- 英
- mitiglinide
- 化
- ミチグリニドカルシウム mitiglinide calcium、ミチグリニドカルシウム水和物 mitiglinide calcium hydrate
- 商
- グルファスト、グルベス配合
- 関
- 糖尿病治療薬、グリニド系薬
- 糖尿病用剤
適応
- 2型DMにおける食後血糖の改善:食事療法+運動療法±α-GI・ジアゾリジン系薬で改善しない場合
禁忌
- 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡、または前昏睡、1型糖尿病、重症感染症、手術前後、重篤な外傷、妊婦
添付文書
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3969008F1029_2_09/3969008F1029_2_09?view=body
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ミチグリニド
|
IUPAC命名法による物質名 |
(2S)-2-benzyl-4-[(3aR,7aS)-octahydro-2H-isoindol- 2-yl]-4-oxobutanoic acid |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
? |
法的規制 |
劇薬 指定医薬品 処方せん医薬品 |
投与方法 |
経口 |
薬物動態的データ |
血漿タンパク結合 |
97%[1] |
代謝 |
肝臓,腎臓[2] |
半減期 |
1.2hr[3] |
識別 |
CAS登録番号 |
207844-01-7 |
ATCコード |
A10BX08 |
PubChem |
CID 121891 |
ChemSpider |
108739 |
化学的データ |
化学式 |
C19H25NO3 |
分子量 |
315.41 g/mol |
SMILES
- O=C(O)[C@@H](Cc1ccccc1)CC(=O)N3C[C@H]2CCCC[C@H]2C3
|
InChI
-
InChI=1S/C19H25NO3/c21-18(20-12-15-8-4-5-9-16(15)13-20)11-17(19(22)23)10-14-6-2-1-3-7-14/h1-3,6-7,15-17H,4-5,8-13H2,(H,22,23)/t15-,16+,17-/m0/s1
Key:WPGGHFDDFPHPOB-BBWFWOEESA-N
|
ミチグリニド は、グリニド系経口血糖降下薬の一つ。2型糖尿病の治療に用いられる[4]。
ミチグリニドは、SU受容体(スルフォニルウレア受容体)を刺激し、膵臓β細胞からインスリンを放出させるグリニド系に分類される。ミチグリニドのカルシウム水和物が製剤化され[5]、日本、ヨルダン、韓国で発売されている[6]。日本では武田薬品工業とキッセイ薬品工業から、「グルファスト」として同一ブランド名で併売されている[5]。
薬理
ミチグリニドは膵臓β細胞表面のSU受容体に結合し、ATP感受性K+チャネルを閉じ、細胞電位を脱分極させ、電位依存性Ca2+チャネルを開ける。Ca2+チャネルを通じて、細胞外から細胞内へカルシウムイオンが流入し、インスリンを分泌させる[7]。SU薬と比べ、作用時間が短く、低血糖症状を起こしにくい。
用法・用量
ミチグリニドカルシウム水和物として、1回10mgを、1日3回、食直前に服用する。症状に合わせ、用法用量を増減する[8]。
脚注
- ^ キッセイ薬品(2010)p.34
- ^ キッセイ薬品(2010)p.36
- ^ キッセイ薬品(2010)p.28
- ^ Malaisse WJ (October 2008). “Mitiglinide: a rapid- and short-acting non-sulfonylurea insulinotropic agent for the treatment of type 2 diabetic patients”. Expert Opin Pharmacother 9 (15): 2691–8. doi:10.1517/14656566.9.15.2691. PMID 18803455. http://www.informapharmascience.com/doi/abs/10.1517/14656566.9.15.2691.
- ^ a b キッセイ薬品(2010)p.1
- ^ キッセイ薬品(2010)p.62
- ^ キッセイ薬品(2010)p.22
- ^ キッセイ薬品(2010)p.7
参考文献
- キッセイ薬品工業 (2010年11月). “医薬品インタビューフォーム:グルファスト錠5mg,グルファスト錠10mg (PDF)”. 医薬品医療機器総合機構. 2011年3月25日閲覧。
Japanese Journal
- ミチグリニドカルシウムニ水和物によるグルコキナーゼの核外移行促進による肝糖代謝促進
- 透析糖尿病患者におけるミチグリニド長期投与の有用性と安全性の検討
- 小松 まち子,南 幸,水口 潤,川島 周,島 健二
- 日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy 41(7), 429-435, 2008-07-28
- … 維持血液透析中の糖尿病患者28名(前投薬なし5名,ほかの糖尿病薬からの変更23名)にミチグリニドを1年以上継続投与し,ミチグリニド長期投与の有効性と安全性を検討した.前治療別のミチグリニドの有効性の検討:前投薬のない群(5例),ナテグリニド(9例),少量のインスリン(2例)およびボグリボース(1例)からの変更では良好なコントロールが得られたが,スルホ …
- NAID 10024364359
- 薬物療法 経口抗糖尿病薬 速効型インスリン分泌促進薬 種類とその特徴 (新時代の糖尿病学(3)病因・診断・治療研究の進歩) -- (糖尿病治療学の進歩)
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
グルファスト錠5mg
組成
販売名
有効成分(1錠中含量)
添加物
- タルク,トウモロコシデンプン,ヒドロキシプロピルセルロース,ステアリン酸カルシウム,結晶セルロース,乳糖水和物,無水ケイ酸
禁忌
- 重症ケトーシス,糖尿病性昏睡又は前昏睡,1型糖尿病の患者[輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない。]
- 重症感染症,手術前後,重篤な外傷のある患者[インスリンによる血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照)
効能または効果
- 2型糖尿病における食後血糖推移の改善
ただし,下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。
- 食事療法・運動療法のみ
- 食事療法・運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用
- 食事療法・運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用
- 糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮すること。糖尿病以外にも耐糖能異常・尿糖陽性等,糖尿病類似の症状(腎性糖尿,老人性糖代謝異常,甲状腺機能異常等)を有する疾患があることに留意すること。
- 糖尿病治療の基本である食事療法・運動療法を行っている患者,食事療法・運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤又はチアゾリジン系薬剤を使用している患者では,投与の際の空腹時血糖が126mg/dL以上,又は食後血糖1又は2時間値が200mg/dL以上を示す場合に限る。
- 通常,成人にはミチグリニドカルシウム水和物として1回10mgを1日3回毎食直前に経口投与する。なお,症状により適宜増減する。
- 本剤は,食後投与では速やかな吸収が得られず効果が減弱する。効果的に食後の血糖上昇を抑制するため,本剤の投与は毎食直前(5分以内)とすること。また,本剤は投与後速やかに薬効を発現するため,食前30分投与では食前15分に血中インスリン値が上昇し食事開始時の血糖値が低下することが報告されており,食事開始前に低血糖を誘発する可能性がある。
慎重投与
- 肝機能障害のある患者[肝臓は本剤の主代謝臓器の1つであるため,低血糖を起こすおそれがある。また,肝機能障害のある患者においては肝機能障害を悪化させるおそれがある。]
- 腎機能障害のある患者[慢性腎不全患者において,血漿中薬物未変化体濃度の消失半減期の延長が報告されていることから,低血糖を起こすおそれがある。(「薬物動態」の項参照)]
- 次に掲げる患者又は状態
- 虚血性心疾患のある患者[心筋梗塞を発症した患者が報告されている。(「副作用」の項参照)]
- 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全のある患者[低血糖を起こすおそれがある。]
- 下痢,嘔吐等の胃腸障害のある患者[低血糖を起こすおそれがある。]
- 栄養不良状態,飢餓状態,食事摂取量の不足又は衰弱状態[低血糖を起こすおそれがある。]
- 激しい筋肉運動[低血糖を起こすおそれがある。]
- 過度のアルコール摂取者[低血糖を起こすおそれがある。]
- 高齢者[一般に高齢者では生理機能が低下している。(「高齢者への投与」の項参照)]
重大な副作用
心筋梗塞(0.1%)
- 心筋梗塞の発症が報告されているので,投与に際しては観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
低血糖
- 低血糖症状(眩暈,空腹感,振戦,脱力感,冷汗,意識消失等)があらわれることがある。低血糖症状が認められた場合には,ショ糖,ブドウ糖,又は十分量のブドウ糖を含む清涼飲料水等を投与すること。ただし,α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合には,α-グルコシダーゼ阻害剤がニ糖類の消化・吸収を遅延するので,ショ糖ではなく,ブドウ糖を投与するなど適切な処置を行うこと。また,1回5mgへの減量を検討するなど慎重に投与すること。
肝機能障害
- AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTPの著しい上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
薬効薬理
血糖上昇抑制作用
- 2型糖尿病患者20名において,二重盲検クロスオーバー法を用いて,単回投与試験を行った。本剤10mg投与により食後早期のインスリン追加分泌が促進され,血糖上昇が抑制された17)。
図 2型糖尿病患者における血中インスリン値(平均値±標準偏差)
図 2型糖尿病患者における血糖値(平均値±標準偏差)
- ストレプトゾトシン誘発糖尿病モデルラットにミチグリニドカルシウム水和物を経口投与すると,速効性のインスリン分泌促進作用により,液体飼料経口負荷後の血糖上昇が抑制され,負荷後の血漿中グルコース濃度-時間曲線下面積値は低下した(in vivo)18,19)。
作用機序
- ミチグリニドカルシウム水和物は,膵β細胞のスルホニル尿素受容体への結合を介して,ATP感受性K+チャネル(KATPチャネル)電流を阻害することにより,インスリンの分泌を促進する(in vitro)20,21,22)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- ミチグリニドカルシウム水和物(Mitiglinide Calcium Hydrate) (JAN)
化学名
- (+)-Monocalcium bis[(2S,3a,7a-cis)-α-benzylhexahydro-γ-oxo-2-isoindolinebutyrate]dihydrate
分子式
分子量
性状
- 白色の粉末である。メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすく,水に溶けにくく,アセトニトリルに極めて溶けにくい。
★リンクテーブル★
[★]
- 同
- グリニド系薬剤
- 関
- 糖尿病治療薬
[★]
ミチグリニドカルシウム水和物(ミチグリニド)、ボグリボース
[★]
ミチグリニド
- 関
- mitiglinide calcium、mitiglinide calcium hydrate
[★]
- 英
- mitiglinide calcium hydrate
- 関
- ミチグリニド