- 英
- viral myocarditis
- 関
- 心筋炎
- ウイルス性心筋炎患者のうち、20%でウイルス抗体陽性。
病原体
- コクサッキーウイルスA群、B群 ← B群はウイルス抗体陽性者のうち、53%の症例で陽性
- エコーウイルス ← ウイルス抗体陽性者のうち、11%の症例で陽性
- インフルエンザウイルス
- ヘルペスウイルス
治療
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 研修医・レジデント日記 ウイルス性心筋炎様の発症を呈したが,ループス心筋炎と早期に診断できステロイド導入が著効した1症例
- 早期に体外循環導入と大量γグロブリン療法を行い治癒し得た劇症型心筋炎の1例
- 麻喜 幹博,田中 博之,森 大,笹川 佳苗,斉藤 千紘,三ツ橋 佑哉,蟹沢 充,永田 健一郎,小暮 智仁,磯貝 俊明,二川 圭介,上田 哲郎
- 心臓 45(5), 568-574, 2013
- … EFは46%に回復しており, 心筋生検では心筋細胞にリンパ球浸潤と心筋細胞の変性・消失を認め, ウイルス性心筋炎に矛盾しない所見であった. …
- NAID 130004688790
- 重症左心不全に対し,バルーン心房中隔裂開術を施行し救命し得た新生児心筋炎の1 例
- 平岩 明子,齋藤 和由,伊吹 圭二郎,渡辺 一洋,小澤 綾佳,市田 蕗子,宮脇 利男,芳村 直樹,小浦 詩,藤田 修平,二谷 武,畑崎 喜芳
- 日本小児循環器学会雑誌 29(3), 149-155, 2013
- … 新生児期の心筋炎は極めて予後不良であり,救命のため体外補助循環の装着を必要とすることがある.コクサッキーB4 ウイルス性心筋炎による重症左心不全に対し,体外補助循環の代わりに,バルーン心房中隔裂開術(Balloon atrial septostomy 以下BAS)を施行し,救命しえた新生児例を経験した.この新生児では,肺うっ血と重症僧帽弁逆流を伴った重症左心不全に対して,内科的治療のみでは血行動態を維持できず,体 …
- NAID 130003380031
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- ウイルス性心筋炎の組織像 ... 心筋炎(しんきんえん、英: myocarditis)は、感染症、 中毒あるいは原因不明の心筋の炎症性変化。 ... 小児の急性心筋炎の原因としては コクサッキーウイルスが最も多く、エコーウイルス、アデノウイルス、インフルエンザ ウイルス ...
- 重症のウイルス性心筋炎は、かなりまれな病気で、100,000人中およそ8人との記載も あります。 しかし、重症心筋 ... 急性ウイルス性心筋炎は、風邪との鑑別が難しく、心臓 の専門医以外からは、風邪として見過ごされやすい疾患の一つです。体温と比例しない ...
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★リンクテーブル★
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- 25歳の女性。呼吸困難を主訴に来院した。5日前から38℃前後の発熱、咽頭痛、上腹部痛および食欲低下があり、3日前に自宅近くの診療所で感冒に伴う胃腸炎と診断され総合感冒薬と整腸薬とを処方されたが症状は改善しなかった。昨夜から前胸部不快感が出現し、本日、呼吸困難が出現したため受診した。既往歴に特記すべきことはない。妊娠歴はない。最終月経は2週間前。意識は清明だが表情は苦悶様。体温 36.8℃。脈拍 92/分、整。血圧 72/48mmHg。呼吸数 36/分。SpO2 82%(room air)。四肢末梢の冷感を認める。口唇にチアノーゼを認める。頸静脈の怒張を認める。心音にⅢ音とⅣ音とを聴取する。呼吸音は両側でwheezesとcoarse cracklesとを聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球 482万、Hb 14.1g/dL、Ht 41%、白血球 14,200、血小板 17万。血液生化学所見:総蛋白 6.4g/dL、アルブミン 3.8g/dL、総ビリルビン 1.1mg/dL、AST 519U/L、ALT 366U/L、LD 983U/L(基準 176~353)、CK 222U/L(基準 30~140)、尿素窒素 23mg/dL、クレアチニン 1.0mg/dL、血糖 199mg/dL、Na 128mEq/L、K 4.4mEq/L、Cl 99mEq/L。CRP 2.1mg/dL。心筋トロポニンT陽性。動脈血ガス分析(room air):pH 7.32、PaCO2 20Torr、PaO2 55Torr、HCO3- 10mEq/L。仰臥位のポータブル胸部エックス線写真(別冊No. 8A)、心電図(別冊No. 8B)及び心エコー図(別冊No. 8C)を別に示す。
- 最も可能性の高い疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112A027]←[国試_112]→[112A029]
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- 70歳の女性。胸の重苦しさと息苦しさを主訴に来院した。1週間前から、朝の犬の散歩中に胸の重苦しさと息苦しさを自覚するようになったが、2~3分の休息で症状が消失していた。本日、午前9時から同症状が出現し持続するため、午前10時に家族とともに受診した。65歳時に高血圧症と脂質異常症を指摘されたが、定期的な通院は行っていない。家族歴に特記すべきことはない。喫煙歴はない。身長 156cm、体重 60kg。体温 36.2℃。脈拍 84/分、整。血圧 116/78mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 99%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈の怒張を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。胸部エックス線写真に異常を認めない。12誘導心電図でV2、V3、V4でST低下を認める。心エコー検査で左室前壁の壁運動低下を認めるが、心嚢液の貯留を認めない。
- 最も可能性が高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113A060]←[国試_113]→[113A062]
[★]
- 英
- Coxsackie virus myocarditis
[★]
- 英
- myocarditis
- 関
概念
- 種々の原因により心筋が局所的・びまん性に炎症性が生じた病態
分類
経過
病理学的
- (特発性)巨細胞性心筋炎:心筋生検あるいは剖検による組織学的検索で、炎症巣に多核巨細胞を認める場合で、なおかつ心臓サルコイドーシスが除外されるもの。好酸球とリンパ球の浸潤が強く、心筋壊死が高度である。
- 好酸球性心筋炎:心筋生検にて好酸球の浸潤・脱顆粒、心筋の破壊、末梢血における好酸球の増加が認められるもの。
類縁疾患
年齢
ガイドラインによる分類
病因分類
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組織分類
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臨床病型分類
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ウイルス
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リンパ球性
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急性
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細菌
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巨細胞性
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劇症型
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真菌
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好酸球性
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慢性(遷延性/不顕性)
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リケッチア
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肉芽腫性
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スピロヘータ
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原虫,寄生虫
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その他の感染症
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薬物,化学物質
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アレルギー,自己免疫
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膠原病,川崎病
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サルコイドーシス
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放射線,熱射病
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原因不明,特発性
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疫学
病因
- 参考1より
YN.C-137
- ウイルス(コクサッキーB、エコーウイルス、ヘルペスウイルス。風疹ウイルス、ムンプスウイルス、インフルエンザウイルスでも生じる)、細菌、心筋、原虫(シャーガス病)。
- 化学物質、放射線、膠原病、特発性
病理
- 実質性心筋炎 parenchymatous myocarditisと間質性心筋炎 interstitial myocarditisの像がみられる。
- 心筋細胞の融解、間質浮腫、円形細胞浸潤、壊死巣形成
病態
- ウイルス性の場合、免疫反応に基づき心筋を障害する。
- 薬剤性の場合は、薬剤による心筋障害
- 心筋の障害 → 伝導障害、不整脈、心不全、ショック
経過
- 急性の場合、かぜ症状や消化器症状に続発。これらの初発症状から数時間から数日で心症状が出現(YN.C-137)。
身体所見
心臓
- (重症の場合)muffled first heart sound, along with a third heart sound (HIM.1486)
- (心不全に至れば)奔馬調律(gallop rhythm) (YN.C-138)
- 心雑音:(重症の場合)a murmur of mitral regurgitation (HIM.1486)
- 心膜摩擦音:心膜炎を伴った場合に聴取
肺
症状
検査
- 心電図、心エコー所見、単純胸部X線写真、及び症状がが短時間に変化していくのはacute myocarditisを示唆(IMD)
- 心電図:(特異的な変化はない)非特異的ST-T変化、QRS低電位、異常Q、ST上昇(心膜炎があれば)、心室内伝導障害、房室ブロック
- 血液検査:心筋障害、炎症を示唆する様な結果
- CK-MB、LDH、AST上昇、CRP陽性、ESR亢進、WBC増加
- ウイルス学的検査:
- 心エコー:壁運動低下、(間質に浮腫が認められれば)壁肥厚、心室腔拡大(心不全)、心嚢液貯留(心膜炎)
- 心筋生検:心臓への炎症細胞の浸潤。
- 好酸球増加性心疾患による心筋炎:急性期に心内膜を中心とした好酸球の浸潤:*自己免疫疾患(劇症型心筋炎、重症筋無力症、潰瘍性大腸炎など)による心筋炎:多核巨細胞の出現
- 核医学検査:67Ga,99Tc-ピロリン酸の心臓への集積。
診断
鑑別疾患
- 心筋梗塞
- 甲状腺機能低下症、心筋障害を伴うミオパチー
- 膠原病
- (慢性心筋症の鑑別)拡張型心筋症
治療
- ウイルス性心筋炎では根治療法がなく、対症療法にとどまる。
- 不整脈:(完全房室ブロック)体外式一時ペーシング、(頻脈性不整脈)除細動・抗不整脈薬
- 心不全:SGカテーテルで血行動態を見ながら、利尿薬、血管拡張薬、カテコラミンを使用する。
- 重症心不全・ショック:経皮的心肺補助(PCPS)、大動脈内バルーンパンピング(IABP)
- ステロイド、免疫グロブリン:考慮されることがあるがエビデンスなし。
予後
- 急性型は予後良好であるが、劇症型心筋炎、拡張型心筋症にいたる場合もある。
参考
- 1. 急性および慢性心筋炎の診断・治療に関するガイドライン - 日本循環器学会
[★]
- 英
- cardiac muscle (K), heart muscle, myocard cardiac muscle, myocardium
- 関
- 心筋の活動電位、横紋筋、筋肉
- 筋小胞体が発達していない
心筋の酸素消費量 (SPC.226)
- (tension-time index)=左心室内圧曲線収縮期相の面積(mmHg/s)×心拍数
- (doble product)∝(tension-time index)
- 1. 骨格筋細胞と違い心筋細胞は介在板を有しており、介在板近傍に存在するギャップ結合によって活動電位が伝播する。
- 2. ギャップジャンクションを通じて活動電位が伝播すると、心筋細胞膜上の電位依存性Na+チャネルが開き、脱分極が筋細胞全体に広がる。
- 3. 脱分極はT細管(横行管)に伝わり、T細管に存在する電位依存性のタンパク質の構造を変化させ、筋小胞体上のCa2+放出チャネルを開く。
- 4. さらに少し遅れてCa2+/Na+チャネルが長時間開口し、細胞内に多量のCa2+/Na+を取り込む。
- 5. 心筋細胞のT細管は細胞外部に開口しており、Ca2+の取り込みが容易になっている。
- 6. このようにして、細胞外と筋小胞体中のCa2+が細胞質に拡散する。
- 7. ここで、筋収縮に関わるアクチンフィラメントにトロポミオシンとトロポニンが結合し、収縮開始を妨げているが、Ca2+がトロポニンに結合すると、トロポミオシンがアクチンフィラメント上で場所を変える。
- 8. この結果、トロポミオシンが覆い隠していたアクチンフィラメントのミオシン結合部位が露出する。
- 9. ミオシンはATPの加水分解のエネルギーを使って、アクチンフィラメントに結合できる構造をとり、アクチンに結合する。
- 10. ミオシンがアクチンフィラメントで首振り運動をすることで筋収縮が起こる。
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
[★]
- 英
- virus
- 同
- ウイルス粒子 virus particle、ビリオン virion
- 関
- 微生物学、抗ウイルス薬、国試に出がちなウイルス
感染経路による分類 SMB.374
学名
目(order, -virales), 科(family, -viridae), 亜科(subfamily, -virinae), 属(genus, -virus), 種(species)
増殖過程
- 吸着 absorption
- 侵入 penetration
- 脱殻 uncoating
- ゲノムの複製 replication、遺伝子発現 transcription
- ウイルス粒子の組み立て assembly
- 放出 release
感染の分類
持続時間
ゲノム
- 一本鎖RNA(-)をゲノムとするウイルスはウイルス粒子内にRNA依存性RNA合成酵素を有する。
[★]
- 関
- 炎光、炎症
[★]
- 英
- myositis
- 同
- 炎症性筋疾患 inflammatory myopathy