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- avidin
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/09/26 21:17:04」(JST)
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アビジン (Avidin) は生卵白中に存在する低分子の塩基性糖タンパク質で、4個のサブユニットから構成される。各サブユニットは1分子のビオチンと結合する。
ビオチンとの関係
アビジンのビオチンに対する親和性は非常に高く、ビオチンの腸管からの吸収を阻害するため、動物実験では生卵白の大量投与でビオチン不足とすることができる。
ビオチンは腸内細菌によって作られることもあって、かつてはヒトではビオチン不足に陥ることはないと考えられていた。しかし、抗生剤の服用などによって腸内細菌に影響を及ぼすこともあり、またビオチンの血中濃度が特別に低くもない患者にビオチン不足と思われる症状がみられるとき、ビオチンの大量投与で症状が緩和されたり治癒した場合もある。このことから、アビジンに関係なくビオチンの利用率には大きな個体差があるという説も出ている。
応用
ビオチンとアビジンの親和力は通常の抗原抗体反応の 100 万倍以上も強く、 ほとんど不可逆的な結合を形成するため、免疫や細胞膜の研究用試薬、あるいはがんなどの検査用試薬、さらにはモノクローナル抗体と制がん剤を結びつけてがん細胞のみを直撃するミサイル療法製剤への適用などへの応用がある。
類似のタンパク質には、ストレプトマイセスの1種から得られるストレプトアビジンがあり、これも研究用試薬として用いられている。
関連項目
タンパク質の四次構造 |
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全般 |
球状タンパク質 - 線維状タンパク質 - 膜タンパク質 - コイルドコイル
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二量体 |
ロイシンジッパー
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三量体 |
コラーゲン - ヘマグルチニン - オルニチントランスカルバミラーゼ
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四量体 |
ヘモグロビン - 免疫グロブリンG - アビジン - スペクトリン
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六量体 |
dnaBヘリカーゼ - ヘモシアニン - グルタミンデヒドロゲナーゼ1
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八量体 |
ヌクレオソーム - ヘムエリスリン
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微小繊維 |
アクチン - チューブリン - 鞭毛 - 性繊毛 - 線毛
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複合体 |
転写開始前複合体 - 免疫グロブリンM - カルボキシソーム
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機械 |
プロテアソーム - リボソーム - ATP合成酵素 - RNAポリメラーゼ - スプライソソーム
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ウイルス |
カプシド
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沈殿 |
塩析 - ホフマイスターシリーズ
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分類方法 |
超遠心分離 - 分子排斥クロマトグラフィー
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←三次構造
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 米の品質評価,品種判別および加工利用に関する研究(受賞論文)
- 大坪 研一
- 応用糖質科学 : 日本応用糖質科学会誌 4(2), 93-102, 2014-05-20
- … 米の酵素阻害タンパク質RASIのアミノ酸配列を決定し,3種類の酵素阻害タンパク質やアビジンの遺伝子を導入した虫害抵抗性稲を作出した。 …
- NAID 110009823316
- 磁気マーカーと高温超伝導SQUIDを用いた高感度液相免疫検査(薄膜,デバイス技術及びその応用,一般)
- 内田 忍,上岡 祐太,浦 正和 [他],吉田 敬,円福 敬二
- 電子情報通信学会技術研究報告. SCE, 超伝導エレクトロニクス 113(401), 43-48, 2014-01-16
- … ビオチンは直径3.3μmのポリマービーズに固定されており、磁気マーカーにはストレプトアビジンがコーティングされている。 … ビオチン・アビジンのの結合反応によりポリマービーズに結合した結合マーカーは未結合マーカーと比較してブラウン緩和時間が長くなるので、その緩和時間の差を利用して、結合マーカーと未結合マーカーを磁気的に識別することが可能となる。 …
- NAID 110009822119
- 電気化学インピーダンス法における静電相互作用の効果 (有機エレクトロニクス)
- 大貫 等,横山 拓也,向山 茂樹 [他]
- 電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 113(115), 1-4, 2013-07-04
- NAID 40019734783
Related Links
- アビジンは,卵白中に存在する分子量約68kDaの塩基性糖タンパク質で,低分子ビタミンであるビオチンにきわめて強い親和性(Affinityconstant>1015M-1)があります。現在,ビオチンとアビジンの強い親和性と特異性を利用した,種々の ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- biotin
- 同
- ビタミンB7 vitamin B7、補酵素R coenzyme R、ビタミンH vitamin H
- 関
- ビタミン
機能
- カルボキシラーゼの補酵素となり、CO2キャリアーとして機能
- 体内で代謝されてビオチン酵素となり、炭素固定反応の補酵素となる。
- 1. pyruvate -(ピルビン酸カルボキシラーゼ)→ oxaloacetate
- 2. acetyl-CoA -(アセチルCoAカルボキシラーゼ)→ malonyl-CoA
- 3. proprionyl-CoA -(プロピオニルCoAカルボキシラーゼ)→ methylmalonyl-CoA :奇数炭素脂肪酸の偶数炭素脂肪酸への変換、2-オキソ酪酸の代謝
臨床関連
ビオチン欠乏
- dermatitis, enteritis. Caused by antibiotic use, ingestion of raw eggs. (FIRST AID step1 p.114)
- アビジンと強固に結合する。卵白の過剰摂取によりビオチンの吸収が妨げられ欠乏症を生じうる。
[★]
- 英
- avidin-biotin peroxidase method
- 同
- ABC法 ABC method
- 関
- PAP法
[★]
アビジン・ビオチンペルオキシダーゼ法