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薬効
- セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善を効能・効果とする新有効成分含有医薬品
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Japanese Journal
- 新薬くろ~ずあっぷ(196)エレルサ錠50mg(エルバスビル)+グラジナ錠50mg(グラゾプレビル水和物)併用療法
- 新薬NEWS 〔日本標準商品分類番号〕87625 抗ウイルス剤 エルバスビル錠/グラゾプレビル錠(エレルサ錠50mg/グラジナ錠50mg)
- 東京都病院薬剤師会雑誌 = Journal of the Tokyo Metropolitan Society of Health System Pharmacists 66(2), 115-119, 2017-03-01
- NAID 40021121568
- 新規C型肝炎治療薬エルバスビル(エレルサ<sup>®</sup>錠50 mg)・グラゾプレビル(グラジナ<sup>®</sup>錠50 mg)の薬理作用と臨床試験成績
- 木下 潔,岩佐 隆史,Ernest Asante-Appiah,中村 圭介
- 日本薬理学雑誌 150(1), 41-53, 2017
- … <p>エルバスビル(エレルサ<sup>®</sup>)+グラゾプレビル(グラジナ<sup>®</sup>)併用療法は,セログループ1(genotype 1)のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変を対象とした,インターフェロン(IFN)フリーの直接作用型抗ウイルス薬(DAA)による治療法である.エルバスビルはC型肝炎ウイルス(HCV)の非構造タンパク質5A(NS5A)複製複合体の阻害薬であり,グラゾプレビルは非構造タンパク質3/4A(NS3/ …
- NAID 130005712456
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
エレルサ錠50mg
組成
有効成分の名称
含量
添加物
- ヒプロメロース、コハク酸ビタミンEポリエチレングリコール、結晶セルロース、乳糖水和物、クロスカルメロースナトリウム、塩化ナトリウム、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、酸化チタン、マクロゴール4000、タルク、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、黒酸化鉄
効能または効果
- セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善
- 本剤の使用に際しては、HCV RNAが陽性であることを確認すること。また、肝予備能、臨床症状等により、非代償性肝硬変でないことを確認すること。
- 通常、成人にはエルバスビルとして50mgを1日1回経口投与する。
本剤はグラゾプレビルと併用し、投与期間は12週間とする。
- 本剤の単独投与は行わないこと。(本剤の単独投与による有効性及び安全性は確立していない。)グラゾプレビルの投与を中止する場合は、本剤の投与も中止すること。
慎重投与
- B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者[再活性化するおそれがある。](「重要な基本的注意」の項参照)
重大な副作用
肝機能障害
- AST(GOT)増加(1.4%)注)、ALT(GPT)増加(2.0%)注)等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
作用機序
- エルバスビルはHCV NS5Aに対する阻害薬である34)。HCV NS5AはウイルスRNA複製及びHCVの粒子形成に必須の蛋白である。
抗ウイルス活性
- HCVレプリコンアッセイにおいて、エルバスビルはジェノタイプ1a、1b、2、3、4、5の完全長HCVレプリコン細胞及びジェノタイプ6のキメラHCVレプリコン細胞に対して複製阻害活性を示し、EC50値はそれぞれ0.004、0.003、0.003、0.14、0.0003、0.001及び0.009nMであった34)。
また、臨床分離株由来のジェノタイプ1a、1b、2、3、4、5及び6のキメラレプリコン細胞におけるエルバスビルの複製阻害活性(EC50値の中央値)は、それぞれ0.005、0.009、1.85、0.02、0.0007、0.0007及び0.016nMであった34)〜36)。
薬剤耐性
- NS5A阻害薬でみられた既知の変異を組み込んだHCVレプリコン細胞に対するエルバスビルの作用を検討したところ、ジェノタイプ1aではNS5A領域のM28A/T、Q30D/E/H/K/R、L31M/V、H58D及びY93C/H/Nの変異によりエルバスビルの活性が1/6から1/2000に減弱した34)、37)。ジェノタイプ1bではNS5A領域のL28M、L31F及びY93Hの変異によりエルバスビルの活性が1/2から1/17に減弱した34)。
エルバスビル及びグラゾプレビルを併用した国内第II/III相試験より、ジェノタイプ1bのC型慢性肝炎患者又はC型代償性肝硬変患者では投与開始前にNS5A領域の耐性変異が検出された患者、検出されなかった患者でのSVR12率はそれぞれ93%(52/56例)及び99%(257/260例)であった。治療非奏効かつ配列情報を得られた患者(7例)の耐性変異を解析した。NS5A領域の耐性変異は、治療非奏効となった7例全例で検出された。治療非奏効となった患者は全例ジェノタイプ1bであり、NS5A領域の耐性変異としてY93H(7例)及びL31M(4例)がみられた32)。
ジェノタイプ1aの患者5例は、投与開始前に検出されたNS5A領域の耐性変異の有無にかかわらず、全例SVR12を達成した32)。
エルバスビル及びグラゾプレビルの併用並びに両剤にリバビリンを併用した海外第II/III相試験の併合解析では、未治療及び既治療(ペグインターフェロン及びリバビリンによる2剤併用療法又はHCVプロテアーゼ阻害剤を追加した3剤併用療法)のジェノタイプ1aのC型慢性肝炎患者又はC型代償性肝硬変患者において、投与開始前にNS5A領域の耐性変異(エルバスビルへの感受性低下が5倍を超える変異)が検出された患者でのSVR12率はそれぞれ55%(16/29例)及び50%(13/26例)、NS5A領域の耐性変異が検出されなかった患者ではそれぞれ98%(432/439例)及び99%(291/295例)であった。
エルバスビル及びグラゾプレビルの併用並びに両剤にリバビリンを併用した海外第II/III相試験の併合解析では、未治療のジェノタイプ1bのC型慢性肝炎患者又はC型代償性肝硬変患者において、投与開始前にNS5A領域の耐性変異が検出された患者、検出されなかった患者でのSVR12率はそれぞれ97%(38/39例)及び99%(239/242例)であった。既治療のジェノタイプ1bのC型慢性肝炎患者又はC型代償性肝硬変患者では、投与開始前にNS5A領域の耐性変異が検出された患者、検出されなかった患者でのSVR12率はそれぞれ86%(31/36例)及び100%(223/223例)であった37)。
交差耐性
- HCVジェノタイプ1レプリコン細胞系でのin vitro交差耐性試験において、他のNS5A阻害薬に耐性を示すジェノタイプ1aではM28V及びQ30Lの、ジェノタイプ1bではL28M/V、R30Q、L31V及びY93CのNS5A領域の変異に対し、エルバスビルの活性がみられた。概して、NS5A阻害薬でみられる他のNS5A領域の耐性変異はエルバスビルの活性を減弱させる可能性がある。また、エルバスビルの活性を減弱させるNS5A領域の耐性変異は、他のNS5A阻害薬の活性を減弱させる可能性がある。NS3/4A阻害薬でみられる一連の耐性変異に対して、エルバスビルの阻害活性に影響はみられなかった34)、38)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- Dimethyl N,N'-([(6S)-6-phenyl-6H-indolo[1,2-c][1,3]benzoxazine-3,10-diyl]bis{1H-imidazole-5,2-diyl-(2S)-pyrrolidine-2,1-diyl[(2S)-3-methyl-1-oxobutane-1,2-diyl]})biscarbamate
分子式
分子量
性状
- 白色の粉末である。アセトン又は酢酸エチルに極めて溶けやすく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- hepatitis C HC
- 関
- C型肝炎ウイルス、慢性肝炎、肝炎。C型慢性肝炎。非A非B型肝炎
まとめ
- RNAウイルスでありエンベロープを有するフラビウイルスに属するC型肝炎ウイルスの感染により生じる肝炎である。潜伏期は60日程度であり、発症は潜行性である。感染経路は血液の接触に夜物が多い。劇症化することは稀(0.1%)であるが、非常に慢性化しやすい(85%)。慢性化例では肝機能の低下・荒廃を来しついには肝細胞癌を生じる。日本に多い1b型(70%)はインターフェロンが奏効しにくい。治療はインターフェロンとリバビリンである。予防は感染源との接触を避けることである。
概念
- C型肝炎ウイルスによる感染症である。
- 五類感染症(全数把握)
- C型肝炎ウイルスの感染により生じる。C型急性肝炎はA型やB型に比べて自覚症状は軽く劇症化することは稀であるが、70%程度の例でC型慢性肝炎に移行する(A-E型肝炎の中で最高)。以前は非A非B型肝炎と呼ばれており、同定されたのは1989年で、検出系が確立されたのは1988年である。
疫学
- C型肝炎患者+持続感染者(キャリア):150-200万人(参考1)
- C型肝炎患者数:C型ウイルス肝炎の総患者数は34万7千人(2005年10月時点, 『患者調査』【Z41-842】2005年版 上巻(全国編)p.652)(参考5)
病原体
- C型肝炎ウイルス:遺伝子型(1b型: 70%、2a型: 20%、2b型: 8-10%)
感染経路
- 血液感染:輸血(第二世代HCV抗体導入後は輸血後肝炎の発生はほとんどない)、針刺し事故、入れ墨、覚醒剤の回し打ち。頻度が比較的多い
- 性的接触:B型肝炎ウイルスに比較すると頻度は少ない。
- 垂直感染:低率
経過
- 自然治癒は稀
- 10-30年の経過で肝硬変 → 肝細胞癌
- 癌化には5,11,17番染色体の染色体異常が関わっている?
- HCVの初感染から30年間以上経過している患者では年間の肝細胞癌発症率は1-4%である(HIM.1963)
- C型肝炎を背景に肝細胞癌を発症した場合、C型肝炎ウイルスを駆逐し、肝細胞癌が治癒した後であっても発癌リスクは変わらない、らしい(出典不明)
症状
- 慢性肝炎では多くの場合症状が無くトランスアミナーゼ上昇のみで、長い経過の中で肝硬変や肝細胞癌を発症する。
合併症
検査
-
- 2. HCVコア抗体:コア粒子
- 3. E2/NS-1抗体:エンベロープ
- 4. NS抗体、C100-3抗体C-33c抗体、NS5抗体:被構造タンパク
- NATによるHCV-RNAの検出。ウインドウ期は1-2週間
病態の評価 - 目的別
- 肝障害の評価 → ALT
- 残存肝機能 → 血小板数(肝臓で産生されるトロンボポエチンを反映するはず)
- 治療効果判定 → HCV-RNA
治療
- インターフェロンとリバビリンの併用が有効な治療法とされたが、HCVが排除され肝炎が治癒する確率は40~50%程度であった。
- 近年核酸アナログの開発により、肝炎の治療が進展してきた。
抗ウイルス薬 - C型肝炎
治療フローチャート
治療に影響を及ぼす因子
- HCV RNA(少ない方が良い)、遺伝子型(2型が良好)、線維化(軽度)、年齢、性別、血小板。(参考(3))
- 年齢<45、感染期間が短い、HCV RNAが少ないこと、遺伝子型が1型でないこと(HIM.1095)
- HCV-RNA量、HCB遺伝子型、肝組織化の程度(QB.B-282)
B型肝炎とC型肝炎の比較
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B型肝炎
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C型肝炎
|
ソース
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感染の特徴
|
慢性の肝細胞障害、 integrationによる変異誘発?
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慢性の肝細胞障害
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根拠なし
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劇症化
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0.1-1%
|
0.1%
|
HIM
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慢性化率
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1-10%
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85%
|
HIM
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キャリア化
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稀。通常、母子感染でおこる
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医学辞書
|
肝細胞癌患者中
|
約20%
|
約70%
|
QB.B-281
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肝細胞癌患者年齢
|
若年発症
|
|
QB.B-281
|
肝細胞癌発症形式
|
突発あり
|
緩徐進展
|
QB.B-281
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遺伝子型
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B型肝炎ウイルス#遺伝子型
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A型、C型
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1b型、2a型,、2b型
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日本ではC型多く、重症化しやすいが、慢性化しにくい。しかし、インターフェロン奏効しにくく、肝細胞癌発症しやすい。
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日本では1b型多い。インターフェロン奏効しづらい(15%)。平均は2型は奏効しやすい(80%以上でウイルス排除)
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治療
|
インターフェロン ラミブジン アデフォビル エンテカビル テルビブジン
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ペグインターフェロン+リバビリン
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参考
- http://www.c-kan.net/
- 2. 独立行政法人国立国際医療研究センター 肝炎情報センター│C型肝炎およびC型肝炎ウイルス
- http://www.ncgm.go.jp/center/forcomedi_hcv.html
- http://kousei-hosp.com/C-PPT.pdf
- https://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/hepatitis_c
- 5. C型肝炎について - 国立国会図書館 リサーチナビ
- http://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/theme-honbun-400257.php
- http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k04/k04_12.html
[★]
- 英
- elbasvir EBR
- 商
- エレルサ