- 英
- etoposide
- 同
- VP-16, VePesid
- 商
- ベプシド、ラステット
- 関
- 抗悪性腫瘍薬、トポイソメラーゼII阻害剤
- S期とG2期に特異的に作用
- トポイソメラーゼIIによるDNA鎖切断を阻害し、DNA合成を阻害
添付文書
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/4240403A2050_1_03/4240403A2050_1_03?view=body
参考
- http://www.genome.jp/dbget-bin/www_bget?dr_ja:D00125
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/05/03 18:10:52」(JST)
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エトポシド
|
IUPAC命名法による物質名 |
(-)-(5R,5aR,8aR,9S)-9-[ [4,6-O-(R)-エチリデン-β-D-グルコピラノシル]オキシ]-5,8,8a,9-テトラヒドロ-5-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシフェニル)フロ[3,4:6,7]ナフト[2,3-d]-1,3-ジオキソール-6(5aH)-オン |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
D(米国) |
法的規制 |
劇薬
指定医薬品
処方せん医薬品 |
投与方法 |
点滴静注、経口投与 |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
48.4% |
血漿タンパク結合 |
90.1%(1時間) |
代謝 |
肝臓(フェノール性グルクロン酸抱合) |
半減期 |
経口:6時間、静注:6-12時間(小児:3時間) |
排泄 |
尿・胆汁・糞中 |
識別 |
CAS登録番号 |
33419-42-0 |
ATCコード |
L01CB01 |
PubChem |
CID 36462 |
KEGG |
D00125 |
化学的データ |
化学式 |
C29H32O13 |
分子量 |
588.557 |
エトポシド(Etoposide)とは、メギ科の植物Podophyllum peltatumあるいはP.emodiの根茎から抽出した結晶性成分であるポドフィロトキシンを原料とし、1966年に合成された抗悪性腫瘍剤(抗がん剤)。商品名は、ラステット(販売:日本化薬)、ベプシド(販売:ブリストル・マイヤーズ)。VP-16という略号で表されることもある。
目次
- 1 作用機序
- 2 効能・効果
- 3 副作用
- 4 関連項目
- 5 外部リンク
- 6 参考資料
|
作用機序
エトポシドはDNAを切断した後、トポイソメラーゼIIと複合体を形成し、DNAの再結合を阻害する。この結果、DNAの複製阻害を引き起こす。また、細胞周期をG2/M期で停止させる作用がある。本剤は、このG2/M期とS期でよく作用する。
効能・効果
- 肺小細胞癌、悪性リンパ腫、急性白血病、睾丸腫瘍、膀胱癌、絨毛性疾患、胚細胞腫瘍(精巣腫瘍、卵巣腫瘍、性腺外腫瘍)
- 以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法
- 小児悪性固形腫瘍(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、網膜芽腫、肝芽腫その他肝原発悪性腫瘍、腎芽腫その他腎原発悪性腫瘍等)
副作用
骨髄抑制、ショック、間質性肺炎、AST (GOT) 上昇、ALT (GPT) 上昇、悪心・嘔吐、食欲不振、脱毛、倦怠感、発熱など。
関連項目
外部リンク
- ブリストル・マイヤーズ株式会社
- 日本化薬株式会社
- エトポシド注の安定性(2008/01/04)-医薬品情報21
参考資料
- 『ベプシド®注/S25,S50』医薬品インタビューフォーム・新様式第1版(ブリストル・マイヤーズ)
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- OP-189 神経内分泌癌に対してエトポシド+シスプラチン(EP)療法を施行した15例の臨床的検討(前立腺腫瘍/薬物療法2,一般演題口演,第99回日本泌尿器科学会総会)
- P2-13-23 子宮頸部神経内分泌腫瘍に対するシスプラチン・エトポシド併用同時化学放射線療法の検討(Group95 子宮頸部腫瘍・治療6,一般演題,第63回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 鈴木 義也,碓井 宏和,山本 憲子,錦見 恭子,植原 貴史,加藤 一喜,楯 真一,三橋 暁,生水 真紀夫
- 日本産科婦人科學會雜誌 63(2), 776, 2011-02-01
- NAID 110008509751
- 放射線化学療法に抵抗性を示した体細胞型腫瘍成分を有する前縦隔原発巨大胚細胞腫の1例
- 平井 慶充,吉増 達也,尾浦 正二,内藤 古真,中村 靖司,岡村 吉隆
- 日本呼吸器外科学会雑誌 = The journal of the Japanese Association for Chest Surgery 25(1), 31-36, 2011-01-15
- … 症例は34歳男性.嗄声,胸痛を主訴に受診.右胸腔に突出する10×15cmの腫瘤を認め,AFP,β-HCG高値より,非セミノーマ性縦隔胚細胞腫と診断.シスプラチン,エトポシドを含む放射線同時併用化学療法を2クール施行した.腫瘍マーカーは正常化したが,腫瘍はさらに増大した.初診から2ヵ月後に手術を施行した.術後の病理診断は体細胞型腫瘍成分を有する胚細胞腫瘍(以下GCTSTM)であった.術後37日後に再発,その後 …
- NAID 10027421641
Related Links
- エトポシドは北米原産の植物アメリカミヤオソウの根茎に含まれるポドフィロトキシンの誘導体を用いた抗がん剤です。注射剤と内服薬があり、どちらも小細胞がん、悪性リンパ腫に用いられます。それ以外に、注射剤は急性白血病 ...
- ベプシド,ラステットSとは?エトポシドの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。 すべての副作用を掲載しているわけではありません。
- 作成又は改訂年月 ** 2011年3月改訂 (第5版) * 2009年7月改訂 日本標準商品分類番号 87424 薬効分類名 抗悪性腫瘍剤 承認等 販売名 エトポシド点滴静注液100mg「サンド」 販売名コード 4240403A2069 承認・許可番号 承認番号
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
エトポシド点滴静注100mg「タイヨー」
組成
- 1バイアル(5mL)中:エトポシド ………………………………100mg
〈添加物〉
ポリソルベート80 …………………400mg
マクロゴール400 …………………3000mg
無水エタノール…………………………適量
無水クエン酸
禁忌
- 重篤な骨髄抑制のある患者[骨髄抑制は用量規制因子であり、感染症又は出血を伴い、重篤化する可能性がある]
- 本剤に対する重篤な過敏症の既往歴のある患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人 (「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能または効果
- 肺小細胞癌、悪性リンパ腫、急性白血病、睾丸腫瘍、膀胱癌、絨毛性疾患、胚細胞腫瘍(精巣腫瘍、卵巣腫瘍、性腺外腫瘍)
- 以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法
小児悪性固形腫瘍(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、網膜芽腫、肝芽腫その他肝原発悪性腫瘍、腎芽腫その他腎原発悪性腫瘍等)
- 1.エトポシドとして、1日量60〜100mg/m2(体表面積)を5日間連続点滴静注し、3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
なお、投与量は疾患、症状により適宜増減する。
- 2.胚細胞腫瘍に対しては、 確立された標準的な他の抗悪性腫瘍剤との併用療法を行い、エトポシドとして、1日量100mg/m2(体表面積)を5日間連続点滴静注し、16日間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
- 小児悪性固形腫瘍(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、網膜芽腫、肝芽腫その他肝原発悪性腫瘍、腎芽腫その他腎原発悪性腫瘍等)に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合
- 3.他の抗悪性腫瘍剤との併用において、エトポシドの投与量及び投与方法は、1日量100〜150mg/m2(体表面積)を3〜5日間連続点滴静注し、3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
なお、投与量及び投与日数は疾患、症状、併用する他の抗悪性腫瘍剤により適宜減ずる。
- 本剤の投与時には予め100mgあたり250mL以上の生理食塩液等の輸液に混和し、30分以上かけて点滴静注する。(「適用上の注意」の項参照)
- 胚細胞腫瘍に対する確立された標準的な他の抗悪性腫瘍剤との併用療法(BEP療法(ブレオマイシン塩酸塩、エトポシド、シスプラチン併用療法))においては、併用薬剤の添付文書を熟読すること。
- 小児悪性固形腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法においては、併用薬剤の添付文書を熟読すること。
- 再発・難治性悪性リンパ腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法においては、関連文献(「抗がん剤報告書:シスプラチン(悪性リンパ腫)」等)及び併用薬剤の添付文書を熟読すること。
慎重投与
- 骨髄抑制のある患者[骨髄抑制を増悪させることがある]
- 肝障害のある患者[代謝機能等が低下しているので、副作用が強くあらわれることがある]
- 腎障害のある患者[腎機能が低下しているので、副作用が強くあらわれることがある]
- 感染症を合併している患者[骨髄抑制により、感染症を増悪させることがある]
- 水痘患者[致命的全身症状があらわれるおそれがある]
- 高齢者 (「高齢者への投与」の項参照)
- 小児 (「小児等への投与」の項参照)
- 長期間使用している患者[骨髄抑制等が強くあらわれ、遷延性に推移することがある]
重大な副作用
- 汎血球減少等の骨髄抑制 汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、出血、貧血等があらわれることがあるので、頻回に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬、中止等の適切な処置を行うこと。
- ショック、アナフィラキシー様症状 ショック、アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので、観察を十分に行い、チアノーゼ、呼吸困難、胸内苦悶、血圧低下等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 間質性肺炎 発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- エトポシドは、トポイソメラーゼIIと結合して安定複合体を形成し、切断されたDNAの再結合を阻害することにより、殺細胞作用を発揮する。この作用の強さは、作用濃度と作用時間の双方に依存しており、細胞周期がS期後半からG2/M期にある細胞が高い感受性を示す。肺小細胞癌や悪性リンパ腫などに有効である。1)
有効成分に関する理化学的知見
★リンクテーブル★
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
- hydatid mole
- 英
- hydatidiform mole, hydatid mole
- ラ
- mola hydatidosa
- 関
概念
- 妊娠時に、妊卵由来の絨毛が水腫様変化を起こしたもの。
- 肉眼的に絨毛の嚢胞化がみられる。嚢胞化とは腫大した絨毛の短径が2mmを超えるもの(参考1)。 ⇔ 2mm未満で絨毛間質の水腫化が認められるものは顕微鏡的奇胎とし、胞状奇胎とはしないとする(参考1)。
疫学
- 日本を含む東南アジア、メキシコに多い。
- 頻度は350分娩に1胞状奇胎である。
- 発生数は生殖年齢(20-30歳代)に多い。(G9M.182)
- 発生年齢は40歳以上の高年妊娠に多く発生し(10-30倍)、妊娠可能年齢の終わりに近づくほど高くなる。
分類
発生機序による分類
進展性による分類
病因
- 雄性接合子:胎盤の形成に関与 → 倍加して二倍体の精子が染色体を欠いた卵子と受精した場合に胎盤のみが増殖 → 全胞状奇胎(complete hydatidiform mole)
- 雌性接合子:胎芽の形成に関与 → 高齢になるに従い、卵の加齢による染色体を欠いた異常な卵の出現頻度が高まり全胞状奇胎の原因となってくる。
症候
- HBEsT (NGY.243)
- 1. history(病歴): 妊娠の成立を示す所見(無月経、つわりなど)
- 2. bleeding(子宮出血):切迫流産様の異常出血
- 3. enlargement and softness(子宮の増大と軟化):妊娠週数に比して過度に腫大して軟化
- 4. toxemia(妊娠高血圧症候群):浮腫、高血圧、タンパク尿
- 不正性器出血(90%)、悪阻(30-40%) (G9M.182)
- 部分胞状奇胎の場合には典型的な症状を示さないことが多い。
- 黄体嚢胞による卵巣腫大が認められる(NGY.243)
検査
- 経腟超音波検査:子宮腔内の大小の低輝度・高輝度混在
[show details]
治療
- 子宮内容除去術を施行し、1週間後に再施行する。hCGを5週(103mIU/ml)、8週(102mIU/ml)、20週(cut off値以下)となれば、経過順調型(I型)とされる。以降、4年以上はhCG測定、基礎体温測定、胸部X撮影を行い、フォローする。(NGY.243)
- hCG値の低下が悪い場合、子宮内胞状奇胎遺残、進入胞状奇胎、転移性胞状奇胎が考えられ、それぞれ子宮内容除去術、化学療法もしくは子宮摘出術、化学療法を行う。
- 40歳以上では絨毛癌の頻度が高くなるため、40歳以上で挙児希望の場合は子宮全摘術を考慮。(G9M.182)
続発症
参考
- 1. D.産科疾患の診断・治療・管理 6.異常妊娠 - 日産婦誌59巻11号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/59/5911-682.pdf
国試
Table 19-3. Features of Complete and Partial Hydatidiform Mole
|
Feature
|
complete mole
|
partial mole
|
Karyotype
|
46,XX (46,XY)
|
Triploid (69,XXY)
|
Villous edema
|
All villi
|
Some villi
|
Trophoblast proliferation
|
Diffuse; circumferential
|
Focal; slight
|
Atypia
|
Often present
|
Absent
|
Serum hCG
|
Elevated
|
Less elevated
|
hCG in tissue
|
++++
|
+
|
Behavior
|
2% choriocarcinoma
|
Rare choriocarcinoma
|
AFP
|
-
|
+
|
fatus
|
-
|
+
|
[★]
- chorio
- 英
- choriocarcinoma
- 同
- 絨毛上皮腫 chorioepithelioma
- 関
- 悪性合胞体腫、絨毛疾患
疫学
- 日本、東南アジア、中東、ラテンアメリカに多い
- 人口10万人にたいして年間0.05人
- 正常妊娠からは5-10万例に1例、全胞状奇胎の1-2%に発症、部分胞状奇胎では稀とされる(G9M.184)
病理
- NGY.242
- 組織構造:絨毛構造無し。破壊的増殖。出血、壊死。
- 細胞形態:細胞性、合胞体、中間型栄養膜細胞に類似した細胞。破壊的な増殖像。細胞異型あり
failpicload@./t_image/097D023.jpg
転移
治療
-
- 手術療法:子宮、肺の病変に関しては適応となることがある。
- 放射線療法:脳、肝臓に対して行われる。
参考
- 1. [charged]Malignant gestational trophoblastic disease: Staging and treatment - uptodate
[1]
国試
[★]
- 関
- トポイソメラーゼII、抗悪性腫瘍薬
[show details]
- 副作用:二次白血病。治療開始から2-3年後にAMLを経ずにAMLを発症。11q23の以上を含む事が多い。
[★]
- 関
- 精巣腫瘍
- エトポシド etoposide 75mg/m2 Day1-5
- イホスファミド ifosfamide 1200mg/m2 Day1-5
- メスナ mesna 120mg/m2 before Ifosfamide on Day1
- メスナ mesna 1200mg/m2 Day1-5
- シスプラチン cisplatin 20mg/m2 Day1-5
- repeat every 21 days
参考
- http://www.chp-kagawa.jp/docs/seisou.pdf
[★]
商品
[★]
- 英
- topo
- 関
- 位置、場所