ネオマイシン
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ネオマイシン
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|
臨床データ |
胎児危険度分類 |
? |
法的規制 |
OTC |
識別 |
CAS登録番号 |
1404-04-2 |
ATCコード |
A01AB08 A07AA01
, B05CA09 , D06AX04 , J01GB05 , R02AB01 , S01AA03 , S02AA07 , S03AA01
|
KEGG |
D08260 |
別名 |
ソフラマイシン
フラミセチン |
化学的データ |
化学式 |
C23H46N6O13 |
ネオマイシン(neomycin)は1948年にウクライナ出身のセルマン・ワクスマンにより発見されたアミノグリコシド系抗生物質である。分子量614.65。 放線菌の一種、Streptomyces fradiaeが生産する。そのためフラジオマイシン(fradiomycin)とも呼ばれる。日本薬局方収載医薬品としては硫酸フラジオマイシン(FRM)と呼ばれ[1]、別名はソフラマイシン、フラミセチン。CAS登録番号は1405-10-3 (Neomycin sulfate)。
目次
- 1 作用機序
- 2 臨床応用
- 3 副作用
- 4 その他
- 5 参考文献
- 6 註・出典
|
作用機序
ネオマイシンの作用機序はカナマイシンのそれと類似しているが、30Sリボソームに結合することにより細菌のタンパク質合成を阻害する[2]。
臨床応用
比較的広範な抗菌スペクトルを有し、グラム陰性菌、グラム陽性菌ともに強く阻害する。
副作用
ネオマイシンには強い急性毒性および腎毒性が認められる。そのため、経口剤か外用剤として使用される。
その他
分子生物学の研究においてネオマイシン耐性遺伝子は、選択マーカーとして形質細胞の分離に利用される。
参考文献
生化学事典(第4版)東京化学同人
註・出典
- ^ 医薬品インタビューフォーム 硫酸フラジオマイシン貼付剤(サノフィ・アベンティス社)
- ^ アミノグリコシド系抗細菌薬の多くは70Sリボソームと結合する。
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 症例 リン酸ベタメタゾン・硫酸フラジオマイシン配合剤による接触皮膚炎の1例
- 症例 扁平苔癬に続発した硫酸フラジオマイシンによる接触皮膚炎--当初外陰部Paget病を疑った1例
- 横山 洋子,浜名 康栄
- 群馬保健学紀要 25, 183-189, 2005-03-00
- … ポリアミン分析に用いているクエン酸/塩化ナトリウム溶難液による段階/直線塩濃度勾配溶出法による強酸性陽イオン交換HPLC法が,カナマイシン,ゲンタマイシン,アミカシン,フラジオマイシン,ストレプトマイシン,トブラマイシン,アストロマイシンなどの各種のアミノ配糖体抗生物質相互の分離分析に適用できた。 …
- NAID 110004599274
Related Links
- ソフラチュールとは?フラジオマイシンの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。 すべての副作用を掲載しているわけでは ...
- デジタル大辞泉 フラジオマイシンの用語解説 - アミノグリコシド系抗生物質。眼疾患や腸管感染症などに用いられる。副作用が強い。 ... この辞書の凡例を見る 監修:松村明 編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹 ...
- 成分 硫酸フラジオマイシン バシトラシン・硫酸フラジオマイシン合剤 適応症 膿痂疹、毛のう炎、尋常性毛瘡、せつ、よう、その他の慢性膿皮症、外傷・熱傷・その他の疾患によるびらん・潰瘍及び術後の二次感染並びに ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
- 点眼用合成副腎皮質ホルモン・抗生物質配合剤*点鼻用合成副腎皮質ホルモン・抗生物質配合剤
販売名
点眼・点鼻用リンデロンA液
組成
成分・含量(1mL中):
- ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム1mg
フラジオマイシン硫酸塩3.5mg(力価)
添加物:
- 乾燥亜硫酸ナトリウム2mg
パラオキシ安息香酸メチル0.5mg
リン酸水素ナトリウム水和物,無水リン酸二水素ナトリウム
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
ストレプトマイシン,カナマイシン,ゲンタマイシン,フラジオマイシン等のアミノグリコシド系抗生物質又はバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
適応菌種>
適応症
[点眼]
[点鼻等]
- アレルギー性鼻炎,進行性壊疽性鼻炎,鼻及び咽喉頭部における術後処置
*[点眼]*通常,1回1〜2滴を1日1〜数回点眼する。
なお,症状により適宜増減する。*[点鼻等]*通常,適量を1日1〜数回点鼻,ネブライザー又はタンポンにて使用する。
なお,症状により適宜増減する。
中耳炎,鼓膜穿孔のある患者において,本剤の点耳,耳浴により,非可逆性の難聴が発現するおそれがあるので,耳内へは投与しないこと。
慎重投与
糖尿病の患者[糖尿病が増悪するおそれがある。]
重大な副作用
眼(ベタメタゾンリン酸エステルナトリウムによる)
緑内障:連用により,ときに数週後から眼圧亢進,また,まれに緑内障があらわれることがあるので,定期的に眼圧検査を実施すること。
角膜ヘルペス,角膜真菌症,緑膿菌感染症の誘発:これらの副作用を誘発することがある。このような場合には適切な処置を行うこと。
穿孔:角膜ヘルペス,角膜潰瘍又は外傷等に使用した場合には穿孔を生じることがある。
後嚢白内障:長期使用により,まれに後嚢白内障があらわれることがある。
薬効薬理
薬理作用
ベタメタゾンリン酸エステルナトリウムは合成糖質副腎皮質ホルモンであり,抗炎症作用,抗アレルギー作用を示す。
フラジオマイシン硫酸塩は,試験管内でグラム陽性菌のブドウ球菌属,モラクセラ・ラクナータ(モラー・アクセンフェルト菌)及びヘモフィルス・エジプチウス(コッホ・ウィークス菌)等に抗菌作用を示す。
有効成分に関する理化学的知見
1.
- 一般的名称:
ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム(JAN)[日局]
Betamethasone Sodium Phosphate
- 化学名:
Disodium 9-fluoro-11β,17,21-trihydroxy-16β-methylpregna-1,4-diene-3,20-dione 21-phosphate
- 分子式:
C22H28FNa2O8P
- 分子量:
516.40
- 化学構造式:
- 性状:
白色〜微黄白色の結晶性の粉末又は塊で,においはない。
水に溶けやすく,メタノールにやや溶けにくく,エタノール(95)に溶けにくく,ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
吸湿性である。
- 融点:
約213 ℃(分解)
2.
- 一般的名称:
フラジオマイシン硫酸塩(JAN)[日局]
Fradiomycin Sulfate
- 略号:
FRM
- 化学名:
フラジオマイシンB硫酸塩
2,6-Diamino-2,6-dideoxy-α-D-glucopyranosyl-(1→4)-[2,6-diamino-2,6-dideoxy-β-L-idopyranosyl-(1→3)-β-D-ribofuranosyl-(1→5)]-2-deoxy-D-streptamine trisulfate
フラジオマイシンC硫酸塩
2,6-Diamino-2,6-dideoxy-α-D-glucopyranosyl-(1→4)-[2,6-diamino-2,6-dideoxy-α-D-glucopyranosyl-(1→3)-β-D-ribofuranosyl-(1→5)]-2-deoxy-D-streptamine trisulfate
- 分子式:
C23H46N6O13・3H2SO4
- 分子量:
908.88
- 化学構造式:
- 性状:
白色〜淡黄色の粉末である。
水に溶けやすく,エタノール(95)にほとんど溶けない。
吸湿性である。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- neomycin NM
- 同
- 硫酸フラジオマイシン fradiomycin sulfate フラジオマイシン fradiomycin fradiomycinum FRM、フラマイセチン framycetin
- 商
- フラジオ、(軟膏)ソフラチュール、(軟膏)(フラジオマイシン・フルオシノロン)フルコート、デルモラン、(軟膏)(フラジオマイシン・クロラムフェニコール)クロマイ、ハイセチン、(軟膏)(フラジオマイシン・メチルプレドニゾロン)ネオメドロール、(軟膏)(フラジオマイシン・バシトラシン)バラマイシン、(軟膏)(フラジオマイシン・ヒドロコルチゾン)プロクトセディル、(軟膏)(フラジオマイシン・ヒドロコルチゾン・ジフェンヒドラミン)レスタミンコーチゾン、(軟膏)(フラジオマイシン・ベタメタゾン)ベトネベート、(含嗽)デンターグル、(点眼・点鼻)(ベタメタゾン・フラジオマイシン)ベルベゾロン、リンデロン、(噴霧液)(プレドニゾロン・フラジオマイシン)エアゾリン、(噴霧液)(コリスチン・フラジオマイシン)コリマイフォーム、(その他)フランセチン、ヘモレックス
[show details]
-
[★]
- 英
- hydrocortisone HDC
- 同
- コルチゾール cortisol
- 化
- コハク酸ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン
- 商
- ロコイド、ハーユロン、パンデル、アボコート、クレイトン、コートリル、サクシゾン、ソル・コーテフ、HCゾロン、ハイドロコートン。
- 酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン:イトロン
- (クロルヘキシジン、ジフェンヒドラミン、ヒドロコルチゾン、ベンザルコニウム)デスパ。(ヒドロコルチゾン、フラジオマイシン、ジフェンヒドラミン)レスタミン。(ヒノキチオール、ヒドロコルチゾン、アミノ安息香酸エチル)ヒノポロン。(クロタミトン、ヒドロコルチゾン)オイラックス。(混合死菌浮遊液、ヒドロコルチゾン)エキザルベ。(オキシテトラサイクリン、ヒドロコルチゾン)テラ・コートリル。(ヒドロコルチゾン、フラジオマイシン、ジブカイン、エスクロシド)プロクトセディル、ヘモレックス。(大腸菌死菌浮遊液、ヒドロコルチゾン)ポステリザン
- Penecort
- 関
- 副腎皮質ホルモン
添付文書
- サクシゾン静注用500mg/*サクシゾン静注用1000mg
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2452400D6078_2_01/2452400D6078_2_01?view=body
[★]
- 英
- chloramphenicol, CP
- 化
- コハク酸クロラムフェニコールナトリウム
- 商
- クロロマイセチンサクシネート、クロロマイセチン Chloromycetin、(クロラムフェニコール、コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム)オフサロン、コリマイ、コリナコール。(クロラムフェニコール、フラジオマイシン、プレドニゾロン)クロマイ、ハイセチンP。ハイセチン
- 関
- 抗菌薬。化膿性疾患用剤
特徴
- a broad-spectrum bacteriostatic agent ← クロラムフェニコール & テトラサイクリン
- 50SリボソームのA siteに結合してpeptide bond formationを妨げる。
- 静菌的に作用する。
- 毒性が強いので、激しい感染症のケース、または局所薬として用いられる。
作用機序
- リボソームの50Sサブユニットに作用
- inhibits 50S peptidyltransferase
適応
- 副作用のためUSでの使用は稀
- meningitis (Haemophilus influenzae, Neisseria meningitidis, Streptococcus pneumoniae).
禁忌
- 肝機能や腎機能が未熟なため
副作用
[★]
- 英
- colistin CL
- ラ
- colistinum
- 化
- 硫酸コリスチン colistin sulfate、コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム colistin sodium methane sulfonate
- 商
- コリマイシン、メタコリマイシン。(点眼液、眼軟膏)エコリシン、エリコリ(コリスチン、エリスロマイシン)。(点眼液、眼軟膏)コリナコール、コリマイ、オフサロン(クロラムフェニコール、コリスチン)。コリマイフォーム(フラジオマイシン、コリスチン)。polymyxin E
- 関
- 主としてグラム陰性菌に作用するもの
[★]
ジフェンヒドラミン
[★]
ヒドロコルチゾン、フラジオマイシン
[★]
- 英
- radio
- 関
- 放射性