- 推定年齢60歳の男性。路上で突然倒れるところを目撃され、救急車で搬入された。
- 高度の意識障害があり、疼痛刺激に対して左手で払いのける動作をする。右上下肢を全く動かさず、発語はない。
- 発症1時間後に頭部単純CTを撮影し、引き続き脳血管造影を施行した。左内頚動脈造影の側面像を以下に示す。
- この患者の頭部単純CTは以下①~⑤のどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098A042]←[国試_098]→[098A044]
★リンクテーブル★
[★]
- 60歳の男性。足に力が入らず歩きにくいことを主訴に来院した。6か月前から両下肢遠位部の筋力低下が出現し、徐々に進行してきた。家族歴に類症はない。両下肢の遠位部に筋力低下と筋萎縮とを認める。感覚障害はない。四肢で深部反射が亢進し、Babinski徴候は両側で陽性である,頭部と脊髄とのMRIに異常なく、神経伝導速度は正常である。
- 次に行う検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098A043]←[国試_098]→[098A045]
[★]
- 80歳の男性。半年前から便秘気味であったが、最近、排尿時に気泡がブツブツと出てくるのに気付いて受診した。下腹部に痛みはない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血1+、尿沈渣に赤血球3~5/1視野、白血球5~10/1視野、桿菌3+、食物残渣1+。血液所見と血清生化学所見とに異常はない。
[正答]
※国試ナビ4※ [098A041]←[国試_098]→[098A043]
[★]
- 英
- cerebral infarction, brain infarction
- 関
- 一過性脳虚血発作 transient ischemic attack TIA
- 関
- 脳塞栓症、脳血栓症
- 神経系 091015II(脳梗塞における血液マーカー),091016III,091016IV
疫学
- 脳卒中に占める割合:アテローム血栓性梗塞24.1%、ラクナ梗塞22.7%、心原性脳塞栓症19.2%、その他の脳梗塞5.1% (ガイドライン1)
分類
- 定義:脳を灌流する頭蓋内外の主幹動脈のアテローム硬化を原因とする梗塞
- 機序:塞栓性、血栓性、血行力学性
- 血栓性:アテロームプラークの破綻→血管内皮下組織への血小板の付着→血小板活性化・凝集→(主に)血小板凝集塊の形成
- 血行力学性:主幹動脈の狭窄や閉塞
- 好発部位:内頚動脈(起始部、サイフォン部)、中大脳動脈(水平部)、後大脳動脈(近位部)、椎骨動脈(起始部、終末部)、脳底動脈
- 危険因子:高血圧、糖尿病、高脂血症
- 定義:心臓内の栓子や心臓を経由する栓子が急激に脳動脈を閉塞する
- 機序:塞栓性
- 塞栓性:血液うっ滞→血液凝固カスケードの活性化→トロンビン生成の亢進→フィブリン形成の進展
- 定義:一本の穿通枝動脈閉塞による直径1.5cm未満の小さな梗塞
- 機序:細小動脈硬化、微小塞栓、血栓・塞栓症、血行力学性
- 細小動脈硬化:高血圧に対抗してリポヒアリノーシス(微小動脈硬化・血管硬化)が起こり血管が狭窄
- 微小塞栓:脳内外の微少な塞栓物質による
- 穿通枝動脈の微小粥腫
- 穿通枝分岐部の分枝粥腫(cf.branch atheromatous disease, BAD)→穿通枝動脈が起始部から閉塞して起こる
- 危険因子:高齢、高血圧
- 好発部位:基底核、比較、橋、支障、内包後脚、側脳室外側の大脳深部白質
比較
- SQ.515
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アテローム血栓性脳梗塞
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ラクナ梗塞
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心原性脳塞栓
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発症機序
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血栓性 塞栓性 血行力学性
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血栓症
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塞栓性
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好発年齢
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高齢者
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高齢者
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若年者もあり
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発症時刻
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起床時
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覚醒時
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日中活動時
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発症様式
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緩徐進行
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比較的緩徐進行
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突発的
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意識障害
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軽度
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なし
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しばしば高度
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大脳皮質症状
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時にあり
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なし
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あり
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基礎疾患
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高血圧 糖尿病 高脂血症
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高血圧
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心疾患
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リスクファクター
- 高血圧、心筋梗塞、心房細動、糖尿病、高脂血症、無症候性頚動脈病変
- 血圧:(脳梗塞全般)140/90mmHg以上。(ラクナ梗塞)130/85mmHg以上
生活習慣因子
検査
- 画像検査では超急性期には拡散強調画像が有用。CTではearly CT signを確認する。
CT
early CT sign
MRI
- 拡散強調画像:超急性期で梗塞部が高信号を呈する。
- T1:急性期以降(1日~)に低信号
- T2:6時間以降に高信号を呈する(細胞腫脹)。
治療
予後
- ガイドライン1
- 入院時NIH Stroke Scale(NIHSS)スコアの中央値:ラクナ梗塞4、アテローム血栓性脳梗塞6、心原性脳塞栓症14、その他5
- 退院時のmodified Rankin Scale(mRS)3-5の転帰不良(及び死亡)の割合:ラクナ梗塞22.6%(死亡率1.1%)、アテローム血栓性脳梗塞41.4%(6.9%)、心原性脳塞栓症44.8%(18.6%)、29.8%(10.3%)
- 重症度:心原性脳塞栓症>アテローム血栓性脳梗塞>ラクナ梗塞
国試
ガイドライン
- http://www.jsts.gr.jp/jss08.html