- 英
 
- renal tubular acidosis, RTA
 
- 関
 
- 尿細管アシドーシス 、尿細管性アシドーシス
 
- 代謝性アシドーシス
 
- 遠位尿細管性アシドーシス、近位尿細管性アシドーシス、1型尿細管性アシドーシス、尿細管性アシドーシスI型
 
[show details]
 
概念
分類
- 遠位尿細管性アシドーシス RTA I :H+の排泄障害。代わりにK+が排泄。高度の血清K低下。尿pH≧5.5(酸性化できない)。尿路結石を生じやすい。
 
- 近位尿細管性アシドーシス RTA II:近位尿細管でのHCO3-再吸収障害による。遠位尿細管でK+が排泄され、低カリウム血症を生じる。尿pH≦5.5(酸性化ok)。
 
- 低アルドステロン症 RTA IV:アルドステロン欠乏やアルドステロン抵抗性と関連した病態。高カリウム血症を呈し代謝性アルカローシスとなる。HCO3-≧17mEq/L, pH≦5.3 (参考)
 
参考
- 1. [charged] Pathophysiology of renal tubular acidosis and the effect on potassium balance - uptodate [1]
 
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/02/19 08:16:09」(JST)
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尿細管性アシドーシス(にょうさいかんせいあしどーしす, 英 renal tubular acidosis; RTA)は、腎臓の尿細管障害により起こる代謝性アシドーシス。腎尿細管性アシドーシスとも言う。
目次
- 1 病態
 
- 2 分類
 
- 3 検査
 
- 4 治療
 
- 5 診療科
 
 
病態
- 近位尿細管性アシドーシス
- 近位尿細管性アシドーシス(きんいにょうさいかんせいあしどーしす)は、尿細管の中でも糸球体に近い部分である近位尿細管が何らかの障害によって、重炭酸イオン(HCO3−)を再吸収できない事で起こる尿細管性アシドーシス。
 
 
- 遠位尿細管性アシドーシス
- 遠位尿細管性アシドーシス(えんいにょうさいかんせいあしどーしす)は、尿細管の中でも糸球体から遠い部分である遠位尿細管が何らかの障害によって、水素イオン(H+)を排泄できない事で起こる尿細管性アシドーシス。近位尿細管性アシドーシスよりも重篤である。また腎石灰化を伴うことが多い。
 
 
一般にアシドーシスと高カリウム血症、アルカローシスと低カリウム血症は並行するという経験則があり、例えばアルドステロン症では代謝性アルカローシスで低カリウム血症がある。しかし、腎尿細管性アシドーシスは低カリウム血症と代謝性アシドーシスを合併する。原則としてはGFRは正常であり、アニオンギャップも正常で高Cl性代謝性アシドーシスを呈する。
分類
- 部位別に、近位尿細管性アシドーシスと遠位尿細管性アシドーシスに分けられる。
 
- 成因別に、先天性・後天性に分類される。
 
- I〜IV型に分類することもある。I型が遠位尿細管性アシドーシスであり、II型が近位尿細管性アシドーシスである。IV型は高カリウム血症を伴うタイプである。大部分はI型尿細管性アシドーシスである。
 
原因
- 近位尿細管性アシドーシス
 
- 遠位尿細管性アシドーシス
- シェーグレン症候群
- 間質性腎炎から遠位尿細管性アシドーシスを起こす。
 
 
 
検査
尿のpHを測るのが一番簡便である。通常はアシドーシスがある場合は尿中に酸を排出しアルカリを再吸収しようと生体は代償する。即ち尿中pHは低下する。しかしRTA(尿細管性アシドーシス)の場合は尿を酸性化できないので尿中pHは低下しない。塩化アンモニウム負荷試験を行えばタイプまで調べることができるが、分類することで治療方針が変わるわけではない。原疾患を探すのが一番大切である。
治療
アルカリとカリウムの補充が主となる。尿細管性アシドーシス自体には根本的な治療がないため、対症療法しかできない。
診療科
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腎・泌尿器系の疾患 | 
 
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疾患 | 
 
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 糸球体病変 
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 急性糸球体腎炎 | IgA腎症 | 急速進行性糸球体腎炎 | 慢性糸球体腎炎 
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 ネフローゼ症候群 
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 原発性 
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 微小変化群 | 巣状糸球体硬化症 | 膜性腎症 | 膜性増殖性糸球体腎炎 
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 遺伝性腎炎 
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 アルポート症候群 | 良性家族性血尿 
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 尿細管機能障害 
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 ファンコーニ症候群 | バーター症候群 | ギッテルマン症候群 | リドル症候群 | 尿細管性アシドーシス | 腎性糖尿 | 尿細管間質性腎炎 
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 続発性腎障害 
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 膠原病 
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 全身性エリテマトーデス | 全身性強皮症 | シェーグレン症候群 
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 糖尿病性腎症 | 痛風腎 | クリオグロブリン血症 | アミロイドーシス | 溶血性尿毒症症候群 
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 腎循環障害 
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 腎血管性高血圧症 | 腎梗塞 | クルミ割り現象 
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 泌尿器疾患 
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 機能障害 
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 膀胱尿管逆流 | 神経因性膀胱 | 水腎症 | 
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 先天異常 
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 多発性嚢胞腎(常染色体優性多発性嚢胞腎 | 常染色体劣性多発性嚢胞腎) | 尿管異所開口 | 重複腎盂尿管 |ポッター症候群 
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 感染症 
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 腎盂腎炎 | 腎膿瘍 | 膀胱炎 | 腎結核 
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 尿路結石 
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 膀胱結石 
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 腫瘍 
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 腎細胞癌 | 腎盂腫瘍 | 尿管腫瘍 | 前立腺肥大症 | 前立腺癌 | 精巣腫瘍 | 陰茎癌 |腎芽腫 
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 性器の疾患 
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 前立腺炎 | 停留精巣 | 精巣捻転 | 包茎 | 勃起不全 
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病態・症状 | 
 
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 腎不全 
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 急性腎不全 
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 急性尿細管壊死 
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 慢性腎臓病 
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 慢性腎不全 | 尿毒症 
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 尿所見異常 
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 乏尿 | 無尿 |多尿 |頻尿 |血尿 | タンパク尿 | 尿円柱 
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 尿閉 |陰嚢腫大 
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検査 | 
 
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 腎機能検査 
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 糸球体濾過量 | クレアチニンクリアランス | ナトリウムクリアランス | 尿中ナトリウム排泄率 | 腎不全指数 
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 腹部X線写真 | 腎盂造影 | レノグラム | 腎生検 
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腎・泌尿器系の正常構造・生理 | 
 
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| 腎臓 | 
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 肉眼解剖 
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 尿細管 
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 近位尿細管 - ヘンレのループ(下行脚 - 細い上行脚 - 太い上行脚) - 遠位尿細管 - 集合管 - 腎盤 ( - 尿管) 
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 腎循環 
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 腎動脈 - 傍尿細管毛細血管 - 輸入細動脈 - (糸球体) - 輸出細動脈 - 直細動脈 - 腎静脈 
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 ゲロタ筋膜 
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 顕微解剖 
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 ネフロン 
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 腎小体 
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 糸球体 
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 毛細血管 | 糸球体内メサンギウム細胞 | ボーマン嚢 
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 | 
 
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 傍糸球体装置 
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 緻密斑 | 傍糸球体細胞 | 糸球体外メサンギウム細胞 
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 | 
 
| 
 尿細管 
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 | 
 
 | 
 
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 生理学 
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 アシドーシスとアルカローシス | 膠質浸透圧 | 糸球体濾過量 | 腎血漿流量 | クレアチニンクリアランス 
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 生化学 
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 バソプレッシン | アルドステロン | 心房性ナトリウム利尿ペプチド | エリスロポエチン | レニン-アンジオテンシン系 
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 | 
 
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| 尿路 | 
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 肉眼解剖 
 | 
 尿管 - 膀胱 - 尿道 
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 | 
 
| 
 顕微解剖 
 | 
 移行上皮 
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 | 
 
 
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| 
生殖器系 | 
 
 | 
 
| 女性器 | 
 尿道 - 陰核 - 陰裂 - 陰核亀頭 - 陰核亀頭冠 - 陰核包皮 - 陰核小帯 - 外陰部 - Gスポット - 処女膜 - 陰唇 - 大陰唇 - 小陰唇 - 膣 - バルトリン腺 - スキーン腺 - 子宮頸部 - 子宮 - 子宮内膜 - 卵管 - 卵巣 
 | 
 
 | 
 
| 男性器 | 
 尿道 - 陰茎 - 陰茎亀頭 - 陰茎亀頭冠 - 海綿体 - 陰茎ワナ靭帯 - 陰茎包皮 - 陰茎小帯 - 陰嚢 - 精索 - 精巣上体 - 精細管 - セルトリ細胞 - 精巣輸入管 - 輸精管 - 精嚢 - 射精管 - 前立腺 - 尿道球腺 - 精巣網 - 精巣 
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- c. (1)(4)(5)
 
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- e. (3)(4)(5)
 
[正答]
※国試ナビ4※ [096H042]←[国試_096]→[096H044]
  [★]
- 英
 
- distal renal tubular acidosis, distal RTA, dRTA
 
- 同
 
- 1型尿細管性アシドーシス、I型尿細管性アシドーシス、尿細管性アシドーシス1型、尿細管性アシドーシスI型
 
- 1型腎尿細管性アシドーシス、I型腎尿細管性アシドーシス、腎尿細管性アシドーシス1型、腎尿細管性アシドーシスI型
 
- type 1 renal tubular acidosis, type I renal tubular acidosis, renal tubular acidosis type 1, renal tubular acidosis type I
 
- type 1 RTA, type I RTA, RTA type 1, RTA type I
 
- 関
 
- 腎尿細管性アシドーシス。近位尿細管性アシドーシス。代謝性アシドーシス
 
[show details]
概念
- 遠位尿細管における水素イオン分泌が障害されることにより生じる、アニオンギャップが正常な高Cl性の代謝性アシドーシス。
 
- シェーグレン症候群によく合併する。
 
病因
- uptodate Major causes of type I (distal) renal tubular acidosis
 
- シェーグレン症候群 Sjogren's syndrome :腎生検上α間在細胞にH+-ATPaseが欠損している。患者の中にはcarbonic anhydrase IIに対する自己抗体をもつものもいる。(参考4)
 
- 高カルシウム血症
 
- 関節リウマチ
 
- 高グロブリン血症
 
- イホスファミド
 
- アムホテリシンB
 
- 肝硬変
 
- 全身性エリテマトーデス(おそらく高カリウム性)
 
- 鎌状赤血球症(おそらく高カリウム性)
 
- 閉塞性尿路疾患(おそらく高カリウム性)
 
- 炭酸リチウム
 
- 腎移植
 
家族性のRTA
- HIM.1805
 
- 変異が存在する分子によって以下の型がある。
 
- 1. H+-ATPase proton pumpの変異:常染色体劣性遺伝(のほとんど)。H+-ATPase proton pumpは皮質集合管にあるα介在細胞(H+分泌に関与)の管腔側に存在する。このpunpの変異により、酸分泌能が障害されている。また、早期発症の感音性難聴と関連がある。
 
- 2. 重炭酸イオンと塩素イオンの対向輸送蛋白AE1の変異:常染色体優性遺伝:AE1の機能は正常であるが、本来の基底膜にでなく管腔側に存在するために重炭酸イオンを失うと考えられている。AE1の両方の対立遺伝子に変異を生じた病型は常染色体劣性遺伝型(1.)のような病態を呈する。
 
- 3. carbonic anhydrase IIの変異:dRTAを伴った"marble-brain disease"(骨粗鬆症、低身長、精神遅滞)。
 
病態生理
- 参考4 参考5
 
- 水素イオンを分泌できないため、体内の重炭酸イオンが消費され、高Cl性代謝性アシドーシスを生じる
 
- 集合管など(distal nephron)でナトリウムを再吸収するとき電気的中性を保つために水素イオンが管腔側に移動していたが、水素イオンが分泌できなくなったために代償的にカリウムが分泌・排泄されるため。(参考4)
 
- 遠位尿細管におけるH+分泌とHCO3-再吸収が障害され、管腔内にHCO3-が増加すると電気的中性を保つく尿細管上皮内からNa,Kが出てくる。すると、Na再吸収低下による続発性アルドステロン症も相まってK再吸収は低下し、低K血症となる(←非常にあやしい。出典不明)
 
- 1) 代謝性アシドーシスでは、遠位尿細管でのカルシウム再吸収が低下する。(代謝性アシドーシス#検査)
 
- 2) アシドーシスに対して骨からカルシウムとリン酸が動員され、リン酸によりpHの低下が緩衝され、カルシウムは1)により排泄される。 ← 代謝性アシドーシスでPTHの分泌が促される。 これもpHを保とうとするホメオスタシスの一つなんですかね?
 
- 遠位尿細管性アシドーシスでは近位尿細管でのクエン酸再吸収が亢進し、低クエン酸尿症をきたす。
 
- 3+4+5 → 腎石灰化症、リン酸カルシウム結石の形成(HIM.1805)
 
- 7. 尿の濃縮障害 (HIM.1805) 機序不明
 
臨床像
HIM.1805
- 原発性dRTAでは、全身性代謝性アシドーシスや酸負荷によっても尿をpH5.5以下に酸性化できない。これは、遠位尿細管における酸分泌や重炭酸の再吸収の障害による。
 
- 低カリウム血症、低クエン酸尿症、高カルシウム尿症、腎石灰化症、腎結石が特徴的
 
- 未治療のまま放置すると、くる病や骨軟化症をきたす。
 
- 遺伝性:常染色体優性~常染色体劣性
 
- AR dRTA:幼児期発症。重度のアシドーシス、発育不良、成長不良、腎石灰化症による腎機能障害を呈する。
 
- AD dRTA:無症状で思春期や成人の時なってから腎結石の精査の折に偶然発見される。全身性のアシドーシスはない。尿検査で低クエン酸尿症、高カルシウム尿症、あるいは塩化アンモニウムや塩化カルシウム負荷による尿の酸性化障害で診断される。
 
徴候
- 低カリウム血症:低カリウム性四肢麻痺
 
- 尿の濃縮障害:
 
検査
- NH4Cl負荷試験:NH4Clを負荷をおこなっても尿の酸性化に限界があり、pH5.5以上を呈する。
 
合併症
治療
参考
- 1. 腎・泌尿器 081113IV
 
- 2. RENAL TUBULAR ACIDOSIS, DISTAL, AUTOSOMAL DOMINANT - OMIM
 
- http://www.ncbi.nlm.nih.gov/omim/179800
- 17q21-q22
- mutation in the SLC4A1 gene
 
 
 
- 3. RENAL TUBULAR ACIDOSIS, DISTAL, WITH PROGRESSIVE NERVE DEAFNESS - OMIM
 
- http://www.ncbi.nlm.nih.gov/omim/267300
- 2cen-q13
- mutation in the ATP6V1B1 (ATP6B1)
 
 
 
- 4. [charged] Pathophysiology of renal tubular acidosis and the effect on potassium balance - uptodate [2]
 
- 5. [charged] Treatment of distal (type 1) and proximal (type 2) renal tubular acidosis - uptodate [3]
 
  [★]
- 英
 
- hypokalemia, hypopotassemia
 
- 同
 
- 低K血症
 
- 関
 
- カリウム。高カリウム血症。電解質異常
 
定義
- 血清カリウム <3.5mEq/l ⇔ 基準範囲:3.4-4.5 mEq/l (臨床検査法提要第32版)
 
原因
- 周期性四肢麻痺発作時、インスリン・グルコースの投与(細胞のNa-K ATPaseを活性化するため)
 
- 
- 
 
 
病因
- ぽけめ
 
- アルカレミア、インスリン使用、カテコラミン使用、低下リウム性周期性四肢麻痺、急激な造血(VB12で治療中の巨赤芽球性貧血、AMLの急性転化)、低体温
 
- 消化管からのK喪失:(Uk<25mEq/日または15mEq/L、またはTTKG<3)
 
- 消化管からの喪失+代謝性アシドーシス:下痢、緩下薬乱用、絨毛腺腫
 
- 嘔吐とNGTドレナージによるカリウム喪失
 
- 腎性K喪失:(Uk>30mEq/日または15mEq/L、またはTTKG>7)
 
- 
- アシドーシス:DKA、RTA(近位RTA(2型)と多くの遠位RTA(1型))
 
- アルカローシス
- 利尿薬、嘔吐、NGTドレナージ(続発性高アルドステロン症)
 
- Bartter症候群(HHenleのループ機能異常:フロセミド様効果)
 
- Gitelmann症候群(遠位曲尿細管の機能異常:サイアザイド様効果)
 
 
- Mg欠乏:遠位でのK分泌亢進が原因の可能性
 
- 原発性高アルドステロン症:Conn症候群など
 
- 続発性高アルドステロン症:腎血管性疾患、レニン分泌性腫瘍
 
- 非アルドステロン性ミネラルコルチコイド(Cushing症候群、Liddle症候群、外因性ミネラルコルチコイド、肝臓)
 
 
病態生理
検査
鑑別診断のために
- 検査としては尿検査(Uk,UCl,Uosm),血液検査(Bosm,Mg,K),血ガス
 
心電図
- ECGの変化は心室の再分極が遅延し、心筋細胞内のK+濃度をうまく補正できないことによる。
 
- QT延長:細胞外K濃度が低い→静止膜電位が低下→再分極に時間がかかる?
 
- QRS幅延長
 
- T波の平低化、U波出現
 
- ST低下
 
- 期外収縮
 
- (最初に)T平坦,U出現,ST低下,QT延長 → (重度になれば)PR延長, QRS減高, QRS幅拡大 → VFリスク↑
 
症状
- <3mEq/Lでなければ症状が出現することはほとんどない。(HIM.282)
 
- 神経系:感覚鈍麻、傾眠傾向、無関心
 
- 心血管系:心筋壊死、心筋線維症、、末梢血管収縮
 
- 消化器:食欲不振、悪心・嘔吐、イレウス
 
- 筋骨格:筋力低下、呼吸筋麻痺
 
- impaired muscle metabolism and the blunted hyperemic response to exercise associated with profound K+ depletion increase the risk of rhabdomyolysis.(HIM.282)
 
- 泌尿器:多尿、腎濃縮力低下、糸球体濾過量・腎血漿流量低下、尿細管間質性腎炎、慢性腎盂腎炎
 
- 内分泌:糖忍容力低下(インスリンと共にカリウムが細胞に入っていかない、インスリン分泌能↓+インスリン抵抗性↑(HIM.282))、その他の代謝異常(負の窒素バランス、代謝性アルカローシス)
 
低カリウム血症による腎機能不全
- uptodateより
 
- 尿濃縮能の低下:impaired urinary concentrating ability:≦3.0mEq/Lの低カリウム血症が慢性的に持続すると中等度の腎機能低下が起こる。集合管におけるADHに対する反応性低下と関連づけられている(The concentrating defect is associated with decreased collecting tubule responsiveness to antidiuretic hormone)が、完全によく分かっていない。2つのことは少なくとも寄与している;アクアポリン2の発現の減少、Na-K-2Cl共輸送対の活性の低下。
 
- increased ammonia production
 
- increased bicarbonate reabsorption
 
- altered sodium reabsorption
 
- hypokalemic nephropathy
 
合併症
治療
国試
  [★]
- 英
 
- hypokalemic myopathy
 
- 同
 
- 血清カリウム欠乏性ミオパチー potassium-depletion myopathy、低カリウム性ミオパチー
 
- 関
 
- 筋疾患、低カリウム血症、カリウム
 
基礎疾患
  [★]
腎尿細管性アシドーシス RTA
  [★]
腎尿細管性アシドーシス
  [★]
近位尿細管性アシドーシス
  [★]
近位尿細管性アシドーシス
  [★]
近位尿細管性アシドーシス
  [★]
近位尿細管性アシドーシス
  [★]
低アルドステロン症
  [★]
- 英
 
- acidosis
 
- 関
 
- アルカローシス
 
産科
- 胎児では7.0未満でアシドーシスと判断する。
 
- 胎児末梢血pH7.20以下で急遂分娩の適応
 
治療
- 重炭酸ナトリウムによるpHの補正は必要に迫られない限り行わないらしい。組織の酸素化を障害したり、脳血流を減少させたりするため、らしい。
 
  [★]
- 英
 
- renal tubule、kidney tubule、uriniferous tubule、renal tubular
 
- 関
 
- 細尿管、尿細管
 
  [★]
- 英
 
- canaliculus、canaliculi、tubule
 
- 関
 
- 小管、尿細管