相対危険度
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/10/19 13:19:32」(JST)
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相対危険度(そうたいきけんど)とは疫学における指標の1つで、「相対リスク」とも呼ばれ、暴露群と非暴露群における疾病の頻度を比で表現したもの。そのまま比率として表すが、百分率で表す場合もある。相対危険度は暴露群の発生率を非暴露群の発生率で割ることにより求めることができ、暴露因子と疾病発生との関連の強さを示す指標となる。主にコホート研究で用いられる。
疾病と暴露の比較
|
疾病あり |
疾病なし |
計 |
暴露あり |
A |
B |
A+B |
暴露なし |
C |
D |
C+D |
計 |
A+C |
B+D |
T |
R:相対危険度
「相対危険度」が1(100%)であれば暴露群も非暴露群も発生率は等しいが、「相対危険度」が1(100%)より大きければ暴露群の方が非暴露群よりも発生率が高くなり、「相対危険度」が1(100%)よりも小さければ暴露の方が非暴露群よりも発生率が低くなる。
「相対危険度」が1を上回る場合は「過剰相対危険度(余剰リスク,相対リスク増加)」、「相対危険度」が1を下回る場合は「相対リスク減少」を求められる。
暴露群の発生率ではなく、集団全体の発生率を用いたリスクの比は、「人口相対危険度」となる。
関連項目
- 過剰相対危険度
- 相対リスク減少
- 寄与危険度
- 人口相対危険度
- オッズ比
- ハザード比
参考文献
- 日本疫学会 編集『疫学 基礎から学ぶために』南江堂、1996年、P29-32、ISBN 4-524-21258-2
- 糸川嘉則・斎藤和雄・桜井治彦・廣畑富雄 編集『NEW 衛生公衆衛生学(改訂第3版)』南江堂、1998年、P39-40、ISBN 4-524-21616-2
- 鈴木庄亮・久道茂 編集『シンプル公衆衛生学 2002』南江堂、2002年、P99-100、ISBN 4-524-23506-X
- 奥田千恵子 著『道具としての統計学(改訂第2版)』金芳堂、2011年、P119、ISBN 978-4-7653-1501-2
UpToDate Contents
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Japanese Journal
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- risk factor
- 同
- リスク因子、リスク要因、リスクファクター
- 関
- 相対危険
[★]
- 英
- relative risk
- 同
- 相対リスク、相対危険
- 関
- コホート研究、オッズ比
- コホート研究で取られる手法
- ある因子が、疾病発生とどの程度関連しているかを評価する。すなわち、暴露群と被暴露群の比較に主眼がおかれている。
- R = A / (A + B) / ( C / (C + D) )
- 疾患が稀な場合、 A + B ≒ B, C + D ≒ D となり
- R ≒ AD / BC
- →疾患が稀な時の近似的相対危険度はオッズ比に等しくなる
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疾病あり
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疾病なし
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計
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暴露あり
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A
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B
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A+B
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暴露なし
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C
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D
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C+D
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計
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A+C
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B+D
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T
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参考
- http://www.med.nihon-u.ac.jp/department/public_health/ebm/ce105.html
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B8%E5%AF%BE%E5%8D%B1%E9%99%BA%E5%BA%A6
uptodate
- In the systematic review of this trial, significantly more patients experienced clinical improvement at three months with surgery than with splinting (71 versus 51.6 percent) with a relative risk (RR) for clinical improvement favoring surgery of 1.38 (95% CI 1.08-1.75).(手術群とスプリント群で比較すると手術群の「臨床的な改善」のRRは1.38。(手根管症候群))
[★]
- 英
- population relative risk, PRR
[★]
- 英
- risk、hazard、danger、jeopardy、hazardous、dangerous、risky、unsafe、hazardously
- 関
- ハザード、有害、危ない、害、リスク、相対危険度、危険性
[★]
- 英
- relative
- 関
- 関する、関連、関連性、親戚、親類、相対性、相対的、類縁体