- 英
- pyruvate carboxylase, pyruvic carboxylase
- 関
- 糖新生、ピルビン酸
臨床関連
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/03/30 18:01:14」(JST)
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ピルビン酸カルボキシラーゼ |
識別子 |
略号 |
PC |
Entrez |
5091 |
HUGO |
8636 |
OMIM |
608786 |
RefSeq |
NM_000920 |
UniProt |
P11498 |
他のデータ |
EC番号 |
6.4.1.1 |
遺伝子座 |
Chr. 11 q11-q13.1 |
ピルビン酸カルボキシラーゼ(Pyruvate carboxylase)は、ピルビン酸を不可逆的にカルボキル化してオキサロ酢酸にするリガーゼ群の酵素である。
酵素反応[編集]
この反応はクエン酸回路を回転させるために必要なオキサロ酢酸を供給する最も重要な炭酸固定補充反応である。この酵素はビオチンで構成されるミトコンドリアのタンパク質で、マグネシウムもしくはマンガンとアセチルCoAを必要とし、筋肉ではなく肝臓で起こる。高濃度のADPは酵素のリン酸化を抑制するため酵素の活動は維持され、その間はアセチルCoAがアロステリック効果によって酵素の活性剤となる[1]。
糖新生[編集]
糖新生では最初にピルビン酸からホスホエノールピルビン酸が合成される。ピルビン酸は始めミトコンドリアでピルビン酸カルボキシラーゼによってオキサロ酢酸に変換される。その間ATPが1分子加水分解される。そのときオキサロ酢酸は、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼによって脱炭酸とリン酸化反応が同時に触媒され、細胞質にホスホエノールピルビン酸が生成する。ミトコンドリアから細胞質へのホスホエノールピルビン酸の輸送は、リンゴ酸/ホスホエノールピルビン酸シャトルによって調停される。
脚注[編集]
- ^ Scrutton MC, Utter MF (1967) Pyruvate carboxylase. IX. Some properties of the activation by certain acyl derivatives of coenzyme A. J. Biol Chem. 242:1723-1735.
関連項目[編集]
代謝: クエン酸回路の酵素 |
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回路 |
クエン酸シンターゼ(EC 2.3.3.1) - アコニット酸ヒドラターゼ(EC 4.2.1.3) - イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.41, EC 1.1.1.42) - オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ (スクシニル基転位)(EC 1.2.4.2) - スクシニルCoAシンターゼ(EC 6.2.1.4, EC 6.2.1.5) - コハク酸デヒドロゲナーゼ (ユビキノン)(EC 1.3.5.1, EC 1.3.99.1) - フマル酸ヒドラターゼ(EC 4.2.1.2) - リンゴ酸デヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.37)
|
|
炭酸固定補充 |
ピルビン酸カルボキシラーゼ - アスパラギン酸トランスアミナーゼ - グルタミン酸デヒドロゲナーゼ - メチルマロニルCoAムターゼ - ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体
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炭水化物代謝: 解糖系/糖新生の酵素 |
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解糖系 |
グルコキナーゼ/ヘキソキナーゼ/グルコース-6-ホスファターゼ - グルコース-6-リン酸イソメラーゼ - 6-ホスホフルクトキナーゼ/フルクトースビスホスファターゼ - フルクトースビスリン酸アルドラーゼ - トリオースリン酸イソメラーゼ - グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ - ホスホグリセリン酸キナーゼ - ホスホグリセリン酸ムターゼ - ホスホピルビン酸ヒドラターゼ - ピルビン酸キナーゼ
|
|
糖新生のみの酵素 |
ピルビン酸カルボキシラーゼ - ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ - 乳酸 (コリ回路):L-乳酸デヒドロゲナーゼ - アラニン (グルコース-アラニン回路):アラニントランスアミナーゼ
|
|
調節 |
6-ホスホフルクト-2-キナーゼ/フルクトース-2,6-ビスホスファターゼ - ビスホスホグリセリン酸ムターゼ
|
|
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- スキムミルクなどを助剤とする植物体からの酵素タンパク質の抽出法の研究 - Eleocharis vivipara のPEPCの抽出を例として -
- 永松 裕章,阪上 綾,山崎 恭央,吉村 一恵,関井 愛,秋田 求,泉井 桂
- Memoirs of the Faculty of Biology-Oriented Science and Technology of Kinki University (25), 7-16, 2010-3
- Departmental Bulletin Paperわれわれは陸生型Eleocharis viviparaのC_4光合成型ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPC)の環境応答や酵素の活性調節などの研究の過程で、このPEPCが従来から広く植物材料に対して用いられてきた、不溶性のポリビニルポリピロリドン(PVPP)を助剤とする抽出法ではほとんど抽出されないという困難に遭遇した。本研究ではこ …
- NAID 120002187970
Related Links
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- ホスホエノールピルビン酸(ホスホエノールピルビンさん、phosphoenolpyruvic acid, PEP)は、生化学的に重要な有機化合物の一つである。-62KJ/molと生体中 ... この反応 はホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼによって触媒される。 ホスホエノールピル ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- oxal
- 英
- oxaloacetate, oxaloacetic acid, OAA
- 関
- TCA回路
命名
- オキサロ oxal- は「シュウ酸の」という接頭辞。HOOC-CO-(シュウ酸の部分) + -CH2-COOH(酢酸の部分)ということで命名されたと思われる。
構造
HOOC-CO-CH2-COOH
機能
- 1. 糖新生の中間代謝産物:ミトコンドリアで起こる
- CH3-CO-COO- + ATP + CO2 -(ピルビン酸カルボキシラーゼ)→ HOOC-CO-CH2-COOH + Pi
- HOOC-CO-CH2-COOH + GTP -(PEPカルボキシキナーゼ)→ CH2=C(OPO320)-CO-OH + GDP + CO2
- オキサロ酢酸が脱炭酸されると共鳴安定化したエノレート陰イオンが生じ、その酸素がGTPのγリン酸基を攻撃してPEPとGDPができる(FB.308)
- 2. クエン酸回路の代謝産物:ミトコンドリアで怒る
- マレイン酸 + NAD+ -(malate dehydrogenase)→ オキサロ酢酸 + NADH + H+
- オキサロ酢酸 + アセチルCoA -(citrate synthase)→ クエン酸 + HS-CoA
糖新生
[★]
- 英
- biotin
- 同
- ビタミンB7 vitamin B7、補酵素R coenzyme R、ビタミンH vitamin H
- 関
- ビタミン
機能
- カルボキシラーゼの補酵素となり、CO2キャリアーとして機能
- 体内で代謝されてビオチン酵素となり、炭素固定反応の補酵素となる。
- 1. pyruvate -(ピルビン酸カルボキシラーゼ)→ oxaloacetate
- 2. acetyl-CoA -(アセチルCoAカルボキシラーゼ)→ malonyl-CoA
- 3. proprionyl-CoA -(プロピオニルCoAカルボキシラーゼ)→ methylmalonyl-CoA :奇数炭素脂肪酸の偶数炭素脂肪酸への変換、2-オキソ酪酸の代謝
臨床関連
ビオチン欠乏
- dermatitis, enteritis. Caused by antibiotic use, ingestion of raw eggs. (FIRST AID step1 p.114)
- アビジンと強固に結合する。卵白の過剰摂取によりビオチンの吸収が妨げられ欠乏症を生じうる。
[★]
- 英
- gluconeogenesis
- 関
- 解糖
- 図:FB.306
糖新生の不可逆反応を司る酵素
[★]
- 英
- acidemia
- 同
- アシデミア、酸性血症
- 関
- アシドーシス、ピルビン酸カルボキシラーゼ
[★]
ピルビン酸カルボキシラーゼ
- 同
- PC欠損症
[★]
- 英
- pyruvate carboxylase deficiency syndrome
概念
病因
疫学
遺伝形式
病変形成&病理
症状
診断
検査
治療
予後
予防
[★]
- 英
- phosphopyruvate carboxylase
- 関
- ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ
[★]
- 英
- phosphoenolpyruvate carboxylase
[★]
- 英
- pyruvate, pyruvic acid, 2-oxopropanic acid, α-ketopropionic acid
- 同
- 焦性ブドウ酸 pyroracemic acid
- 関
- 解糖系
CH3-CO-COOH
ピルビン酸の生合成反応
CH2-C(OPO32-)-COOH + ADP + H+ -(ピルビン酸キナーゼ)→ CH3-CO-COO- + ATP
反応
- CH3-CO-COO- + ATP + CO2 -→ HOOC-CO-CH2-COOH + Pi
[★]
- 英
- carboxylase
- 同
- カルボキシ基転移酵素
- 脱炭酸酵素 デカルボキシラーゼ decarboxylase、
- 基質(有機化合物(糖、アミノ酸)にCO2を付与したり除去したりする酵素
- カルボキシラーゼとデカルボキシラーゼの区別はどの反応に着目したかによる?
デカルボキシラーゼ
- カルボン酸のカルボキシ基(-COOH)を炭酸として遊離させる。
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義
[★]
- 英
- pill
- 関
- 丸剤、経口避妊薬、丸薬
[★]
- 英
- bottle
- 関
- ビンづめ