- 英
- bronchoscope
- 同
- 気管支ファイバースコープ bronchofiberscope BF
- 関
- 電子内視鏡
WordNet
- a slender tubular instrument used to examine the bronchial tubes
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/01/02 17:14:53」(JST)
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気管支鏡(きかんしきょう、英: Bronchoscope)は、気管~気管支に挿入する医療機器である。内視鏡のひとつ。英: Bronchoscopyは,気管支鏡を用いて行う検査,処置の技術全般を指す。適切な日本語訳は無いが,単に気管支鏡として,前述の器具だけでなく,処置全般を指す場合も多い。
目次
- 1 歴史
- 2 適応
- 3 種類
- 4 検査
- 5 手法
- 6 関連
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歴史
1897年にベルリン大学教授グスタフ・キリアンによって硬性鏡(英: Rigid Bronchoscope)を用いて最初に行われた。
1966年に国立がんセンターの池田茂人(いけだ しげと)によって軟性鏡(英: Flexible Bronchoscope)が開発された。
適応
- 症状
- 血痰、喀血
- 胸部X線写真、胸部CTで異常が認められる。
- 咳嗽(=せき)
- 呼吸困難(=息苦しさ)
- 疾患
- 肺結核
- 肺癌
- 肺胞蛋白症
- サルコイドーシス
- ウェゲナー肉芽腫症
- 肺リンパ脈管筋腫症
種類
- 蛍光気管支鏡(AFB:Autofluorescence Bronchoscopy)
- 気管支腔内超音波断層法(EBUS:endobronchial ultrasonography)
検査
- 経気管支肺生検(TBLB:transbronchial lung biopsy)
- 気管支鏡を用いてX線透視下に生検を行う検査。合併症として臓側胸膜を損傷することによる気胸の発生がある。これを防ぐために透視下で生検用鉗子が胸膜に到達していないことを確認しながら検査を行う。そのためには、正面の透視で胸膜との位置関係が確認できるB3a、B4a、B8aなどの気管支から生検を行うことが多い。その他の合併症として出血がある。通常は自然に止血されるが、大量の出血をきたす場合はエピネフリン、トロンビンの散布が行われることがある。それでも止血できない時は、出血した肺を下にして健側に気管内挿管をおこない気道を確保する。
- 気管支肺胞洗浄(BAL:bronchoalveolar lavage)
- 気管支鏡を用いて気管支内の洗浄液を検出する検査。びまん性肺疾患の診断のためにTBLBと併用して行うことが多い。通常、生理食塩水を右中葉など回収しやすい部位(仰臥位の場合)に注入した後、陰圧をかけて回収する。細胞数、細胞種類およびその比率、リンパ球表面マーカーなどを調べることで診断に有用な情報が得られる。肺胞出血、肺胞蛋白症においては、BALにより確定診断が得られる。
手法
気管支鏡は様々な状況で行われる。手術室、ICU、透視室、または気道確保を要する一般病室などである。 患者には麻酔薬(キシロカイン®など)、鎮咳薬(リン酸コデインなど)、鎮静剤および気道分泌抑制のための薬物(硫酸アトロピンなど)の投与が行われる。(欧米ではミダゾラムやプロポフォールなども用いられる。) 被験者は、検査中はバイタルサインを常にチェックされている。
現在は気管支鏡は軟性鏡が主として用いられる。患者は背臥位となり、口腔または鼻腔から気管支鏡を挿入される。咽頭、喉頭を過ぎ、声帯を視認しつつ気管へ挿入する。 器具は主気管を経て気管支へと進められ、各区域を検査する。出血や気管支壁に病変があれば、生検や吸引採取を目視しながら施行する(肺癌が気管支壁に都合良く顔を出していることは多くはない。)。
CTや胸部レントゲン写真で異常が判明している場合には、該当する区域へ気管支鏡を先進させ、ブラシや生検鉗子を鉗子孔からX線透視下に病変部まで先進させ検体を採取する。Broncho-alveolar lavage(=BAL)には気管支鏡を気管支に押し当てて、区域を閉鎖し、生理食塩水を注入したのちに吸引にて回収する。 また軟性気管支鏡は、ICUなどで気管内挿管を施行された患者にも行われる。この場合、内視鏡は挿管チューブ内を通って進入する。
硬性気管支鏡は、全身麻酔下に施行される。硬性気管支鏡は太すぎるため、挿管チューブと同時には挿入できない。それゆえ麻酔器具は気管支鏡に接続され、気管支鏡を通じて人工呼吸は行われる。
関連
呼吸器疾患 (ICD-10 J00〜99) |
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疾患 |
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閉塞性肺疾患
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慢性閉塞性肺疾患
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気管支喘息 | 慢性気管支炎 | 肺気腫 | びまん性汎細気管支炎
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拘束性肺疾患
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特発性
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IPF | NSIP | COP | AIP | DIP | RB-ILD | LIP
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続発性
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塵肺 | 放射線肺炎 | 薬剤性肺炎
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無気肺 | 気胸 | 血胸
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形態異常
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気管支拡張症 | 肺分画症 | 肺嚢胞症
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腫瘍
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良性腫瘍
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肺過誤腫 | 硬化性血管腫
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悪性腫瘍
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低悪性度肺腫瘍 | 原発性肺癌 | 転移性肺癌 | 中皮腫
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アレルギー
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気管支喘息
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アスピリン喘息
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好酸球性肺炎
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Löffler症候群 | 急性好酸球性肺炎 | 慢性酸球性肺炎 | 好酸球増加症候群
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過敏性肺臓炎 | サルコイドーシス | グッドパスチャー症候群
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肺循環障害
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肺血栓塞栓症 | 肺性心 | 新生児呼吸窮迫症候群 | 急性呼吸窮迫症候群
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肺代謝異常
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肺胞蛋白症 | 肺胞微石症
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機能的障害
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過換気症候群 | 睡眠時無呼吸症候群
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感染性疾患
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気道感染 |
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上気道 |
風邪
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ライノウイルス - アデノウイルス - パラインフルエンザウイルス - RSウイルス - コロナウイルス - エコーウイルス - エンテロウイルス
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喉頭炎
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急性喉頭蓋炎 - クループ
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咽頭炎
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下気道 |
急性細気管支炎
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肺炎 |
原因
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定型肺炎
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グラム陽性
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肺炎球菌 - 黄色ブドウ球菌
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グラム陰性
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肺炎桿菌 - インフルエンザ菌 - モラクセラ - 大腸菌 - 緑膿菌
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非定型肺炎
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ウイルス性
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RSウイルス - インフルエンザ肺炎 - 重症急性呼吸器症候群
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肺真菌症
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ニューモシスチス肺炎 - クリプトコッカス症 - アスペルギルス症
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レジオネラ菌 - マイコプラズマ - クラミジア肺炎 - オウム病
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抗酸菌症
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結核 - 非結核性抗酸菌症
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機序
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市中肺炎 - 院内肺炎 - 誤嚥性肺炎
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病態
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肺胞性肺炎
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大葉性肺炎 - 気管支肺炎
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化膿性肺炎
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胸壁 |
膿胸
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症候・徴候 |
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異常呼吸
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過呼吸 | 頻呼吸 | 徐呼吸 | 低呼吸 | 多呼吸 | 少呼吸 | 起坐呼吸 | 奇異性呼吸 | クスマウル呼吸 | チェーンストークス呼吸 | ビオー呼吸
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咳嗽 | 痰 | 呼吸困難 | 胸痛 | 胸水 | ばち指 | チアノーゼ
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所見・検査 |
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聴診 | 胸部X線写真 | 胸部X線CT | 気管支鏡 | 胸腔鏡
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呼吸器系の正常構造・生理 |
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気道系 |
解剖学的構造
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上気道
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鼻
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鼻孔 | 鼻腔 | 鼻甲介 | 副鼻腔
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口
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口腔前庭 | 口腔 | 口蓋
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咽頭 - 喉頭
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下気道
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気管
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気管支
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主気管支 - 葉気管支 - 区域気管支 - 亜区域気管支
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細気管支
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小気管支 - 細気管支 - 終末細気管支
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呼吸細気管支
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ガス交換器
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肺 - 肺胞管 - 肺胞嚢 - 肺胞
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顕微解剖学
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I型肺胞上皮細胞 | II型肺胞上皮細胞 | 杯細胞 | クララ細胞 | 気管軟骨輪
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生理学・生化学
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生理学
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肺気量 | 肺活量 | %肺活量 | 残気量 | 死腔 | 1回換気量 | 1秒率 | 肺サーファクタント | SP-A
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生化学
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PaCO2 | PaO2 | AaDO2 | FiO2 | SpO2 | 呼吸係数および酸素化係数
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血管系 |
肺循環系
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(右心室 -) 肺動脈 - 毛細血管 - 肺静脈 (- 左心房)
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気管支循環系
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(胸部大動脈 -) 気管支動脈 - 毛細血管 - 気管支静脈 (- 奇静脈/副反奇静脈)
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運動器系 |
骨格
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肋骨 | 胸骨
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呼吸筋
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横隔膜 | 内肋間筋 | 外肋間筋 | 胸鎖乳突筋 | 前斜角筋 | 中斜角筋 | 後斜角筋 | 腹直筋 | 内腹斜筋 | 外腹斜筋 | 腹横筋
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神経系 |
中枢神経系
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呼吸中枢 | 呼吸調節中枢 | 前頭葉
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末梢神経系
|
横隔神経 | 肋間神経
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Japanese Journal
- 荒井 淳一 [他]
- 長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi 86(3), 140-145, 2011-12-25
- … 肺腫瘍は、気管支鏡の擦過細胞診でclassV、低分化腺癌と診断され、その後の胸腹部CTにて腎転移、背部皮膚、大腿の皮下にも転移が出現した。 …
- NAID 110008721136
- 森野 茂行 [他]
- 長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi 86(3), 140-145, 2011-12-25
- … 肺腫瘍は気管支鏡生検で非小細胞肺癌と診断した。 …
- NAID 110008721133
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- と思われますが、当院で気管支鏡を受けられた方の大半が「知らん間に終わったわ」、「 思ったより楽だった」、と言われます。 ここで、恐らく見た事ないであろう(見る必要が なければ、見ないほうがいいのですが)気管支鏡というものについて説明したいと思い ます。
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- 48歳の男性。微熱と咳嗽とを主訴に来院した。
- 現病歴 : 2か月前からロ渇感を自覚していた。1か月前から微熱、咳嗽および黄色の喀痰がある。
- 家族歴 : 父と母とが糖尿病。
- 現症 : 身長175cm、体重75kg。体温36.9℃。呼吸数18/分。脈拍80/分、整。血圧130/72mmHg。両側アキレス腱反射の減弱と両側下肢振動覚の軽度低下とを認める。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖3+、アセトン体(-)。血液所見:赤沈45mm/1時間、赤血球405万、Hb12.5g/dl、Ht38 %、白血球5,600(桿状核好中球5%、分葉核好中球55%、単球4%、リンパ球36%)。
- 血清生化学所見:空腹時血糖306mg/dl、HbA1C11%(基準4.3~5.8)、尿素窒素12mg/dl、クレアチニン0.6mg/dl、総コレステロール280mg/dl、トリグリセライド180mg/dl(基準50~130)、GOT32単位(基準40以下)、GPT35単位(基準35以下)、Na140mEq/l、K4.0mEq/l、Cl 102mEq/l。CRP0.6 mg/dl(基準0.3以下)。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air)pH 7.43、PO2 79.0Torr、PCO2 42.0Torr。初診時の胸部エックス線写真を以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [095F047]←[国試_095]→[095F049]
[★]
- 3日前、アーモンドを食べながら遊んでいて急にむせた。それ以来、咳が続いている。
- 2日前から発熱がみられる。
- 体温38.7℃。呼吸数32/分。脈拍96/分、整。心雑音はない。
- 右肺にcoarse cracklesを聴取する。
- 血液所見:赤血球428万、Hb12.7g/dl、白血球18,300、血小板36万。CRP4.8mg/dl。
- 胸部エックス線写真を以下に示す。
- 対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099F047]←[国試_099]→[099F049]
[★]
- 68歳の女性。肺がん検診の胸部エックス線写真で異常を指摘され来院した。胸部CTで右上葉に直径3.2cmの腫瘤影を認める。確定診断のため経気管支肺生検を行ったところ生検部位から出血し、1分ほど経過しても止血しない。意識は清明。脈拍88/分、整。血圧110/80mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)95%。
- まず行うべきなのはどれか。
- a 止血薬を静注する。
- b 鎮静薬を静注する。
- c 気管支鏡を抜去する。
- d 気管支ステントを留置する。
- e 患者を仰臥位から右側臥位にする。
[正答]
※国試ナビ4※ [105G046]←[国試_105]→[105G048]
[★]
- 60歳の女性。交通事故で前胸部を強打し、救急車で搬入された。意識清明で胸背部痛を訴えている。体温36.9℃。呼吸数24/分。脈拍112/分、整。血圧86/64mmHg。顔面は蒼白で、眼瞼結膜は貧血様である。前胸部に皮下出血があるが腹部には異常はない。血液所見:赤血球350万、Hb11.0g/dl、Ht33%。胸部エックス線写真を以下に示す。まず行うべき検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [097D020]←[国試_097]→[097D022]
[★]
- 78歳の男性。慢性肺気腫で通院治療を受けている。2日前から38℃の発熱、咳嗽および膿性痰が出現し、労作時呼吸困難も強くなったので来院した。呼吸困難はHugh-Jonesの分類IV度であった。胸部エックス縮写真に浸潤影を認めない。まず行うべき検査はどれか。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [095C031]←[国試_095]→[095C033]
[★]
- 45歳の男性。突然の呼吸困難を主訴に来院した。既往歴に特記すべきことはない。喫煙歴は40本/日を25年間。
- 動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):PaO2 74Torr、PaCO2 31Torr。
- 来院時の胸部エックス線写真を以下に示す。
- まず行うのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098B007]←[国試_098]→[098B009]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099E073]←[国試_099]→[099E075]
[★]
- 関
- bronchoscopic、bronchoscopy
[★]
- 英
- bronchoscopy、bronchoscopic
- 関
- 気管支鏡、気管支鏡検査法
[★]
- 英
- rigid bronchoscope, non-flexible bronchoscope
- 関
- 気管支鏡
[★]
- 英
- bronchoscopy
- 関
- 気管支鏡、気管支鏡検査
[★]
- 英
- trachea (Z), tracheal tube
- ラ
- trachea
- 関
- 気管支、気管支の分岐、肺
解剖
- 長さ12cm、直径2cm (HIS.298)。
- C6椎体-T5椎体 / C6椎体の下部より始まりT4-T5椎体で左右の気管支に分かれる。)
- 喉頭の輪状軟骨の直下から始まり主気管支が分岐するところに終わる。 (HIS.298)
粘膜
- a. 杯細胞 goblet cell 30% 粘液物質の分泌 ムチンmucin
- b. 線毛細胞 ciliated cell 30% 核は基底部に存在 線毛と微絨毛
- c. 基底細胞 basal cell 30% 丈の低い細胞、未分化細胞
- d. その他 刷子細胞、漿液細胞、DNES細胞 など
- 2. 粘膜固有層 疎性結合組織 膠原線維、弾性線維、気管腺(混合腺)
- 3. 粘膜下組織 密生結合組織
- 4. 外膜 気管軟骨 馬蹄形(C字軟骨)後方に開いている。10-12個
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
[★]
- 英
- bronchus / bronchi(pl.) (Z)
- ラ
- bronchus principalis
- 同
- 主気管支 main bronchus、一次気管支 primary bronchus
- 関
- 気管、気管支の分岐、肺区域、区域気管支
-
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
[★]
- 英
- mirror
- 関
- 写す