アロプリノール
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アロプリノール
|
|
IUPAC命名法による物質名 |
1H-pyrazolo[3,4-d]pyrimidin-4(2H)-one
|
臨床データ |
商品名 |
ザイロリック |
AHFS/Drugs.com |
monograph |
MedlinePlus |
a682673 |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
|
投与方法 |
経口 |
薬物動態データ |
生物学的利用能 |
78±20% |
血漿タンパク結合 |
結合しない |
代謝 |
肝代謝 |
半減期 |
2時間 (オキシプリノールとしては 18-30 時間) |
識別 |
CAS番号 |
315-30-0 |
ATCコード |
M04AA01 |
PubChem |
CID: 2094 |
DrugBank |
DB00437 |
ChemSpider |
2010 |
UNII |
63CZ7GJN5I |
KEGG |
D00224 |
ChEBI |
CHEBI:40279 |
ChEMBL |
CHEMBL1467 |
化学的データ |
化学式 |
C5H4N4O |
分子量 |
136.112 g/mol |
|
InChI
-
InChI=1S/C5H4N4O/c10-5-3-1-8-9-4(3)6-2-7-5/h1-2H,(H2,6,7,8,9,10)
-
Key:OFCNXPDARWKPPY-UHFFFAOYSA-N
|
アロプリノール(allopurinol)はプリン骨格を有するキサンチンオキシダーゼ阻害薬。高尿酸血症などの治療に用いられる。体内での尿酸の産生を抑制し、高尿酸血症を改善することにより痛風発作の発生を予防する。日本ではザイロリック(製造発売元はグラクソ・スミスクライン)等の商品名で販売されている。
目次
- 1 効能・効果
- 2 用法・用量
- 3 作用機序
- 4 特徴
- 5 歴史
- 6 脚注
効能・効果
下記の場合における高尿酸血症の是正
- 適応症ではないが、尿酸排泄亢進による低尿酸血症の治療にも用いられることがある。尿酸排泄亢進により尿酸尿路結石を来すことがあるためである。
用法・用量
日本では、通常、成人はアロプリノールとして1日量200〜300mgを2〜3回に分けて食後に経口服用する。年齢、症状により適宜増減する。
米国では、成人では尿酸値を正常か正常に近いレベルになるように用量を調節する。痛風に対しては通常、1日量100mgから開始し、徐々に増量する。通常の痛風における用量は1日量200〜300mg、ひどい痛風には1日量400〜600mgで1日量800mgまで増量が可能である。
作用機序
高尿酸血症に対する尿酸コントロール薬は尿酸合成阻害を行うものと、尿酸排泄促進を行うものに分かれるが、アロプリノールは前者に分類される。
尿酸はプリンヌクレオチドから様々な過程を経て、最終的に尿酸となるが、その過程にはキサンチンオキシダーゼという酵素が関与する。アロプリノールはキサンチンオキシダーゼの活性を阻害するにより、人体内での尿酸産生を抑制し、血中・尿中の尿酸値を低下させる。
特徴
- アロプリノール投与により心血管イベントが減少したとの報告がある[1]。
- アロプリノール投与により腎臓における糸球体濾過量が増加したとの報告がある[1][2]。
- アロプリノールにより狭心症、心不全マーカーであるBNPの改善がみられるという報告がある[3]。
- アロプリノールは2型糖尿病患者において、左室肥大を退縮させた[4]。
- 本邦において、アロプリノールはスティーブンス・ジョンソン症候群・中毒性表皮壊死症の原因薬剤としては次点にある。(最も報告例が多いのはラミクタール)
- 台湾においてアロプリノール致死的過敏症のリスク因子は、女性・60歳以上・腎疾患・心疾患・無症候性高尿酸血症であった。[5]
歴史
バロウズ・ウェルカム社(現在のグラクソ・スミスクライン社)のジョージ・ヒッチングズ,ガートルード・エリオン率いるチームは、白血病を対象とした核酸代謝拮抗剤の研究を行っていた。彼らは6-MPを白血病治療薬として開発した。その後、1956年アロプリノールを開発した。他にも核酸代謝に関わるアザチオプリン(免疫抑制剤),アシクロビル(抗ヘルペスウイルス薬)などを開発した。これらの功績を称えられ,ヒッチングズとエリオンは1988年,ノーベル賞を授与された。
脚注
- ^ a b Goicoechea M, et al. Effect of Allopurinol in Chronic Kidney Disease Progression and Cardiovascular Risk. Clin J Am Soc Nephrol. 2010; 5(8): 1388–1393.
- ^ Kanbay M, et al. Effect of treatment of hyperuricemia with allopurinol on blood pressure, creatinine clearance, and proteinuria in patients with normal renal functions. Int Urol Nephrol. 2007;39(4):1227-33.
- ^ Noman A, et al. Effect of high-dose allopurinol on exercise in patients with chronic stable angina: a randomised, placebo controlled crossover trial. Lancet 2010; 375(9732): 2161-2167.
- ^ Benjamin R, et al. Allopurinol Reduces Left Ventricular Mass in Patients With Type 2 Diabetes and Left Ventricular Hypertrophy. J Am Coll Cardiol. 2013;62(24):2284-2293. doi:10.1016/j.jacc.2013.07.074
- ^ Chien-Yi Y, et al. Allopurinol Use and Risk of Fatal Hypersensitivity Reactions - A Nationwide Population-Based Study in Taiwan. JAMA Intern Med. 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2015.3536
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ザイロリック錠50
組成
1錠中の日局アロプリノール含量
添加物
- 乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ポビドン、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン、マクロゴール400、マクロゴール6000
禁忌
効能または効果
- 下記の場合における高尿酸血症の是正
- 痛風、高尿酸血症を伴う高血圧症
- 通常、成人は1日量アロプリノールとして200〜300mgを2〜3回に分けて食後に経口投与する。年齢、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 肝疾患を有するか、又はその既往歴のある患者[肝障害が発現又は増悪するおそれがあるので、投与する場合は定期的に肝機能検査を実施すること。]
- 腎機能障害のある患者[高い血中濃度が持続するので、減量等を考慮すること(「重要な基本的注意」の項参照)。]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
- メルカプトプリン(6-MP)又はアザチオプリンを投与中の患者[「相互作用」の項参照]
- ペントスタチンを投与中の患者[「相互作用」の項参照]
重大な副作用
- 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、剥脱性皮膚炎、過敏症症候群等の重篤な皮膚障害(頻度不明注1))又は過敏性血管炎(頻度不明注1))があらわれることがある。特に肝障害又は腎機能異常を伴うときは、重篤な転帰をたどることがある。従って、発熱、発疹等が認められた場合には、直ちに投与を中止し、再投与しないこと。また、ステロイド剤の投与等適切な処置を行うこと。
- ショック、アナフィラキシー様症状(頻度不明注1))があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
- 再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少(頻度不明注1))があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
- 劇症肝炎等の重篤な肝機能障害、黄疸(頻度不明注1))があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
- 腎不全、腎不全の増悪、間質性腎炎を含む腎障害(頻度不明注1))があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
- 間質性肺炎(頻度不明注1))があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には、速やかに胸部X線等の検査を実施し、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
- 横紋筋融解症(頻度不明注1))があらわれることがあるので、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等の症状があらわれた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- アロプリノールは、キサンチンオキシダーゼに対して、ヒポキサンチン及びキサンチンと拮抗することによって尿酸の生合成を抑制し、その結果血中尿酸値及び尿中尿酸値を低下させる10)〜13)。また、アロプリノールの主代謝物であるオキシプリノールもキサンチンオキシダーゼ抑制作用を有する14)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- 1H-Pyrazolo〔3,4-d〕pyrimidin-4-ol
分子式
分子量
性状
- 白色〜微黄白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。N,N-ジメチルホルムアミドに溶けにくく、水に極めて溶けにくく、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。水酸化ナトリウム試液又はアンモニア試液に溶ける。
融点
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- allopurinol
- 商
- Lopurin, Zyloprim、ザイロリック Zyloric、アイデイト、アノプロリン、アリスメット、アロシトール、アロチーム、アロリン、ケトブン、ザイロリック、サロベール、タカナルミン、ノイファン、プロデック、マサトン、ミニプラノール、ユーリック、リボール
- Lopurin, Zyloprim
- 関
- 尿酸
- first aid step1 2006 p.309,320,325,326
- 1. 腎障害例では過剰に投与するとオキシプリノールが副作用を誘発する
- 尿酸の排出が悪い→アプリノールを使う。白血病は高尿酸血症を呈する
- 帯状疱疹は白血症などが重症になった時に起こる
- 皮膚粘膜間症候群
- 中毒性表皮壊死
- 表皮剥脱性皮膚炎
- 3. メルカプトプリン、アザチオプリンとの併用はメルプトプリンの分解を抑制→6MP
- ビダラビン(神経過敏) ← 抗ヘルペスウイルス薬
- シクロホスファミド(白血球減少) ← 白血病治療
- アンピシリン(過敏反応)
- ヒドロフロロチアジド(重度の過敏反応・光線過敏症) ←利尿剤
構造
- プリン環の7位にある窒素原子が8位の炭素原子と入れ替わった構造
作用機序
- ヒポキサンチン-(キサンチンオキシダーゼ)→キサンチン-(キサンチンオキシダーゼ)→尿酸
副作用
重大な副作用
その他の副作用
注意
[★]
商品