パクリタキセル
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- Industrial Info. 新規パクリタキセル製剤(アブラキサン)の特徴
- P-0234 アブラキサン^[○!R]療法の導入とその評価(一般演題 ポスター発表,がん薬物療法(外来化学療法),Enjoy Pharmacists' Lifestyles)
- 柴田 佳子,星野 佑子,中野 知代,樋口 秀太郎,加藤 寛基,高橋 朋子,川上 和宜,伊藤 良則,濱 敏弘
- 日本医療薬学会年会講演要旨集 21, 220, 2011-09-09
- NAID 110008909703
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- 2010年7月23日、抗悪性腫瘍薬のパクリタキセル注射剤(アルブミン懸濁型)(商品名: アブラキサン点滴静注用100mg)が製造承認を取得した。承認された適応は「乳癌」で、 用法・用量は「1日1回260mg/m2を30分かけて点滴静注し、少なくとも20日休薬(1 ...
- アブラキサン®点滴静注用100mg(以下、本剤)は、人血清アルブミンにパクリタキセル を結合させ平均130nmにナノ粒子化した新剤型・新用量のパクリタキセル製剤です。 本 剤の有効成分であるパクリタキセルは水に極めて難溶であるため、本剤では人血清 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
アブラキサン点滴静注用 100mg
組成
成分・含量
添加物(1バイアル中)
備考
- 本剤の添加物の人血清アルブミンは、ヒトの血漿(採血国:米国、採血方法:非献血)を原材料としている。
禁忌
- 重篤な骨髄抑制のある患者[骨髄抑制は用量制限毒性(Dose Limiting Toxicity)であり、感染症を伴い、重篤化する可能性がある。]
- 感染症を合併している患者[骨髄抑制により、感染症を増悪させるおそれがある。]
- 本剤又はパクリタキセル、アルブミンに対し過敏症の既往歴のある患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能または効果
- 本剤の術前・術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
- 通常、成人にはパクリタキセルとして、1日1回260mg/m2(体表面積)を30分かけて点滴静注し、少なくとも20日休薬する。これを1コースとして、投与を繰り返す。
なお、患者の状態により適宜減量する。
他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
- 本剤の投与にあたっては下記に留意し、必要に応じ休薬、減量を実施すること。
好中球数及び血小板数の変動に十分留意し、次コース投与前の臨床検査で好中球数が1,500/mm3未満又は血小板数が100,000/mm3未満であれば、骨髄機能が回復するまでは投与を延期すること。投与後、好中球数が7日間以上にわたって500/mm3未満となった場合、血小板数が50,000/mm3未満になった場合、発熱性好中球減少症が発現した場合は次回の投与量を減量すること。
また、高度(Grade 3)な末梢神経障害が発現した場合には、軽快又は回復(Grade 1以下)するまで投与を延期し、次回の投与量を減量して投与すること。
減量段階:
通常投与量
1段階減量
2段階減量
慎重投与
- 骨髄抑制のある患者[骨髄抑制が増強するおそれがある。]
- 肝障害のある患者[代謝機能等が低下しているので、副作用が強くあらわれるおそれがある。]
- 腎障害のある患者[腎機能が低下しているので、副作用が強くあらわれるおそれがある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 間質性肺炎又は肺線維症のある患者[症状を増悪させるおそれがある。]
重大な副作用
白血球減少などの骨髄抑制:
- 好中球減少(80.1%)、白血球減少(71.7%)、リンパ球減少(45.6%)、貧血[ヘモグロビン減少(46.5%)、ヘマトクリット値減少(0.4%)、赤血球減少※等]、血小板減少(11.9%)、汎血球減少※等があらわれることがあるので、末梢血液の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、骨髄抑制の持続により、発熱性好中球減少症等の感染症の併発が報告されている。
末梢神経障害、麻痺:
- しびれなどの末梢神経障害(71.2%)、麻痺(0.4%)、片麻痺※、不全麻痺※があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、減量、休薬等適切な処置を行うこと。
脳神経麻痺:
- 顔面神経麻痺、声帯麻痺等の脳神経麻痺(0.4%)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、減量、休薬、中止等適切な処置を行うこと。
ショック、アナフィラキシー様症状:
- ショック※、アナフィラキシー様症状(1.3%)を起こすことがあるので観察を十分に行い、呼吸困難、胸痛、低血圧、頻脈、徐脈、潮紅、血管浮腫、発汗等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎、肺線維症:
- 間質性肺炎※、肺線維症※があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、咳嗽、呼吸困難及び胸部X 線検査異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
急性呼吸窮迫症候群:
- 急性呼吸窮迫症候群※※があらわれることがあるので、観察を十分に行い、急速に進行する呼吸困難、低酸素症、両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X 線異常等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
心筋梗塞、うっ血性心不全、心伝導障害:
- 心筋梗塞※※、うっ血性心不全(0.4%)、心伝導障害(0.9%)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。
脳卒中、肺塞栓、肺水腫、血栓性静脈炎:
- 脳卒中(0.4%)、肺塞栓※、肺水腫※、血栓性静脈炎※があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。
難聴、耳鳴:
- 難聴※、耳鳴(0.4%)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。
消化管壊死、消化管穿孔、消化管出血、消化管潰瘍:
- 消化管壊死※※、消化管穿孔※、消化管出血※、消化管潰瘍※があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重篤な腸炎:
- 出血性大腸炎※※、偽膜性大腸炎※、虚血性大腸炎※等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、激しい腹痛・下痢等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
腸管閉塞、腸管麻痺:
- 腸管閉塞※、腸管麻痺※(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹痛、腹部膨満あるいは腹部弛緩及び腸内容物のうっ滞等)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管閉塞、腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止し、腸管減圧法等の適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸:
- 肝機能障害(0.9%)、黄疸(0.4%)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
膵炎:
- 膵炎※※があらわれることがあるので、観察を十分に行い、血清アミラーゼ値等に異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
急性腎不全:
- 急性腎不全※があらわれることがあるので、観察を十分に行い、BUN、血清クレアチニン、クレアチニン・クリアランス値等に異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群):
- 中毒性表皮壊死融解症※、皮膚粘膜眼症候群※があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
播種性血管内凝固症候群(DIC):
- 播種性血管内凝固症候群(DIC)※※があらわれることがあるので、観察を十分に行い、血小板数、血清FDP値、血漿フィブリノゲン濃度等の血液検査に異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
抗腫瘍効果7)
- ヌードマウス可移植性ヒト乳癌(MX-1)の皮下移植腫瘍に対し、腫瘍退縮効果あるいは腫瘍増殖抑制効果が認められている。
作用機序8,9)
- 微小管蛋白重合を促進することにより微小管の安定化・過剰形成を引き起こし、紡錘体の機能を障害することにより細胞分裂を阻害して抗腫瘍活性を発揮する。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- (−)-(1S,2S,3R,4S,5R,7S,8S,10R,13S)-4,10-Diacetoxy-2-benzoyloxy-5,20-epoxy-1,7-dihydroxy-9-oxotax-11-en-13-yl (2R,3S)-3-benzoylamino-2-hydroxy-3-phenylpropionate
分子式
分子量
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- paclitaxel
- 商
- タキソール taxol TXL、(アルブミン添加)アブラキサン
- 関
- 抗悪性腫瘍薬
分類
適応
- パクリタキセル注
- 卵巣癌、非小細胞肺癌、乳癌、胃癌、子宮体癌、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、再発又は遠隔転移を有する食道癌、血管肉腫、進行又は再発の子宮頸癌
作用機序
- チューブリンの脱重合を抑制して、中間径フィラメントを安定化させることで有糸分裂期(M期)を停止させ、これにより細胞分裂を阻害 (⇔ ビンクリスチン)
重要な基本的注意
- 骨髄抑制。過敏反応。低血圧、高血圧、徐脈。関節痛(高頻度)、筋肉痛(高頻度)。発熱(高頻度)。末梢神経障害(高頻度)。感染症、出血傾向。
重大な副作用
[★]
商品
[★]
- 英
- bulla, pulmonary bulla
- 同
- 気腫性嚢胞 emphysematous bulla
- 関
- ブレブ
- ブラ bulla 気腫性嚢胞 肺胞が破壊されてできた肺実質内の気腔
- 肺胞壁の破壊、融合、拡張により生じた気腫 ただし胸膜の弾性板の内側に留まっている
[★]
- 英
- horse fly, deer fly
- ラ
- Tabanidae