- 英
 
- luteal insufficiency, corpus luteum insufficiency, luteal phase deficiency, luteal dysfunction
 
- 関
 
- 黄体、プロゲスチン
 
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概念
- 黄体ホルモン(プロゲステロン)分泌不全により、子宮内膜が分泌期に至らない、体温の上昇、高温相の持続の異常をきたす。
 
治療はプロゲステロン投与で黄体ホルモンを補うか、あるいはヒト絨毛ゴナドトロピン hCGで黄体を刺激する。
定義
参考1
- 「黄体からのエストロゲンとプロゲステロンとの分泌不全により、子宮内膜の分泌性変化が起こらないものをいう。妊卵の着床障害による不妊原因として重要である。」(日本産科婦人科学会)
 
G9M
- 1. 黄体期中期の血中プロゲステロン<10ng/ml (通常は5-28ng/mlくらい)
 
- 2. 基礎体温
 
- 2-1. 低温相から高温相の移行に3日要する
 
- 2-2. 高温相は10日以内
 
- 2-3. 高温相と低温相の差が0.3℃以内 (正常は0.3-0.6℃の上昇)
 
治療
- 1-1. ゲスターゲンの周期的投与
 
- 1-2. 黄体機能刺激療法
 
- 2-1. クロミフェン療法
 
- 2-2. ゴナドトロピン療法(hMG-hCG療法)
 
参考
- 1. クリニカル・カンファレンス 4.不育症の病態解明と治療の展望 3)黄体機能の視点から - 日産婦誌55巻9号
 
- http://www.jsog.or.jp/PDF/55/5509-249.pdf
 
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/11/26 19:43:33」(JST)
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黄体機能不全とは、黄体が十分に機能せず、排卵後に子宮内膜を妊娠に適したで維持しておくための黄体ホルモンの分泌が不足している状態のことである。
排卵後、正常より短い日数で子宮内膜が維持しきれなくなって頻発月経や不正出血を起こしたり、着床困難による不妊の原因になったりする。
目次
- 1 診断
 
- 2 原因
 
- 3 治療
 
- 4 関連項目
 
- 5 外部リンク
 
 
診断[編集]
黄体機能不全になると、以下のような所見が見られる。
- 黄体期のプロゲステロン(P4)値が10mg/ml未満
 
- 基礎体温の異常
- 高温期が短い(10日未満)
 
- 高温期と低温期の差があまりない(0.3℃未満)
 
- 高温期の途中で低温へ落ち込む
 
 
- 子宮内膜が薄い(8mm以下)
 
原因[編集]
以下のような原因が考えられている。
- 卵胞の発育や排卵後の黄体への変化がうまくいっておらず、十分な量の黄体ホルモンを放出できない。
- 脳下垂体からのFSH(卵胞刺激ホルモン)、LH(黄体形成ホルモン)の分泌が不十分。
 
- 卵巣に問題があり、FSH・LHに正常に反応して卵胞の発育・排卵が行えていない。
 
 
- 黄体ホルモンは十分に分泌されていても、子宮内膜の感受性が悪いと、黄体ホルモン不足と同様の状態に陥る。
 
治療[編集]
- 非妊娠希望の時点での月経治療
- 日常生活への実害が少なければ、特段の治療は行わず経過観察のみの場合もある。
 
- 不正出血や頻発月経への対処として、ピルなどのホルモン剤で生理周期を整える。
 
- 漢方薬などによる体質改善
 
 
- 妊娠希望者への不妊治療
- 排卵後、黄体ホルモン剤やhCG製剤を投与し、十分な黄体期の持続期間を確保する。
 
- 排卵誘発剤を投与し、しっかりとした卵胞の育成・排卵ができるようにして、黄体ホルモンの分泌を促す。
 
 
関連項目[編集]
- 排卵
 
- 着床
 
- 黄体ホルモン
 
- 月経
 
- 妊娠
 
- 不妊
 
- 基礎体温
 
外部リンク[編集]
 
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- Calpain-Calpastatinシステムが黄体細胞への分化を誘導する
 
- 川島 一公,島田 昌之,河村 和弘
 
- 日本繁殖生物学会 講演要旨集 106(0), AW-1-AW-1, 2013
 
- … 我々は,不妊症の中でも,黄体機能不全に着目し研究を行っている。 …
 
- NAID 130005051014
 
- 漢方医学の進歩と最新エビデンス(Vol.6)月経周期異常の漢方治療 : 最新のエビデンス
 
- 黄体機能不全 (今月の臨床 婦人科内分泌療法--病態の理解と正しい診断に基づく対処・治療のポイント) -- (不妊・避妊)
 
- P3-311 黄体機能不全に対するメラトニンの効果(Group136 生殖内分泌3,一般演題,第62回日本産科婦人科学会学術講演会)
 
- 菊田 恭子,高崎 彰久,水本 久美子,田邊 学,丸山 祥子,嶋村 勝典,森岡 均,谷口 憲,松岡 亜希,田村 博史,杉野 法広
 
- 日本産科婦人科學會雜誌 62(2), 728, 2010-02-01
 
- NAID 110007686593
 
Related Links
- 妊娠と大きく関わりのある、黄体ホルモン(プロゲステロン)。この黄体ホルモンの分泌が足りない病気を「黄体機能不全」といいます。 ... 黄体機能不全 Luteal phase defect 基礎体温を付け始めると、お手本どおりのグラフにならない ...
 
- 黄体機能不全について 黄体機能についてご説明しましょう。 卵巣の中で卵胞が十分に発育すると 脳下垂体から卵巣に向けて黄体化ホルモンを分泌します。 これをLHサージといい、16?24時間後に排卵します。 排卵後、卵巣の中に「黄体 ...
 
- 黄体機能不全の概要。黄体とは、卵巣で卵胞が排卵したあとに変化してつくられる器官です。主にプロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌し、受精卵の子宮内膜への着床や妊娠の維持に重要な役割を果たしています。 黄体機能不全とは ...
 
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★リンクテーブル★
  [★]
- 46歳の女性。月経周期が短くなったことを主訴に来院した。もともと月経周期は28日型、整であったが、数年前から 22~26日に短縮しているという。過多月経はみられない。
 
- 最も考えられるのはどれか。
 
[正答]
※国試ナビ4※ [108E055]←[国試_108]→[108E057]
  [★]
- 15歳の女子。少量の性器出血を主訴に来院した。性器出血は2週前から持続している。13歳の初経以降、月経周期は28~35日である。
 
- 現時点で最も考えられるのはどれか。
 
[正答]
※国試ナビ4※ [107I063]←[国試_107]→[107I065]
  [★]
[正答]
 
E
- 卵巣子宮内膜症:ゴナドトロピン分泌抑制を狙ってGnRHアゴニストが用いられる。
 
 
  [★]
[正答]
 
C
- 子宮腺筋症 G9M.124
 
- 黄体機能不全 G9M.42
 
- 性器結核 G9M. 58 → 確定診断には月経血培養や子宮内膜組織診が必要。(NGY.178)
 
 
  [★]
[正答]
※国試ナビ4※ [106G036]←[国試_106]→[106G038]
  [★]
- 英
 
- female sterility
 
- 関
 
- 不妊症
 
不妊因子
- G9M.77
 
検査
- NGY.254
 
|  
 | 
初期検査
 | 
特殊検査
 | 
| 内分泌因子
 | 
基礎体温測定
 | 
月経開始後10日以内。
 | 
LHRH負荷試験
 | 
 
 | 
| 内分泌検査
 | 
 
 | 
プロゲステロンテスト
 | 
 
 | 
| 頚管粘液検査
 | 
排卵期前後。エストロゲン活性
 | 
エストロゲン・プロゲステロン
 | 
 
 | 
| 経膣超音波
 | 
 
 | 
その他の内分泌学的検査
 | 
 
 | 
|  
 | 
 
 | 
染色体検査
 | 
 
 | 
| 卵管因子
 | 
子宮卵管造影法
 | 
月経開始後10日以内。
 | 
腹腔鏡
 | 
 
 | 
| 通気テスト(ルビンテスト)
 | 
卵胞期。卵管の疎通性を見る
 | 
コツバンク右京
 | 
 
 | 
| クラミジア抗体
 | 
 
 | 
通色素検査
 | 
 
 | 
|  
 | 
 
 | 
卵管鏡
 | 
 
 | 
| 子宮因子
 | 
子宮卵管造影法
 | 
 
 | 
子宮内膜日付診
 | 
黄体期。排卵を確認し、月経周期と子宮内膜の関係をみる
 | 
| 経膣超音波子宮内膜検査
 | 
 
 | 
子宮鏡
 | 
 
 | 
| 月経血培養
 | 
 
 | 
MRI
 | 
 
 | 
|  
 | 
 
 | 
CT
 | 
 
 | 
| 頚管因子
 | 
頚管粘液検査
 | 
 
 | 
フナーテスト(性交後試験)
 | 
排卵期前後。精子と卵管粘液の適合性を見る
 | 
|  
 | 
 
 | 
ミラー・クルツロック試験(ガラス板試験)
 | 
 
 | 
| 腟・会陰因子
 | 
腟鏡診
 | 
 
 | 
クラミジア抗体染色体検査
 | 
 
 | 
| 帯下培養
 | 
 
 | 
 
 | 
 
 | 
| その他の因子
 | 
抗精子抗体
 | 
 
 | 
抗透明帯抗体
 | 
 
 | 
|  
 | 
 
 | 
卵巣自己抗体
 | 
 
 | 
|  
 | 
 
 | 
抗リン脂質抗体
 | 
 
 | 
  [★]
- 英
 
- basal body temperature BBT
 
- 関
 
- 月経周期
 
- 低温相と高温相の2相性であり、黄体から分泌されるプロゲステロンの作用によるとされる。
 
- 月経周期前半は低く、後半は0.5℃程度高い二相性の変動パターン。 ← 0.3-0.6℃の変動があるとされている
 
- 排卵がある場合(排卵性周期):2相性
 
- 排卵がない場合(無排卵周期):1相性  → 無排卵性月経というのがある。
 
- 体温陥落:高温相に移行する前に体温が0.1℃低下すること。陥落日から基礎体温が上昇する3日間に排卵が起きやすい。体温陥落が常に認められるわけではない。
 
正常な基礎体温
- 高温相の持続が10日以上
 
- 高温相と低温相の差が0.3℃以上
 
- 高温相に陥落がない
 
- 低温相から高温相への移行が3日以内
 
妊娠と基礎体温
- 妊娠中は黄体が妊娠黄体としてプロゲステロンを分泌し続けるため、高温相が持続する。
 
- 妊娠経過で流産が起こると、体温が低下する。
 
- 正常妊娠の場合でも、妊娠10週頃には胎盤由来のプロゲステロンが増加し、妊娠13-14週ごろから体温は徐々に低下する。
 
臨床関連
  [★]
- 英
 
- occult hyperprolactinemia OHP, latent hyperprolactinemia
 
- 関
 
- 高プロラクチン血症、プロラクチン
 
  [★]
- 英
 
- hypomenorrhea ← これには過短月経の意味もあるらしく・・・
 
- 関
 
- 月経異常
 
病因 NGY.152
  [★]
- 関
 
- 黄体
 
  [★]
- 英
 
- yellow body
 
- ラ
 
- corpus luteum(Z), (pl.)corpora lutea
 
概念
- NGY 11,17改変
 
- 排卵後、卵胞の裂孔が血液で満たされ赤体となった後に血液が吸収され、リポイド色素によって肉眼的に黄色に見える黄体が形成される。排卵後1-4ないし2-3日で形成される。組織的には卵胞の顆粒膜細胞、内莢膜細胞が黄体化ホルモンの作用を受けて大型化した顆粒膜ルテイン細胞と比較的小さめの莢膜ルテイン細胞にそれぞれ変化した細胞から構成される。
 
分類
- 月経黄体:妊娠しない場合に形成され、約12日間持続した後に退縮し白体となる
 
- 妊娠黄体:妊娠が成立した場合に形成され、黄体機能は妊娠10~12週がピークとなり、出産後に退縮して白体となる。
 
機能
  [★]
- 関
 
- 関数、官能基、機能性、機能的、作動、手術、操作、官能性、機能上、運用、操縦
 
  [★]
- 関
 
- 機能不全、失敗、不十分、不全症、不足、無能、無能力、弁閉鎖不全、弁閉鎖不全症、機能不全症
 
  [★]
- 英
 
- insufficiency, failure