- 31歳の初妊婦。妊娠10週に経腟超音波検査で1絨毛膜2羊膜性双胎妊娠と診断された。妊娠30週の腹部超音波検査で、両児の羊水量に明らかな差が認められる。
- 羊水の少ない方の児によくみられるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
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★リンクテーブル★
[★]
- 27歳の男性。夕方歩いていると人にぶつかることが多いことを主訴に来院した。中学生のころから夕方になるとクラブ活動でやっていた野球のボールが見にくいことに気付いていた。両眼とも矯正視力1.0である。前眼部検査では眼瞼、角膜および結膜に異常所見はみられないが、眼底に異常を認める。
- 診断の確定に必要な検査はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [101H038]←[国試_101]→[101H040]
[★]
- 52歳の男性。突然の胸背部痛を主訴に来院した。5年前から高血圧を指摘されているが治療は受けていなかった。意識は清明。身長178cm、体重72kg。呼吸数20/分。脈拍96/分、整。血圧192/64mmHg、左右差なし。第3肋間胸骨左縁に最強点を有する拡張期雑音を聴取する。
[正答]
※国試ナビ4※ [101H040]←[国試_101]→[101H042]
[★]
- 英
- twin to twin transfusion syndrome TTTS, the twin transfusion syndrome, fetal transfusion syndrome
- 同
- 双生児間輸血症候群 twin transfusion syndrome、胎児間輸血症候群 fetofetal transfusion
- 関
- 双胎、双胎間輸血
概念
- 胎盤の血行動態が双胎間で不均衡なことで胎児間で血流の不均衡が起こり、このために胎児機能不全をきたす病態である。
- 一絨毛膜双胎の15%で見られる。(多くはMD双胎(一絨毛膜二羊膜双胎, monochorionic diamnionic))
病態
- 一絨毛膜双胎の胎盤においてはそれぞれの胎児の血管に吻合が存在する。正常例では均衡を保っているが、病的な例ではこの均衡が崩れ一方の胎児の血液が他方の胎児に流れ込む。供血児より血液を受けた胎児では循環血液量が多くなり、高血圧、腎血流増加による多尿、羊水過多をきたす。また容量負荷によりうっ血性心不全を来たし、胎児水腫をきたす。供血児では循環血液量が減少し、低血圧となり、腎血流量の減少により尿量の減少、羊水過少をきたす。また、循環血液量の減少により子宮内胎児発育遅延をきたす。羊水過多と羊水過少が進展すれば、供血児は子宮壁に押しつけられ成長が阻害される(stuck twin)。いずれの胎児でも胎児機能不全をきたす。
症状
- 受血児:羊水過多、多血症、非免疫性胎児水腫(胸水・腹水)、心不全 → 児死亡
- 供血児:羊水過少、子宮内胎児発育遅延 (血液減少→尿量減少→腎不全・酸素不足) → stuch tiwn → 児死亡
- 羊水過多により胎児が圧迫を受けると心房利尿ペプチドが分泌され、さらに尿量が増え羊水が増加する。
検査
超音波検査
- 小さい赤ちゃん(供血児)の膀胱が見えなかったら疑いがある
- 最大羊水深度 max vertical pocket の測定を行う。
診断
一絨毛膜双胎の診断
- 妊娠8-9週に超音波により行う。妊娠10-12週では見えなくなっている。
- DD双胎では2つの胎児の羊膜と子宮壁が三角のシルエットを形成しており、MD双胎と区別される
双胎間輸血症候群の診断
- 双胎妊娠において、最大羊水深度が羊水過多児で8cm以上、羊水過少児で2cm以下の場合に診断する。
治療
予後
参考
- 1. クリニカル・カンファレンス 2.多胎妊娠の管理―最近の知見 3)疾病双胎の管理~双胎間輸血症候群の病態と治療~ - 日産婦誌55巻9号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/55/5509-216.pdf
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