リナグリプチン
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リナグリプチン
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IUPAC命名法による物質名 |
IUPAC名
8-[(3R)-3-aminopiperidin-1-yl]-7-(but-2-yn-1-yl)-3- methyl-1-[(4-methylquinazolin-2-yl)methyl]-3,7-dihydro-1H-purine-2,6-dione
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臨床データ |
投与方法 |
経口 |
薬物動態データ |
代謝 |
肝 (CYP3A4- mediated) |
半減期 |
96 to 113 h |
識別 |
ATCコード |
A10BH05 |
化学的データ |
化学式 |
C25H28N8O2 |
分子量 |
472.54 g/mol |
SMILES
-
CC#CCN1C2=C(N=C1N3CCC[C@H](C3)N)N(C(=O)N(C2=O)CC4=NC5=CC=CC=C5C(=N4)C)C
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リナグリプチン(Linagliptin)は、ジペプチジルペプチダーゼ阻害薬に分類される経口血糖降下薬である。ジペプチジルペプチダーゼはインクレチンの分解などに関係する酵素であり、これを阻害することにより血中のグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)の濃度を高め、血清インスリン濃度の上昇 および 血糖値の低下をもたらすと考えられている。日本では商品名トラゼンタで、日本イーライリリーおよび日本ベーリンガーインゲルハイムから販売されている。
GLP-1アナログ製剤と同じくインクレチン関連薬に分類される。SU剤に代表される経口血糖降下薬に比べて、低血糖のリスクが少ないと言われている。副作用としては、腹部膨満・便秘・浮腫などが報告されている。
ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)によって分解されるGLP-1以外のペプチド基質については、DPP-4の項を参照されたい。
リナグリプチンを含むDPP-4 阻害薬は、癌リスク上昇と関連していなかった旨が報告されたが、解析に用いられた研究の試験期間は二年以下と短い。故に、長期的な癌リスクは、現時点では明らかではないと考えるべきである。
効能・効果
2型糖尿病
参考文献
- 添付文書 トラゼンタ 健康成人男性における空腹時単回経口投与後の血漿中濃度半減期が記載されている。
- “Clinical pharmacokinetics and pharmacodynamics of linagliptin”. Clin Pharmacokinet 51 (7): 411–27. (2012). doi:10.2165/11630900-000000000-00000. PMID 22568694. 薬物動態に関して記載されている。
- “Safety of dipeptidyl peptidase-4 inhibitors: a meta-analysis of randomized clinical trials”. Curr Med Res Opin 27 Suppl 3: 57–64. (2011). doi:10.1185/03007995.2011.602964. PMID 22106978. 副作用(心臓血管系・癌・膵炎)に関して記載されている。
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- DPP-4阻害薬リナグリプチン(トラゼンタ^【○!R】)の薬理学的特性および臨床成績
- 大村 剛史,林 直之,Jeffrey Encinas
- 日本薬理學雜誌 = Folia pharmacologica Japonica 139(4), 174-183, 2012-04-01
- … リナグリプチン(トラゼンタ®)は,ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)に対して選択性が高く,長時間持続性の強力なDPP-4阻害薬である.In vitro試験において,リナグリプチンは競合的であり,かつ可逆的にヒトDPP-4を阻害する.DPP-4を高発現させたCaCo-2細胞抽出物中の膜結合型DPP-4に対して阻害作用(IC50=1 nM)を示し,ヒトの血漿中においても同様の阻害活性(IC50=3.6 nM)を示した.また,in vivoにおいても,種々の …
- NAID 10030572578
- 新薬レビュー Linagliptin(リナグリプチン) : トラゼンタ錠 日本ベーリンガーインゲルハイム 日本イーライリリー
- 新薬くろ~ずあっぷ(133)トラゼンタ錠5mg(リナグリプチン)
Related Links
- トラゼンタとは?リナグリプチンの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。 すべての副作用を掲載しているわけではありません。
- 2011年7月1日、DPP-4阻害薬のリナグリプチン(商品名トラゼンタ錠5mg)が製造承認を… ... おすすめ情報 パンデミックに挑む 韓国で流行が拡大中のMERS(中東呼吸器症候群)の最新ニュースを速報中! 学会速報 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
- 胆汁排泄型選択的DPP-4阻害剤
−2型糖尿病治療剤−
販売名
トラゼンタ錠5mg
組成
成分・含量
添加物
- D-マンニトール、部分アルファー化デンプン、トウモロコシデンプン、コポリビドン、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン、タルク、マクロゴール6000NF、三二酸化鉄
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者
[輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤を投与すべきでない。]
- 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者
[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]
効能または効果
- 2型糖尿病(ただし、食事療法・運動療法のみで十分な効果が得られない場合に限る。)
- 通常、成人にはリナグリプチンとして5mgを1日1回経口投与する。
慎重投与
- 次に掲げる患者又は状態
[低血糖を起こすおそれがある。]
- 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
- 栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態
- 激しい筋肉運動
- 過度のアルコール摂取者
重大な副作用
*低血糖症(0.7%)
- 本剤の投与により低血糖症があらわれることがある。なお、他のDPP-4阻害剤で、スルホニルウレア剤との併用で重篤な低血糖症があらわれ、意識消失を来たす例も報告されている。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。
[「慎重投与」、「重要な基本的注意」及び「相互作用」の項参照]
薬効薬理
作用機序23)
- リナグリプチンはジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)の競合的かつ可逆的な選択的阻害剤である。DPP-4は膜結合型プロテアーゼのひとつで、腎臓、肝臓、腸、リンパ球及び血管内皮細胞など多くの組織において広く発現している。DPP-4の生理的基質のうち重要なものはインクレチンと呼ばれるグルカゴン様ペプチド1(GLP-1)とグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)である。DPP-4のペプチダーゼ活性を阻害することにより、これらの内因性インクレチンホルモンレベルの上昇によりインスリン分泌が上昇し、グルカゴン放出が抑制される。23)GLP-1とGIPはいずれも、強力なグルコース依存性インスリン分泌刺激作用を発揮し、この作用により食後の血糖コントロールを改善する。
薬理作用
DPP-4阻害作用1、24)
- ヒトDPP-4(血漿、Caco-2細胞由来)の活性を選択的に阻害する(IC50値:1〜3.6nM)(in vitro)。24)
- リナグリプチンの持つ薬物動態特性により、血漿中のDPP-4活性に対する阻害作用(80%以上)は24時間持続する。1)
耐糖能及び糖代謝改善作用24、25、26)
- 正常動物において、GLP-1とインスリンの分泌を増大し、グルコース負荷試験による血糖値上昇を有意に抑制した。24)
- 2型糖尿病を示す数種の糖尿病モデル動物(db/dbマウス、肥満Zucker Fattyラット、ZDFラット)においても、グルコース負荷試験による血糖値上昇を有意に抑制した。24)
- 重度のインスリン抵抗性を持つdb/dbマウスにおいて、HbA1cを有意に低下した。25)
- 日本人の2型糖尿病患者において、血中GLP-1濃度を増加させ、血糖値を低下させた。26)
有効成分に関する理化学的知見
分子式
分子量
性状
融点
分配係数
★リンクテーブル★
[★]
商品
[★]
- 英
- linagliptin
- 商
- トラゼンタ
- 関
- 糖尿病用剤
- トラゼンタ(日本ベーリンガーインゲルハイム、日本イーライリリー)は胆汁排泄型であるため、腎機能による減量は不要らしいが。