ミチグリニド
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Japanese Journal
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- 薬価基準収載医薬品コード グルベス配合錠 3969102F1020 レセプト電算コード グルベス配合錠 622053601 YJコード グルベス配合錠 3969102F1020 JANコード グルベス配合錠 100錠[10錠×10] 4987051183127 210錠[21錠×10]
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
- 速効型インスリン分泌促進薬/食後過血糖改善薬配合剤
販売名
グルベス配合錠
組成
販売名
有効成分(1錠中含量)
- ミチグリニドカルシウム水和物(10mg)及び日局ボグリボース(0.2mg)
添加物
- タルク,トウモロコシデンプン,ヒドロキシプロピルセルロース,ステアリン酸カルシウム,結晶セルロース,乳糖水和物,三二酸化鉄,黄色三二酸化鉄,無水ケイ酸
禁忌
- 重症ケトーシス,糖尿病性昏睡又は前昏睡,1型糖尿病の患者[輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない。]
- 重症感染症,手術前後,重篤な外傷のある患者[インスリンによる血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照)
効能または効果
- 2型糖尿病
ただし,ミチグリニドカルシウム水和物及びボグリボースの併用による治療が適切と判断される場合に限る。
- 糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮すること。糖尿病以外にも耐糖能異常・尿糖陽性等,糖尿病類似の症状(腎性糖尿,甲状腺機能異常等)を有する疾患があることに留意すること。
- 本剤を2型糖尿病治療の第一選択薬として用いないこと。
- 原則として,既にミチグリニドカルシウム水和物として1回10mg,1日3回及びボグリボースとして1回0.2mg,1日3回を併用し状態が安定している場合,あるいはミチグリニドカルシウム水和物として1回10mg,1日3回又はボグリボースとして1回0.2mg,1日3回の単剤の治療により効果不十分な場合に,本剤の使用を検討すること。
- ミチグリニドカルシウム水和物の治療により効果不十分な場合の本剤使用に関する臨床試験を実施しておらず,有効性及び安全性に関する成績は限られている。
- 本剤投与中において,本剤の投与がミチグリニドカルシウム水和物及びボグリボースの各単剤の併用よりも適切であるか慎重に判断すること。
- 通常,成人には1回1錠(ミチグリニドカルシウム水和物/ボグリボースとして10mg/0.2mg)を1日3回毎食直前に経口投与する。
- ミチグリニドカルシウム水和物は,食後投与では速やかな吸収が得られず効果が減弱する。効果的に食後の血糖上昇を抑制するため,本剤の投与は毎食直前(5分以内)とすること。また,ミチグリニドカルシウム水和物は投与後速やかに薬効を発現するため,食前30分投与では食前15分に血中インスリン値が上昇し食事開始時の血糖値が低下することが報告されており,食事開始前に低血糖を誘発する可能性がある。
慎重投与
- 肝機能障害のある患者[肝臓はミチグリニドカルシウム水和物の主代謝臓器の1つであるため,低血糖を起こすおそれがある。また,肝機能障害のある患者においては肝機能障害を悪化させるおそれがある。肝機能障害のある患者は代謝状態が変化することがあるため血糖管理状況が大きく変化するおそれがある。重篤な肝硬変例で,高アンモニア血症が増悪し意識障害を伴うことがある。]
- 腎機能障害のある患者[ミチグリニドカルシウム水和物は慢性腎不全患者において,血漿中薬物未変化体濃度の消失半減期の延長が報告されていることから,低血糖を起こすおそれがある(「薬物動態」の項参照)。また,腎機能障害のある患者は代謝状態が変化することがあるため血糖管理状況が大きく変化するおそれがある。]
- 次に掲げる患者又は状態
- 虚血性心疾患のある患者[ミチグリニドカルシウム水和物の投与中に心筋梗塞を発症した患者が報告されている。(「副作用」の項参照)]
- 開腹手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者[ボグリボースは腸内ガス等の増加により腸閉塞が発現しやすい。]
- 消化・吸収障害を伴った慢性腸疾患の患者[ボグリボースの作用により病態が悪化することがある。]
- ロエムヘルド症候群,重度のヘルニア,大腸の狭窄・潰瘍等の患者[ボグリボースは腸内ガス等の増加により症状が悪化することがある。]
- 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全のある患者[低血糖を起こすおそれがある。]
- 下痢,嘔吐等の胃腸障害のある患者[低血糖を起こすおそれがある。]
- 栄養不良状態,飢餓状態,食事摂取量の不足又は衰弱状態[低血糖を起こすおそれがある。]
- 激しい筋肉運動[低血糖を起こすおそれがある。]
- 過度のアルコール摂取者[低血糖を起こすおそれがある。]
- 高齢者[一般に高齢者では生理機能が低下している。(「高齢者への投与」の項参照)]
- 他の糖尿病用薬を投与中の患者[低血糖が起こることがある。(「重大な副作用」の項参照)]
重大な副作用
心筋梗塞
頻度不明
- 心筋梗塞の発症が報告されているので,投与に際しては観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
低血糖
頻度不明
- 低血糖症状(眩暈,空腹感,振戦,脱力感,冷汗,意識消失等)があらわれることがある。低血糖症状が認められた場合には,ショ糖ではなくブドウ糖,又は十分量のブドウ糖を含む清涼飲料水等を投与すること。
腸閉塞
頻度不明
- 腹部膨満,鼓腸,放屁増加等があらわれ,腸内ガス等の増加により,腸閉塞があらわれることがあるので,観察を十分に行い,持続する腹痛,嘔吐等の症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
劇症肝炎,肝機能障害,黄疸
いずれも頻度不明
- 劇症肝炎,AST(GOT),ALT(GPT)の上昇等を伴う重篤な肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
意識障害
頻度不明
- 重篤な肝硬変例に投与した場合,便秘等を契機として高アンモニア血症が増悪し,意識障害を伴うことがあるので,排便状況等を十分に観察し,異常が認められた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
薬効薬理
血糖上昇抑制作用
- 健康成人男性を対象として,本剤と標準製剤(ミチグリニドカルシウム水和物10mg及びボグリボース0.2mgの併用投与)をクロスオーバー法によりショ糖負荷直前に経口投与したときの血漿中グルコース濃度を測定した結果,本剤投与時と標準製剤投与時の血糖上昇抑制効果は同等であった3)。
図 健康成人男性におけるショ糖負荷後の血漿中グルコース濃度(平均値+標準偏差)
- ニコチンアミド前処置ストレプトゾトシン誘発2型糖尿病ラットにミチグリニドカルシウム水和物とボグリボースを経口併用投与すると,液体飼料経口負荷後の血糖上昇が抑制され,負荷後の血漿中グルコース濃度―時間曲線下面積値は相加的に低下した(in vivo)17)。
作用機序
ミチグリニドカルシウム水和物
- 膵β細胞のスルホニル尿素受容体への結合を介して,ATP感受性K+チャネル(KATPチャネル)電流を阻害することにより,インスリンの分泌を促進する(in vitro)18,19,20)。
ボグリボース
- ブタ小腸由来マルターゼとスクラーゼに対してアカルボースよりそれぞれ約20倍及び30倍強い阻害作用を示し,ラット小腸由来マルターゼ及びスクラーゼ阻害活性はそれぞれアカルボースの約270倍及び190倍である(in vitro)。一方,ブタ及びラット膵α-アミラーゼに対する阻害作用はアカルボースの約1/3000であり,β-グルコシダーゼに対しては阻害活性を示さない(in vitro)21)。
- ラット小腸由来のスクラーゼ‐イソマルターゼの複合体の二糖類水解酵素に対する阻害様式は競合拮抗的である(in vitro)21)。
有効成分に関する理化学的知見
ミチグリニドカルシウム水和物
一般名
- ミチグリニドカルシウム水和物(Mitiglinide Calcium Hydrate) (JAN)
化学名
- (+)-Monocalcium bis[(2S,3a,7a-cis)-α-benzylhexahydro-γ-oxo-2-isoindolinebutyrate]dihydrate
分子式
分子量
性状
- ミチグリニドカルシウム水和物は白色の粉末である。メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすく,水に溶けにくく,アセトニトリルに極めて溶けにくい。
ボグリボース
一般名
化学名
- 3,4-Dideoxy-4-[2-hydroxy-1-(hydroxymethyl)ethylamino]-2-C-(hydroxymethyl)-D-epi-inositol
分子式
分子量
性状
- ボグリボースは白色の結晶又は結晶性の粉末である。水に極めて溶けやすく,酢酸(100)に溶けやすく,メタノールに溶けにくく,エタノール(99.5)に極めて溶けにくい。0.1mol/L塩酸試液に溶ける。
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ミチグリニドカルシウム水和物(ミチグリニド)、ボグリボース