- 英
- nevus, birthmark
- ラ
- naevus
- 同
- あざ
定義
- 遺伝的ないし胎生的素因に基づき、生涯のさまざまな時期に発現し、きわめて徐々に発育し、皮膚の色調あるいは形の異常を主体とする限局性の皮膚の奇形
分類
由来による分類
- A. メラノサイト系母斑(神経堤由来):
- B. 上皮細胞系母斑
- C. 間葉細胞系母斑
-
- 通常型
- 特殊型
WordNet
- a blemish on the skin that is formed before birth (同)nevus
PrepTutorEJDIC
- (出生時からはだにある)あざ,ほくろ
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/03/06 23:38:59」(JST)
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母斑(ぼはん)とは、皮膚の奇形を表す言葉である。ただし、世間的には母斑=ホクロ、母斑=血管腫という意味合いで使われてしまっていることが多い。日本では慣用的に母斑症(phakomatosis)との診断名でまとめられることも多いが、phakomatosisという病名は国際的には使われない方向にある[1]。
目次
- 1 母斑の医学的意味
- 2 母斑の例
- 3 治療
- 4 出典
- 5 関連項目
母斑の医学的意味
遺伝的または胎生的要因により、神経堤に生じた発生異常(異常増殖)が原因で、メラニン細胞にもシュワン細胞にも分化できなかった分化能力不充分な細胞[2]による皮膚の奇形をいう。細胞自体は異常はないが、ある特定の細胞数が通常の場合より多かったり少なくなったりする。なお、皮膚以外の他の器官にも母斑性病変が生じる場合があり、それを母斑症(ぼはんしょう)と呼ぶ。内部リンク参照のこと。
組織学的には
- 境界母斑 - 母斑細胞は表皮真皮接合部に限局している
- 真皮内母斑 - ほぼ完全に真皮に限局している
- 複合母斑 - 表皮真皮接合部および真皮内にメラニン細胞の細胞巣
に3分類される。
多くは真皮内母斑であるが、境界母斑からは高率に悪性黒色腫に変化するとされている[2]。特に、有毛性で直径20cmを越える巨大な母斑細胞母斑は獣皮様母斑と呼ばれ、悪性黒色腫を発生しやすいとされている[1]。
アメリカ合衆国でのコホート研究によれば、既知の乳癌危険因子で調整した上で、母斑数を層別化し乳癌相対リスクを求めた結果、 母斑数が血漿ホルモン値を反映し、母斑数が多い女性の乳癌リスクは高かったとする報告がある[3]。
母斑の例
- 表皮母斑
- 脂腺母斑
- 色素性母斑(ホクロ)
- 蒙古斑
- 青色母斑
- 太田母斑
- 伊藤母斑
- 血管腫(ポートワイン母斑・苺状血管腫)
- リンパ管腫
- 貧血母斑
- 結合織母斑
治療
レーザー療法
ポートワイン母斑と呼ばれる赤あざ、赤ちゃんにもできるもりあがった赤あざ・イチゴ状血管腫、顔にできる青あざの太田母斑、蒙古斑、茶色いあざ・扁平母斑、黒子が集まったような色素性母斑。これらのあざの種類や治療の段階によって、使用するレーザーは異なる。数ヶ月おきにレーザー照射を繰り返すことであざはだんだんとうすくなってゆく[4]。
出典
- ^ a b 母斑と神経皮膚症候群 北海道大学 大学院医学研究科・医学部 皮膚科 (PDF)
- ^ a b 外耳の母斑細胞母斑2症例 臨床耳科 Vol.14 (1987) No.1 p438-439
- ^ ほくろが多いほど乳癌になりやすい -母斑数は女性ホルモンレベルを反映、コホートの前向き解析の結果- 日経メディカルオンライン 記事:2014年6月30日
- ^ “葛西形成外科”. あざの治療. 葛西形成外科. 2011年8月17日閲覧。
関連項目
- 皮膚科学:代表的疾患・検査が列記されている。リンクが網羅されている。
- 良性腫瘍
- 悪性腫瘍
- 奇形
- 腫瘍
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Japanese Journal
- 症例報告 頭部脂腺母斑に有棘細胞癌,基底細胞癌と毛芽腫を併発した1例
- 伊東 可寛,小林 孝志,白樫 祐介 [他]
- 臨床皮膚科 = Japanese journal of clinical dermatology 69(4), 307-312, 2015-04
- NAID 40020414283
- 脈絡膜母斑と脈絡膜悪性黒色腫 (硝子体・網膜病変の診かた : 私はこう診る) -- (腫瘍性疾患/炎症性疾患/外傷)
- ナンセンス変異によるPTCH1遺伝子を伴った母斑基底細胞症候群の1例
- 浜田 勇人,古賀 陽子,虻川 東嗣 [他]
- 日本口腔外科学会雑誌 = Japanese journal of oral and maxillofacial surgery 61(2), 120-124, 2015-02
- NAID 40020380304
- 掌蹠の色素性母斑,特に色素性母斑については掌と蹠は分けて評価すべきでは? (第113回日本皮膚科学会総会 皮膚科の職人魂) -- (皮膚かたち講習会 : ダーモスコピー(アドバンスド),電顕)
- 名嘉眞 武国
- 日本皮膚科学会雑誌 = The Japanese journal of dermatology 124(13), 3002-3004, 2014-12
- NAID 40020297752
Related Links
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- また、あざに一致するような病変が皮膚だけではなく、神経や内臓、運動器官などに 同時に生じて一つのまとまった病像を呈するものは母斑症と呼ばれ、注意が必要です。 下のテーブルの中の病名は説明とリンクしています。説明部分の黒字は心配の無い もの、 ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- Mongolian spot, mongolian macula
- 同
- Mongolian斑、小児斑
- 関
- 母斑、メラノサイト系母斑、真皮メラノサイト系母斑
概念
- 新生児仙骨部や腰殿部に見られる青色斑であり、真皮のメラノサイトの増殖による。
疫学
- 蒙古人種では100%存在する。
- 白人では10%以下
病因
- 胎生期に神経堤より発生したメラノサイトは皮膚に遊走し、表皮で増殖分化した後表皮基底層に移動する。本疾患は文化が遅れて表皮に異常遺残したものである。
病理
治療
- 通常、必要ない。広範囲、あるいは異所性の場合は2歳までに色素レーザーによるレーザー治療を行う。
予後
[★]
- 英
- sebaceous nevus
- ラ
- nevus sebaceus
- 同
- 類器官母斑 organoid nevus、ヤーダッソン母斑 Jadassohn nevus
- 関
- 母斑、上皮細胞系母斑。脂腺母斑症候群 nevus sebaceus syndrome
- 脂腺が主体の母斑。
- 表皮、付属器、結合組織の異常増殖による。
- 生まれつき存在
- 頭部、顔面に好発
- 病期は3つに分けられる。
- 加齢とともに皮脂腺の肥大と増殖が認められる
- 加齢とともに基底細胞癌など悪性腫瘍のリスクが高まる
- 思春期までの外科的切除が好ましい
[★]
- 英
- Ota's nevus、nevus of Ota
- ラ
- nevus Ota
- 同
- 眼上顎褐青色母斑 nevus fuscoceruleus ophthalmomaxillaris、褐青色母斑 nevus fuscoceruleus、眼皮膚メラノサイトーシス oculodermal melanocytosis
- 関
- 母斑、メラノサイト系母斑、真皮メラノサイト系母斑
国試
[★]
- 英
- Maffucci syndrome, Maffucci's syndrome
- 同
- マフッチ-カスト症候群 Maffucci-Kast syndrome、軟骨形成異常-皮膚色素異常症候群 cutaneous dyschondroplasia-dyschromiasyndrome、軟骨形成異常血管腫症 dyschondroplasia with hemangiomas
- 関
- 内軟骨腫
- 関
- blue rubber bleb syndrome
[★]
- 英
- giant hairy nevus
- 同
- 巨大色素性母斑, giant pigmented nevus, naevus pigmentosus piliferus
- 関
- 母斑、色素性母斑
参考
- http://www.mch.pref.osaka.jp/byouin/sinryou/geka-kei/keisei/syourei/pn/index.html
[★]
- 英
- nevoid basal cell carcinoma syndrome
- 関
- 基底細胞母斑症候群、ゴーリン症候群、母斑基底細胞癌症候群
[★]
- 英
- basal cell nevus syndrome
- 関
- ゴーリン症候群、母斑性基底細胞癌症候群
[★]
- 英
- nevoid basal cell carcinoma syndrome
- 関
- 母斑性基底細胞癌症候群
[★]
- 英
- nevus of Ito
- 関
- 肩峰三角筋部褐青色母斑、太田母斑
[★]
- 英
- macula
- 関
- 発疹