プレドニゾロン
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
コハクサニン注射用10mg
組成
有効成分
含量
- プレドニゾロンコハク酸エステルとして12.78mg(プレドニゾロン10mgに相当)
添加物
無水リン酸一水素ナトリウム 2.07mg
無水リン酸二水素ナトリウム 1.75mg
禁忌
(次の患者または部位には投与しないこと)
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 感染症のある関節腔内、滑液嚢内、腱鞘内または腱周囲 [免疫機能抑制作用により、感染症が増悪することがある。]
- 動揺関節の関節腔内 [関節症状が増悪することがある。]
効能または効果
- ☆印の付されている投与法は以下のような条件でのみ使用できる。(その事由がなくなった場合は、速やかに他の投与法に切り替えること。)
- 静脈内注射および点滴静脈内注射:経口投与不能時、緊急時および筋肉内注射不適時
- 筋肉内注射:経口投与不能時
内科・小児科領域
内分泌疾患
慢性副腎皮質機能不全(原発性、続発性、下垂体性、医原性)
急性副腎皮質機能不全(副腎クリーゼ)
副腎性器症候群、亜急性甲状腺炎、甲状腺疾患に伴う悪性眼球突出症、ACTH単独欠損症
甲状腺中毒症〔甲状腺(中毒性)クリーゼ〕
リウマチ疾患
関節リウマチ、若年性関節リウマチ(スチル病を含む)
リウマチ熱(リウマチ性心炎を含む)
筋肉内注射
リウマチ性多発筋痛
膠原病
エリテマトーデス(全身性および慢性円板状)、全身性血管炎(大動脈炎症候群、結節性動脈周囲炎、多発性動脈炎、ヴェゲナ肉芽腫症を含む)、多発性筋炎(皮膚筋炎)
筋肉内注射
強皮症
腎疾患
ネフローゼおよびネフローゼ症候群
筋肉内注射☆
心疾患
うっ血性心不全
筋肉内注射☆
アレルギー性疾患
気管支喘息(ただし、筋肉内注射は他の投与法では不適当な場合に限る)
- 用法:静脈内注射、点滴静脈内注射、筋肉内注射、ネブライザー
喘息性気管支炎(小児喘息性気管支炎を含む)
喘息発作重積状態、アナフィラキシーショック
薬剤その他の化学物質によるアレルギー・中毒(薬疹、中毒疹を含む)
筋肉内注射☆
血清病
重症感染症
重症感染症(化学療法と併用する)
血液疾患
溶血性貧血(免疫性または免疫性機序の疑われるもの)、白血病(急性白血病、慢性骨髄性白血病の急性転化、慢性リンパ性白血病)(皮膚白血病を含む)、顆粒球減少症(本態性、続発性)、紫斑病(血小板減少性および血小板非減少性)、再生不良性貧血、凝固因子の障害による出血性素因
白血病(急性白血病、慢性骨髄性白血病の急性転化、慢性リンパ性白血病)(皮膚白血病を含む)のうち髄膜白血病
消化器疾患
限局性腸炎、潰瘍性大腸炎
筋肉内注射☆、注腸
重症消耗性疾患
重症消耗性疾患の全身状態の改善(癌末期、スプルーを含む)
筋肉内注射☆
肝疾患
劇症肝炎(臨床的に重症とみなされるものを含む)
胆汁うっ滞型急性肝炎
肝硬変(活動型、難治性腹水を伴うもの、胆汁うっ滞を伴うもの)
肺疾患
びまん性間質性肺炎(肺線維症)(放射線肺臓炎を含む)
- 用法:静脈内注射☆、点滴静脈内注射☆、ネブライザー
結核性疾患(抗結核剤と併用する)
結核性髄膜炎
結核性胸膜炎
神経疾患
脳脊髄炎(脳炎、脊髄炎を含む)(ただし、一次性脳炎の場合は頭蓋内圧亢進症状がみられ、かつ他剤で効果が不十分なときに短期間用いること)、重症筋無力症
- 用法:静脈内注射、点滴静脈内注射、筋肉内注射☆、脊髄腔内注入
多発性硬化症(視束脊髄炎を含む)
- 用法:静脈内注射、点滴静脈内注射、筋肉内注射、脊髄腔内注入
末梢神経炎(ギランバレー症候群を含む)
筋肉内注射☆、脊髄腔内注入
小舞踏病、顔面神経麻痺、脊髄蜘網膜炎
悪性腫瘍
悪性リンパ腫(リンパ肉腫症、細網肉腫症、ホジキン病、皮膚細網症、菌状息肉症)および類似疾患(近縁疾患)
- 用法:静脈内注射、点滴静脈内注射、筋肉内注射☆、脊髄腔内注入
好酸性肉芽腫
乳癌の再発転移
その他の内科的疾患
特発性低血糖症
原因不明の発熱
外科領域
副腎摘除
臓器・組織移植、副腎皮質機能不全患者に対する外科的侵襲、蛇毒・昆虫毒(重症の虫さされを含む)
侵襲後肺水腫
外科的ショックおよび外科的ショック様状態、脳浮腫、輸血による副作用、気管支けいれん(術中)
整形外科領域
強直性脊椎炎(リウマチ性脊椎炎)
強直性脊椎炎(リウマチ性脊椎炎)に伴う四肢関節炎、変形性関節症(炎症症状がはっきり認められる場合)、非感染性慢性関節炎、痛風性関節炎
関節周囲炎(非感染性のものに限る)、腱周囲炎(非感染性のものに限る)
腱炎(非感染性のものに限る)
腱鞘炎(非感染性のものに限る)
滑液包炎(非感染性のものに限る)
脊髄浮腫
産婦人科領域
卵管閉塞症(不妊症)に対する通水療法
卵管整形術後の癒着防止
卵管腔内注入
副腎皮質機能障害による排卵障害
泌尿器科領域
前立腺癌(他の療法が無効な場合)
陰茎硬結
皮膚科領域
- △印の付されている効能・効果に対しては、外用剤を用いても効果が不十分な場合あるいは十分な効果を期待し得ないと推定される場合にのみ用いること。
△湿疹・皮膚炎群(急性湿疹、亜急性湿疹、慢性湿疹、接触皮膚炎、貨幣状湿疹、自家感作性皮膚炎、アトピー皮膚炎、乳・幼・小児湿疹、ビダール苔癬、その他の神経皮膚炎、脂漏性皮膚炎、進行性指掌角皮症、その他の手指の皮膚炎、陰部あるいは肛門湿疹、耳介および外耳道の湿疹・皮膚炎、鼻前庭および鼻翼周辺の湿疹・皮膚炎等)(ただし、重症例以外は極力投与しないこと。局注は、浸潤、苔癬化の著しい場合のみとする)、△痒疹群(小児ストロフルス、じん麻疹様苔癬、固定じん麻疹を含む)(ただし、重症例に限る。また、固定じん麻疹は局注が望ましい)
じん麻疹(慢性例を除く)(重症例に限る)、△乾癬および類症〔関節症性乾癬、乾癬性紅皮症、膿疱性乾癬、稽留性肢端皮膚炎、疱疹状膿痂疹、ライター症候群〕、皮膚粘膜眼症候群〔開口部びらん性外皮症、スチブンス・ジョンソン病、皮膚口内炎、フックス症候群、ベーチェット病(眼症状のない場合)、リップシュッツ急性陰門潰瘍〕、天疱瘡群(尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、Senear-Usher症候群、増殖性天疱瘡)、デューリング疱疹状皮膚炎(類天疱瘡、妊娠性疱疹を含む)、△紅皮症(ヘブラ紅色粃糠疹を含む)
△尋常性乾癬(重症例)
- 用法:点滴静脈内注射☆、筋肉内注射☆、局所皮内注射
△毛孔性紅色粃糠疹(重症例に限る)、成年性浮腫性硬化症、紅斑症〔△多形滲出性紅斑(重症例に限る)、結節性紅斑〕、レイノー病、帯状疱疹(重症例に限る)、潰瘍性慢性膿皮症、新生児スクレレーマ
△円形脱毛症(悪性型に限る)、△早期ケロイドおよびケロイド防止
眼科領域
内眼・視神経・眼窩・眼筋の炎症性疾患の対症療法(ブドウ膜炎、網脈絡膜炎、網膜血管炎、視神経炎、眼窩炎性偽腫瘍、眼窩漏斗尖端部症候群、眼筋麻痺)
- 用法:静脈内注射☆、筋肉内注射☆、結膜下注射、球後注射、点眼
外眼部および前眼部の炎症性疾患の対症療法で点眼が不適当または不十分な場合(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、虹彩毛様体炎)
- 用法:静脈内注射☆、筋肉内注射☆、結膜下注射、球後注射
眼科領域の術後炎症
- 用法:静脈内注射☆、筋肉内注射☆、結膜下注射、点眼
耳鼻咽喉科領域
急性・慢性中耳炎
- 用法:静脈内注射☆、点滴静脈内注射☆、筋肉内注射☆、中耳腔内注入
滲出性中耳炎・耳管狭窄症
- 用法:静脈内注射☆、点滴静脈内注射☆、筋肉内注射☆、中耳腔内注入、耳管内注入
急性感音性難聴、口腔外科領域手術後の後療法
血管運動(神経)性鼻炎、アレルギー性鼻炎、花粉症(枯草熱)
- 用法:筋肉内注射、ネブライザー、鼻腔内注入、鼻甲介内注射
副鼻腔炎・鼻茸
- 用法:筋肉内注射、ネブライザー、鼻腔内注入、副鼻腔内注入、鼻茸内注射
進行性壊疽性鼻炎
- 用法:静脈内注射、点滴静脈内注射、筋肉内注射、ネブライザー、鼻腔内注入、副鼻腔内注入、喉頭・気管注入
喉頭炎・喉頭浮腫
- 用法:静脈内注射、点滴静脈内注射、筋肉内注射、ネブライザー、喉頭・気管注入
喉頭ポリープ・結節
- 用法:静脈内注射☆、点滴静脈内注射☆、筋肉内注射☆、ネブライザー、喉頭・気管注入
食道の炎症(腐蝕性食道炎、直達鏡使用後)および食道拡張術後
- 用法:静脈内注射、点滴静脈内注射、筋肉内注射、ネブライザー、食道注入
耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法
- 用法:静脈内注射、点滴静脈内注射、筋肉内注射、軟組織内注射、局所皮内注射、ネブライザー、鼻腔内注入、副鼻腔内注入、鼻甲介内注射、喉頭・気管注入、中耳腔内注入、食道注入
難治性口内炎および舌炎(局所療法で治癒しないもの)
嗅覚障害
- 用法:静脈内注射☆、点滴静脈内注射☆、筋肉内注射☆、ネブライザー、鼻腔内注入
急性・慢性(反復性)唾液腺炎
- 用法:静脈内注射☆、点滴静脈内注射☆、筋肉内注射☆、唾液腺管内注入
(静脈内注射)
- 通常、成人にはプレドニゾロンとして1回10〜50mgを3〜6時間ごとに静脈内注射する。
(点滴静脈内注射)
- 通常、成人にはプレドニゾロンとして1回20〜100mgを1日1〜2回点滴静脈内注射する。
(筋肉内注射)
- 通常、成人にはプレドニゾロンとして1回10〜50mgを3〜6時間ごとに筋肉内注射する。
(関節腔内注射)
- 通常、成人にはプレドニゾロンとして1回4〜30mgを関節腔内注射する。原則として投与間隔を2週間以上とすること。
(軟組織内注射)
- 通常、成人にはプレドニゾロンとして1回4〜30mgを軟組織内注射する。原則として投与間隔を2週間以上とすること。
(腱鞘内注射)
- 通常、成人にはプレドニゾロンとして1回4〜30mgを腱鞘内注射する。原則として投与間隔を2週間以上とすること。
(滑液嚢内注入)
- 通常、成人にはプレドニゾロンとして1回4〜30mgを滑液嚢内注入する。原則として投与間隔を2週間以上とすること。
(脊髄腔内注入)
- 通常、成人にはプレドニゾロンとして1回5mgを週2〜3回脊髄腔内注入する。
(胸腔内注入)
- 通常、成人にはプレドニゾロンとして1回5〜25mgを週1〜2回胸腔内注入する。
(局所皮内注射)
- 通常、成人にはプレドニゾロンとして1回0.1〜0.4mgずつ4mgまでを週1回局所皮内注射する。
(卵管腔内注入)
- 通常、成人にはプレドニゾロンとして2〜5mgを卵管腔内注入する。
(注腸)
- 通常、成人にはプレドニゾロンとして2〜30mgを直腸内注入する。
(結膜下注射)
- 通常、成人にはプレドニゾロンとして1回2.5〜10mgを結膜下注射する。その際の液量は0.2〜0.5mLとする。
(球後注射)
- 通常、成人にはプレドニゾロンとして1回5〜20mgを球後注射する。その際の液量は0.5〜1.0mLとする。
(点眼)
- 通常、成人にはプレドニゾロンとして1回1.2〜5mg/mL溶液1〜2滴を1日3〜8回点眼する。
(ネブライザー)
- 通常、成人にはプレドニゾロンとして1回2〜10mgを1日1〜3回ネブライザーで投与する。
(鼻腔内注入)
- 通常、成人にはプレドニゾロンとして1回2〜10mgを1日1〜3回鼻腔内注入する。
(副鼻腔内注入)
- 通常、成人にはプレドニゾロンとして1回2〜10mgを1日1〜3回副鼻腔内注入する。
(鼻甲介内注射)
- 通常、成人にはプレドニゾロンとして1回4〜30mgを鼻甲介内注射する。
(鼻茸内注射)
- 通常、成人にはプレドニゾロンとして1回4〜30mgを鼻茸内注射する。
(喉頭・気管注入)
- 通常、成人にはプレドニゾロンとして1回2〜10mgを1日1〜3回喉頭あるいは気管注入する。
(中耳腔内注入)
- 通常、成人にはプレドニゾロンとして1回2〜10mgを1日1〜3回中耳腔内注入する。
(耳管内注入)
- 通常、成人にはプレドニゾロンとして1回2〜10mgを1日1〜3回耳管内注入する。
(食道注入)
- 通常、成人にはプレドニゾロンとして1回2.5〜5mgを食道注入する。
(唾液腺管内注入)
- 通常、成人にはプレドニゾロンとして1回1〜2mgを唾液腺管内注入する。
慎重投与
- 感染症の患者[免疫機能抑制作用により、感染症が増悪するおそれがある。]
- 糖尿病の患者[糖新生作用等により血糖が上昇し、糖尿病が増悪するおそれがある。]
- 骨粗鬆症の患者[たん白異化作用等により、骨粗鬆症が増悪するおそれがある。]
- 腎不全の患者[薬物の排泄が遅延するため、体内蓄積による副作用があらわれるおそれがある。]
- 甲状腺機能低下のある患者[血中半減期が延長するとの報告があり、副作用があらわれるおそれがある。]
- 肝硬変の患者[代謝酵素活性の低下等により、副作用があらわれやすい。]
- 脂肪肝の患者[脂肪分解・再分布作用により、肝臓への脂肪沈着が増大し、脂肪肝が増悪するおそれがある。]
- 脂肪塞栓症の患者[大量投与により脂肪塞栓症が起こるとの報告があり、症状が増悪するおそれがある。]
- 重症筋無力症の患者[使用当初、一時症状が増悪するおそれがある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー様症状(頻度不明)
- ショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、じん麻疹等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
誘発感染症、感染症の増悪(頻度不明)
- 誘発感染症、感染症の増悪があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
続発性副腎皮質機能不全、糖尿病(頻度不明)
消化管潰瘍、消化管穿孔、消化管出血(頻度不明)
- 消化管潰瘍、消化管穿孔、消化管出血があらわれるとの報告があるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
膵炎(頻度不明)
精神変調、うつ状態、けいれん(頻度不明)
骨粗鬆症、大腿骨および上腕骨等の骨頭無菌性壊死、ミオパチー(頻度不明)
緑内障、後嚢白内障、中心性漿液性網脈絡膜症、多発性後極部網膜色素上皮症(頻度不明)
- 連用により眼圧上昇、緑内障、後嚢白内障(症状:眼のかすみ)、中心性漿液性網脈絡膜症・多発性後極部網膜色素上皮症(症状:視力の低下、ものがゆがんで見えたり小さく見えたり、視野の中心がゆがんで見えにくくなる。中心性漿液性網脈絡膜症では限局性の網膜剥離がみられ、進行すると広範な網膜剥離を生じる多発性後極部網膜色素上皮症となる。)を来すことがあるので、定期的に検査をすることが望ましい。
血栓症(頻度不明)
- 血栓症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
心筋梗塞、脳梗塞、動脈瘤(頻度不明)
- 心筋梗塞、脳梗塞、動脈瘤があらわれることがあるので、長期投与を行う場合には、観察を十分に行うこと。
喘息発作の増悪(頻度不明)
- 気管支喘息患者の喘息発作を増悪させることがあるので十分注意すること。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- プレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム(Prednisolone Sodium Succinate)
化学名
- Monosodium 11β,17,21-trihydroxypregna-1,4-diene-3,20-dione 21-succinate
分子式
分子量
性 状
- 白色の微細な結晶性の粉末で、においはない。
メタノールに溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、水またはジエチルエーテルに極めて溶けにくい。☆
☆プレドニゾロンコハク酸エステル
融点
- 約205℃(分解)☆
☆プレドニゾロンコハク酸エステル
製法
- 本品は「プレドニゾロンコハク酸エステル」をとり、「乾燥炭酸ナトリウム」または「水酸化ナトリウム」を加え、注射剤の製法により製する。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- aspirin-induced asthma, AIA
- 関
- アスピリン過敏症、アスピリン
概念
疫学
- やや女性に多い(男女比=2:3ないし1:2) 30代
- 気管支喘息患者の10%に存在
病因
- アスピリン、酸性非ステロイド性抗炎症薬。
- タートラジン、パラベンなどの食品添加物、医薬品添加物、香水中の化学物質、自然界のサリチル酸化合物、コハク酸エステル型副腎皮質ステロイド薬も原因となりうる。(SPU.236)
病態生理
- アスピリンや酸性非ステロイド性抗炎症薬によりシクロオキシゲナーゼが阻害されると、アラキドン酸代謝はリポキシゲナーゼによるロイコトリエン合成がもっぱら行われることになる。気管支拡張作用のあるプロスタグランジンの産生が低下し、気管支収縮作用のあるロイコトリエンが増加することが本疾患の本態であると考えられている。
病理
臨床像
- 1. 皮膚アトピー
- 2. 発作は通年性で重症。⇔喘息は季節性であり、春と秋である。
- 3. 鼻茸(鼻ポリープ)を高率に合併
- 4. 重症、難治性のためステロイド依存性
症状
- 薬物を摂取してまもなくより呼吸困難が出現。時に急激に悪化し、突然死のおそれがある。
3主徴
合併症
治療
- 対症療法:酸素投与(呼吸困難により動脈血酸素分圧の低下が見られた場合)
- 薬物療法:気管支喘息の薬物治療に準じる
- β刺激薬
- ロイコトリエン受容体拮抗薬:軽症から重症まで好んで用いられ、著効
- 副腎皮質ステロイド:リン酸エステル型を使用する コハク酸エステル型は禁忌
- デカドロンないしリンデロンを8mg IVないしPO
副腎ステロイド製剤
参考
- 1. [charged] アスピリンによる呼吸器疾患の増悪 - uptodate [1]
- 2. [charged] 非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)(アスピリンを含む):アレルギー反応および偽アレルギー反応 - uptodate [2]
- 3. [charged] アスピリン悪化呼吸器疾患(AERD;アスピリン喘息):非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)負荷および脱感作 - uptodate [3]
国試
[★]
- 英
- corticosteroid
- 関
- 副腎皮質ステロイド、コルチコステロイド、ステロイド薬、副腎皮質ステロイド薬、副腎皮質ホルモン、副腎皮質ステロイドホルモン、副腎皮質ステロイド剤
副腎皮質ホルモン剤
副作用
- フロリネフ
重大な副作用
- 誘発感染症、感染症の増悪があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
- 2. 続発性副腎皮質機能不全、糖尿病
- 3. 消化性潰瘍、膵炎
- 4. 精神変調、うつ状態、痙攣
- 5. 骨粗鬆症、大腿骨及び上腕骨等の骨頭無菌性壊死、ミオパシー*6. 緑内障、後のう白内障
- 連用により眼内圧亢進、緑内障、後のう白内障を来すことがあるので、定期的に検査をすることが望ましい。
その他の副作用
- 1. 内分泌:5%以上又は頻度不明:月経異常
- 2. 消化器:5%以上又は頻度不明:下痢、胃痛、胸やけ、口渇、食欲亢進
- 3. 消化器:5%未満:悪心・嘔吐、腹部膨満感
- 4. 精神神経系:5%以上又は頻度不明:多幸症、不眠、頭痛、めまい
- 5. 筋・骨格:5%以上又は頻度不明:筋肉痛、関節痛
- 6. 脂質・たん白質代謝:5%以上又は頻度不明:野牛肩、窒素負平衡、脂肪肝
- 7. 脂質・たん白質代謝:5%未満:満月様顔貌
- 8. 体液・電解質:5%以上又は頻度不明:血圧上昇、低カリウム性アルカローシス
- 9. 体液・電解質:5%未満:浮腫、高ナトリウム血症、低カリウム血症
- 10. 眼:5%以上又は頻度不明:中心性漿液性網脈絡膜症等による網膜障害、眼球突出
- 11. 血液:5%以上又は頻度不明:白血球増多
- 12. 皮膚:5%以上又は頻度不明:ざ瘡、多毛、脱毛、色素沈着、皮下溢血、紫斑、線条、そう痒、発汗異常、顔面紅斑、創傷治癒障害、皮膚菲薄化・脆弱化、脂肪織炎
- 13. 過敏症:5%未満:発疹
- 14. その他:5%以上又は頻度不明:発熱、疲労感、息切れ、ステロイド腎症、体重増加、精子数及びその運動性の増減
[★]
- 英
- prednisolone, PSL
- 化
- コハク酸プレドニゾロン、コハク酸プレドニゾロンナトリウム, prednisolone sodium succinate、酢酸プレドニゾロン
- 商
- プレドニゾロン、プレドニン, Predonine、Delta Cortef、Hydeltrasol、Predalone
- PSゾロン、クロマイ-P、コールタイジン、コハクサニン、スピラゾン、ハイセチンP、ビスオ、ファルネゾン、プレドニン、プレドネマ、プレドハン、プレロン、ユーメトン、リドメックスコーワ
- 関
- 副腎皮質ホルモン、糖質コルチコイド。プレドニゾン
概念
- "prednisone" is a prodrug that is converted by the liver into "prednisolone", which is the active drug and also a steroid.
添付文書
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2456001F1400_1_03/2456001F1400_1_03?view=body
[★]
商品