- 英
- Bowen's disease, Bowen disease
- 同
- ボウエン病 Bowen病。表皮内有棘細胞癌 squamous cell carcinomain situ SCC in situ、precancerous dermatosis
- ラ
- morbus Bowen、有棘細胞
皮膚癌の分類
表皮系腫瘍
有棘細胞/基底細胞
基底細胞
概念
疫学
病因
病理
- 表皮全層性に核異型の強い異型ケラチノサイトが密に乱雑に増殖
- 多核巨細胞(clumping cell)、異常角化細胞、異常核分裂像
皮膚所見
- 境界明瞭な直径数cm程度の紅褐色~黒褐色局面(NDE.395)
治療
- 外科的切除(第一選択)、抗腫瘍薬軟膏外用(5-FU、ブレオマイシン)、凍結療法
予後
- 放置により基底膜から真皮に進入し(有棘細胞癌)、転移する恐れがある。
参考
- http://4.bp.blogspot.com/_iCcaHsxVvTs/SG_W6-prdLI/AAAAAAAAAXs/ugS3CJJtQzo/s400/bowens%2Bdisease.gif
- http://www.dermpedia.org/files/images/bowen_fig5.jpg
国試
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/10/08 00:24:34」(JST)
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ボーエン病 |
分類及び外部参照情報 |
ボーエン病の病理組織像
|
ICD-10 |
D04 (ILDS D04.L10) |
ICD-9 |
230-234 |
ICD-O: |
8081/2 |
DiseasesDB |
1569 |
eMedicine |
derm/59 |
Patient UK |
ボーエン病 |
MeSH |
D001913 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
テンプレートを表示 |
ボーエン病(英: Bowen's disease)は、皮膚科領域の悪性腫瘍。1912年のジョン・T・ボーエン(John T. Bowen)の論文から命名された。表皮内有棘細胞癌(carcinoma in situ)の一型で、境界が比較的明瞭で、表層は紅褐色~黒褐色局面を呈し、表面に鱗屑や痂皮を付着する。視診でも診断できるが、確定診断には組織学的検査が必要である。
目次
- 1 原因
- 2 症状
- 3 組織学
- 4 治療
- 5 脚注
- 6 参考文献
- 7 関連項目
原因
原因は日光照射、ヒ素中毒、免疫抑制状態(AIDSを含む)、ヒトパピローマウイルスなどのウイルス感染、皮膚傷害、慢性皮膚炎である。
症状
典型的には、徐々に拡大する境界鮮明で不整型の紅斑が見られ、皮がめくれたり(鱗屑、scales)、かさぶた(crusts)を伴う。白人の場合は紅斑であるが、有色民族の場合は褐色である。成人に発生し、とくに60歳以上の老人に発生する。日光による場合は露出部に発生するが、ヒ素やその他による場合は服に覆われている場所にも発生する。症状は放置すれば不変の場合もあるが、通常拡大する。単発の場合もあるが、慢性ヒ素中毒の場合は広範囲の場合もある。
診断には慢性ヒ素中毒を念頭に置くべきであり、皮膚科医の診断が必須である[1]。 慢性ヒ素中毒の症状は多彩で、点状またはび慢性色素沈着、点状または雨滴状白斑(raindrop leukoderma)、小さい盛り上がり(角化症、keratosis)、下肢の血行障害、潰瘍、乾燥した壊死をともなうBlackfoot disease(特に台湾に多発)などがある。原因が飲料水の汚染の場合は地域的に多数発生する。内臓癌の合併もある。湿疹などと誤診されることがある。
組織学
ボーエン病は表皮にとどまった有棘細胞癌である。組織学的に不規則な有棘細胞が表皮全層にみられる。表皮を超えての不規則の細胞の進行はない。表皮突起の幅の拡大、細胞配列の乱れ、核の大小不同があり、特に多核巨細胞(clumping cell)や異角化細胞が混在する。
治療
冷凍療法、局所の抗癌剤療法もあるが、切除可能であれば手術的な切除が望ましい。進行は通常遅いが、腫瘍化や潰瘍がみられれば、できるだけ早く治療する。
脚注
- ^ 発癌因子よりみたBowen病 -自験症例21例の検討から 緒方克巳 他、皮膚科の臨床 24(5) 545-556,1982
参考文献
- 砒素が誘因と考えられた多発性Bowen病 皮膚の科学 Vol. 3 (2004) No.6 P567-571, JOI:JST.JSTAGE/skinresearch/3.567
関連項目
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 生毛部の悪性黒色腫,色素性ボーエン病のダーモスコピー,病理組織学的検討 (第32回 臨床学術大会) -- (Derma Live! この患者,あなたならどうする?)
- 医道の日本 = The Japanese journal of acupuncture & manual therapies 75(3), 95-101, 2016-03
- NAID 40020748371
- 標準治療 日光角化症(Actinic keratosis:AK) ボーエン病(Morbus Bowen) パジェット病(Extramammary Paget's disease) (特集 皮膚がん : 標準治療と先進医療)
Related Links
- ボーエン病(英: Bowen's disease)は、皮膚科領域の前癌状態と考えられる重要な疾患 で、1912年のジョン・T・ボーエン(John T. Bowen)の論文から命名された疾患である。 現在でも彼の記述通りの疾患で、放置すれば有棘細胞癌に移行することがあり、これを ...
- ボーエン病。社団法人 日本形成外科学会のWebサイトです。
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★リンクテーブル★
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- 66歳の女性。右下腿の紅斑を主訴に来院した。2年前に右下腿伸側に小紅斑が出現した。次第に拡大して現在のような病変を形成した。ときに軽い痒みがある。皮膚病変の写真とその生検H-E染色標本とを以下に示す。
- 治療法として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G008]←[国試_101]→[101G010]
[★]
- 英
- squamous cell carcinoma, SCC, prickle cell carcinoma
- 同
- 棘細胞癌 spinous cell carcinoma spinalioma
- ラ
- carcinoma spinocellulare
- 関
- 皮膚癌、扁平上皮癌、有棘細胞
概念
- 先行病変の上に小丘疹~結節を生じる。
- 表皮基底膜を破壊し、浸潤性に肥厚した表皮の内部に異常ケラノサイトを認める。
- 光線角化症(紫外線刺激によって、特に基底層にケラノサイトが悪性化し表皮内で増殖)が悪化してなる。
- 中年以降の男性に好発し、皮膚悪性腫瘍の50%。
リスクファクター
- 紫外線照射
- イオン化放射線
- 免疫抑制
- 慢性炎症
- ヒ素の接触/暴露
- 遺伝子変異:例えば、腫瘍抑制遺伝子のp53の変異など
- 家族歴
- 遺伝性疾患
前癌病変
- 参考1 NDE.392
病理
- 顔面
[show details]
徴候
- 熱傷瘢痕からの発生
[show details]
failpicload@./t_image/104/104D026.jpg
参考
- 1. [charged] Epidemiology and risk factors for cutaneous squamous cell carcinoma (SCC) - uptodate [1]
国試
[★]
- 英
- actinic keratosis
- 同
- 光線性角化症、日光角化症 solar keratosis、日光性角化症、老人性角化症 senile keratosis、老人性角化腫 keratoma senile
- 関
- 有棘細胞癌、老人性角化症、慢性光線皮膚症
[show details]
概念
[show details]
病理
- 角化細胞の密度が高いが、全層性の極性は乱れていない。 ⇔ ボーエン病ならば異型多核巨細胞、個細胞角化、細胞分裂像がみられる。有棘細胞癌ならば、基底膜を超えての浸潤が見られる。
参考
- http://www.aocd.org/skin/dermatologic_diseases/actinic_keratosis.html
国試
[★]
- 英
- arsenic poisoning
- 同
- 砒素中毒
- 関
- ヒ素
- ヒ素を含む毒物:As3+を含む亜ヒ酸(AsO33-)、有機ヒ素化合物
- 生化学的な機序:
- ジヒドロリポアミドなどのSH化合物と2ヵ所で結合して環状付加化合物を形成。リポアミドを補酵素とするピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体、2-オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体が失活。
- 要はスルフヒドリル基(-SH)を有する酵素活性を阻害
- 侵入径路:経気道、経口、あるいは経皮滴
- 症状:慢性暴露により慢性ヒ素中毒を呈する。
http://blog.meddic.jp/PIX/1293276548_organic_arsenate.jpg
参考
- 1. [charged] ヒ素曝露と中毒 - uptodate [2]
[★]
- 英
- acanthosis
- 同
- アカントーシス、表皮過形成 epidermal hyperplasia、棘細胞症、棘細胞層肥厚
定義
形態と疾患 (NDE.28-29)
- 4. 偽癌型/偽癌性増殖型:有棘細胞癌に類似した下方への不規則な突出
[★]
- 英
- disease、sickness
- 関
- 疾病、不調、病害、病気、疾患