神経伝達物質遊離の解析から,本作用における前頭前野ドパミン神経活性との関連を見出した.一方,うつ病患者において海馬ミネラルコルチコイド受容体(MR)の発現量の低下や,抗うつ薬の長期投与によるMR …
- NAID 10026334419
- ペントバルビタールおよびケタミン麻酔のラット中枢神経系におけるアミノ酸およびモノアミン神経伝達物質放出に及ぼす効果
- 白井 達,高杉 嘉弘,古賀 義久
- 近畿大学医学雑誌 29(3・4), 93-107, 2004-12-25
- 全身麻酔薬はシナプス終末からのアミノ酸, モノアミンそのほか多くの神経伝達物質あるいは神経修飾物質の放出, 取り込み, 代謝に影響を及ぼし, 麻酔作用をはじめ様々な生理作用を生じると考えられる. 本研究は, ラットに対してペントバルビタールとケタミンを腹腔内に投与したときの脳脊髄液中のアミノ酸, モノアミン濃度を定量し, 無麻酔時の濃度と比較することによって, 全身麻酔薬の神経伝達物質放出への影響 …
- NAID 110004615528
- In vivoボルタメトリー法による脳虚血時のモノアミン神経伝達物質代謝の測定
Related Links
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- 神経伝達物質(しんけいでんたつぶっしつ、英: Neurotransmitter)は、シナプスで情報 ...
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★リンクテーブル★
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モノアミン神経伝達物質
[★]
- 英
- neurotransmitter (SP)
- 同
- ニューロトランスミッター、化学的伝達物質 化学伝達物質 chemical transmitter、伝達物質 transmitter
概念
作用の方向で分類
- アセチルコリン
- グルタミン酸
- GABA
- グリシン
部位で分類
物質群別
アミノ酸 (SPC.76-78)
ペプチド (SPC.79)
[★]
- 英
- amine
- 関
- 生体アミン
概念
- アンモニア(NH3)の水素原子(H)を1~3個アルキル基で置換した塩基性有機化合物
分類
置換基の数
- 第一アミン RNH2
- 第二アミン R2NH
- 第三アミン R3N
生体内のアミン
あみん
[★]
- 英
- monoamine
- 関
- モノアミン神経伝達物質
定義
- アミノ酸から脱炭酸により作られる物質
- 1つのアミン基-NH2と炭酸水素基Rからなる
- R-NH2
- 生理活性のあるカテコールアミンやインドールアミンの総称
生合成モノアミン
[★]
- 英
- nerve
- ラ
- nervus
- 関
- ニューロン
解剖で分類
- 中枢神経 central nervous systen CNS
- 末梢神経 peripheral nervous system PNS
情報で分類
- 感覚神経 sensory nerve = 求心性線維 afferent nerve
- 運動神経 motor nerve = 遠心性線維 efferent nerve
機能で分類
- 体性神経 somatic nervous system SNS
- 自律神経 autonomic nervous system ANS
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- 英
- transmission, transfer
- 関
- 伝導