- 英
- breast feeding jaundice, breast milk jaundice, mother's milk jaundice
- 同
- 母乳栄養児黄疸 jaundice of breastfed infant
- 関
- 黄疸、新生児黄疸、遷延性黄疸
概念
- 新生児は生後3-4日ごろに黄疸になるが、やがて消失するが、母乳を哺乳させている場合1カ月ぐらい続くことがある(1)。母乳の中のプレグナンジールがビリルビンの抱合を妨げることにより、間接ビリルビンが上昇して黄疸を来す。通常、予後は良好であり、黄疸症状が出ても母乳には胎便の排泄を促進する成分が含まれており、胎便の早期排泄のために母乳哺乳を継続した方がよいのかもしれない。
定義
- 母乳栄養児で、生後1か月頃まで高ビリルビン血症が持続し、黄疸を呈すること。
原因
- 1. 早発型:生後5日までの早期に母乳栄養と関連して、生理的黄疸の増強として観察される:母乳量と授乳回数、摂取エネルギーの不足
- 2. 遷延性:生後1週間を過ぎたことから第6-8週間にわたって遷延する:母乳成分と関係
症候・検査
予後
症例
- 出産後28日の乳児。母乳栄養でほ乳は良好である。3日前から黄疸が見られ、1日に6回黄色軟便をした。肝臓を右季肋部に一横指蝕知する。血液検査で貧血はないが、非抱合型ビリルビンが上昇している。
- 白色便ではなく黄色軟便なので先天性胆道閉鎖症は否定的
- ほ乳は良好 → 健康
- 肝臓を右季肋部に一横指蝕知 → ????
- 貧血はない → 溶血性貧血は否定的
- じゃあ、母乳性黄疸?
参考
UpToDate Contents
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- 1. 新生児における非抱合型高ビリルビン血症:発症機序および病因unconjugated hyperbilirubinemia in the newborn pathogenesis and etiology [show details]
…functional or anatomic obstruction and possibly breast milk jaundice, but the underlying mechanisms of the latter has not been confirmed. Breast milk jaundice is defined as the persistence of benign neonatal …
- 2. 授乳および離乳の一般的問題common problems of breastfeeding and weaning [show details]
…associated with hyperbilirubinemia as two distinct entities, breastfeeding failure jaundice and breast milk jaundice, which are discussed separately. Most, but not all, therapeutic drugs are compatible with…
- 3. ビリルビン過剰産生によるジルベール症候群および高非抱合型ビリルビン血症gilbert syndrome and unconjugated hyperbilirubinemia due to bilirubin overproduction [show details]
…hemolysis such as hereditary spherocytosis, thalassemia major, and sickle cell disease . Breast milk jaundice during the second week after birth may be due to the concurrent neonatal manifestation of…
- 4. クリグラー・ナジャー症候群crigler najjar syndrome [show details]
…unconjugated hyperbilirubinemia in newborns, including benign neonatal hyperbilirubinemia, breast milk jaundice, lactation failure jaundice, Lucey-Driscoll syndrome, and isoimmune-mediated hemolysis (Rh…
- 5. 新生児や乳児の胆汁うっ滞への評価アプローチapproach to evaluation of cholestasis in neonates and young infants [show details]
…(NASPGHAN) suggests the following approach in jaundiced infants who are most likely to have breast milk jaundice because they are exclusively or near-exclusively breastfed: The evaluation for cholestasis …
Japanese Journal
- 母乳性黄疸と体質性黄疸 (特集 新生児黄疸を再び考える) -- (非溶血性疾患)
- 臨床研究・症例報告 母乳性黄疸と診断されていた肝不全を呈したシトリン欠損症の1例
- 田川 晃司,松井 克之,中辻 恵理,國津 智彬,柴田 晶美,筒井 英美,野々村 和男,丸尾 良浩
- 小児科臨床 71(4), 484-490, 2018-04
- NAID 40021496548
- 体質性黄疸の早期診断 (ミニ特集 知っておきたい新生児疾患の早期診断)
Related Links
- 新生児は赤血球が作られる量が多く、赤血球の寿命も短いため、一時的に黄疸が出ることがあります。母乳育児をしていて、生後2週間を過ぎても、黄疸が続く場合は、母乳性黄疸が考えられます。 母乳性黄疸はいつまで続く?
- 母乳性黄疸の原因は、母乳に含まれる成分が赤ちゃんの肝臓の働きを抑えるために起こると言われています。 母乳性黄疸は治療の必要なし 母乳性黄疸の場合は、特に治療の必要はありません。
- 家庭医学館 - 母乳性黄疸の用語解説 - [どんな病気か] 母乳栄養成熟児の約10~15%にみられる遷延性(せんえんせい)黄疸で、非閉塞型(ひへいそくがた)黄疸です。 生後4~7日ごろから黄疸が増強し、2~3週でピークに達した後も
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★リンクテーブル★
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- 英
- neonatal jaundice
- 関
- 黄疸、核黄疸、生理的黄疸、病的黄疸
黄疸の定義
- 血液中のビリルビンの増加によって皮膚が黄染して見える状態。
- 成人 > 2 mg/dl
- 新生児 > 5-7 mg/dl →新生児黄疸
新生児黄疸の種類
- 生後2-3日で可視的黄疸が出現 (G10M.330)
- 血清ビリルビン濃度は4-6日にピーク (小児科学第2版 p.421)
- 新生児の特異性によって生じる(ビリルビン産生亢進、ビリルビン代謝・排泄の未熟性、腸肝循環の亢進)
- 1. 早期黄疸:生後24時間以内に出現する黄疸
- 2. 急速な血清総ビリルビン値の上昇
- 3. 血清ビリルビンの異常高値
- 4. 遷延性黄疸
原因
- 赤血球数が多い
- 赤血球の寿命が短い 70-90日 ←成人100-120日 (小児科学第2版 p.421)
- 無効造血の割合が高い
- 肝のグルクロン酸抱合能・胆汁への排泄能が未熟
- 新生児に特有の腸肝循環による:新生児の消化管にはβグルクロニダーゼがあり、ビリルビンの一部を脱抱合する。この非抱合型ビリルビンが再吸収され、腸管内から循環へと戻るため(出典要確認)。
-
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リスクファクター
治療
- 適応:重篤な高ビリルビン血症、著明な血液型不適合溶血性貧血、光線療法が無効な場合
- 合併症:感染症、出血傾向、低カルシウム化粧、高カリウム血症、低体温、酸血症、移植片対宿主反応
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- 英
- breast milk、breastmilk
- 関
- 人乳、母子感染
分類
母乳を介して感染しうるウイルス
成分
- ミネラル:初乳 > 成乳
- IgA:初乳 > 成乳
- タンパク質:初乳 > 成乳
- 熱量:成乳 > 初乳
- 脂肪:成乳 > 初乳
- 乳糖:成乳 > 初乳
- 防御因子:ラクトフェリン、リゾチーム、分泌型IgA、マクロファージ、リンパ球
アレルギー促進因子、防御因子
- 参考1
母乳と人工乳との比較
- 母乳は消化されやすく、胃内停滞時間が長い。
- 母乳はビタミンKが少ない。
- 人工乳は蛋白顔奥、蛋白代謝負担が大きい
- 児の成長に連れ母乳のみの栄養ではビタミンD、鉄が不足してくる。 → 母乳栄養のみでは水様便となってくる。離乳食開始を考慮。
- 母乳栄養時では軟便傾向となる。
母乳と牛乳との比較
- 母乳は乳糖のみ多い。
- グロブリン、不飽和脂肪酸、糖質は牛乳より多い。 → ビフィズス菌の増殖に不可欠なオリゴ糖も母乳の方が多い。
- エネルギーや脂質はほぼ同じ。
- その他の成分は牛乳の方が多い。
参考
- http://www.aiiku.or.jp/aiiku/jigyo/contents/kaisetsu/ks0809/ks0809_3.pdf
国試
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- 英
- jaundice (prejndiceと似ている?), choloplania
- ラ
- icterus
- 関
- ビリルビン、新生児黄疸
- 基準値:総ビリルビン(TB) 0.2-1.2 mg/dl
- 総ビリルビンが2.0 mg/dl を超えると肉眼的に黄疸が認められる
黄疸の原因 (内科診断学 第2版)
- 同
- jaundice
- 同
- 付録16