アドレナリン
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エピペン(Epinephrine autoinjector)とは、ハチ刺傷、食物アレルギーなどによるアナフィラキシーに対する緊急補助治療に使用される医薬品である[1]。アナフィラキシーを起こす可能性の高い患者が自宅に常備することで、発症の際に医療機関へ搬送されるまでの症状悪化防止に役立っている。汎用の正式名はエピネフリン(アドレナリン)・オートインジェクターであり、エピペンはマイラン・インコーポレイテッド社の登録商標(第4598961号ほか)。他社ではツインジェクトなどの商標のものがある。
エピペンの日本における輸入販売元はファイザー。
目次
- 1 適応
- 2 成分
- 3 用法
- 4 引用
- 5 外部リンク
適応
アナフィラキシーの既往のある人または発現する危険性の高い人に限るとされるが、蜂毒(Bee venom、アピトキシン、Apitoxin)、食物及び薬物等に起因するアナフィラキシー反応に対する補助治療として適応がある[1]。
成分
アドレナリン。現在0.15 mg製剤と0.3 mg製剤が流通している[1]。アドレナリンには気管支を広げる作用や心臓の機能を増強して血圧を上昇させてショック症状を改善する作用があり、アナフィラキシーショックに対して有効である[1]。
用法
患者やその家族が迅速に使えるようにということで発売された緊急注射用のキットである。アナフィラキシーショックが出たら、太ももの前外側へ筋注する。緊急時は衣服の上からでもよい。また1本のエピペンは1回分のみで、たとえ注射液が残ってもそれは使えない。使用量は体重1 kgあたり0.01 mgである。
アナフィラキシーが起こった場合、救急車の到着と病院への搬送を待てない場合が多い。
あくまで緊急用であり、効果は10-15分しか続かず、注射後にそのまま放置すれば症状がぶり返すことが考えられる。
使用者は患者本人(未成年の場合は説明済みの保護者)であるが、必要に応じて救急救命士、保育士、教職員も使用可能である[2][3][4][5]。
食物アレルギーによるアナフィラキシーが発生した場合の対応は、「食物アレルギ一の診療の手引2011」[6]によれば,症状を総合的に判断して臨床的重症度グレード3(咽頭喉頭の絞扼感)、グレード4 (呼吸困難、チアノーゼ)以上の症状があった場合は、エピペンを打つタイミングであるとしている[7]。
2012年12月の調布市の小学校での事故を受け、2013年7月に日本小児アレルギー学会は、エピペンを処方されている小児患者について、アナフィラキシーの疑いがある場合、「繰り返し吐き続ける」「のどや胸が締め付けられる」などの13の症状の内一つでもあれば使用すべきであるとした[8]。
昭和大学医学部の今井孝成講師[9]はエピペンについて、「呼吸困難などの重い症状が出たら迅速に注射すべきだ。副作用は小さいので、迷ったら打て、と言いたい」とする[10][11][12]。
- 日本学校保健会は『学校保健第13回「学校での食物アレルギー・アナフィラキシー対応」』で、
- 「できるだけ早期に、呼吸器症状出現時には投与するようにしてください。注射部位は大腿外側広筋または上腕三角筋です。注射後、10~15分で症状に改善がみられない時は追加投与が可能です。再三になりますが、ここで大事なのは「迷ったら打つ」ようにしてください。」としている。
チアノーゼの症状を一般人が判断するのは難しい。
1本15,000円ほどするが、2011年9月から健康保険適用になった。ただし処方可能な施設は限られている。
平成23年マイラン製薬の「エピペン」が保険適用になり、薬価は0.15 mg規格が8112円、0.3 mg規格が10950円である。
引用
- ^ a b c d “エピペン注射液”. 2015年9月8日閲覧。
- ^ 学校保健ポータルサイト - 学校のアレルギー疾患に対する取り組みQ&A
- ^ 学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン日本学校保健会 平成20年3月
- ^ 財団法人日本学校保健会「食物アレルギーによるアナフィラキシー学校対応マニュアル」など関連情報はリンク切れ
- ^ 調布市の小学校の死亡事故では、打たなかった担当教諭は1ヶ月の停職処分となり、校長も責任を問われ、教育委員会にも大きな責任があるとされた。
- ^ 食物アレルギ一の診療の手引2011」(食物アレルギ一の発症要因の解明および耐性化に関する研究(研究代表者海老澤元宏))
- ^ 『調布市立学校児童死亡事故検証結果報告書』平成25年3月
- ^ 日本小児アレルギー学会『「一般向けエピペンの適応」決定のご連絡』
- ^ 日本小児アレルギー学会評議員、厚生労働科学研究「食物アレルギーの栄養指導の手引き2008」作成委員長などリウマチ・アレルギーシンポTOKYO
- ^ 2012年12月20日調布市立富士見台小学校でのチーズアレルギー死亡事故で、小学校5年の女児はエピペンを持っていたが、体調不良を訴えたときに「違う、打たないで」と担任に訴えたために打たなかった。本人はぜんそくの発作だと思ったらしい。症状が悪化したときに養護教諭もいたが決断できなかった。立てなくなって10分後に校長が打ったが間に合わず、救急車到着時には心肺停止状態であった。
- ^ 自己注射薬、迷ったら打て…アレルギー女児死亡2013年1月27日15時22分 読売新聞
- ^ 2013年10月、教諭は1ヶ月の停職処分となった。
外部リンク
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Japanese Journal
- アナフィラキシーとエピペン (特集 アレルギー疾患の新常識 : 増え続ける疾患に,あなたはどう立ち向かいますか?) -- (押さえておきたいアレルギーの常識)
- 園・学校におけるアレルギー疾患への対応 (特集 園医・学校医の役割)
Related Links
- 「エピペン」は、医師の治療を受けるまでの間、アナフィラキシー症状の進行を一時的に緩和し、ショックを防ぐための補助治療剤(アドレナリン自己注射薬)です。「エピペン」を正しく理解・使用していただくための情報をご提供 ...
- アナフィラキシー補助治療剤 エピペンは、アナフィラキシー発現時に患者さん自身が、自己注射する補助治療剤です。本サイトでは医療関係者の皆様を対象に、エピペンに関する様々な情報をご紹介しています。
- ハチ刺傷によるアナフィラキシー症状を緩和するための自己注射器”エピペン”が,医師の処方により入手できるようになりました. 主成分はアドレナリンで,強心作用,血圧の上昇作用,気管支の拡張作用があり,アナフィラキシー ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
エピペン注射液0.15mg
組成
- エピペン注射液0.15mgは、1管2mL入り製剤であるが、0.3mL注射される。
成分・含量(1管中)
添加物
禁忌
- 次の薬剤を投与中の患者[「併用禁忌」の項参照]
- ブチロフェノン系・フェノチアジン系等の抗精神病薬、α遮断薬
効能または効果
- 蜂毒、食物及び薬物等に起因するアナフィラキシー反応に対する補助治療(アナフィラキシーの既往のある人またはアナフィラキシーを発現する危険性の高い人に限る)
- アナフィラキシー反応は、病状が進行性であり、初期症状(しびれ感、違和感、口唇の浮腫、気分不快、吐き気、嘔吐、腹痛、じん麻疹、咳込みなど)が患者により異なることがあるので、本剤を患者に交付する際には、過去のアナフィラキシー発現の有無、初期症状等を必ず聴取し、本剤の注射時期について患者、保護者またはそれに代わり得る適切な者に適切に指導すること。
- また、本剤の注射時期については、次のような目安も参考とし、注射時期を遺失しないよう注意すること。
- 初期症状が発現し、ショック症状が発現する前の時点。
- 過去にアナフィラキシーを起こしたアレルゲンを誤って摂取し、明らかな異常症状を感じた時点。
- 通常、アドレナリンとして0.01mg/kgが推奨用量であり、患者の体重を考慮して、アドレナリン0.15mg又は0.3mgを筋肉内注射する。
- 通常、成人には0.3mg製剤を使用し、小児には体重に応じて0.15mg製剤又は0.3mg製剤を使用すること。
- 0.01mg/kgを超える用量、すなわち、体重15kg未満の患者に本剤0.15mg製剤、体重30kg未満の患者に本剤0.3mg製剤を投与すると、過量となるおそれがあるので、副作用の発現等に十分な注意が必要であり、本剤以外のアドレナリン製剤の使用についても考慮する必要があるが、0.01mg/kgを超える用量を投与することの必要性については、救命を最優先し、患者ごとの症状を観察した上で慎重に判断すること。
- 本剤は投与量を安定化するため、1管中2mLの薬液が封入されているが、投与されるのは約0.3mLであり、注射後にも約1.7mLの薬液が注射器内に残るように設計されていることから、残液の量をみて投与しなかったと誤解するおそれがあるので注意すること。
- 本剤には安全キャップが装着されており、安全キャップを外すと、予期せぬときに作動するおそれがあるので、本剤の注射を必要とする時まで、絶対に安全キャップを外さないこと。[「適用上の注意」の項参照]
- 本剤は一度注射すると、再度注射しても薬液が放出しない仕組みとなっているので、同一の製剤を用いて二度注射しないこと。
- 本剤は臀部からの注射を避け、大腿部の前外側から注射すること。また、緊急時には衣服の上からでも注射可能である。[「適用上の注意」の項参照]
- 本剤の誤注射を防止するため、指または手等をオレンジ色のニードルカバー先端にあてないよう注意すること。なお、もし指または手等に誤って本剤を注射した場合には、直ちに医療機関を受診して、適切な処置を受けるよう指導すること。[「適用上の注意」の項参照]
- 本剤を患者に交付する際には、上記事項について患者、保護者またはそれに代わり得る適切な者に対して十分指導すること。
慎重投与
- ハロタン等のハロゲン含有吸入麻酔薬を投与中の患者[併用により心筋のカテコールアミン感受性が亢進すると考えられており、頻脈、心室細動等の発現の危険性が増大するおそれがある。(「相互作用」の項参照)]
- 高血圧の患者[本剤の血管収縮作用により、急激な血圧上昇があらわれるおそれがある。]
- 肺気腫のある患者[肺循環障害を増悪させ、右心系への負荷が過重となり、右心不全に陥るおそれがある。]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
- 心疾患のある患者[本剤のβ刺激作用により、心疾患を悪化させるおそれがある。]
重大な副作用
肺水腫(初期症状:血圧異常上昇)(頻度不明注5))
- 肺水腫があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
呼吸困難(頻度不明注5))
- 呼吸困難があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
心停止(初期症状:頻脈、不整脈、心悸亢進、胸内苦悶)(頻度不明注5))
- 心停止があらわれることがあるので、初期症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 本剤は、化学的に合成した副腎髄質ホルモン(アドレナリン)を含有しており、交感神経のα、β受容体に作用する。
循環器系に対する作用4,5)
- 心臓においては、洞房結節の刺激発生のペースをはやめて心拍数を増加させ、心筋の収縮力を強め、心拍出量を増大するので強心作用をあらわす。
血管に対しては、収縮作用と拡張作用の両方をあらわし、心臓の冠動脈を拡張し、皮膚毛細血管を収縮させ末梢抵抗を増加させて血圧を上昇させる。
血管以外の平滑筋に対する作用4,5)
- 気管支筋に対して弛緩作用をあらわし、気管支を拡張させて呼吸量を増加させる。
その他の作用6)
- 喘息において、肥満細胞から抗原誘発性の炎症性物質を遊離することを抑制し、気管支分泌物を減少させ、粘膜の充血を減らす効果もある。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- 〔日局〕アドレナリン(Adrenaline)
〔日局別名〕エピネフリン
化学名
- 4-[(1R)-1-Hydroxy-2-(methylamino)ethyl]benzene-1,2-diol
分子式
分子量
性状
- 本品は白色〜灰白色の結晶性の粉末である。
本品はギ酸又は酢酸(100)に溶けやすく、水に極めて溶けにくく、メタノール又はエタノール(99.5)にほとんど溶けない。
本品は希塩酸に溶ける。
本品は空気又は光によって徐々に褐色となる。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- adrenarine
- 同
- (国試)エピネフリン epinephrine、エピレナミン epirenamine、スプラレニン suprarenin
- 化
- 酒石酸水素エピネフリン
- 商
- Adrenalin, EpiPen、ボスミン、エピペン
- 関
- カテコールアミン、ノルアドレナリン、アドレナリン受容体
SPC. 61,68,86,142
GOO. 244
作用機序
薬理作用
血管作用
- 小動脈、前毛細血管括約筋?収縮
- アドレナリン反転 epinephreine reversal
- アドレナリン投与下にα受容体阻害薬を投与すると末梢血管抵抗が低下し血圧が低下する現象。α受容体を介した末梢血管収縮が抑制され、β2受容体を介した末梢血管平滑筋が弛緩することによる。
動態
適応
効能又は効果
(エピネフリン注0.1%シリンジ「テルモ」添付文書)
- 気管支喘息,百日咳
- 各種疾患もしくは状態に伴う急性低血圧またはショック時の補助治療
- 心停止の補助治療
用量
- ACLS:静注1mg ← プレフィルのシリンジは大抵1mg/1mlで調製されている。
- PALS:静注・骨髄 0.01mg/kg 気管内投与 0.1mg/kg
- アナフィラキシーショック:皮下注~筋注で0.3mg
注意
- 本剤は心筋酸素需要を増加させるため、心原性ショックや出血性・外傷性ショック時の使用は避けること(エピネフリン注0.1%シリンジ「テルモ」添付文書)
禁忌
副作用
[★]
商品
[★]
- 英
- epi
- 関
- 上