- malic
- 英
- malate malic acid
- 関
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/10/10 13:29:57」(JST)
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リンゴ酸 |
|
|
|
別称
L-リンゴ酸
D-リンゴ酸
(-)-リンゴ酸
(+)-リンゴ酸
(S)-ヒドロキシブタン二酸
(R)-ヒドロキシブタン二酸
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
6915-15-7 |
ChemSpider |
510 |
EINECS |
230-022-8 |
KEGG |
C00149 |
特性 |
化学式 |
C4H6O5 |
モル質量 |
134.09 g mol−1 |
密度 |
1.609 g/cm3 |
融点 |
130 ℃
|
水への溶解度 |
558 g/l (at 20 ℃)[1] |
酸解離定数 pKa |
pKa1 = 3.4, pKa2 = 5.13 |
関連する物質 |
その他の陰イオン |
リンゴ酸イオン |
関連するカルボン酸 |
プロピオン酸
酪酸
コハク酸
酒石酸
クロトン酸
フマル酸
吉草酸 |
関連物質 |
1-ブタノール
ブチルアルデヒド
クロトンアルデヒド
リンゴ酸ナトリウム |
特記なき場合、データは常温(25 °C)・常圧(100 kPa)におけるものである。 |
リンゴ酸(林檎酸、リンゴさん、malic acid)とはヒドロキシ酸に分類される有機化合物の一種。 リンゴ酸の和名はリンゴから見つかったことに由来する。示性式は HOOC-CH(OH)-CH2-COOH、分子量は 134.09。IUPAC置換命名法では 2-ヒドロキシブタン二酸 (2-hydroxybutanedioic acid) と表される。
2位に光学中心を持ち、リンゴに多く含まれる異性体は (S)-(−)-L体 である。0.1 % 水溶液の pH は 2.82。
目次
- 1 生化学
- 2 用途
- 3 食品との関連
- 4 反応
- 5 出典
- 6 関連項目
|
生化学
天然にはL-リンゴ酸が見られる。
リンゴ酸は生化学で重要な役割を果たす。C4型光合成では、カルビン回路のCO2源となる。クエン酸回路ではH2Oがフマル酸のSi面に付加することで(S)-リンゴ酸が生成する。(S)-リンゴ酸はリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって酸化され、オキサロ酢酸となる。ピルビン酸から補充反応によって生成されることもある。
孔辺細胞では、ホスホエノールピルビン酸のカルボキシル化によっても合成される。これは細胞がカリウムを取り込む際にその対イオンとなる。細胞内の溶質の濃度が上昇すると浸透圧が低下し、水が流入して細胞が膨張することで気孔が閉じる。
用途
爽快感のある酸味を持つため、飲料や食品の酸味料として用いられる。また、pH調整剤、乳化剤など、食品工業においてさまざまな用途に利用されている。
キレート性を持つ酸であることから、金属表面の洗浄などにも用いられる。
食品、工業に使われるリンゴ酸は、多くの場合ラセミ体が用いられる。
食品との関連
リンゴ酸は1785年、カール・ヴィルヘルム・シェーレによってリンゴジュースから単離された。1787年、アントワーヌ・ラヴォアジエがラテン語mālum(リンゴ)に由来するacide maliqueという名を提唱した[2]。 リンゴの酸味に寄与する。ブドウにも存在し、ワインでは5g/l以上の濃度になることもある[3]。ブドウが熟していくと共にその量は減少するが、ワインに酸味を与える。マロラクティック発酵は、リンゴ酸をよりまろやかな乳酸に変換する。
食品添加物としては、E296というE番号が与えられている。酸味の少ないクエン酸の代用としても使われるが、過剰摂取により口の中に炎症を引き起こす可能性もある。食品添加物として欧州[4]・米国[5]・オーストラリア、ニュージーランド[6]で認可されている。
反応
工業的には無水マレイン酸の水和によって得られる[7]。
発煙硫酸によって自己縮合し、ピロンであるクマリン酸(coumalic acid)を与える(クマリン(coumarin)とは異なる)[8]。
(-)-リンゴ酸はPCl5の作用で(+)-クロロコハク酸となり、(+)-クロロコハク酸は酸化銀(I)触媒により(+)-リンゴ酸となる。(+)-リンゴ酸にPCl5を作用させると(-)-クロロコハク酸となる。このことからワルデン反転が発見された。
出典
- ^ chemBlink Online Database of Chemicals from Around the World
- ^ The Origin of the Names Malic, Maleic, and Malonic Acid Jensen, William B. J. Chem. Educ. 2007, 84, 924. Abstract
- ^ "Methods For Analysis of Musts and Wines", Ough and Amerine, John Wiley and Sons, 2nd Edition, 1988, page 67
- ^ UK Food Standards Agency: “Current EU approved additives and their E Numbers”. 2011年10月27日閲覧。
- ^ US Food and Drug Administration: “Listing of Food Additives Status Part II”. 2011年10月27日閲覧。
- ^ Australia New Zealand Food Standards Code“Standard 1.2.4 - Labelling of ingredients”. 2011年10月27日閲覧。
- ^ Karlheinz Miltenberger "Hydroxycarboxylic Acids, Aliphatic" in Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry,2005, Wiley-VCH, Weinheim. doi:10.1002/14356007.a13 507
- ^ Richard H. Wiley and Newton R. Smith (1963), “Coumalic acid”, Org. Synth., http://www.orgsyn.org/orgsyn/orgsyn/prepContent.asp?prep=cv4p0201 Coll. Vol. 4: 201 .
関連項目
クエン酸回路 |
|
ピルビン酸 - アセチルCoA - オキサロ酢酸 - クエン酸 - cis-アコニット酸 - イソクエン酸 - オキサロコハク酸 - α-ケトグルタル酸 - スクシニルCoA - コハク酸 - フマル酸 - L-リンゴ酸
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Japanese Journal
- スニチニブリンゴ酸塩 (医薬品・医療機器等安全性情報(No.282)) -- (重要な副作用等に関する情報)
- 1Jp16 清酒もろみから分離したリンゴ酸高生産清酒酵母の特性(醸造学・醸造工学,一般講演)
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★リンクテーブル★
[★]
- oxal
- 英
- oxaloacetate, oxaloacetic acid, OAA
- 関
- TCA回路
命名
- オキサロ oxal- は「シュウ酸の」という接頭辞。HOOC-CO-(シュウ酸の部分) + -CH2-COOH(酢酸の部分)ということで命名されたと思われる。
構造
HOOC-CO-CH2-COOH
機能
- 1. 糖新生の中間代謝産物:ミトコンドリアで起こる
- CH3-CO-COO- + ATP + CO2 -(ピルビン酸カルボキシラーゼ)→ HOOC-CO-CH2-COOH + Pi
- HOOC-CO-CH2-COOH + GTP -(PEPカルボキシキナーゼ)→ CH2=C(OPO320)-CO-OH + GDP + CO2
- オキサロ酢酸が脱炭酸されると共鳴安定化したエノレート陰イオンが生じ、その酸素がGTPのγリン酸基を攻撃してPEPとGDPができる(FB.308)
- 2. クエン酸回路の代謝産物:ミトコンドリアで怒る
- マレイン酸 + NAD+ -(malate dehydrogenase)→ オキサロ酢酸 + NADH + H+
- オキサロ酢酸 + アセチルCoA -(citrate synthase)→ クエン酸 + HS-CoA
糖新生
[★]
- ラテン語 malum = apple
[★]
- 英
- pyruvate-malate cycle
- 関
- ピルビン酸、リンゴ酸
[★]
- 英
- malate
- 関
- リンゴ酸、リンゴ酸エステル
[★]
- 英
- malate
- 関
- リンゴ酸、リンゴ酸塩
[★]
- 英
- [[]]
- 同
- malate synthase
- 関
- [[]]
- 同
- malate synthase
[★]
- 英
- thiethylperazine malate
- 関
- チエチルペラジン
[★]
- 英
- almotriptan malate
- 関
- アルモトリプタン
[★]
- 英
- malate synthase
- 関
- リンゴ酸シンターゼ
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義