- 英
- mozavaptan
- 化
- 塩酸モザバプタン、モザバプタン塩酸塩、mozavaptan hydrochloride
- 商
- フィズリン
- 関
- 利尿剤
バソプレシンV2受容体遮断薬;抗利尿ホルモン不適合分泌症候群治療
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/10/01 14:03:55」(JST)
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モザバプタン
|
IUPAC命名法による物質名 |
N-[4-(5-Dimethylamino-2,3,4,5-tetrahydro-1-benzazepine-1-carbonyl)phenyl]-2-methylbenzamide |
臨床データ |
法的規制 |
|
投与方法 |
Oral |
識別 |
CAS番号 |
137975-06-5 |
ATCコード |
None |
PubChem |
CID 119369 |
IUPHAR ligand |
2197 |
ChemSpider |
106618 |
UNII |
17OJ42922Y |
ChEMBL |
CHEMBL420762en:Template:ebicite |
化学的データ |
化学式 |
C27H29N3O2 |
分子量 |
427.53 g/mol |
SMILES
- CC1=CC=CC=C1C(=O)NC2=CC=C(C=C2)C(=O)N3CCCC(C4=CC=CC=C43)N(C)C
|
InChI
-
InChI=1S/C27H29N3O2/c1-19-9-4-5-10-22(19)26(31)28-21-16-14-20(15-17-21)27(32)30-18-8-13-24(29(2)3)23-11-6-7-12-25(23)30/h4-7,9-12,14-17,24H,8,13,18H2,1-3H3,(H,28,31)
Key:WRNXUQJJCIZICJ-UHFFFAOYSA-N
|
モザバプタン(Mozavaptan、商品名:フィズリン)は、1989年に大塚製薬が創薬したバソプレシン受容体阻害薬である。2001年に希少疾病用医薬品に指定され、2006年7月に承認された[1]。
目次
- 1 効能・効果
- 2 警告
- 3 副作用
- 4 参考資料
効能・効果
異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍による抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)における低ナトリウム血症の改善
警告
- 生殖細胞に染色体異常を誘発する可能性が報告されている
- 急激な血清ナトリウム濃度の上昇に因り、橋中心髄鞘崩壊症を来す虞が有る
副作用
5%以上にAST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、口渇、血清カリウム上昇が発現する[2]。
参考資料
- H. Spreitzer (November 20, 2006). "Neue Wirkstoffe - Conivaptan". Österreichische Apothekerzeitung (in German) (24/2006).
- Prous Science: Molecule of the Month November 2006
- ^ “経口バソプレシンV2-受容体拮抗剤「フィズリン™錠30mg」”. 大塚製薬 (2006年10月11日). 2015年6月19日閲覧。
- ^ “フィズリン錠30mg 添付文書” (2015年4月). 2015年6月19日閲覧。
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Japanese Journal
- 警告欄に見る必須検査とタイミング(18)モザバプタン塩酸塩
- 29-P2-141 V2受容体拮抗薬モザバプタン投与症例の薬学的投与管理とその評価(薬物治療,社会の期待に応える医療薬学を)
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
フィズリン錠30mg
組成
有効成分
添加物
- 乳糖水和物、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、タルク、酸化チタン
効能または効果
- 異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍による抗利尿ホルモン不適合分泌症候群における低ナトリウム血症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)
- 本剤の適用は、異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍による抗利尿ホルモン不適合分泌症候群と診断された患者に限定すること。診断にあたっては、最新の「厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 間脳下垂体機能障害に関する調査研究班 バソプレシン分泌過剰症(SIADH)の診断の手引き」を参照すること。(〔警告〕1.、〔参考〕の項参照)
- 本剤の投与は、可能な限りの水分制限を実施しても効果不十分な患者に限定すること。なお、本剤投与中も水分制限を継続すること。(〔警告〕2.の項参照)
- 通常、成人にはモザバプタン塩酸塩として30mgを1日1回食後に経口投与する。
- 投与開始3日間で有効性が認められた場合に限り、引き続き7日間まで継続投与することができる。[7日間を超えた投与、再発後の再投与及び減量投与の有効性及び安全性は検討されていない。]
- 悪心、嘔気・嘔吐等のため、食事を摂取せずに本剤を投与する場合、食後投与に比べ血中濃度が上昇し、作用が強くあらわれるおそれがある。(〔薬物動態〕の項参照)
- 夜間の排尿を避けるため、朝食後又は昼食後に投与することが望ましい。
慎重投与
- 肝機能障害のある患者[未変化体及び活性代謝物の血中濃度が上昇するおそれがある。]
- 腎機能障害のある患者[未変化体及び活性代謝物の血中濃度が上昇するおそれがある。また、本剤の投与により、高カリウム血症が発現するおそれがある。]
- 高カリウム血症の患者[本剤の投与により、高カリウム血症が増悪するおそれがある。]
- 低血圧症あるいは循環不全のある患者[循環血漿量の減少により、低血圧症あるいは循環不全が増悪するおそれがある。]
- 食事の摂取が困難な患者[食後投与に比べ空腹時では、血中濃度が上昇し、作用が強くあらわれるおそれがある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
薬効薬理
薬理作用
バソプレシンV2-受容体拮抗作用1)
- モザバプタン塩酸塩は、ヒトバソプレシンV2-受容体発現細胞及びラット、イヌ腎臓膜標本において、標識バソプレシンのV2-受容体への結合を濃度依存的に阻害した。モザバプタン塩酸塩は、ヒトバソプレシンV2-受容体発現細胞において、それ自身ではcAMPの産生増加を示さず、バソプレシンによるcAMPの産生を抑制したことから、バソプレシンV2-受容体拮抗作用を有していることが示された。また、一部の主要代謝物にもバソプレシンV2-受容体拮抗作用が認められた。ヒトバソプレシンV2-受容体に対する阻害定数は、未変化体(9.42±0.85nM)、M1(0.88±0.11nM)、M2(1.88±0.30nM)、M3(6.59±0.50nM)、M4(22.5±2.3nM)、M5(24.3±3.0nM)であった。
覚醒動物における利尿作用2)
- モザバプタン塩酸塩は、覚醒ラット及びイヌにおいて、用量依存的に尿量を増加させ、尿浸透圧を低下させた。覚醒イヌでは、既存の利尿薬であるフロセミドとは異なり、尿中電解質排泄への影響はみられず、自由水クリアランスの上昇が認められた。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群モデル動物における作用3)
- モザバプタン塩酸塩は、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群モデルラットにおいて、低ナトリウム血症の改善を示した。
作用機序
- モザバプタン塩酸塩は、バソプレシンV2-受容体拮抗作用を薬理学的特徴とする薬剤であり、腎臓集合管でのバソプレシンによる水再吸収を阻害することにより、選択的に水を排泄し、電解質排泄の増加を伴わない利尿作用(水利尿作用)を示す。
有効成分に関する理化学的知見
- 一般名:モザバプタン塩酸塩〔Mozavaptan Hydrochloride (JAN)〕
- 化学名:N-(4-{[(5RS)-5-(dimethylamino)-2,3,4,5-tetrahydro-1H-benzo[b]azepin-1-yl]carbonyl}phenyl)-2-methylbenzamide monohydrochloride
- 構造式:
- 分子式:C27H29N3O2・HCl
- 分子量:464.00
- 性 状:白色の結晶性の粉末である。ジメチルスルホキシドに溶けやすく、酢酸(100)及びメタノールにやや溶けやすく、水にやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、ヘキサンにほとんど溶けない。本品のメタノール溶液(1→100)は旋光性を示さない。
- 融点:約264℃(分解)
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