スンベプラ

商品名

  • スンベプラ

会社名

  • ブリストル・マイヤーズ

成分

薬効分類

  • 抗ウイルス剤/HCV NS3/ 4Aプロテアーゼ阻害剤

薬効

  • セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるインターフェロンを含む治療法に不適格の未治療あるいは不耐容の患者又はインターフェロンを含む治療法で無効となった患者のウイルス血症の改善を効能・効果とする新有効成分含有医薬品

【優先審査】

Japan Pharmaceutical Reference

薬効分類名

  • 抗ウイルス剤/HCV NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤

販売名

スンベプラカプセル100mg

組成

  • スンベプラカプセル100mgは1カプセル中アスナプレビル100mgを含有する。
    なお,添加剤として,中鎖脂肪酸トリグリセリド,カプリル酸カプリン酸モノグリセリド,ポリソルベート80及びジブチルヒドロキシトルエン,また,カプセル本体にゼラチン,トウモロコシデンプン由来糖アルコール液,濃グリセリン及び酸化チタンを含有する。

禁忌

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 中等度以上(Child-Pugh分類B又はC)の肝機能障害又は非代償性肝疾患のある患者[本剤の血中濃度が上昇する。](「薬物動態」の項参照)
  • *次の薬剤を使用中の患者:イトラコナゾール,フルコナゾール,ホスフルコナゾール,ボリコナゾール,ミコナゾール(経口又は注射剤),クラリスロマイシン,エリスロマイシン,ジルチアゼム,ベラパミル塩酸塩,コビシスタットを含有する製剤,テラプレビル,リトナビル,アタザナビル硫酸塩,インジナビル硫酸塩エタノール付加物,サキナビルメシル酸塩,ダルナビルエタノール付加物,ネルフィナビルメシル酸塩,ホスアンプレナビルカルシウム水和物,ロピナビル/リトナビル,オムビタスビル水和物/パリタプレビル水和物/リトナビル,リファンピシン,リファブチン,フェニトイン,ホスフェニトインナトリウム水和物,カルバマゼピン,フェノバルビタール,デキサメタゾン全身投与,モダフィニル,エファビレンツ,エトラビリン,ネビラピン,ボセンタン水和物,セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品,シクロスポリン,フレカイニド,プロパフェノン(「相互作用」の項参照)

効能または効果

  • セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善
  • 本剤の使用に際しては,HCV RNAが陽性であることを確認すること。また,肝予備能,臨床症状等により,非代償性肝硬変でないことを確認すること。
  • ウイルス性肝疾患の治療に十分な知識・経験を持つ医師が臨床成績の内容を熟知した上で,投与の可否を判断すること。(「その他の注意」,「臨床成績」の項参照)なお,インターフェロンを含む治療法のうち,他のプロテアーゼ阻害剤による既治療患者に対する投与経験はない。これらの患者に対しては,前治療の種類,前治療に対する反応性,耐性変異の有無,患者の忍容性等を考慮すること。
  • 通常,成人にはアスナプレビルとして1回100mgを1日2回経口投与する。
    本剤はダクラタスビル塩酸塩と併用し,投与期間は24週間とする。
  • 投与開始時は,本剤及びダクラタスビル塩酸塩を同時に投与し,投与開始後は用量の変更及び投与の中断をしないこと。ただし,副作用の発現により投与の継続が困難な場合には,本剤及びダクラタスビル塩酸塩を同時に中断すること。投与再開の可否については,リスクとベネフィットを考慮して慎重に判断し,投与を再開する場合は,本剤及びダクラタスビル塩酸塩を同時に再開すること。
  • 本剤投与中は,血中HCV RNA量を測定すること。ウイルス学的ブレイクスルー(投与中に血中HCV RNA量が最低値から1log10を超えて増加)が発現した場合は,本剤及びダクラタスビル塩酸塩の投与中止を考慮すること。

慎重投与

  • 重度の腎機能障害患者[血液透析を行っていない場合,本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。](「薬物動態」の項参照)
  • B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者[再活性化するおそれがある。](「重要な基本的注意」の項参照)

重大な副作用

肝機能障害,肝不全:

  • ALT(GPT)増加(8.6%注1)),AST(GOT)増加(5.6%注1)),血中ビリルビン増加(0.5%注2)),プロトロンビン時間延長,アルブミン低下等があらわれ,黄疸,腹水,肝性脳症等を伴う肝不全に至ることがある。投与開始12週目までは少なくとも2週ごと,それ以降は4週ごとに肝機能検査を行うこと。肝機能の悪化が認められた場合には,より頻回に検査を行い,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。ALT(GPT)が基準値上限10倍以上に上昇した場合には,直ちに投与を中止し,再投与しないこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
  • 注1)基準値上限5倍超
  • 注2)基準値上限2.5倍超

多形紅斑(頻度不明):

  • 多形紅斑があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

血小板減少(頻度不明):

  • 血小板減少があらわれることがあるので,定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

間質性肺炎(頻度不明):

  • 間質性肺炎があらわれることがあるので,咳嗽,呼吸困難,発熱,肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には,胸部X線,胸部CT,血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。

薬効薬理

作用機序31),32)

  • アスナプレビルは,HCV NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤である。NS3/4Aプロテアーゼは,ウイルス複製に必要な成熟したウイルス蛋白産生のためのHCVポリ蛋白プロセシングに関与する。

抗ウイルス活性31)〜34)

  • 生化学的試験において,アスナプレビルはHCVジェノタイプ1(1a及び1b)のNS3/4Aプロテアーゼに対して強力な阻害作用を示し(IC50値:1a 0.7〜1.8nmol/L,1b 0.3nmol/L),ジェノタイプ2(2a及び2b)に対する阻害作用は弱かった(IC50値:2a 15nmol/L,2b 78nmol/L)。HCVレプリコンアッセイにおいて,アスナプレビルはジェノタイプ1a,1b及び2aのレプリコンに対してそれぞれEC50値4nmol/L,1.2nmol/L,及び230nmol/Lの阻害作用を示した。
    また,HCVレプリコンアッセイを用いた併用試験において,アスナプレビルは,ダクラタスビル,インターフェロン アルファ又はリバビリンとの併用で,相加又は相乗効果を示した。

薬剤耐性35)

  • ジェノタイプ1bのC型慢性肝炎患者を対象にアスナプレビル及びダクラタスビル塩酸塩を併用投与した臨床試験において,SVR24未達成の患者では,無効時点で,概してアスナプレビルに対する耐性置換(NS3-D168の置換)がダクラタスビルに対する耐性置換(NS5A-Y93及び/又はL31の置換)とともに検出された。
    HCVレプリコン細胞をアスナプレビル存在下で培養した結果,アスナプレビルに対する耐性が生じた。耐性化したジェノタイプ1bレプリコンのNS3プロテアーゼドメインの遺伝子を解析した結果,活性部位のアミノ酸残基に変異が認められ,NS3プロテアーゼのD168のA,G,H,V又はYへの置換が耐性の原因であることが確認された。これらの置換を有するジェノタイプ1bの組換えレプリコンに対するEC50値は野生型の16〜280倍であった。

交差耐性31),36)

  • アスナプレビルの耐性置換を有するHCVレプリコンは,NS5A阻害剤のような異なる作用機序を有する直接作用型抗ウイルス剤に対して十分な感受性を有していた。テラプレビル投与によりHCV RNAが陰性化しなかったC型慢性肝炎患者において検出されたV36及びT54のNS3におけるアミノ酸置換は,アスナプレビルの抗HCV活性に軽微な影響しか及ぼさなかったが,R155K,V36M+R155K及びA156T/Vでは,アスナプレビルの抗HCV活性が1/55〜1/6に低下した。また,シメプレビルの主要な耐性置換はNS3のF43,Q80,R155,A156及びD168で認められ,これらの置換に対するアスナプレビルのEC50値は,シメプレビルのEC50値の約1/26〜1/2であった。

有効成分に関する理化学的知見

一般名:

  • アスナプレビル(Asunaprevir)

化学名:

  • 1,1-Dimethylethyl{(2S)-1-[(2S,4R)-4-({7-chloro-4-methoxyisoquinolin-1-yl}oxy)-2-({(1R,2S)-1-[(cyclopropanesulfonyl)carbamoyl]-2-ethenylcyclopropyl}carbamoyl)pyrrolidin-1-yl]-3,3-dimethyl-1-oxobutan-2-yl}carbamate

分子式:

  • C35H46ClN5O9S

分子量:

  • 748.29
  • アスナプレビルは白色〜微黄白色の粉末である。アセトニトリル又はジメチルスルホキシドに極めて溶けやすく,エタノール(99.5)にやや溶けにくく,水にほとんど溶けない。