双胎間輸血症候群
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Japanese Journal
- 林 藍,河北 亜希子,徳弘 由美子,中林 佳信,中川 由美,木原 美奈子,光藤 伸人
- 日本周産期・新生児医学会雑誌 = Journal of Japan Society of Perinatal and Neonatal Medicine 45(4), 1485-1489, 2009-12-20
- NAID 10029091695
- 双胎児間輸血症候群に対する胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術による母体合併症の検討 : 多施設共同, 後方視的調査研究
- 高橋 雄一郎,左合 治彦,村越 毅,中田 雅彦,林 聡,石井 桂介,室月 淳
- 日本周産期・新生児医学会雑誌 = Journal of Japan Society of Perinatal and Neonatal Medicine 45(4), 1229-1230, 2009-12-20
- NAID 10029090993
- 症例 品胎の一児胎内死亡を契機に発症した胎児間輸血症候群の一例
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- twin to twin transfusion syndrome TTTS, the twin transfusion syndrome, fetal transfusion syndrome
- 同
- 双生児間輸血症候群 twin transfusion syndrome、胎児間輸血症候群 fetofetal transfusion
- 関
- 双胎、双胎間輸血
概念
- 胎盤の血行動態が双胎間で不均衡なことで胎児間で血流の不均衡が起こり、このために胎児機能不全をきたす病態である。
- 一絨毛膜双胎の15%で見られる。(多くはMD双胎(一絨毛膜二羊膜双胎, monochorionic diamnionic))
病態
- 一絨毛膜双胎の胎盤においてはそれぞれの胎児の血管に吻合が存在する。正常例では均衡を保っているが、病的な例ではこの均衡が崩れ一方の胎児の血液が他方の胎児に流れ込む。供血児より血液を受けた胎児では循環血液量が多くなり、高血圧、腎血流増加による多尿、羊水過多をきたす。また容量負荷によりうっ血性心不全を来たし、胎児水腫をきたす。供血児では循環血液量が減少し、低血圧となり、腎血流量の減少により尿量の減少、羊水過少をきたす。また、循環血液量の減少により子宮内胎児発育遅延をきたす。羊水過多と羊水過少が進展すれば、供血児は子宮壁に押しつけられ成長が阻害される(stuck twin)。いずれの胎児でも胎児機能不全をきたす。
症状
- 受血児:羊水過多、多血症、非免疫性胎児水腫(胸水・腹水)、心不全 → 児死亡
- 供血児:羊水過少、子宮内胎児発育遅延 (血液減少→尿量減少→腎不全・酸素不足) → stuch tiwn → 児死亡
- 羊水過多により胎児が圧迫を受けると心房利尿ペプチドが分泌され、さらに尿量が増え羊水が増加する。
検査
超音波検査
- 小さい赤ちゃん(供血児)の膀胱が見えなかったら疑いがある
- 最大羊水深度 max vertical pocket の測定を行う。
診断
一絨毛膜双胎の診断
- 妊娠8-9週に超音波により行う。妊娠10-12週では見えなくなっている。
- DD双胎では2つの胎児の羊膜と子宮壁が三角のシルエットを形成しており、MD双胎と区別される
双胎間輸血症候群の診断
- 双胎妊娠において、最大羊水深度が羊水過多児で8cm以上、羊水過少児で2cm以下の場合に診断する。
治療
予後
参考
- 1. クリニカル・カンファレンス 2.多胎妊娠の管理―最近の知見 3)疾病双胎の管理~双胎間輸血症候群の病態と治療~ - 日産婦誌55巻9号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/55/5509-216.pdf
国試
[★]
- 英
- twin transfusion
- 関
- 胎児間輸血症候群、双生児間輸血症候群
[★]
胎児間輸血症候群、双胎間輸血症候群
[★]
胎児母体間輸血症候群
[★]
- 英
- blood transfusion
- ラ
- metachysis
- 関
- WCG disease transmission in, 863-871
- also see. ICU.183 出血と循環血液量減少
輸血用血液製剤
- 赤血球製剤:2-6℃ :採血後21日間
- 血漿製剤 :-20℃以下 :採血後1年間
- 血小板製剤:20-24℃。振盪:採血後4日間
- 全血製剤 :2-6℃ :採血後21日間
副作用
一般的な副作用
- 1. 溶血性 :(急性)ABO型不適合輸血(血管内溶血)。(遅発性)Rh型不適合輸血(血管外溶血)
- 2. 非溶血性:(急性)発熱、蕁麻疹、アナフィラキシーショック。(遅発性)輸血関連急性肺障害 TRALI
- 3. 感染性:細菌、ウイルス(B型肝炎、C型肝炎、HIV、HTLV-1, CMV)
その他の副作用
- 高カリウム血症(血球の溶血)、代謝性アシドーシス(輸血製剤中では嫌気性代謝によりpHが低下しているため?)、代謝性アルカローシス(1-3日後にクエン酸が体内で代謝されて重炭酸イオンを生じるため)、肺うっ血(容量負荷)、低カルシウム血症(凝固薬として添加されているクエン酸によりカルシウムイオンがキレートされるため)、出血傾向(保存血中の血小板は減少してるため)
赤血球濃厚液
- 1.ショック、アナフィラキシー(様)反応(0.1%未満)
- 2.感染症(0.1%未満)
- B型、C型等の肝炎ウイルス13)、HIV-114)、HIV-215)に感染し、発症することがある (「重要な基本的注意」の項参照)。感染が認められた、あるいは症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
また、HTLV-116)、CMV17)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)18)、ヒトパルボウイルスB1919)、マラリア原虫20)、E型肝炎ウイルス(HEV)21)等に感染することがあり、その他血液を介するウイルス、細菌、原虫等に感染する危険性も否定できない。観察を十分に行い、感染が確認された場合には適切な処置を行うこと。
- 3.呼吸障害・輸血関連急性肺障害 (TRALI: transfusion related acute lung injury)22)(0.1%未満)
- 輸血中あるいは輸血後に喘鳴、低酸素血症、チアノーゼ、肺水腫、輸血関連急性肺障害 (TRALI: transfusion related acute lung injury) 等を生じることがある。特にTRALIは輸血中あるいは輸血終了後6時間以内に、急激な肺水腫、低酸素血症、頻脈、低血圧、チアノーゼ、呼吸困難を伴う呼吸障害で、時に死亡に至ることがある。これらの症状があらわれた場合には直ちに輸血を中止し、酸素投与、呼吸管理等の適切な処置を行うこと。
- 4.輸血後紫斑病 (PTP: post transfusion purpura)23)(0.1%未満)
- 輸血後約1週間経過して、急激な血小板減少、粘膜出血、血尿等があらわれることがあるので、患者の経過観察を行い、これらの症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
- 心不全、心筋障害、心房細動・心室細動等の重篤な心機能障害や不整脈があらわれることがあるので、患者の状態を十分観察し、異常が認められた場合には輸血を中止するなど、適切な処置を行うこと。
- 急性腎不全等の重篤な腎機能障害があらわれることがあるので、患者の状態を十分観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
副作用に対する対処
アナフィラキシーショック
- 参考4
- 通常輸血後10分以内に血圧低下や呼吸困難などが認められるなどアナフィラキシーショックが疑われた場合、直ちに輸血を中止し、アドレナリンを筋注する。
参考
- http://www.jrc.or.jp/vcms_lf/iyakuhin_seihin_tenpu_ir-ftrc090805.htm
- http://www.dokkyomed.ac.jp/dep-k/cli-lab/shiba/MANUAL-1/bloodManual2.pdf
- http://www.yuketsu.gr.jp/qa/main.html
- 4. 血液・呼吸器内科のお役立ち情報:アレルギー/アナフィラキシー:輸血の副作用とその対策(4)
- http://www.3nai.jp/weblog/entry/51024.html
国試
[★]
- 英
- syndrome, symptom-complex
- 同
- 症状群
- 関
- [[]]
- 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患。
内分泌
先天的代謝異常
高プロラクチン血症
- 分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
- 分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。
性腺機能低下
- 嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
- 肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長
性早熟
- 思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
- 女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。
脳神経外科・神経内科
[★]
- 英
- fetus
- 関
- 胎児の発生
成長
- およそのめやすね。正確ではない。(SPE.68)
- 25週: 750g
- 30週:1500g
- 35週:2000g ←だいたい2200gだけど
- 40週:3000g
- 25週から5週間で2倍、30週から10週で2倍
循環器
- 胎児心拍動は妊娠6週で認められ、妊娠7週目では100%確認できる。(G10M.6 QB.P-209)
感覚系
- 妊娠10週ごろから刺激に反応して口、指、趾、目を動かす。(NGY.285)
聴覚
- 妊娠中期には聴覚が発達。(NGY.285)
- 妊娠28-30週(妊娠後期の始め)には音の刺激により心拍数が増加。(QB.P-190)
胎児の成長
- G10M.6改変
妊娠月数 (月)
|
妊娠週数 (週)
|
胎児のイベント
|
1
|
2
|
肺胞期に着床(受精後6日後)
|
2
|
5
|
中枢神経系、心臓形成開始
|
6
|
肺形成開始
|
7
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胚形成、胎盤形成開始
|
3
|
9
|
胎児心拍最速(170-180bpm)
|
10
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躯幹と四肢の運動が超音波で測定可能
|
11
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外陰の性差が決まる(が超音波では分からない)
|
4
|
12
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排尿が超音波で観察可能、胎便形成開始。
|
15
|
胎盤完成。呼吸様運動が不規則に観察可能(10週から始まっているが観察は容易ではない)。
|
5
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16
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嚥下が超音波で観察可能。 → 胎盤完成以降に羊水量が(急に)増えるが、嚥下が観察可能になるのはこれと関係ある?
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17
|
外陰の性差が超音波で観察可能
|
18
|
胎動を感ずる(18-20週)
|
6
|
20
|
肺サーファクタント産生開始
|
7
|
26
|
肺の構造完成
|
8
|
28
|
肺サーファクタント増加
|
9
|
34
|
胚が成熟、腎の発生完了
|
国試
[★]
- 英
- group
- 関
- グループ、集団、分類、群れ、基、グループ化
[★]
- 英
- symptom and sign
- 関
- 症状, 徴候 兆候