- oxal
- 英
- oxaloacetate, oxaloacetic acid, OAA
- 関
- TCA回路
命名
- オキサロ oxal- は「シュウ酸の」という接頭辞。HOOC-CO-(シュウ酸の部分) + -CH2-COOH(酢酸の部分)ということで命名されたと思われる。
構造
HOOC-CO-CH2-COOH
機能
- 1. 糖新生の中間代謝産物:ミトコンドリアで起こる
- CH3-CO-COO- + ATP + CO2 -(ピルビン酸カルボキシラーゼ)→ HOOC-CO-CH2-COOH + Pi
- HOOC-CO-CH2-COOH + GTP -(PEPカルボキシキナーゼ)→ CH2=C(OPO320)-CO-OH + GDP + CO2
- オキサロ酢酸が脱炭酸されると共鳴安定化したエノレート陰イオンが生じ、その酸素がGTPのγリン酸基を攻撃してPEPとGDPができる(FB.308)
- 2. クエン酸回路の代謝産物:ミトコンドリアで怒る
- マレイン酸 + NAD+ -(malate dehydrogenase)→ オキサロ酢酸 + NADH + H+
- オキサロ酢酸 + アセチルCoA -(citrate synthase)→ クエン酸 + HS-CoA
糖新生
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/02/11 06:09:07」(JST)
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オキサロ酢酸 |
|
|
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
328-42-7 |
EINECS |
206-329-8 |
|
特性 |
化学式 |
C4H4O5 |
モル質量 |
132.07g/mol |
密度 |
? g/cm3 |
融点 |
161℃
|
熱化学 |
標準生成熱 ΔfHo |
-943.21 kJ/mol |
標準燃焼熱 ΔcHo |
-1205.58 kJ/mol |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
オキサロ酢酸(オキサロさくさん、Oxaloacetic acid)は示性式HOOC-CH2-CO-COOH、分子量132.072のジカルボン酸の一種。IUPAC命名法では2-オキソブタン二酸 (2-oxobutanedioic acid) になる。CAS登録番号は 328-42-7。旧名オキサル酢酸。
目次
- 1 クエン酸回路での役割
- 2 糖新生での役割
- 3 その他
- 4 脚注
クエン酸回路での役割[編集]
オキサロ酢酸は、クエン酸回路およびグリオキシル酸回路を構成する物質のひとつで、リンゴ酸がリンゴ酸デヒドロゲナーゼによって酸化されて生成する。オキサロ酢酸は、クエン酸シンターゼによってアセチルCoAと反応してクエン酸となる。
糖新生での役割[編集]
オキサロ酢酸は、ホスホエノールピルビン酸を経由して糖新生にも利用される[1][要高次出典]。 ピルビン酸は最初にミトコンドリアでピルビン酸カルボキシラーゼによってオキサロ酢酸に変換される。その間ATPが1分子加水分解される。そのときオキサロ酢酸は、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼによって脱炭酸とリン酸化反応が同時に触媒され、細胞質にホスホエノールピルビン酸が生成する。ホスホエノールピルビン酸は、オキサロ酢酸の脱炭酸によって生じ、1分子のGTPを加水分解し、この反応はホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼによって触媒され、糖新生の律速段階となる[2]。 オキサロ酢酸はそのままではミトコンドリアの内膜を通過できないので、ミトコンドリアから細胞質へのホスホエノールピルビン酸の輸送は、リンゴ酸/ホスホエノールピルビン酸シャトルによって調停される[3]。
段階1:ピルビン酸+HCO3-+ATP → オキザロ酢酸+ADP+Pi
- ピルビン酸カルボキシラーゼにより進む。
段階2:オキザロ酢酸+NADH+H+←→ L-リンゴ酸+NAD
- リンゴ酸デヒドロゲナーゼにより進む。
段階3:L-リンゴ酸+NAD ←→ オキザロ酢酸+NADH+H+
- この反応もリンゴ酸デヒドロゲナーゼにより進む。
段階4:オキザロ酢酸+GTP → ホスホエノールピルビン酸+GDP+CO2
- ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(phosphoenolpyruvate carboxykinase)により進む。
その他[編集]
また、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼによってグルタミン酸と反応することによってアスパラギン酸となる。
オキサロ酢酸は、常温では不安定で、脱炭酸化が起きてピルビン酸となる。
アスパラギン酸(aspartic acid)、リンゴ酸(malic acid)との関係
脚注[編集]
- ^ 糖新生 講義資料のページ
- ^ “InterPro: IPR008209 Phosphoenolpyruvate carboxykinase, GTP-utilising”. 2007年8月17日閲覧。
- ^ 引用エラー: 無効な
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クエン酸回路 |
|
ピルビン酸 - アセチルCoA - オキサロ酢酸 - クエン酸 - cis-アコニット酸 - イソクエン酸 - オキサロコハク酸 - α-ケトグルタル酸 - スクシニルCoA - コハク酸 - フマル酸 - L-リンゴ酸
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Japanese Journal
- 4Dp01 Corynebacterium glutamicumのオキサロ酢酸供給強化に向けた代謝改変(発酵生理学,発酵工学,一般講演)
- 小倉 紘太郎,澤田 和典,萩原 拓也,柳瀬 真紀,和田 大,横田 篤
- 日本生物工学会大会講演要旨集 64, 205, 2012-09-25
- NAID 110009609962
- ミナミバンドウイルカの血液学および血液生化学的検査値にみられた日内変動
- 船坂 徳子,吉岡 基,植田 啓一 [他],柳澤 牧央,宮原 弘和,内田 詮三
- 哺乳類科学 50(1), 1-11, 2010-06-30
- … 関係にほぼ同時刻であったことから,そのリズムは内因性の概日時計に制御されている可能性が示唆された.他の項目の日内変動は,不規則なパルス状(好酸球分画,Eos;アルブミン,Alb;グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ,GOT;グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ,GPT;総ビリルビン,T-Bil:クレアチンフォスフォキナーゼ,CPK;ナトリウム,Na;クロール,Cl),経時的上昇あるいは下降(クレ …
- NAID 10030472559
- 竹内 隆泰,田中 健,近藤 守人
- 福井県畜産試験場研究報告 (23), 1-5, 2010-03-00
- … その結果、回帰遅延牛群は、分娩後2週目のグルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(GOT)が高く、血中尿素窒素(BUN)、総コレステロール(TCHO)が低い傾向を示した。 …
- NAID 120005319825
- 2Fa11 コリネ型細菌のGlu過剰生成条件における酵素活性から見たアセチルCoAとオキサロ酢酸の供給バランス(発酵生理学・発酵工学,一般講演)
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- 糖新生の際には、アミノ酸(糖原性アミノ酸)の炭素骨格(注1)、ピルビン酸、乳酸、TCA 回路の中間体は、まず、オキサロ酢酸に変換され、さらに、PEPCKにより、ホスホ エノールピルビン酸(phosphoenol pyruvate:PEP)に変換され、糖新生に利用される。
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- aspartate aminotransferase, AST
- 同
- グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ glutamic oxaloacetic transaminase GOT
- 関
- ALT。s-AST、m-AST、ASTアイソザイム、マクロAST
SOLP → AST = GOT, ALT = GPT
分布
- ほぼ全ての臓器組織細胞中に分布。特に心臓,肝臓,骨格筋に多い。 (⇔ALTは肝臓に特に多い)
基質
- 基質特異性は広く,アミノ基受容体にα-ケトグルタル酸を用いると大抵のアミノ酸に作用して脱アミノする。
- アラニンには作用しない
酵素
- http://www.uniprot.org/uniprot/P17174
基準値
意義
- 急性の肝疾患で高値となる(半減期の短さを反映)。アルコール性の肝疾患や肝硬変でも高値となる。
- アルコール性肝疾患
- アルコール性脂肪肝
- 肝硬変、肝癌:慢性肝炎から肝硬変・管癌に進行するとALT優位(AST<ALT)からAST優位(AST>ALT)(特に肝細胞癌ではAST>>ALT)と変化し、値が低下する (LAB.1360)
- 心筋梗塞、溶血、ショック
|
AST
|
ALT
|
含有量
|
3
|
1
|
局在
|
心筋、肝臓、 骨格筋、腎臓 赤血球
|
肝臓、腎臓、 心臓、骨格筋
|
逸脱しやすさ
|
逸脱しにくい
|
逸脱しやすい
|
血中半減期
|
2日
|
6日
|
肝小葉内の分泌
|
中心静脈
|
辺縁
|
[★]
- 英
- pyruvate, pyruvic acid, 2-oxopropanic acid, α-ketopropionic acid
- 同
- 焦性ブドウ酸 pyroracemic acid
- 関
- 解糖系
CH3-CO-COOH
ピルビン酸の生合成反応
CH2-C(OPO32-)-COOH + ADP + H+ -(ピルビン酸キナーゼ)→ CH3-CO-COO- + ATP
反応
- CH3-CO-COO- + ATP + CO2 -→ HOOC-CO-CH2-COOH + Pi
[★]
- glutarate
- 英
- α-ketoglutarate, α-ketoglutaric acid
- 同
- 2-オキソグルタル酸 2-oxoglutaric acid 2-oxoglutarate
- 関
- TCA回路
- α-ケト酸α-keto acidの一つで、次のような糖質やアミノ酸の代謝中間体として重要。
代謝
生合成@細胞質
- 細胞質内でイソクエン酸脱水素酵素とNADP+により生成される。
[★]
- 英
- phosphoenolpyruvate phosphoenlpyruvic acid PEP
構造
CH2-C(OH2PO3)-COOH
反応
CH2-C(OPO32-)-COOH + ADP + H+ -(ピルビン酸キナーゼ)→ CH3-CO-COO- + ATP
HOOC-CH2-CO-COOH + GTP -(PEPカルボキシキナーゼ)→CH2-C(OPO32-)-COOH + GDP + CO2
[★]
- 英
- gluconeogenesis
- 関
- 解糖
- 図:FB.306
糖新生の不可逆反応を司る酵素
[★]
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ
[★]
- 英
- acetic acid acetate
- ラ
- acidum aceticum
- 関
- カルボン酸
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義